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無邪気な君と未来の願い事。
りょうちゃんごめん。りょうちゃんごめん。りょうちゃんごめん。
4月の春。
時間を大切にしたいのに、
時は無責任に過ぎていく。
そんなある日の帰り道。
❤️「〜♪」
耳にイヤホンをつけて、ポケットに手を入れながら、帰っていた。
目の前には誰もいな…
ドンッ
❤️「ん、?」
目の前で小学2年生くらいの男の子が、つまずいて転けた
💙「痛っだっ、……ッ」
膝は擦りむいて血が滲み出ていた。
目からは大粒の涙が流れ落ち、頬は濡れていた
周りには俺しかいなかった。
❤️「おい、お前大丈夫、?」
💙「ん…?」
男の子はゆっくりと俺の方を見る
❤️「怪我、」
💙「…痛い、っ」
❤️「立てるか?」
💙「んっ」
こんな状態で家に帰れるんだろうか。
しかもまだ小学校低学年の子供が手当ての仕方なんてわかるわけない。
❤️「家帰れんの?」
💙「…わかんないっ、」
💙「とにかくっ…いたいのっ゙…、!!」
❤️「そんなこと言われてもなぁ、」
ここから学校に戻るのは無理だろうし、
怪我してるし、
…あ
❤️「おい、お前。」
💙「…?」
❤️「…俺ん家くる?」
💙「え…?」
❤️「そしたら怪我の手当してやれるけど」
しばらく沈黙が続いたあと、
男この子が泣きながら口を開いた。
💙「でっ、でも……」
💙「しらないひとの家には行っちゃだめって母さんが…っ、」
❤️「あ、あぁ…」
やっべ、そんなこと全然考えてなかった、
でももうこれ以上手段が……
❤️「とりあえず…あそこの公園行くか」
❤️「…歩ける?」
💙「がんばるっ…」
ふぅ。とりあえずなんとかなった…
と思ったのに、急に変なことを言いだした。
💙「ね、ねぇ…」
❤️「何?」
💙「手…つないでほしいっ、」
❤️「は、?」
初対面で手繋ぐってどうにかしてると思うけど
まぁ小学生だし…しょうがないか
❤️「ん、」
俺は《《しょうがなく》》手を差し伸べた。
そうすると男の子は容赦なく手を強く握りしめてきた。
❤️「痛い痛い痛い…笑」
痛い…けど、男の子の表情は「涙」から少し「笑顔」になっていた。
公園に向かう途中、どうしても会話がない空気が気まずすぎて耐えられず、
調子に乗って名前を聞いてしまった。
❤️「名前は?」
💙「…わかいひろとっ、」
❤️「おぉ、いい名前」
いかにも「元気!」みたいな名前だな、
💙「お兄さんの名前はっ…?」
❤️「俺、?」
❤️「大森元貴…だけど」
💙「おおもり…もとき、?」
❤️「うん」
💙「えへへっ、いいなまえ!!」
💙「もとき!!」
あー…こういう性格の人無理かも、
ま、まぁ、まだ決まったわけじゃないし…ね
呼び捨てで呼ばれるのは嫌だから、
一応言っておいた。
❤️「“元貴“じゃなくて“元貴さん“な??」
💙「もとき…さん、?」
💙「分かった!」
--- 数分後 ---
そう話してるうちに公園に着いた。
公園には小学生の子どもがたくさん遊んでいて、
とても騒がしかった。
俺はちなみにこういう場所が嫌い。
❤️「あ、そうじゃん」
❤️「わか……あぁ、何だっけ名前」
💙「わかいひろと!!」
❤️「若井…もうめんどいから滉斗でいいか?」
💙「いいよっ!!」
純粋な子だなぁ…
元気100%って感じ、
ちなみに俺はこういう人が苦手。
