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目次
不壊の壁は刃を持たない 第一話
かなり長めです。ご了承ください。
「終わんねぇえええええええ!!!!」
夜2時。一向に仕事が終わりません。もう38連勤。ただでさえ体が弱くて体力がないんですよ、ぼく。それなのに同僚がぼくがメガネだって理由だけで仕事を全部押し付けていくんですよ。死ぬっつーの!!!!
「まじで死ぬんじゃないかしら。死ぬとしたら…過労死か。死んだらどうしよっかなー。」
なんてことを考えていたら、まじで死んじゃいました。過労死です。薄れゆく意識の中、「もっと体力があったらよかったのに………。」
目が覚めると、見知らぬ場所にいました。全く知らない森の中。ぼくも最初は混乱しましたけど、ようやく理解しました。
「これが…『転生』か!!!!」
いやもうメッチャ嬉しかったっすよ。なんてったって「転生」でしょ!? 転生モノって大体主人公が無双するやつじゃないですか!! 敵をバーンってぶっ倒して、最後にゃかわいーお嫁さんとケッコン!!! 最高ジャン!!!!
「この世界ならぼくもすげーことできちまうのでは!?」
とかノンキなこと考えてたら…なんと!! ぼくの前にバケモノが現れたのです!!!
「ぎゃあああああああ!!!!」
ナマハゲみたいな頭にトラみたいな体のバケモン!! よだれダラダラたらしてるバケモン!!! 明らかにぼくを食おうとしてるバケモン!!!! 死ぬって!!!! 死ぬって!!!! いや、ぼくはぼくなりに必死に逃げたんですよ? でもね、やっぱり追いつかれちゃったんですよ。バチィッって頬をぶっ叩かれましてね。クソ痛かったんですよ。血とかは出なかったけど。
「あ、これ死ぬな。」
転生してわずか5分。ぼくの第2の人生が終わってしまうかに思えた……その時!!!
ズバッ!!!!
って音がしたかと思って振り向いたら……バケモンが真っ二つになってたんですよ。そんでバケモンの頭の上みてみたら…人がいたんです!!! でっかい剣を持ってる、ムキムキのイケメン!!!! この人が助けてくれたんだな、とぼくはすぐにわかりました。
「おい、そこのお前。見慣れない顔だな。旅人か?」
旅人…じゃないけど…まあそんな感じか。てか言葉がわかるんですけど!! なんか知らんけどありがたい!!!
「あ、ハイ。」
「『魔導登録証』は持ってるか?」
「なんすか、それ。持ってないっす。」
「ぬゎにぃ〜〜!? 魔導登録証を持っていないだとォ!?」
いやまじで知らない!! だってこの世界来てまだ7分しか経ってないもん!!
「全く…しょうがないな。ついて来い。新しく登録させてやる。」
なんやかんや優しい人なんだな…。
ムキムキイケメンに連れられてぼくは『フロリッシュ』って街に着きました。ちなみに4時間かかりました。その割には全然疲れなかったけど。
「結構栄えてるなぁ…。」
「おう! なんてったってここは王都だからな!!」
「道理で。」
そのまま歩いていくと、「魔導庁」という看板の大きな建物が見えてきました。あ、文字も読めるんだ!! ありがてぇ〜!!! 魔導庁に入ると、さっそく受付の人が話しかけてくれました。
「おうガルフ! 今日はどんなご用で?」
あ、ムキムキイケメンの人ガルフって言うんだ…。
「こいつ、魔導登録証を持ってないらしいんだ。だから、新しく発行してもらいたい。」
「……はァ!?」
え、なに!? 受付の人がぼくをジロジロみてるんですけど!!! 怖い!!!!
「おい、お前いくつだ。」
「23です。」
「ぬゎにぃ〜〜!? 魔導登録証は6歳になったら発行する法律だろ!? 世界規模で!!!」
ウソだろ!? じゃあぼく法律守れてないじゃん!!!「魔導登録証の不携帯は重罪!!!」とかだったらどうしよぉお〜〜!!!
「いや、こいつは旅人らしい。南方の国のやつだったらありえるだろ。」
「うむ…。」
南方の国……? そこじゃ法律であるはずの「6歳で魔導登録証を発行する」ってことができてないのか…?
「まあ、いいだろう。こっちへ来い。」
受付の人に案内されて、ぼくは「魔導登録」する(らしい)部屋に行きました。
「部屋の真ん中に置いてある水晶…あれで同録するのかな…?」
「じゃ、この水晶に手をかざせ。この水晶がお前の能力を教えてくれる。それを魔導登録証に書き写す。それで発行終了だ。」
そんな簡単にできるんだ…そして、言われたままにぼくは水晶に手を伸ばしました。水晶が喋ります。
〈攻撃力 C。知能 C+。スピード B。〉
え、ぼくメッチャザコくね!? 最低ランクがCとかだったらまじやばいって!!! もうかわいーお嫁さんとケッコンどころじゃないよ!? 一応ガルフさんにも確かめておこうかな…。
「あの、これって何段階あるんでしょうか…。」
「下からC、C+、B、B+、A、A+、Sだ。お前めっちゃザコだな。」
うぎゃぁああああああああ!!!! そんなぁああああああ!!!! 絶望していたぼくに、水晶が言いました。
〈体力 S。〉
……え? 体力が…S!?
〈SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS…。〉
Sが止まんなくなった!? え、なんで!? 受付の人、続いてガルフさんが言いました。
「そんなバカな!! 一番上がSだからSがいくつも付くってことはありえないはずだぞ!!! SSもS+もないのに!!!!」
「おい、もう一回やってみろ。水晶の誤作動かもしれん。」
「あ、ハイ。」
ぼくは言われた通りにもう一回水晶に手を伸ばしました。
〈攻撃力 C。知能 C+。スピード B。〉
ここまでは同じ…。問題は次…。
〈体力 SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS…。〉
やっぱり同じ!? なんで!? そこで、ガルフさんが言った。
「おい、お前、ナマハゲタイガーに攻撃されたりしなかったか!?」
ナマハゲタイガー…。あ、さっきのバケモンか。
「それなら、普通にビンタされましたけど。」
「な…に!?」
え、なんかダメだった!? ガルフさん、受付の人の順で言います。
「ナマハゲタイガーの攻撃力はな、Sなんだ。Sの攻撃はSじゃなきゃ防げない。普通に食らえば即死だぞ? それなら…ありえるかもしれない。」
「確かにな…いくらSでもかすり傷くらいは負うはずだ。それなのに傷一つ負っていないなんて…。」
ん? 「体力」って「持久力」みたいなことじゃないのか?
「あの。」ガルフさんが答えてくれた。
「なんだ。」
「『体力』って、どう言う意味なんですか?」
「ああ、ここでいう体力は、『持久力』『頑丈(タフネス)さ』のことなんだ。」
え!? どっちも前世の俺が持ってなかったやつ!!! うおおおおおおお!!!なんかうれし〜!!!! ……確かに、フロリッシュに着くまで4時間ずっと歩きっぱなしだったけど全然疲れなかったもんな…。そして、ようやくずっと黙っていたガルフさんが口を開けた。
「なあ…。」
「ハイ!? なんでしょうか!!」
「俺のパーティーに入らないか!?」
……え?
最後まで読んでくださりありがとうございました!コメント&アドバイスなどいただけると励みになります!ユーザー名も書いてくれたらその人の作品読みますので!ちなみに「あさまる」と「とやまる」の兄です!弟たちの作品もぜひ!読んで見てください!
不壊の壁は刃を持たない 第二話
ちょっと長いかもしれません。
「俺のパーティーに入らないか!?」
……え? いや、誘ってもらえるのは嬉しいんだけどさ、ぼくを誘う意味がわからない。だって体力しか取り柄がないじゃない。前世でも一向に出世できず万年普通社員だったんだもの。
「あの、本当にぼくなんかでいいんでしょうか…?」
「ああ、もちろんだ!!」
うっひょおおおおおおおお!!!! 人に認められたあああああああ!!!! それもガルフさんに!!! うれし〜!!! …あ、そういえば…。
「あの、ガルフさんの魔導登録証を見せていただけますか?」
『魔導登録証』とは、現世で言う身分証? 的なやつらしい。
「おゔ、いイぃぃィイィぞ。」
といって、ガルフさんは魔導登録証を見せてくれた。なんか動揺してなかったか…? まあいいや。どれどれ…?
〈攻撃力 A。知能 A。スピード A。〉つっっっっっよ!!!! ガルフさん強すぎるぜ!!! さすが!!! で、体力は…。
〈体力 C。〉……んん!? 体力がC!? ウソだろ!? あんなに強いガルフさんが!?
