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月の麓に集まって 第二話「異変」
beriはフェンリルとFlareと一緒に家に帰ることにした…
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フェンリル視点
ドキドキワクワクって感じももうないけど
なんとか新学期は始まった
Flareとberiと一緒にいつもの帰り道を歩いている
「ねえ駅前の新しいゲーセン行かない??」
beriが言った
beriのことだからカフェとかご飯かと思ったんだけど
まさかのゲーセン
僕的にはそっちのほうが助かるんだけどね
「いいよ!!いこいこ!!」
割とそのまま帰りたそうにしていたFlareの手を引いてゲーセンに向かった
入店すると同時に耳に響く音楽、効果音…
これゲーセンって感じがして結構好き
新しくできたというだけあって内装はとても綺麗だ
「私これやりたかったの!一緒にやろうよ」
beriがそう言って向かった先にはどこにでもありそうな釣りのゲームがあった
長方形に長く、反対側には同じ制服を着た2人組が見える
「私が誘ったからね〜今日は私の奢りだよ!ちょっと待ってなね」
そう言うとberiはメダル貸出機の方へ行ってしまった
Flareと取り残されてしまったがメダルがなければ何もすることがない
やり方だけでも見ておこうと思い反対側にいる同じ制服を着た二人組に目をやった
「うわーガチミスったあああああ!」
「やばいwwもう奏者コインほとんどないよ?ww」
「Sereが最初に注ぎ込みすぎたせいじゃないのぉ!?」
「違うでしょ!早く帰って勉強しなっていう神からのお告げじゃない?w」
顔を知らないので、多分1年生か3年生なんだと思う
すごく仲の良さそうな2人組だ
「べり戻ってきたよ」
一緒に2人組を眺めていたFlareが口を開いた
べりはメダル用のバケツ3つににいっぱいメダルを詰めて帰ってきた
「すごい量!いくらしたんだよこれ」
「えー?10000円くらい?」
「べり金ないんじゃなかったの…?」
「最近バイト始めたんだよ!さあさあ遊べ遊べ〜」
普段から金がない金がないと喚いていたberiがここまで奮発してくれるなんて思ってなかった
正直期待してなかった
でも!これだけの量で遊べるんだから!
人の金だし楽しまないとね
beriはコインを鷲掴みにすると慣れた手つきでドンドン投入していく
さながらパチカスみたいだ
それに続いて僕もFlareもコインを入れていった
「あーもう!!全部なくなっちゃったじゃんSere!このヘタクソ!」
「だ、だから私のせいじゃないって」
Sereと呼ばれる生徒と目が合った
少し嫌な予感がする
「えっと…そこの君?コツ教えてあげるからさ…ちょっと取引しない?」
Flareとberiと顔を見合わせた
多分コインと引き換えにコツを教えてやろうってことだよね…?
「いいんじゃない?ほらコインいっぱいあるし」
そう言ったのはberiだった
beriに言われたんじゃ仕方がない
beriのお金で買ったコインだしね
「いいですよ」
「何枚欲しいんですか?」
「ガチ!?Sereやるじゃん!!」
「じゃあ30枚くらい!!」
「奏者落ち着いて…」
そうして僕たちはコイン30枚と引き換えにこのゲームのコツを教えてもらった
その後もなんやかんやあって、3時間くらいはこの2人組と一緒に遊んでいた…
「あ、俺そろそろ帰んなきゃ怒られる」
Flareが帰るということで全員一緒にゲーセンを出た
「今日はありがとねー!楽しかったよーー!!」
2人組にもお別れをして3人で駅に向かった
改札を通りホームに出るとちょうど電車が来た
始めにberiが降り、次の駅でFlareが降りる
この3人の中で一番学校から家が遠いのは僕だ
ガタンゴトン
ガタンゴトン
電車が停まるたびに人は減っていく
広々と席が使えるから、こんな電車通学も僕は嫌いじゃない
リュックから英単語帳を取り出し、適当にパラパラ開いてみる
「2年生はここからかな…」
本当に誰もいなくなった電車でなら独り言だって言えてしまう
そこから特に覚えようと単語を見るのではなく、ただただ眺めるように目を滑らせた
「終点です」
僕は単語帳を閉じ、電車を降りた
シーンとした空気
人の気配はほとんどない
まあこんな山の中だもんね
そりゃ誰もいないさ
ずっとこんなところにいるのもどうかと思ってわざわざ遠くの高校を選んだ
そのおかげで通学には片道2,3時間掛かっちゃうんだけどね
家までまだ遠いので、駅前のバス停でバスを待つ
あと30分で来るらしい
1年経ったけれどこのバスを待つ時間は慣れない
なんて言うんだろう、ちょっと怖い気がしちゃう
そして10分ほど経った頃だった
ふと下を向いてみると、自分の立っている場所を中心に黒いもやが広がって見えた
「なにこれ!?」
最初は自分の真上だけ雨でも降り出したかと思った
けどそういうわけではないみたい
もやはだんだん広がっていく
だんだん怖くなって僕はその場から逃げ出した
その時だった
もやは逃げる僕を追いかけるように急激に広がった
次の瞬間僕の視界はガクンと下がった
足に血を踏む感覚がない
僕の背負っていたリュックが頭上に見えた
落ちる
僕は本能的にそう察した