❤️「あ、怪我」
滉斗の足から出ていた血は少しずつ固まり始めていた。
❤️「まだ痛い?」
💙「…いたいっ」
❤️「じゃあ…あそこの水道で洗わなきゃね」
💙「うんっ、」
ジャー
❤️「この水道水圧強すぎるだろ、」
💙「……」
❤️「自分でできる?」
💙「…うんっ、」
本当にできるかもわからないのに、滉斗は水道に身を乗り出した。
💙「ん……とどかないっ、」
❤️「自分でできてねぇじゃん」
❤️「ん、膝出して」
💙「うん、」
滉斗の膝に水をかける。
その水は滉斗の靴下くらいまで滴ってしまっていた。
💙「いたっ……」
❤️「もうちょっとだから待って」
膝の手当てが終わり、蛇口を閉めた。
❤️「はい、これで大丈夫」
💙「えっへへ…ありがとっ、!」
❤️「これで家帰れるな?」
💙「うんっ!」
❤️「もう俺のことは忘れろよ。」
💙「……え、」
❤️「ん。じゃーな滉斗」
重たいリュックを再び背負い、立ち上がった。
「じゃーな」とはいったものの、もう会うことは金輪際ないだろう。
そうして俺は滉斗に背を向けた。
彼がさみしい顔をしているのを知らずに―――。
--- 翌日 ---
いつもの朝。
騒がしいのが苦手だから、早い時間に学校に向かう。
まだ通学路には人誰一人いなかった。
ものすごくシーンとしている
❤️「はぁ〜…」
昨日も夜遅くまで勉強してたからかあくびがとまらない。
まぁ誰も見てるわけないし、いいよね
と、歩いて思ってた時だった。
後から誰かが走ってくる音がした。
こんな時間に走ってるなんて珍しいなぁ、
この距離で追い越すのは不可能だろうと思った自分がいた。
だけど、
❤️「は、?」
一瞬だった。
黒色のランドセルが俺の前を越した。
❤️「え、は!?」
しかもその人は昨日の滉斗だった。
なんでこんな時間に…?
というか足早…
絶対バレたくない、
てかあんな速さで走ってたら絶対またこけるだろ…
俺のなかでなぜか「止めないと」という想いが強くあった。
❤️「ちょ、おい!!お前!」
ガッ
いつの間に追いついて、ランドセルを引っ張っていた
💙「うわぁ!?」
あ、やば…引っ張りすぎちゃった
💙「なにすんだよっ!!」
ん、!?怖っ!?昨日より怖くなってない…?
💙「あれ、?もとき、さん…?」
❤️「え、あぁ、うん、」
なんで覚えてんだよ…俺の苦手なタイプの人に限って、
❤️「忘れろっつったじゃん…」
昨日俺が「忘れろ」と言ったのを忘れたように、
ただ純粋に目をキラキラさせて、喜んでいた
💙「!!また会えたっ!!」
💙「いまからがっこう行くのっ!?」
💙「とちゅうまでいっしょに行こーぜっ!!」
あー…最悪話しかけなきゃよかった!!!
一目見ただけでわかる。こいつは陽キャ
高校とか行ったら絶対一軍になるやつ
ああぁ…苦手苦手苦手苦手、
💙「ん!て、つなぐ!!」
❤️「え、ちょ…、俺もう行かなきゃなんだけど、」
💙「とちゅうまでいっしょ!!」
❤️「…わかったよ!!繋げばいいんでしょ繋げば!」
❤️「はい!!」
勢いよく手を差し伸べた
ぎゅっ
昨日と同じように滉斗は俺の手を容赦なく強く握りしめた。
❤️「痛い痛い痛い、」
💙「えっへへ」
あぁ、気まずい。話すことなさすぎる
💙「もときさんっていまなんさい!?」
❤️「…え、」
教えたくないなぁ…なんか変なこと言ってきそう、
💙「おれはね、はっさい!!」
8…ってことは俺と6歳差…?