「あの、この《体力 C》って、本当なんですか?」受付の人が言う。
「ああ、本当だ。」
「ええっ!? でも、フロリッシュに来るまですっど歩きっぱなしで…。」
「ああ、それね? 魔法で地面スレスレを浮いてたんだよ。」
ええええええええええええええええええええええ!?!?
「普通に歩いてたら1時間も持たないよ、ガルフは。」
「本当なんですか? ガルフさん。」
「………📕トウダ。」
📕(本)当らしいな…。信じられないよ。あのガルフさんが…体力C!? とか考えてたらガルフさんが言った。
「だ・か・ら!! 君のような頼れるタンクが欲しかったんだよ!!!」
「タンク?」受付の人が言う。
「パーティーにとっての『盾』だ。」次にガルフさん。
「俺はさっきも言った通り体力がCだからBランク以上のモンスターの攻撃を受けると死ぬ!!! 死ななくても致命傷を負う!!! だから君のような優れたタンクがいれば俺にとってもパーティーにとってもすっごく嬉しいことなんだよ!!!」
「おお……。」
なんかぼくはすごい人らしいぞ? ガルフさんもいるしこれなら入っても……いや! 待てよ? 本当に大事なのは『報酬』じゃないのか? 思ったよりブラックなパーティーだったら取り返しがつかなくなるかもしれないからな。
「ところで、報酬はどれくらいもらえるんでしょうか?」ガルフさんが言う。
「んー…クエストの難易度にもよるけど…普段は100万ペールくらいもらってるかなぁ…。」
『ペール』? なんじゃそりゃ。お金の単位かな?
「あの、100万ペールってどれくらいの価値があるんですか?」受付の人が答えてくれた。
「100万ペールありゃA5等級の黒毛和牛が30キロは買えるぞ。」
えええええええええ!? あ、じゃあ1ペールって現世の1円って考えてもいいわけだ。にしてもえええええええ!?相当もらってるじゃないですか!!! まじかよ!!! てかこっちにも黒毛和牛いるんだ。あ、でも「パーティー」って言ってたからな…報酬は山分けか…? もしパーティーが20人いるなら一人あたり5万円になるじゃないか!!! それは嫌だね!!! 十分高いけど嫌だね!!! ぼくぁ欲張りな人間なんでね!!! 一応聞いておこうかな!!!
「ちなみに、ガルフさんのパーティーって何人いるんですか?」
「俺のパーティーは5人だよ。お前を入れてな。」
おおおおおおおおおおお!!! 1人あたり20万!!! 余裕で一人暮らしできる金額じゃないか!!! 月1回しかクエストしなくても余裕!!!! あ、でも…。
「クエストはどれくらいの頻度でするんでしょうか?」
あんまり働きたくないからな!! ぼくは!! 過労死したせいでこっちの世界来たんだからね!!!!
「俺のパーティーでは毎日1回はクエストするようにしているよ。」
ゔおおおおおお!!!! どうしよっかなぁああああああ!!!! 入らないでおこうかなあああああ!!!!
「あんまり休んでいると体が鈍るし、ペールはいくらあっても困らないからな!!!」
おお…。さすがだぜガルフさん…。てか『ペール』ってお金そのもののことだったんだ…。う〜〜〜〜〜ん…。どーしよっかなぁあああああああ。せめて大好きなエクレアを毎回クエスト終わりに配ってくれるなら………。
「あ、そういえば俺のパーティーはいつもクエスト終わりにエクレアを配るようにしてるぞ。」
「ぜひパーティーに入らせてください!!!!!」
最後まで読んでくださりありがとうございます!コメント&アドバイスなどいただけると励みになります!コメントにユーザー名を書いてくれればその人の作品も読みますので!ちなみに「あさまる」と「とやまる」の兄です!弟たちの作品もぜひ!読んでみてください!
不壊の壁は刃を持たない 第三話
この話に出てくる単語(フロリッシュなど)は全部意味があるんですよ?実は。気になった方は調べてみてください!そんでファンレターください!!!
「ぜひパーティーに入らせてください!!!!」
「大歓迎だゼ!!!」
こうして、ぼくはムキムキイケメンガルフさんのパーティーに入ることになった。
「また来いよ〜〜!!!」
と言ってくれる受付の人を背に、魔導庁、そしてフロリッシュを出て、ぼくたちはガルフさんのパーティーメンバーが住んでいるという「フロンティア」と言う街に行くことになった。
フロンティアへの道のりを歩きながら、ぼくはガルフさんに聞いた。
「ガルフさん、フロンティアってどんな街なんですか?」
「おう! フロンティアはな、毎日たくさんのクエストが発行されたりクリアされたりする、いわゆる『冒険者の街』だぜ!!」
「へぇ………ちなみに今も浮いてるんですか?」
「……オウ。」
ガルフさんは体力のランクがCだから、魔法で浮いていないと歩けない。ムキムキなのに。……ガルフさんのパーティーメンバー…一体どんな人たちなんだろう…。
「おっほん!!」
「なんですか?」
「今から、俺のパーティーのメンバー紹介をしようと思う!!!!」
「いえ〜い?」
「まずは1人目!! 魔法使いのタートルだ!!!」
そう言ってかなりゆっくり出てきたのは、17歳くらいの女の子。魔法帽を被りつつ、黒いローブを羽織ってる。いかにも魔法使いっぽい。
「魔導登録証を見せていただけますか?」
「はい。」
といってゆっくり丁寧に渡してくれた。いい子……。
〈攻撃力 A。知力 A+。体力 B+。〉
てか普通に強い!! ぼくより普通に強い!!! 何!? やっぱり才能なのかなぁ!?
〈スピード C。〉
おっっっっっっっっっっそ!!!! え、見間違いじゃないよね!? スピードC!? あ、だから出てくる時も魔導登録証を渡すときもあんなに遅かったのか!! ガルフさんが言った。
「タートルはスピードが遅すぎるから、いつも俺が肩に担いで運んでるんだよ。」
ええええええええええええええええええ!? こんなに強いのに!? もったいなああああああああああああああ!!!
「続いて2人目!! ヒーラーのアルバトロスだ!!!」
次に出てきたのは、13歳くらいの男の子。鼻水がだらだら。アホそう。
「じゃ、魔導登録証を…。」
「ヘイ。」
といったアルバトロスは、帽子の中から取り出した魔導登録証を地面にバシィッと投げつけた!? え〜どれどれ?
〈攻撃力 C+。スピード A。体力 B+。〉
やっぱりヒーラーな分あって攻撃力は低いのかな? それ以外も……普通に強いな。こんなにアホそうなのに。
〈知力 C。〉
ええええええええ!! ぼくの勘は間違っていなかった!!! 「アホそう」どころじゃなくてマジでアホだったんだ!!!
「アルバトロスはアホすぎるからなぁ…いつもタートルに浮かしてもらって運んでるんだよ。」
「ソウソウ。ウクノタノシイゼェ。」
ええええええええええ!!! じゃあガルフさんの上にタートル、タートルの上にアルバトロスがいるってこと!? あとなんだよその喋り方。
「最後に!! サポーターのマルチだ!!!」
最後に出てきたのは、15歳くらいの男の子。んー…。いかにも凄そうなオーラが…。ん?「サポーター」? サポーターって…?
「ちなみに、『サポーター』って言うのは、バフ(能力値を上げる)かデバフ(能力値を下げる)ができる人のことなんだぜ!! そして!!! マルチはバフもデバフもできちゃうやばい人なんだぜ!!!!」
えええええええええええええええええええ!? いや、ガルフさんに考えてること当てられたのもびっくりなんだけどさ、マルチやばくね!?
「じゃ、魔ど
「魔導登録証だね。はい。」
全部言う前に!! すごい!! えーと…なになに?
〈第2次特殊能力者〉
〈攻撃力 A+。知力 A+。スピード A+。体力 B+。〉
…ん? こんな表記見たことないぞ? 第2次特殊能力者? 凄そうな雰囲気だけども。なんだ、これ? てか強っ!!!!
「あ、ちなみに『第2次特殊能力者(略して2特)』は、『同時に2つの魔法を発動できるすごい人』なんだぜ!!! 100年に1度しか生まれてこないんだもんな!!!!」
ええええええええええええ!!! マルチさんそんなにすごい人だったのぉおおおおお!? …ん?「2特」がいるなら…。
「じゃあ、『3特』もいるんですか?」
「おお、勘がいいな! いるぞ。ただし、1000年に1度の確率でしか生まれてこないがな。」
1000年に1度!? 2特でさえすごいのに、3特にまでなったら…一体どうなるんだ!?
