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月の麓に集まって 第一話「新学期のあの日」
月下人狼の新二次創作
やっと再開します
beri視点
透き通るような青空
少しばかり暖かく熱を持った風
鳥の影が目の前を過ぎる
キーンコーンカーンコーン
私は高校に上がって、初めての進級を迎えた
つまりは高校2年生になったのだ
「今年も一緒のクラスになれたね!べり!」
去年から仲良くしてるフェンリルだ
出席番号が遠いせいで、座席は距離があるのだが…
「このあとどっかいこーよー!」
大きな声を出してこちらまで届く声量で話しかけてくる
「先生来るからちょっと黙ってろって…!」
私がそう言い終えたタイミングだった
沈黙に教室のドアが擦れる音が響く
「はじめまして」
「2年1組を担当することになりました、後藤です」
全く顔も見たことのない先生だ
今年から入ってきたのだろうか
後藤先生は後ろを向くと新品のチョークを手に取った
黒板には|後藤 貴之《ごとう たかゆき》と書かれている
「1年間よろしくお願いします」
なぜかあまりいい気はしなかった
去年も男の先生だったから?
クラスに華がねぇってか!
そんな事を考えていた
休み時間に入ると真っ先にフェンリルがこちらに向かってきた
正直、私は今年こそ新しい友達を作りたいと思っている
なのでフェンリルをちょっと無視さえしようと思っていた
「ねえべり僕あの人と話してみたい」
そう言ってフェンリルが目配せした先にいたのは時雨だった
私は去年委員会が一緒で名前だけ知っていたが、あまり話したことはなかった
フェンリルにとっては初対面なのになぜこんなことを急に言いだしたんだろう
「あそこの自己紹介カード見て?」
時雨の名前が書かれた自己紹介カードの趣味の欄には見覚えのあるゲームが書かれていた
確かフェンリルが好きだったはずだ
私はそういうことかいと少しがっかりしたような気でいた
「おーい!フェンリルもべりもいんじゃんここ」
「俺マジで最悪だわ」
話を割るように来たのはFlareだ
2年1組にFlareはいなかったはずだが…
「マジで聞いてほしいんだけどさ」
「だーれも知り合いいないんだよ3組」
「俺何かした??」
相当酷いクラスだったんだろう
今までにないくらいの勢いでFlareは話し始めた
「俺1組が良かったーー!!!」
「え、まってここ時雨もいんじゃん」
「もう無理だわ俺」
ここで時雨の名前が出るとは思ってなかった
まさかの友人だったらしい
「Flare時雨知ってんの!?」
「僕あの人と話してみたいんだよね」
フェンリルはそこに食いつきFlareと話始めた
しかし急に周りで話していた人たちがいなくなり、違和感を覚える
私が腕時計を確認した頃にはもう少し遅かった
休み時間終了の鐘が鳴ってしまった
「やべっ俺戻るわ」
Flareは3組の方まで走っていった
フェンリルと急いで席に着く頃、担任が教室に入ってくる
「今日は初日だからね、先生が号令かけますよ」
「はいみんな、起立」
まだ少し休み時間の余韻が残る教室に先生の号令がかかる
なんだか慣れないような気がする
そうして始まった1時間目
まずは自己紹介をするらしい
出席番号順に前に経って自己紹介をしていくパターンらしい
どうしよう
終わった
私はそこまで苗字が早いわけでもないくせに
このクラスにあ行が少なすぎるせいで私の前には片手で数えるほどしか人がいない
そうして焦る私を見ながらフェンリルはニヤついている
あいつ絶対に許さない
「では時雨くんから、どうぞ」
時雨…?
そうか、あいつが一番早いんだ
フェンリルがニヤついていた理由はこれだったのかもしれない
そう思うと少し申し訳なくなってきた
「時雨です」
「ゲームが好きです」
「1年間よろしくお願いします」
そうして担任が先陣を切って拍手をする
それに続いて生徒たちも手を叩く
完璧だ
自己紹介の流れとして申し分ない
名前、趣味、そして挨拶
このまま私のところまで来い!
そう願った
「こ、こんちゃ」
「えぇっと趣味はいっぱいあるんですけど、まあ?特に好きなのは?まあいっぱいあって選べないんですけど?」
「えっと出身中学は…」
終わったーーーー!!!
終わりだ!
名前すら言わず趣味も結局言わず
別に2年生になった今そこまで関係ない出身中学の話を持ち出してきた
頼む次のやつ
お願いだから挽回してくれ
「田中です」
「よろ」
なんだなんだ
なんだんだこれは
妙にスカした若干痛いやつだ
修学旅行の班決めとかで余ったりしそうなやつだ
「次はberiさんかな」
まずい
ぼーっとしていた
何も考えていないし、この流れはまずい
恐る恐る席を立つ
気持ちゆっくり歩いて時間を稼いだが何も頭に浮かばない
その間も足は動き、もう目の前にはおおよそ30人のクラスメイトがいた
「beriです」
「趣味はネイルチップとかゲームとかです」
「よろしくお願いします」
なんだー!とかってなんだよとかって
同じ言葉を2度使うな気持ち悪い!
自己反省会をしながら自席につく
これ、毎年やってる気がする
そうしてその後も続いた自己紹介を聞き終えた
正直言って名前なんてちゃんと覚えてない
はじめの数人以外ね
自分の番が終わると気が抜けて頭に入ってこないものである
キーンコーンカーンコーン
30人の自己紹介をしたんだ
そりゃあ時間だって押すだろう
担任が口を開いた途端にチャイムが鳴ってしまった
「あぁ、えっと、それでは起立」
何か言いたげだったように見えるがなんとか1時間目は終わらせることができた
そして、その後はびっくりするくらい何もなかった
学年集会や教科書の確認があったくらいだ
私はフェンリルとFlareと一緒に家に帰ることにした
年齢操作はゆるしてちょ!!
じゃないと学園系は難しいんでね…