6歳差の小学生と手繋いで通学路……
過去1かってくらい恥ずかしかった。
💙「ねえねえ!もときさんは!!」
❤️「は、?教えるわけねぇじゃん…」
💙「えぇ…!おしえてよぉっ!」
❤️「……」
その後少し揉め合い、結局8歳の無邪気さに負けて、教えることになってしまった
❤️「__14…だけど、__」
💙「じゅうよんさいっ…!?」
💙「すげー!!かっけぇ!!」
❤️「何がかっこいいんだよ…」
はぁ…早く学校着かないかな
そろそろ走って学校行かないと誰か来ちゃうよなぁ
と、思っていると目の前に小学校が見えた。
❤️「んねぇ…あそこの学校通ってんの、?」
💙「ん?うん!!」
良かったぁ…やっと解放される、
❤️「ふぅ…ほら、着いたぞ」
💙「…またいっしょに行ってねっ!!」
❤️「は、?え、ぁ…うん、?」
💙「ばいばいっ!もときさんっ!!」
滉斗は「ばいばい」と言った後、
桜の花びらが舞い上がっている正門を通っていった。
❤️「はあああああぁ……」
やっと片手が解放された
明日もっと早く家出なきゃな、
ふと小学校の時計を遠くから見た
時計は7時45分を指していた。
❤️「やっべ…絶対もう教室誰かいる…」
❤️「…最悪」
できるだけ早く着きたくて、
通学路をとにかくいそいで走った
ただでさえ風が吹いている季節なのに
走ると顔に風が当たってもっと寒くなる
--- 学校 ---
❤️「な…なんとか着いた、」
時刻は8時。
もちろん教室に人はいて、入るのは鬼気まずかった
❤️「__っ…おはようございま、す__」
クラスの視線が一気に俺に集まる
あ、あれー…?なんかいつもより視線が多い気が、?
ゆっくりと椅子に座ると、急に話しかけられた
陰キャの俺にとってはまじで怖い
クラスメイト「ねぇ、大森!」
クラスメイト「他の奴らから聞いたんだけどさ!」
❤️「__あっ…はい。__」
クラスメイト「今日、小学生と手繋い登校してたって…笑。ほんと?笑」
❤️「__えっ、__」
誰かに見られていた。
今すぐこの場から逃げ出したい。
怖い、
❤️「__…ほんとです、__」
クラスメイト「うーわ、まじか笑」
クラスメイト「やべぇなお前」
❤️「で、でも…あれはちが…!」
なんでよ、俺は何もしてないのに…、
こうして、最悪な1日の学校生活は終わった。
---
❤️「はぁ…」
さっきからため息しか出ない
その口から出た、ため息は、誰にも届かず
ただ空に舞うだけ。
❤️「誰か助けてくんねぇかなぁ…」
いつの間にか心の声が声に出てしまっていた
まぁもちろん俺のこと助けてくれる人なんて1人もいな…
💙「もときさんっ!!」
❤️「は…?」
なんでこんな時にこいつがっ……
💙「やっほー!もときさん!!」
❤️「え、あ…滉斗…?」
💙「どうかしたのかっ!!」
❤️「い、いや…?何もないけど、」
❤️「お前…ここで何してんの、?」
❤️「誰かと待ち合わせか、?」
💙「え、」
💙「もときさんに会うためにまってた!」
❤️「は、はぁ…!?」
こいつなんなの…!?