「だが、今はそれを話す必要がない!!」
えええええええええええええ〜! 楽しみにしてたのに…。
「じゃ、お前はこれからこのパーティーと一緒にクエストをクリアしてもらう! 改めて、俺はアタッカーのガルフだ。よろしくな!」
「はい!」
3特のことはまた今度!楽しみにしといてください!コメント&アドバイスなどいただけると励みになります!コメントにユーザー名を書いてくれればその人の作品絶対読むので!!ちなみに「あさまる」と「とやまる」の兄です!弟たちの作品もぜひ!読んでみてください!
不壊の壁は刃を持たない 第四話
今回はSnakeさんに教わった太文字を使ってみようと思います!Snakeさんの作品めっちゃ面白いのでぜひ読んでみてください!
拝啓 読者の皆さんへ。皆さんはどうお過ごしでしょうか? ぼくは今…化け物の群れに襲われています!!!
「逃げる!? 逃げる!? 逃げる!? 死んじゃうって!!!! せめて隠れましょうよ!!!」
「くそっ! デバフ(能力値を下げる)してもダメだ!! こいつら元々耳がいい上にこの音がよく響く洞窟…その上能力持ちだ!! 逃げるにも隠れるにも見つかっちまう!!!」
「何!? じゃあ俺らの場所はすぐ察知されちまうのか!? だが、真正面から戦うにしても数が多すぎる!! どうする!?」
「シヌウウウウウウウ!!!」
なんでこんなことになったんだ…!!!
「さて! 新しいメンバーも増えたことだし、さっそくクエストに取り掛かろうか!!」
クエスト…。一体どんなのがあるんだろう…? やっぱりモンスタの討伐とかそう言う系かな…?
「よし! じゃあこれにしよう!!」
【レゾネイト山に棲まうモンスター ソノラトルの討伐 報酬 80万ペール A+ランク向け(群れで出た場合は120万ペール Sランク向け)】
「…え?」
「ん? 何かあるのか?」
「いや、このクエスト、A+ランク向けですよね? だから、本当に大丈夫なのかなって…。」
「安心しろ!! このパーティーには俺と言う名のアタッカーがいるし、いい魔法使いもいるし、優秀なヒーラーもいるし、『2特』のサポーターだっているし、それに、何よりお前みたいな最強のタンクがいる!!! 俺たちはお互いの弱点を補い合って戦うんだ!!! 俺たちなら大丈夫だ!!!」
「でも、もし群れで出たら…。」
「それについても安心しろ!!! 俺の勘が『群れでは出ない』って言ってる!!!」
「ちなみにその勘が当たったことは?」
「もちろんあるぞ!!! 100分の1の確率だがな!!!」
「あなたの勘を信じてここまで来たのに!! 群れで出てきたじゃないですか!!! おまけに囲まれて逃げられないって!!!! どうしてくれるんですかあああああああああああああああああああああ!!!!」
「しょうがねぇだろ!! 俺の勘は100分の1の確率でしか当たらないって言っておいたじゃないか!!!」
「トイレイキタイ。」
「そんな場合じゃねぇだろボケナスがああああ!!!」
【ソノラトル レゾネイト山にある洞窟に棲むコウモリのような姿をしたモンスター。非常に耳がよく、攻撃される時の風の音などを聞き取り、攻撃をかわすことがたやすい。また、攻撃する時もその耳の良さで簡単に隙をつくことができる。稀に能力持ちがおり、「聴覚を強化する」能力を持ったソノラトルは、洞窟内にいる敵の場所をすぐに察知できるため、討伐するのは困難である。】
一体一体が普通に強い!!! くそっ、ぼくがもっと強ければ…!!!
「おい、お前!!!」
「はい!?」
「名前!! なんて言うんだ!?」
名前!? そういえば聞かれたなかったしこっちからも言ってなかったな…。
「シ、シンゴです!!!!」
「シンゴ!! 今こそお前の出番だ!!!」
「……っはい!!!!」
そうだ。ぼくはこのパーティーにとっての『盾』!!! 盾が守られてどうする!!! ぼくが、みんなを守るんだ!!!! ソノラトルの群れがガルフパーティーに襲いかかる。
「もう防ぎきれない!!!」
「ここまでか…。」
「ギャアアアアアアアアア!!!!」
**ガキイン!!!!**
「さすがだ、シンゴ…!!!」
気づけばぼくは、パーティーに襲いかかるソノラトルの群れを全身で食い止めていた。怪我もしてない。さすがは体力Sなぼくだね!!!
「ぐゔっ…。」
「いいぞ、シンゴ!!!」
「ありがとうございます!!」
「よし、みんな!! シンゴがソノラトルを食い止めてくれてるうちに畳み掛けるぞ!!!」
「はい!!」
さっそくガルフさんが斬ろうとしたが、自慢の耳で察知され、かわされてしまった。
「くそっ…!!」
「そうだ!!!」
「何かわかったんですか!? マルチさん!!」
「耳がいいなら…。」
「耳がいいなら!?」
「大きな音を出して混乱させればいいんだ!!!」
「よし、それで行こう!!!」
さっそくガルフさんが地面を叩いて音を出そうとしたが、それを察知したのか、ソノラトルに止められてしまった。タートルやマルチも魔法を出そうとするが、ソノラトルの物量に押し切られてうまくいかない。そろそろ押し切られる。
「くっ…。大きな音はダメか……なら、逆に小さな音をたくさん出すってのはどうでしょう!?」
「それもダメだ!! 音を出すって作戦自体はいいんだろうけど…奴ら耳だけじゃなく頭もいい!!!」
「じゃあそれ以外の……何かあるのか!?」
「わかんない。」
「ワカンネー。」
いや、絶対に何かあるはずだ…!! 何か……!!! この状況を切り抜けられる攻略法が…!!!! ………どうにかして『耳がいい』ことを裏手に取らせられないかな…。『耳がいい』……。『耳がいい』……。くそっ!! もう押し切られる…!!!『耳がいい』……!!!! はっ!!!!
「そうだ!!!!」
「何かわかったか、シンゴ!?」
「はい!!! 見つけましたよ、ソノラトルの攻略法!!!!」
ちょっと遠回しにはなりましたが、リクエストでいただいた「敵が来たら察知できる能力」をソノラトルでやってみました!残りの2つもいつか出そうと思います!コメント&アドバイスなどいただけると励みになります!ちなみに「あさまる」と「とやまる」の兄です!弟たちの作品もぜひ!読んでみてください!
不壊の壁は刃を持たない 第五話
ソノラトルの攻略法とは…!?
