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月の麓に集まって 第九話「再集結」
フェンリル視点
わんこに助けてもらってすぐ僕は家に帰った
本当ならバスで帰るところを家まで走った
スマホの日付は僕が思っていたより1日進んでいる
LI◯Eの通知も溜まりに溜まっている
親にどれだけ心配をかけてしまったんだろうか
僕が家に着いた時には既に日付が変わっていた
玄関のインターホンを鳴らすと両親が泣きながら飛び出してきた
「こんな遅くまでどこ行ってたのよ!」
「心配したんだからね!」
「警察にも連絡したんだぞ」
「でも無事でよかったよ」
僕はごめんなさいと繰り返した
あとでどこに行っていたのか執拗に聞かれたが、本当のことを話しても信じてもらえないだろうと思った
そのため電車に乗り間違えて全く知らない場所にいたというバレバレすぎる嘘でなんとか乗り越えた
ほんとなんでこれでいけるんだよ
『ごめん今家に帰った』>
『心配かけちゃった』>
メッセージを少し巡ってみると、月ノ里駅前の神社まで2人は僕を探しに来てくれていたみたいだ
申し訳ないが、どこに行っていたのか聞かれてしまったら2人にもあの嘘を突き通すしかない
返信を終えると急いで風呂に入り夜食という名の夕食を食べ布団に潜った
こんな時間に帰ってきたからと言って明日学校を休むわけには行かない
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次の日、beriといつも合流する駅でberiと会った
その直後にFlareもやってきた
3人で電車に乗り込むと満員電車なんてお構いなしにやはり2人は聞いてきた
「どこ行ってたの!」
「私心配したんだからね」
beriはそう言って僕のリュックを渡してくれた
「ありがとう…」
「電車乗り間違えて全然知らない場所まで行っちゃって…」
「そうだったんだ」
Flareが言った
作戦成功だ
「待ってFlareよく考えてみてよ」
「このリュック月ノ里駅で拾ったんだよ?おかしくない?」
しまった
そこまで考えられていなかった
何も言えず立ち尽くす僕を見てberiは呆れたような顔をする
「別のところ行ってたんじゃないの?」
「私知ってんだからね」
Flareはそれを聞いてもキョトンとした顔を浮かべていて、唯一何も知らないようだった
僕はberiとの個人チャットを開く
『Flareは知らない?』>
<「多分知らない」
<「まだ話さなくていいよ」
『分かった』>
「えっと…2人ともどうしたの?」
「てかberiは話してくれるって言ったよね」
beriはやってしまったと苦笑いをしながらこちらに目を合わせた
いやいや、僕何も知りませんからね
そして電車は止まり、学校へ向かった
校舎に入り階段を登ってberiと一緒に3組の教室へ行くFlareを見送る
「フェンリル、誰に出口まで案内してもらったの?」
Flareが見えなくなった途端にberiは聞いてきた
「誰って言われても…犬だったよ」
「わんこって名前付けた」
「犬にわんこってそのままじゃん」
本当にその通りだけども
あの時は何も思いつかなかったんだからしょうがない
beriがまだ何か言いたげに口を開くも担任が教室へ入ってきた
空気がなんだか重くなる
僕がいないうちに何かあったのかと思ったが、担任の顔を見たらすぐに分かった
眉間に寄ったシワに、山のように曲がった口
誰がどう見ても不機嫌そうに見える
「どうしたんだろ」
「私もわからない…」
みんなが空気を読んで自席に戻りだす
それを見てberiと僕も席に着いた
「えー、朝のST始めます」
「最近物騒な事件が多いらしいですね」
「みんな気を付けて下さい」
「本日から通常授業が始まりますから気を引き締めて受けるように」
先生はそう言って出席確認をし始める
胸ポケットにボールペンをしまうと無言で教室を出ていってしまった
「後藤先生今日どうしたの?」
「もしかしてあれが本性?」
ぬるっと朝のSTが終わり教室がざわめき出す
僕は席を立ちberiの座席へと向かった