偶々会ったとかならわかるけど…会いたかったからって……
💙「ずーっとここで待ってた!!」
❤️「何してんだよ、」
別に俺といてもどうせ楽しくないのに…
…陰キャだし、
💙「いっしょにかえろうぜ!!」
💙「ん!手つなぐ!」
滉斗は手を差し伸べてきたが、
気づけば俺は滉斗の手を振り払ってしまった。
❤️「…やめろよ、」
💙「痛っ…」
💙「もとき…さん、?」
❤️「…もう関わんな、」
滉斗は追いかけてくることもなく、ただ俺の背中をじっと見ていた。
あーあ…また言っちゃった、
こうやって人は離れていくんだよなぁ、
…嫌いな彼奴も、関わってくれてるだけありがたかったのかな、
はぁ……
--- 翌日 ---
俺はいつもよりかなり早めに家を出た
ただ滉斗にあうのが怖いから。
❤️「はあ…」
なぜか空気が冷たい。
今は朝の6時30分。
本当に何も聞こえない。
車のエンジンの音も、鳥のさえずりも
あの無邪気な声も…
❤️「……」
気がつけば、滉斗のことばかり考えていた。
小学生相手に酷いことを言って。
突き放して。
まぁ、もういいんだけど…ね。
❤️「…」
💙「もときさんっ」
❤️「わ、!?」
急に滉斗が現れた
こんな早い時間に
それも、また昨日の朝と同じ場所で。
💙「もときさん…がっこう、とちゅうまで…」
❤️「…滉斗」
❤️「、俺といたら不幸になるだけだぞ。」
あ…また言っちゃった。
💙「いいのっ!!」
💙「おれは、もときさんといっしょにいて、不幸になったことなんてないからっ!!」
❤️「……え、?」
💙「…じゃあおれさきいくね!」
💙「またねっ、もときさん!!」
あんなこと言われたの初めてだった。
「不幸になったことない」って
…酷いこと言っちゃったなぁ、
❤️「…おい、」
💙「ん?なに!?」
謝らないと、ね。
❤️「ごめん、滉斗…」
💙「えっ?」
❤️「俺が悪かったから…許せ、」
💙「どーいうこと?」
❤️「だから、…」
❤️「これからも俺と関わってくれ…」
良かった…謝れて。
さっきまでもやもやしてた気持ちが少しほっとした。
💙「!!」
滉斗はいつも通り目輝かせ頷いた
💙「うんっ!!もちろん!!」
💙「じゃあ…とちゅうまでいっしょに行こ!!」
❤️「…うん」
💙「手、つなぐの!!」
❤️「握りすぎるなよ…?」
💙「はーいっ」
またいつも通り強く握りしめてきた
もちろん手の大きさは全然違うけど。
❤️「痛いってば!!」
💙「えへへっ!」
💙「もときさんだいすきっ!!」
❤️「えっ、」
「だいすき」…?なんで、?
俺別に大したことしてないのに、
💙「ねぇもときさん!!今日、がっこうおわったらさ!!」
💙「いっしょにあそぼーよ!!」
❤️「えっ、」
何を言い出すかと思ったら……
しょうがないなぁ、
❤️「場所…どこ?」
💙「んー…じゃーあ、まえの公園で!!」
❤️「ん。」
俺と滉斗は「放課後公園で遊ぶ」という約束をし、学校へ走った。
❤️「いってらっしゃい、」
--- 放課後 ---
俺はただの「帰宅部」なので予定がない。
だからいつも早めに帰れる。
❤️「確かここの公園だよな、」
いつもは騒がしいこの公園は
不思議なことに、誰もいなかった。
とりあえずベンチに座る。
滉斗ほんとに来んのかな、
❤️「…」
数分待つと、滉斗が来た。
💙「あっ!!もときさん!!」
❤️「あ、滉斗」
白のTシャツと、半ズボンと麦わら帽子…
すっげー…本物の子供じゃん、
❤️「とりあえずベンチ座ろ、」
💙「うんっ!」
❤️「今日静かだな、」
💙「たぶんね」
💙「おれともときさんが、2人になれるようにじゅんびしてくれたんだよ!!」
❤️「何言ってんの、?笑」
久しぶりに笑えた。
純粋な小学生のおかげで。
しばらくしょーもない話が続いたが、
突然言った。
💙「おれ、すき!!」
❤️「何が好きなの」
💙「もときさんっ!!」
❤️「は…??え、、」
すき…?それはなにに対しての、?