「見つけましたよ、ソノラトルの攻略法!!!!」
「本当か!? シンゴ!!!」
「…んの前にぃぃ、どうにかしてこいつらをぉおおお、引き離してくれませんかぁあああ?」
「わかった!!」
**ガキィィィィン!!!!**
シンゴの後ろでガルフが床を全力で叩いた。巨大な洞窟に音が響き渡る。ソノラトルは急に響いた大きな音に驚いたのか、シンゴから離れ、群れへ飛んでいった。
「これで時間稼ぎくらいはできるだろう…今のうちにどこかへ隠れよう!!」
「カクレヨウ!!!」
急いで大きな岩の後ろに駆け込もうとするが、タートルが遅すぎてついて来れていない。
「遅えんだよ!!!」
マルチが魔法でタートルを浮かし、すぐに岩の後ろへ持ってきた。
「それで…なんだっけ。あ、そうだ。シンゴ。『ソノラトルの攻略法』ってなんだ?」
「はい!!! ソノラトルの攻略法……それは………。」
「**『水』です!!!!**」
「水ぅ!?」
パーティー全員が驚いたが、シンゴは冷静に話し始めた。
「そうです。『水』です。」
「でも、水で一体どうしろって…。」
「ところでみなさん、『高周波音』って知ってますか?」
「うーん…人間には聞こえない高い音……みたいな?」
「タートルさん正解! よく知ってますね。」
「スゲェ。」
「そう。高周波音は人間には聞こえない。でも、ソノラトルはどうでしょう? あんなに耳がいいんだ。高周波音も聞き取れて当然と考えていいでしょう。」
「でも、そんな音でどうやって…。」
「ふっふっふっ。ご説明いたしましょう。あ、でもちょっと難しい話になるからアルバトロスはわかんないかも…。」
「ダイジョウブ。サイショカラワカッテナイヨ。」
「そうですか……。」
「で!! 高周波音がなんだって!?」
「あ、はい。それで…………。」
「……確かに、それならいけるかもしれない……。」
「試してみる価値はあるね。」
「ヤッテミヨウ!!!」
そして、さっそく作戦を実行しようとすると……。
「危ない!!!!」
マルチの声でハッと僕たちが振り返ると、ソノラトルの群れがすぐそこまで迫ってきていた。
「やばいいいいいいいいい!!!!」
「ああ!! やばいな!!! でも作戦実行するぞ!!!」
「はい!!!」
「『音』は、空気の振動でできています。音が高ければ高いほど空気は揺れ、低ければ低いほど揺れません。」
「じゃあ、その『高周波音』ってのは、すごい空気が揺れてるってことだな?」
「その通り。そして、ソノラトルの耳は、通常の生物の何百倍も敏感で繊細なはずです。居場所を察知するための小さな音すら、『巨大な音』として処理しているんですから。つまり!! 高周波音を浴びせると……!!!」
「『ものすごい空気の振動がダイレクトに鼓膜に直撃する』!!!!」
「そうです!! 許容量を超えた音圧エネルギーなら、奴らの鼓膜を破れるかもしれないってことです!!!」
「でも、肝心の高周波音はどうやって出すんだ?」
「ふっふっふっ。それこそ、『水』を使うんですよ。」
「え!?」
「実は、自然界にも高周波音を生み出している『ある場所』があるんですよ。」
「待ってくれ!! 考えさせろ!!! う〜〜〜〜〜〜ん……。あ!!! わかった!! 海だ!!! 海!!! 俺の勘がそう言ってる!!!」
「残念。『滝』です。」
「うわあああああああ!!!!」
「本当に滝が高周波音なんて出せるのか!?」
「はい。Goo●leで調べればすぐ出て来ますよ。」
「じゃあ、滝を作らないといけないな……でも、どうやって……。」
「その辺はタートルさんとマルチさんに頼みましょう。お二人なら水魔法を使うのくらい簡単でしょう?」
「ふっ。簡単さ。なめないでいただきたい。」
「なるべく大きな滝を作れよ!!!」
「わかりました!」
「よし!! 作戦実行だ!!!」
「タートルさん!! マルチさん!! 滝!!! お願いします!!!!」
さっそくタートルとマルチが水魔法を唱え、大きな滝を作った。バシャバシャと水が大きな音を出す。
「ギャアアアアアアアア!!!!」
ソノラトルが悲鳴を上げる。
「効いてる!! 効いてるぞ!!!」
「これで鼓膜は破れ……たと思うので、居場所は察知されなくなったはずです!!!」
シンゴがそういうと、ソノラトルが何もないところに向かって攻撃し始めた。シンゴの言った通り、ソノラトルはこちらの居場所をわかっていないようだ。
「すごいな、シンゴ!!」
だが、それだけではなかった。急にソノラトルたちがフラフラと地面へ落ち始めたのだ。
「え!?」
「あわよくばと思ってたんだけど……まさか!?」
「い、一体なんなんだ!? シンゴ!!!」
「高周波音が鼓膜を突き抜けて三半規管(体のバランスを保つ器官)にまで影響を与えてくれたみたいです!!! 今なら叩き放題ですよ!!!!」
「よし、みんな!!! 今のうちだ!!! ソノラトルの群れを殲滅するぞ!!!!」
「はい!!!」
そんなこんなで、ぼくらは見事ソノラトルの群れを討伐し、120万ペールをゲットした。
「じゃ、クエスト終わりのエクレアな。」
「いええええええええええええええい!!!!」
どうやら、ぼくだけじゃなくパーティー全員エクレアが好きみたいだ。良かった。エクレア好きに悪い人はいないからな。しばらくすると、エクレアを口いっぱいに頬張っているせいでかなりモゴモゴしながらガルフさんが話しかけてきた。
「………シンゴ。」
「はひ?」
「今回のクエストは、お前がいなきゃクリアできなかった。」
エクレアをごくんと飲み込むと、ガルフさんが言った。
「ありがとう。」
「………はい!!!!」
明日から次の月曜日まで更新することができません。ご了承ください。
不壊の壁は刃を持たない 第六話
今回はシンゴの秘密に迫る!?
前回、初めてタンク(盾)としての役割を果たしたシンゴでしたが、疑問に思った人もいるのではないでしょうか。第一話を思い出してみてください。
〈攻撃力 C。知能 C+。スピード B。〉
と言っていましたよね。続いて、第五話(前回)を思い出してみてください。シンゴは、水で滝を作り、高周波音を生み出すことでソノラトルを撃退しましたよね。ではなぜ!!! 知能C+のシンゴがあんな作戦を編み出すことができたのか!!! それは………。
**シンゴの〈知識〉もSだから!!!!**
実はシンゴ、生前かなりの読書家でしてね。その中でも特に宇宙科学のジャンルが大好きでして。その一環で高周波音についても読んでいましてね。ええ。魔導登録証にはなかったですが、実は知識がSなんですよ。でもやっぱり知能は低かったので仕事の出来は悪かったんですよ。それでやり残した仕事が溜まりに溜まって残業まみれになりまして。それが死んだ原因になったんですげどね。ええ。ま、この話はとりあえずこの辺で。では、本編をどうぞ!
見事クエストをクリアし、エクレアを受け取ったシンゴたち。だが、マルチが不満そうに口を開ける。
「……なんか今日、エクレア小さくない?」
タートルとアルバトロスも不満を言い出す。
「そうですね。気のせいだと思ってたんですが、やっぱり小さいです。」
「チイサイイイイイイイイイ!!!!」
「え、まじすか?」
このエクレア60㎝はあるぞ? これで小さいって? 嘘でしょ? みなさんいつもどんなの食べてるの?
「いつもは1mあるのに。」
1めええええええとるうううううううううう!? まじか…。みなさん結構食べるんだな……。それで夜ご飯まで入る……ぼくが1mのエクレア食べたら寝るまでもうなんも食べられなくなっちゃうな……。
「ふっふっふっ。今日はわざと小さいサイズのエクレアを買ったんだよ。」
「え、なんで?」
「ついてこい!!! ついてくればわかる!!!!」
…と言われて焼肉屋にやってきたガルフパーティー。その中では……。
「では!!! 改めてシンゴのパーティー参加を祝って………**歓迎会をしまーす!!!!**」
**「いええええええええええい!!!!」**
「今日は俺のおごりだ!! 好きなだけ食え!!! ペールは全部俺が出してやる!!!!」
**「いええええええええええい!!!!」**
「……1+1は?」
**「いええええええええええい!!!!」**
「テンションどうなってんだよ。」
「ガルフがおごってくれるなんて奇跡だああああああああああ!!!! 今日は赤飯だあああああああああああ!!!!」
「焼肉屋に赤飯なんてねーから!!!!」
「……ガルフさんってそんなにケチなんですか?」
「うん。いやもうこれまでも何回かカラオケとかいったりしたんだけどさ、ガルフ1円も出してないよ。今回が最初。だからもう**いえええええええええい!!!!** な訳。」
「へぇ…。もっと優しい人だと思ってたのに。イメージが崩れましたね。」
「ゔっ!!!!」
「うんうん。ガルフは所詮それくらいの愚かな人間なんだって覚えときな。」
「わかりました。」
「お、おい!!!」
ガルフが2人の会話を遮る。
「い、いつもは優しいだろ!!!」
「『いつもは』ね。ガルフってペールのことになるとゴミだから。」
**「ぎゃああああああああああ!!!!」**
ガルフ ショックおよびマルチによる論破による気絶により歓迎会リタイア。
「ええ……。」
この人たち戦いのことになるとまじで頼もしいのに普段はこんななんだ……。あれ? 肉が少なくなってる? 元の半分の量も残ってないな……まだ10分しか経ってないぞ? なんで……。と振り返ると………肉を頬張りすぎてハムスターになっている(※例えではありません。)タートルとアルバトロスが!!!!
「ええええええええええ!?」
この2人のせいでこんなに減っていたのか……!!! にしてもよく食べるな!!! これならいつも1mのエクレア食べてんのも納得いく………っ!!!! やばい!!!! もう肉が残ってない!!!!
「早く食べなきゃ!!!! **うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!**」
「あ!! シンゴずるい!!! ぼくも!!!! **うおおおおおおおおおおおおおお!!!!**」
「店員さん!!!! おかわり!!!!」
「ぼくも!!!!」
「私も!!!!」
「オレモ!!!!」
〜次の日〜
「おい……お前ら……いくら頼んだ………!?」
「いや? ガルフの**70000ペール**を使っただけ。」
「70000って!!! 使いすぎだろ!!!! 俺1枚も食えてないよ!?」
「なにさ。『ペールは全部俺が出してやる』んじゃないの?」
**「ぎゃあああああああああああ!!!!」**
ガルフ またもや気絶。
「あ〜……。こりゃ今日のクエストは無理かな…。」
「やりすぎ。」
「ソウソウ。」
「ええ……。」
やっぱりこの人たちは、頼りになるし、とても優しい人たちだ。普段の様子に目をつむりさえすれば……。
最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!!コメント&アドバイスなどいただけると超嬉しいです!!!ちなみに「あさまる」と「とやまる」の兄です!弟たちの作品もぜひ!読んでみてください!今回太線多めでしたね。
不壊の壁は刃を持たない 第七話
長らく待たせてしまって申し訳ありませんでした!太文字多めです。ニャゴさんありがとうございます。
シンゴの歓迎会の翌日。フロンティアの集合場所にて……。
「ほはよーほひゃいまーふ。」
「おはよぉお。」
「ほはよぉ。」
「オヒャョー。」
「おはようございます……。」
**どう考えてもみなさん寝不足だ……!!!!** え!? なぜ!?
「みなさん、昨日何時に寝ました……?」
「2時。」
「え!? なんで!?」
「ゲームで夜更かししてた。」
「まじすか?」
「まじ。」
「ええ……。もっとちゃんと寝た方がいいですよ…?」
「あ、大丈夫。いつもこんな感じだから。」
「はあ……。」
やっぱり…歓迎会の時(第六話(前回)を参照)も思ったけど……。
**やっぱりみんなだらしない!!!!** 戦いの時(第四、五話を参照)はあんなに頼もしいのに!!! あれで私生活がこれなんて!!! なんてもったいないんだ!!!!
「よし! 全員そろったし、『冒険者ギルド』に行くぞ!!」
え? 冒険者ギルド? 何ソレ。そんなこと聞いてないぞ?
「冒険者ギルドってなんですか?」
「え? ガルフから聞いてないの?」
「ハイ……。」
「ガルフ……?」
「メンゴ!!!」
「ゔぉっほん!!!」
激しく咳き込みをした後、マルチさんに散々ボコられたガルフさんが話し始めた。
「冒険者ギルドってのはな、俺たちみたいな冒険者パーティーが集まる場所だ!! 前(第三話を参照)に言ったろ? 『フロンティアは、たくさんのクエストが発行されたりクリアされたりする街』だって。」
「言ってましたね。」
「そして、そのほとんどが冒険者ギルドで行われている!! つまり!!! 冒険者ギルドとは__!!!!」
「『この街の心臓そのもの』。」
「正っ解!!!」
へえ…かっこいいなあ……。冒険者ギルドか…速く行きたい!!
「じゃ、さっそくいきま
「……と、その前に…。」
と、シンゴの言葉を遮るように、マルチが話し始めた。
「シンゴお前、体力Sなんだろ?」
「ハイ。正確にはSSSSSSSSSSSSSSS……何個あったっけ?」
「正直、俺は信じられない! SSSSSSSS…なんて聞いたことない!! 水晶の誤作動の可能性大なんだよ!!!」
「う〜ん……。」
確かに…それもそう……なのか…?
「なので!!! 今からシンゴの耐久力テストをする!!!!」
「えええええええええええええ!?」
そんなわけで公園に連れてこられたけど……危なくないかな? ここ普通に公共の公園だし……?
「この公園は、俺が貸し切った。」
ええええええええええ!? まじか!!! いや、今回の120万ペールと合わせて普段から100万ペール(第二話を参照)もらってるんだし……いける…のか?
「じゃ、行くぞ。」
っ!! 来る!!!
「食らえ!! |石銃弾《ロックブラスト》!!!!」
うぎゃあああああ!!! 速い!!! よけられない!!! あ、これオワタ__。
**ガキイイイイン!!!!**
「……いってえええええええええええええ!!!!」
「嘘だろ…血どころかかすり傷もついていないなんて……!?」
「ふっ!! どうだ!! シンゴの体力がSってのもこれで信じただろ!!!」
「…いや、まだだ。次は最高出力で行く!!!」
「ええええ!?」
「最高出力!!! |石銃弾《ロックブラスト》!!!!」
**ガキイイイイイン!!!!**
「痛いいいいいいいいい!!!!」
「俺の最高出力のロックブラストを防いだ…!? 最高出力を出せば攻撃力はSなのに……!!」
「これで信じたか!! シンゴは正真正銘の体力モンスターだってな!!!」
「……信じたよ。」
「やった……! ありがとうございます…!」
「でも、痛覚はあるんだね。」
「ハイ…ナマハゲタイガーの時もソノラトルの時も今回もめちゃくちゃ痛かったですから。」
「ふぅん…アルバトロス、|回復《ヒール》。」
「オーケー。ヒーリング。」
アルバトロスが|回復魔法《ヒーリング》を使うと、みるみる痛みが取れていった。
「すごい! アルバトロスって実力|だけは《●●●》すごいんですね!!」
「ナンダト!? オレメッチャアタマイイシ!!!」
「あっ。すいません。」
「ま、事実なんだけどな。」
「グヌゥ…。」
「じゃ、冒険者ギルド行きますか。」
やっとか!! 待ちに待った(12分)冒険者ギルド!!!
「行くぞー!!!」
ガルフさんに連れられてきたのは、デカめのアパートくらいの大きさの建物。思いっきり「冒険者ギルド」って書いてる。
「ここが…冒険者ギルドかぁ…!! ワクワク!!!」
「いつものことだけど、クエストまみれだね。」
「どのクエストがいいですかね…。」
「シラネ。」
「うーん…あ! じゃあこれ!! これにしよう!!!」
「……え゛?」
今回回想と説明多めでしたね。次からはバトルに入ります。ファンレター送ってくれたらその人の作品絶対読んで送り返します!お願いします!
不壊の壁は刃を持たない 第八話
更新するのがめっっっちゃ遅くなっちゃってごめんなさい!!
「終わんねぇえええええええ!!!!」
夜2時。一向にクエストが終わりません。
「はぁ…はぁ…。疲れた…。休憩したい……。」
「はぁ…ちょ…立て! スライムが…来てる…から!」
「へー。体力SSSSSSSS…ってすげー。全然疲れなーい!」
「ズルすぎ………。」
「シヌ……。」
ぼくたちがなぜ一話みたいな状況になってしまったのかを説明するには、時を13時間ほど戻す必要がある…。
「……え゛?」
「ん? どーした? このクエストにする! って言っただけだろ?」
「…いや、でも……そのクエストって……。」
【その辺にいるモンスター スライムの討伐 報酬 200ペール Cランク向け】
「Cランクのクエストですよ!? しかも報酬が200ペールなんて!!! 1人あたり40ペールしかもらえないじゃないですか!!! もっと難しいの…A+……いや、せめてBランクくらいのやつにしましょう!!」
「いや、『今回のクエストは簡単だ』と俺の勘が言っていないんだよ。」
「それってただスライムの数が多いだけとかじゃなくてですか?」
「知らん!!!」
スライムを倒しても倒してもキリがない。
「ガルフさんのせいですよ? また当たらない勘に頼ってこんなことに…。」
「う…うるせぇ…。」
「終わんない…キリがない……どうしよ………。」
「スライムその辺にいすぎでしょ。早く帰りたいなあああ。こんな森さっさとおさらばしたいなああああ。」
「そんなこと言ってないで…シンゴも…手伝え……!」
「攻撃力Cでもいいですか?」
「ちくしょー……。」
眠さと疲れで今にも倒れそうなパーティー(シンゴ除く)に、マルチがある提案をした。
「ちょっと…休憩しよ…? あの木の下でさ…とりあえずシンゴが守ってくれてたらいいから…回復したら一瞬だから…さ……。」
「あれ? それならアルバトロスに回復してもらえばいいじゃないですか。」
「お前…今何時だと思ってる…? もう13時間も…ぶっ通しでスライム倒し続けてるんだぞ…? 13時間もアルバトロスが|回復魔法《ヒーリング》を使い続けられると思うか…?」
「確かに…じゃ、マルチさんの提案に賛成の人は……。」
パーティー全員が手を挙げた。
「よし! じゃあみなさんあの木の下に……。」
「よっしゃああああ!!!!」
凄まじいスピードで木の下に避難する4人。
「速すぎません?」
「そんなことよりお前……早く…守れよ……。」
気づくとスライムが結構近くまで迫ってきていた。
「わ! いつの間に…。」
スライムからパーティーを守りつつ、スライムをしばいて遠くへ飛ばすシンゴ。
「あああああああああ。疲れたあああああああああ。」
「後でちゃんと倒してくださいよ?」
「わかってるって……。」
〜約40分後〜
「よし! 全回復だぜ!!」
「やっとですか!? やばいですよ!! スライムが多すぎますって!!!」
「だいじょーぶだいじょーぶ。」
とは言いつつも、木の周りはスライムまみれだった。
「食らえ!!! |石銃弾《ロックバレット》!!!!」
**バチュン!!!!**
さっそくスライムが5匹ほど倒された。
「よし! このままクエストクリアしちゃおう!」
「はい!!」
その時だった。
「え!?」
急にスライムたちが1箇所に向かって集まり出したのだ。
「なんで!? え!?」
1箇所に集まったスライムたちが合体して大きくなっていく。
「えええええええ!?」
**「キングスライムだああああ!!!!」**
「え!? まじで!? 身長何mある!? いち、にい、さん、しい…。5mはあるって!!!!」
「あ゛!! やばい!! 逃げろ!!! |巨身撃《ドロップタックル》が来るぞ!!!」
「なんすか!? それ!!!」
「ただの体当たりだ!」
「な〜んだ。それくらいなら…。」
「身長5m。そこから計算するとあいつの体重は26tだ。」
「え゛?」
**「逃げろおおおおおおお!!!!」**
**ドスゥゥゥゥン!!!!**
あたりに砂煙が広がる。
「ゲホッゲホ…大丈夫か、シンゴ!!」
「なんとかよけられました!」
「くっ…なんだよあの物量……!!!」
「と、とりあえず攻撃!! 攻撃しましょ!?」
「ああ!!! うおおおおおお!!!」
**バイーン!!!!**
「何…!?」
なんと、ガルフの攻撃が跳ね返されてしまったのだ。
「えええええええええええ!?」
「相当硬いスライムだな!!!」
「攻撃力が一番高いガルフで斬れなかったなら、他の誰も倒せない!!! どうすれば……!!!!」
「シンゴ!!!」
「はい!?」
「なんか作戦を立てられないか!? この前みたいにさぁ!!!」
「ええ!? そんなこと急に言われても困りますってば!!!」
「でも、このままだとジリ貧で負けるぞ!!!」
「う〜ん……。」
「あ゛!!! ちょ、シンゴ!!! よけろ!!! |巨身撃《ドロップタックル》だ!!!!」
「え?」
**ドスゥゥゥゥゥン!!!!**
またしてもすごい砂煙が舞い上がる。
「死゛ぬ゛か゛と゛お゛も゛った゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
「さすが!」
「シンゴ、作戦は!?」
「まだですよ!!!!」
「キレられてんじゃん。」
考えろ…考えるんだ……。スライムなんだから体の大部分は水分なはず…それをうまく利用できないか……?