え、え…?
さすがに恋愛的にではないだろうと思ったその直後・・・
💙「だから!」
💙「けっこんする!!」
❤️「滉斗…!?何言ってんの!?」
え、さっきの「すき」は恋愛的にってこと…?
急に結婚とか言われたら誰でも戸惑うだろ、
💙「なんかおかしいこと言った…?」
❤️「え、あぁ…うん」
💙「決まり!!」
❤️「いやいや、勝手に決めないで?笑」
そしていつも通り揉め合いになり――――。
勝者は純粋な滉斗
❤️「結局負けた…」
❤️「…わかったよ!!」
💙「え、いいのっ!?」
❤️「だけど!!」
❤️「お前が20歳になったら俺と付き合うってだけな?結婚はしないから、絶対」
💙「つきあう…?」
“結婚“より“付き合う“の意味分かってないのかよ
相変わらずの純粋っぷりだなと実感した
💙「はたち…?」
❤️「あ、そっか」
❤️「いまから…12年後、か」
❤️「後12年待っとけ」
❤️「そしたら付き合ってやるよ、」
💙「やったあぁ!!」
💙「ぜったいだよ!?」
❤️「はいはい」
まぁ冗漫っぽく言ったけど、滉斗は本気みたいだし…
まだ12年後だし!!
--- 数時間後 ---
💙「じゃあおれそろそろかえる!」
時刻は4時45分
❤️「そっ。」
💙「またねっもときさん!!」
❤️「滉斗」
💙「んっ?」
❤️「明日も一緒に…学校、」
…俺何言ってんだろ、
絶対やばいやつだと思われた、
💙「もちろんっ!!」
やばいやつだと思われるかと思ったら
むしろ良い人に見られた。
❤️「…ありがと」
❤️「じゃーな、また明日。」
💙「うんっ、ばいばい!」
「ばいばい」と言った後、滉斗はしばらく俺に手を振り、背を向け、帰っていった。
---
--- 翌日 ---
今日はなぜか特別寒い。
今春だよね…?
いつもの待ち合わせ場所に行く。
滉斗はなぜか、俺がどんな時間に来ても絶対待ち合わせ場所にいる。
しかもいつ来たか聞くと、「さっき来た!」というのだ。
不思議な子だなぁ…
❤️「あ、滉斗」
💙「ん?」
💙「あ!もときさん!!」
❤️「おはよ」
一応聞いてみるか…
❤️「滉斗、ここにいつ来た?」
💙「さっき来た!」
怖いくらい不思議
待ち合わせ場所には絶対俺より先にいるし
早く来たわけでもないし、時間を伝えたわけでもないのに
なぜかタイミングがすっごい合う。
❤️「あっそう、笑」
💙「手つなぐ!!」
❤️「はいはい」
💙「さむいっ…」
❤️「寒いな今日、」
💙「でもね、」
💙「もときさんがいるからあったかいよ!!」
❤️「なっ…//!」
え、何言ってんのこいつ…!!
てかなんでこんなに俺照れてんの!?
暑い暑い……
💙「えへへっ」
「えへへ」じゃねぇよ!!
何言ってんだよ滉斗!!
❤️「……」
💙「おれね、きょう大切なひとのはっぴょうあるんだけどね!」
💙「もときさんのこと書いたの!!」
❤️「え、は、?なんで、?」
💙「おれ、ほんとにすきなんだ!!」
💙「もときさんのこと!」
❤️「…はいはい、!!/」
なんなの何回も…!
俺が照れるようなことばっか言ってきて…!!
ほんとに小学生かよ!?