「あ!!!!」
「さっそく見つけたな!? シンゴ!!!」
「はい! 見つけましたよ、キングスライムの攻略法!!!!」
太文字多めでしたね。
不壊の壁は刃を持たない 第九話
キングスライムの攻略法!!
「見つけましたよ、キングスライムの攻略法!!!!」
「おお!!!」
「なになに!?」
「今回の攻略法は…**『塩』です。**」
「へえ…じゃあ説明おねが
「危ない!! |巨身撃《ドロップタックル》が来るぞ!!!」
「え゛?」
「んぎゃああああああ!!!!」
**ドスゥゥゥゥゥン!!!!**
「っぶねぇ……。」
「デカすぎんだろ!?」
「でもその分、動きは遅い! 早くどこかに隠れよう!!」
「よし!! 全速力であのでかい木の裏に隠れよう!!!」
「おう!!」
素早く木の裏に隠れたパーティー。※タートルはガルフが抱えていきました。
「それで、シンゴ。『塩』ってなんなんだ?」
「あ、はい。ところでみなさん、『浸透圧の原理』って知ってますか?」
「う〜ん…。」
「すっごく簡単に説明すると、『水が塩や砂糖が濃い場所へ移動する性質』ですね。」
「う〜ん……?」
「身近なものに例えるなら…あ! きゅうりの塩漬けですね!」
「え? きゅうりとその……ナントカあつの…。」
「『浸透圧の原理』です。」
「そうそれ! それと何が関係あるんだ?」
「まず、きゅうりの塩漬けを作るとき、きゅうりの中に水分、きゅうりの外に塩がありますよね?」
「そうだな。きゅうりってみずみずしいし。」
「そして、きゅうりの塩漬けができたとき、きゅうりの中から水分がなくなってしおしおになり、きゅうりの外には水が出てできた塩水があります。」
「んんん?」
「『塩の濃い方に水が移動した』ってことですよ。」
「おー!!」
「そしてこの原理をスライムに使うと…?」
「ゔ〜……。」
「ヒント。スライムは体の90%以上が水分ですよ?」
「あ!!」
「マルチさん!! わかったんですか!?」
「わかったよ。」
「ええええええ!?」
「スライムに浸透圧の原理を使うと、体の中の水分が抜け出てボロボロのカチカチになるんだろ?」
「正解でえす!! これなら倒せる気もしません!?」
「……いけるかもな。でも問題は…。」
「『塩』をどうやって用意するかだよな…。塩なんて持ってきてないし…。」
「ふっふっふっ。そこもちゃーんと考えてるんですよ。」
「え!?」
「僕たちが隠れているこの『木』を利用するんですよ。」
「ええ!?」
「見たところ、この木、僕の世界にあった『ヒルギダマシ』って木によく似てるんです。」
「ん?」
「それで、ヒルギダマシは、葉っぱの裏の塩類腺ってところから塩を出すことができるんです。葉の表面に白い結晶が付いてたらその証拠です。」
「あ! ほんとだ!! 白いのが葉っぱについてる!!!」
「なめてみてください。」
「しょっぱい!!!」
「やっぱり! これヒルギダマシなんだ!!」
「でも、結構味薄かったし、量めっちゃ少ないんじゃないの?」
「はい。めちゃくちゃ少ないです。」
「スライムを倒す分には?」
「全く足りません。」
**「ダメじゃん!!!!」**
「でも、周りをよく見てください。ここは森。この木が何本あると思ってるんですか?」
「あ…!!」
「これが、攻略法です。」
「おおおお!! すごい!! でも、どうやってこの木から塩を取り出すんだ?」
「風魔法で葉っぱの裏の塩だけを削り取ってくれれば…いいと思います。」
「よっしゃ!! いくぞ、みんな!! キングスライムを倒すぞ!!!」
「おおー!!」
「いくぜ!! |風凪爪《ウィンドクロー》!!!!」
マルチとタートルの風魔法で、葉っぱの裏から次々と塩が削り取られていく。
「あ!! やっば!! 計算したけどやっぱ塩の量足りねーじゃん!!!」
「え!? 何やってんだよシンゴ!!! |風凪爪《ウィンドクロー》使うの結構疲れるんだぞ!?」
「やばい!! 作戦しっぱ……。」
「シオ、アッタゾ!!!」
「え!?」
アルバトロスが手にしていたのは、
**ポテトチップスこいしお味BIGサイズ!!!!**
「うすしおじゃなくて!?」
「それは!!! 塩分濃度103%のポテチ!?」
「なんだよそれ!? 100%超えてんじゃん!!!」
「このポテチにも|風凪爪《ウィンドクロー》を使ってくれ!!!」
「わ、わかった!!!」
ヒルギダマシから取り出した塩とポテチから取り出した塩が集まっていく。
「え、まじ!? 奇跡的に塩が足りた!!!」
「いっけええええええええええ!!!!」
**ズガアアアアアン!!!!**
「ちっちゃ。」
マルチが抱えているのは、ボロボロになったキングスライム(だったもの)。
「じゃ、こいつも倒して追加報酬を……。」
「ちょっと待て。」
「ええ?」
「こいつ、頭いいぞ。」
「へ?」
「これ、いつも持ち歩いてる魔導登録用の水晶なんだけどさ。」
「え、なんでそんなもん持ち歩いてんですか?」
「もし体に異変とかがあったらこの水晶でわかるんだよ。」
「便利すぎないか?」
「それで、こいつのステータス見たんだけどさ。知力がSSSSSSSSSS…だったんだよね。」
「え?」
「だからこいつをパーティーに入れようと思うんだけど…どう?」
「いや、頭いい人がいてくれたらうちのパーティーも助かるし…いい…んじゃ…あ、でもそいつが暴走しないとも限らないだろ?」
「大丈夫。もうこいつは普通のスライム以下だよ。知力だけ。塩が相当奥まで染み込んじゃったみたい。…ちょっと水かけていい?」
「どーぞ。」
マルチが水魔法を唱え、スライムに水をかけると、スライムがスライムになった(?)!!
「ひ〜…死ぬかと思ったよ…。水ありがてぇ…。」
**「しゃべった!!!!」**
「これも知力SSSSSSSSS…が関係してんのかな?」
「なあ、俺たちのパーティーに入らないか?」
「え? いいけど…入らないって言ったら?」
「今ここで○す。」
「入る!! 入るから!!! ○さないで!!!!」
「うん! それでいい。」
「こっわ…。」
「じゃあ名前がいるよな……何がいいかな? そうだ、シンゴ。それっぽい名前つけてやれ。」
「ええ!?」
何がいいかな!? 何がいいかな!? 頭がいい!? 頭がいい!? え、何!? どうしよどうしよ!! かっこいいやつ? かわいいやつ? えええええどうしよおおおおお!!! あ!!
「プロフェッサー………。」
「は?」
「いや!! 違うんです!! 今のは忘れてください!!!」
**「それめっちゃいいじゃん!!!!」**
「えええ!?」
「じゃあお前は今日からプロフェッサーな!」
「了。」
**「軽い!!!!」**
こうしてぼくたちは、新たなパーティーメンバーを迎えたのであった……。
八話誤字があったので更新しました。あとニャゴさんのリクエストやりました。
不壊の壁は刃を持たない 第十話
シンゴの過去。
クエストの帰り道。曇り空の下をみんなで並んで歩く。※ただしタートルは担がれている。
「ひー! 疲れたな〜!」
「まさかあんなにスライムが出るなんて…。」
「でもスライムがいっぱいいたおかげで7万ペールも貰えたじゃないですか! そこにキングスライムも付け足して87万ペール……**ウッヒョオオオオオオ!!!**」
「お前ってペールのことになると豹変するよな。」
「そうですかね?」
「うーん……よし! 今日は焼き鳥屋に行こうか!! 87万ペール使いまくるぞ!!」
「やったー!!!」
みんなが笑ってる。楽しい。もう『あの頃』みたいにはなりたくないな。シンゴの顔が、一瞬くもる。それに気づいたのか、マルチが言う。
「どうかしたか?」
「……なんでもない。」
「あっそ。ならいいけど。」
焼き鳥屋にて。
「じゃ、とりあえず1人1つ好きなの頼んでいいぞ!!」
「やった!! じゃあねぎま!! 大将!! ねぎま1つちょーだい!!!」
「私は軟骨を1つ。」
「俺は皮にしようかな♪ 大将、皮1つ!」
「オレハスナギモ!!! スナギモ5コチョーダイ!!!」
「1つだっつの!!! 大将!! 砂肝1つね!!!」
「あいよ。」
「ナンデダヨ!!!」
「シンゴは何にするんだ?」
「え〜と……じゃ、ももを『2つ』お願いします。」
「1つだっつの!!! お前もかよ!!」
「…あ、すいません。1つで。」
「うっま!!! ここめっちゃうまいじゃん!!!」
「レビュー星5なだけありますね。」
「ウメェ!!!」
「めっちゃうまいぞ。ほら、シンゴも食えよ。」
「ありがとうございます。」
やがてぽつ、ぽつと雨が降り出した。
「ゲッ!! 傘持ってきてねーじゃん!!」
「全力ダッシュなら行けるんじゃね!?」
「無理でしょ。」
「傘がわりになりそうな魔法ないのかよ。」
「うーん……。|風凪爪《ウィンドクロー》を頭上に展開…いや、|壁魔法《バリア》の方が……でも、そのその頭上展開なんてやったことないしな……いや、待てよ? アバーヴの原理を使えば……。」
「大変そうだしやっぱりいいよ。」
「ダッシュ!!!」
「無理だっつの。」
「あの…。」
「なんだ? シンゴ。」
「折り畳み傘なら持ってますよ。」
「まじか!!」
「シンゴ天才!!!」
そうだ。九年前のあの日も、雨が降っていた。あの日の雨も、こんな匂いがした。びしょ濡れの交差点、赤く染まった水たまり、ひたすら叫ぶ自分の声。だから雨は嫌いなんだ。
「おい、大丈夫か?濡れるぞ?」
ハッと振り返ると、ガルフさんが笑顔で傘を差し出してくれていた。
「ありがとうございます。」
ぼくは作り笑いを顔に貼り付けて傘を受け取った。
「明日も9時集合な!!」
「OK!」
「わかりました。」
ぼくらは雨の中、それぞれの帰途に着いた。
翌日の朝9時20分。冒険者ギルドの集合場所にて。
「よっしゃ!! 今日もクエストするぞー!!!」
「おー!!」
「今日のクエストクリアしたら寿司屋いくぜ!!」
「やったー!!!」
「その分難易度高めのクエストクリアしてペールを稼がないとな!!」
「うーん……じゃああれ!! あれ!!!」
「いや…流石にあれは難しすぎるだろ。だってSランクだろ?」
「え〜…。」
いや見えない!! ガルフさんがデカすぎて見えない!!!
「ソノラトルの群れと戦ったときなんかシンゴの作戦がなけりゃ全滅してたかもしれないんだぞ!?」
「でも今回は1匹だし。」
「でも強いんだろ!?」
「そのクエストがいいです。」
「オレモソレガイイ。」
「え゛!? じゃ、じゃあシンゴ!! シンゴはどう思う!?」
え!? 見えないのにそんなこと言われても知らんがな!!!
「うーん……Sランクって…この前も相当危なかったし…やめた方が……。」
「ほらな!!! シンゴも言ってるだろ!? だからそのクエストはなし!! Aランクくらいのやつにしよう!! な!? 安全第一だろ!?」
「でもそんなんじゃ寿司代稼げなくなるだろ?」
「え!?」
「すーし!!! すーし!!! すーし!!! ビッくらポン!!! ビッくらポン!!! ビッくらポン!!!」
「……ああもう!! わかった!! わかったよ!!! じゃあそのクエストにするから!!!」
「いえーい! 寿司食いまくるぜ!!」
「それで、そのクエストってどんなやつですか? ガルフさんがデカすぎて見えないんですけど。」
「ああ、これだよこれ。」
ガルフさんが掲示板からクエストの内容が書かれた紙をヒラッとはがし、見せてくれた。
**「……へ!?」**
今回は結構分けましたね。
不壊の壁は刃を持たない 第十一話
3回目のクエスト!3回目だけに3話で進めます。
「……へ!?」
「な?」
【神出鬼没のモンスター カマイタチの討伐 報酬 150万ペール Sランク向け】
「えええええ!? なんすかこれ!!! 激ヤバじゃないすか!!! ソノラトルの時より報酬高いし!!! しかもカマイタチって!!!」
「な? な? だから俺はやめようって言ったんだよ。」
「そうっすね!!! これは流石にやめるべきですよ!!!」
「だが、あいつらをみてみろ。」
「あ゛っ!!!!」
**「すーし♪ すーし♪ すーし♪」**
「今更『やっぱやめる!』なんて言える雰囲気じゃねぇ……。」
「これはもういくしかないですね。」
「うう…。」
「ちなみに今回の勘は何も言ってないんですか?」
「『カマイタチは簡単に倒せるザコ敵だ』と…。」
「oh…。」
15分後…森の中でカマイタチを探しているガルフパーティーの姿が。
「でも『神出鬼没』って書いてるからなぁ…どこにいるかがわからないってこともこのクエストの報酬が高いのにも関係してるんだろうけど…。」
「|察知魔法《サーチ》的なやつはないんですか?」
「んなもんねぇよ。」
「じゃあ、罠とか…。」
「カマイタチがなにを食べるのかすらわかってないんだぞ? なにをおとりにして罠を作るつもりだよ?」
「う〜ん……またスライムの時みたいに長いことクリアできなくなるのかなぁ……。」
「カマイタチ発見まで何分かかるか測ってみよう。」
「ピッ」ストップウォッチが計測を開始したその時!!!
「ん? あれって……。」
**カマイタチ 捜索開始5秒で発見!!!!**
「えええええ!? こんな序盤で!?」
「ちょうどいい!! 疲れた頃に出てきてもらっても困るからな!!!」
「ええええええええええええ!?」
カマイタチVSガルフパーティーの戦いの火蓋が…今!!! 落とされた!!!!