滉斗がいつもこっちをみる時に思う。
さすがに6歳も年が離れていると身長差がある。
だからいつも俺の方を見るとき上を向いてくれるのだ。
なんか一緒に登校していると、その仕草が可愛いなと思う時も…まぁなくもなかった。
❤️「ん。学校、着いたぞ」
💙「…」
💙「きょうもいっしょにかえってね…」
❤️「はいはい」
❤️「ほら、さっさと学校いってらっしゃい」
💙「うん!ばいばい!」
❤️「じゃーな」
---
そんな日々が、1ヶ月間ずっと続いた。
でもある日、滉斗が待ち合わせ場所に来なくなり
一緒に登校することがなくなってしまった。
❤️「滉斗…」
最近は、滉斗と一緒に登校することが唯一の楽しみになっていた。
だけど、今はあの無邪気な声も聞こえなければ、気配も感じない。
_____。
滉斗がいなくなってから1ヶ月。
俺はまたあの頃に戻ってしまった。
ずっと1人で静かな自分に。
そんなことを考えていると、あっという間に時は過ぎ、
いつの間にか滉斗がいない中学、高校を卒業していた。
--- 10年後 ---
ピーンポーン
ある日の朝、突然インターホンが鳴った。
❤️「はーい」
ガチャ
扉を開けると、そこに居たのは――――。
??「あ、あの元貴さん…ですか?」
❤️「え、は…?なんで俺の名前…」
❤️「ふつーに怖いんすけど…?」
❤️「ていうか誰ですか」
そこには18歳くらいの男性がいた。
怖い。
なんで家がわかったんだろう、
もしかしてストーカー……??
??「…覚えてませんか、元貴さん。」
❤️「え…あ、あのほんとに誰…」
??「まだ思い出せませんか、?」
思い出す…?何を、?
??「元貴さん、少しお散歩しにいきませんか。」
❤️「は、?なんで……」
❤️「行きませんよ…」
??「とりあえず、行きましょ?」
❤️「え、ちょ、ちょっと…!!」
??「はい、手繋ぎましょ」
❤️「は…?」
ぎゅ
目の前の彼は、俺の手を強く握りしめてきた。
❤️「ちょ、痛いんすけど…!やめてくださいっ、」
??「元貴さん、ほんとに覚えてないんですか」
❤️「だから覚えてないって言ってるじゃないですか、」
??「……」
たどり着いた先は公園だった。
❤️「こ、公園…?」
??「この公園で貴方は俺の怪我を手当てしてくれたんですよ、?」
❤️「は、、、??」
??「…次、あっち行きましょ」
❤️「ええぇ、ちょ…!!」
再度たどり着いた先は、
俺の中学の時の通学路。
❤️「ここ、俺の通学路……」
??「ここで元貴さんは、俺のことを助けてくれたんです、」
❤️「え、?」
??「つまずいて転んだ俺に、手を差し伸べてくれたじゃないですか、」
❤️「……」
??「本当に覚えてませんか、」
❤️「で、でも…そんな人は俺のなかで」
❤️「滉斗しかいなっ……!」
??「そうです…!!」
??「俺の名前は…!」
💙「『わかいひろと』ですよ、!!」
❤️「え……っ、?」
ほぼ半泣きの状態だった。
❤️「ほ、ほんとに滉斗…?」
💙「だからそうですって、笑」
❤️「ほ…ほんとに、?」
❤️「…滉斗、」
💙「…俺、ずっとお礼言いたくて、」
💙「ほんとずっと探してました。」
おとなになった滉斗は、
すっかり男の子から男性らしくなり、
めちゃくちゃかっこよくなっていた。
俺の身長も越してるし…!
しょうがなく、思い出の公園のベンチに座り、滉斗と話した。
❤️「え、滉斗今何歳…?」
💙「…笑。その質問待ってました。」
💙「今俺は、18です。」
❤️「え、あの時から10年ってこと…」
そういえば何か約束したっけ…
💙「そうですね笑」
💙「じゃあ元貴さんは…24ですか、?」
❤️「…うん」
💙「…24なのに俺より身長低いんですね、笑」
❤️「は、はぁ!?うるせぇ、!!」
❤️「てかなんでいなくなったの途中から、」
💙「あぁ…」
💙「俺あの時虐められてて」
💙「不登校だったんです。」
❤️「え、」
あの日から突然虐めが始まったわけではないはず。
だったらあの無邪気な笑顔は、声は
無理して繕ってたってこと、?
❤️「…俺に言ってくれればよかったのに、」
💙「え?」
💙「…言う勇気なくて、」
💙「だって怖かったんですもん。あの時の元貴さん」
💙「でも、それに比べて今は可愛くなりすぎじゃないですか?」
❤️「は、はははあぁ…!?」
❤️「昔と今は違うんだよっ、!!」
何が可愛いだよ…!!
俺別に怖いし…
💙「前髪作ってるし」
❤️「…!」
変化気づくの早いなこいつ…
💙「眼鏡も外してるし…」
❤️「なに…似合ってないって言いたいの?」
💙「いや、むしろ逆です、笑」
💙「…なんか俺の好みかも、?」
❤️「はっ……//」
相変わらずだなこいつの性格
おれが、照れることばっか言ってくる
滉斗こんなにかっこいいんだったら絶対モテるよな
❤️「滉斗…」
💙「はい?」
❤️「お前モテるだろ」
💙「いや、そんなことないですよ笑」
💙「前は一日に10くらいに告られましたけど」
💙「別に大したことないです」
❤️「は!?お前モテすぎだろ!?」
そりゃこんなかっこよかったらモテモテだろうな
💙「まぁでも全員断ってるんでっ」
❤️「え、良い人いないの?」
💙「あ、俺10年ずっと片思いしてる人がいるんですよ」
❤️「へぇ、すっげ…笑」
誰だよ。
でも滉斗が片思いしてる人ってことはよっぽど可愛くていい人なんだろうな、
俺みたいなふつーの人なんかじゃなくて。
結局恋愛か〜と思っていたその時だった。
💙「まぁ、それが貴方なんですけど…ね、」
❤️「は、?」
💙「…俺、忘れてないですから。」
💙「元貴さんが、20歳になったら付き合ってくれるって言ってくれたこと。」
❤️「あ、」
そういえばあの時言ったんだ、俺。
「20歳になったら付き合ってあげる」って
別に俺は本気じゃなかったのに…
❤️「まだ覚えてんの、?」
💙「…そんなの当たり前じゃないですか!」
💙「俺、あの時どんだけ嬉しかったか…!!」
仮に俺が可愛くなってたとしても
中身は陰キャだし…
絶対釣り合わない。
❤️「で、でも…俺なんか…!」
❤️「滉斗にふさわしくない、」
❤️「俺なんかより絶対いい人いるよ…!きっと、!」
❤️「だから…」
俺がそう言うと滉斗は真剣な顔で言った。
💙「絶対って言いましたよね、俺。」
💙「俺が好きなのは元貴さんだけなんです。」
💙「だからあと2年待っててください。」
❤️「…」
大人になったその声に少し違和感を覚えたが、
またその無邪気さに10年ぶりに負けてしまった。
❤️「あと2年…」
❤️「でも俺…あと2年で26だよ、?」
💙「いいんです。」
💙「俺はどんな元貴さんでも好きですから。」
❤️「えっ……///」
❤️「も、もう…!!うるさい!!!」
💙「やっぱ元貴さん可愛くなりましたよねっ笑」
❤️「お前はいつまでたっても悪ガキだ!!」
💙「俺は悪ガキじゃないです!!」
久しぶりに会った滉斗は、
昔とは変わっていたけれど
あの無邪気な声は全く変わっていなかった。
あの時の冗漫っぽく言った言葉も
冗漫じゃなくなりそうな気がした。
2年後、俺は愛せるだろうか。彼奴のことを。
あの時言ってくれた「だいすき」の言葉を返せるだろうか。
いや、愛さなきゃ。
だって俺も彼奴が
好きなんだから。
約束。果たさないとね。