「やっぱ先手必勝でしょ!!! |石銃弾《ロックバレット》!!!!」
すごい!!! あのスピードは避けられない!!! 当たる………と『思っていた』。カマイタチは|石銃弾《ロックバレット》をさも当然のことかのようにひらりとかわしたのだ。
「ええええええ!?」
「まじかよ!!! 速すぎるって!!!」
「あ゛!!! やばい!!!」
**|突風刃《ウィンドエッジ》!!!!**
「んぎゃあああああ!!!!」
カマイタチの突風の刃が、シンゴの服にぽっかりと穴を開けた。
「さすがシンゴの体力S!!! カマイタチでもきれなかったんだ!!!」
「ヒイイイイイイ!!! 死ぬって!!! まじで死にますって!!! 見えなかったんだもん!!!!」
「布とはいえ冒険者用の防護服だぞ…? あいつ…攻撃力高すぎないか?」
「水晶! 水晶ですよ! マルチさん!!」
「あ、そっか。」
マルチが懐から能力測定用の水晶を取り出し、カマイタチの能力表示を見ると……。
〈攻撃力 S。スピード S。知力 B+。体力 A。〉
**「めちゃくちゃ強いやんけ!!!!」**
「やばいやばいやばい!!! 攻撃力もスピードも高すぎるっつの!!!!」
「シンゴ以外は1回攻撃くらっただけで即死だって!!! もう帰ろうぜ!!!」
「…あれ? カマイタチどこいった?」
「え?」
**カマイタチ 戦闘開始5分で行方不明に!!!!**
「えええええ!? どこから攻撃が来るかわかんないじゃん!!!」
「やっぱやめとけばよかったかな…。」
「だから俺は『やめよう』っつったんだよ!!!」
「カエリタイ~。シンドイ~。」
「だっる。とりあえず水晶をしまって…。」
**|突風刃《ウィンドエッジ》!!!!**
**バリーン!!!!**
カマイタチの|突風刃《ウィンドエッジ》が、マルチの水晶を粉々にした。
「ええええええええ!?」
「見えなかった……。」
「『突風の刃』…つまり空気だからか……。」
「でも、直接攻撃してこないってことは…威嚇なんですかね?」
「ふーん…。」
「え。」
**「なめやがって。」**
「えええ!?」
**「こちとらソノラトルの群れも撃破したパーティーだぞ!? イタチ1匹に負けるほど雑魚ちゃうわぁ!!!!」**
「えええええええええ!?」
「タートルはなめられると感じるとこうなるんだ。」
「まじすか。」
「とりあえず、状況を整理しようぜ!」
「わかりました。」
ガルフの声かけで、すっとタートルの罵声がおさまった。ガルフさんすげぇ……。
「とりあえず、注意すべきは|突風刃《ウィンドエッジ》と、あの驚異的なスピードか…。」
「|突風刃《ウィンドエッジ》を視認さえできればな…。本体の方はまだ見えるし攻撃も当てられるからなぁ。」
嘘でしょ? あのスピードを目で追えるの? しかも攻撃も当てられるって!? あんたらバケモンかよ!!!
「どうにかして見えるようにしたい…シンゴ、何かいい案はないか?」
「ええ…? そんなこと急に言われても……あ!」
「何かあるのか!?」
「見つけましたよ!!! カマイタチの攻略法!!!!」
ふりがな多めでしたね。あとニャゴさんのリクエストやりました!
不壊の壁は刃を持たない 第十二話
カマイタチの攻略法!今回長めです。
「見つけましたよ!!! カマイタチの攻略法!!!!」
「今回はなんだ!?」
「今回は**『粉』です。**」
「『粉』!?」
「はい。」
「それでどうするんだ?」
「今からご説明いたしましょう。」
「でも、その間にカマイタチが|突風刃《ウィンドエッジ》を放ってきたら…。」
「その点は大丈夫です。だって今こうしていても攻撃は来ていないでしょう? それに、さっきのはあくまで『威嚇』です。カマイタチ自身もまじで戦闘したいと思っているわけじゃなく、様子見のつもりなんでしょう。」
「…わかった。話してくれ。」
「まず、カマイタチの|突風刃《ウィンドエッジ》は、風…つまり空気でできています。」
「そうだな。」
「空気は目に見えません。だから、超スピードで飛んでくるカマイタチの刃も避けることができないんです。」
「見えたら苦労しねぇよ!!! さっきの(水晶粉々事件)でわかった。速いのは本体だけで|突風刃《ウィンドエッジ》の方はあんま速くないみたいだからな。」
「ふっふっふっ。そこで、空間に『粉』をまき散らしたらどうなるでしょう?」
「んー?」
**「つまり!!! 見えない風の刃が通り抜けた瞬間、空気中に浮遊している微細な粉の粒子が、高速で回転・圧縮された空気の渦に巻き込まれ、『透明な|突風刃《ウィンドエッジ》の形』がシルエットとして浮かび上がるんです!!!!」**
「ん?」
**「そして、この方法は物理学でいう『|可視化技術《ビジュアライゼーション》』の応用なんです!!!!」**
「んん?」
**「目に見えない衝撃波や気流の渦を、粉という|目印《トレーサー》を介すことで網膜で捉えられるようにすることができるんですよ!!!!」**
「ちょ、ちょっと待ってくれ!! 話についていけてねぇ!!!」
「え?」
「いつもより難しくないか!?」
「そうですかね?」
「もう少しわかりやすく説明してくれないか?」
「わかりました。つまり、**不可視な|局所気圧傾度《プレッシャー・グレイディエント》が|劇的推移《トランジション》を完遂するや否や、大気圏内を浮遊する|微小《ミクロ》なエアロゾル|粒子群《パーティクル》が、超高速度で|求心旋回《セントリペタル》・|圧縮《コンプ》を強める|空気渦《ボルテックス》へと包摂され、『不可視の|断層剪断力《シア・ストレス》の輪郭線』が空間のホログラムとして|位相露呈《フェーズ》するのです!!!! そして、この物理現象の顕現メカニズムこそ、流体力学における『|密度場計測《デンシティフィールド》』の|最先端応用領域《アドヴァンスト・フロンティア》にほかならず、知覚不能な|圧縮性衝撃波《ショックウェーブ》や|非定常気流《アンステディ》の乱れを、|微粉粒《ファイン》という|散乱指標体《スキャテリンク》をメディアとして|介在《インター》させることで、人間の|視覚受容器《センソリーレセプター》である網膜のフォトン検知域において|視認可能《リアライズ》へと昇華し得るのですよ!!!!」**
**「もっと難しくしてんじゃねーよ!!!! 興奮しすぎだって!!!!」**
「なるほど…。」
「マルチはなんであの説明でわかるんだよ!!!!」
「ん? だから、**空気中に微細な|粒子《エアロゾル》を混ぜて光を反射させることで、肉眼では見えない気流の乱れを可視化する最先端の流体力学の技術のこと**だろ?」
「その通りです!!!」
「私もわかりましたけどね。」
「オレモ。」
「タートルはともかくアルバトロスはわかってないだろ!!!」
「ナンノコトデスカ?」
「えええ!? わかってないの俺だけ!?」
「要するに**『粉をばら撒けば|突風刃《ウィンドエッジ》に粉が巻き込まれて見えるようになるでしょ』**ってことなんだよ。」
「なーんだ。そんなことだったのかぁ。」
「で、肝心の『粉』はどうするんだ?」
「それは………考えてません。」
「ええええええ!? お前の作戦すごいいいと思ったのに!!! とにもかくにも粉がないと始まらないじゃないか!!!」
「うーん……あ、そうだ。アルバトロスが何か持ってないですかね? 前回もアルバトロスの持ってたポテチに助けられましたし。」
「そうだな。アルバトロス、何か持ってるか?」
「コレ。」
そう言ってアルバトロスが出したのは……。
**・ラムネ ・たまごボーロ ・ビスケット**
**「これでどーしろってんだよ!!!!」**
「…いや、大丈夫です。」
「え?」
「これで材料はそろいました。」
「ええ?」
「ラムネもたまごボーロも、でんぷんをベースに作られています。」
「おお…。」
「つまり、これらがあればそれらしい粉を作ることができるんですよ!!!」
「おお!!!」
「じゃ、ガルフさん、**粉々にぶっ潰してください。**」
「え、いいの?」
「はい。思う存分ぶっ潰しちゃっていいです。」
「わかりました…。」
**ドーン!!!!**
「へ?」
なんと、ラムネとたまごボーロの塊が一撃で粉砕され、一瞬で茶色い粉ができたのだ。
「さすが攻撃力A…。」
「あとはばら撒くだけでOKです!」
「OK!!」
そう言ってガルフさんがあたり一面に粉をばら撒いた。
「シンゴの作戦がうまくいけば、これで|突風刃《ウィンドエッジ》が見えるようになるはず!!!」
そこで、様子見していたカマイタチがついに動き出す!!!
**|突風刃《ウィンドエッジ》!!!!**
シンゴの作戦はうまくいった。なんと、それまで見えなかったはずの|突風刃《ウィンドエッジ》のシルエットが茶色くなって見えたのだ。
「よっしゃ! |突風刃《ウィンドエッジ》が見えれば…!!」
**ズバッ!!!!**
「問題なし!!」
「えええええ!? |突風刃《ウィンドエッジ》を…斬った!?」
「ふふふ。すごいだろう? これが攻撃力Aの本当の力さ。これならカマイタチなんて簡単に攻略できるな!」
「すげぇ!!」
「さすがガルフ…あ、そうだ。」
何かを思い出したようにマルチが言った。
「どうしたんですか?」
「さっき粉々にされた水晶に|復元魔法《リカバリー》をかけようと思って。」
「え!? あんなに粉々にされても治せるんですか!?」
「ふっ。『2特』をなめるなよ。」
「さすがです!!!」
そんなことを話している間にも、カマイタチの体力はどんどん消耗していった。|突風刃《ウィンドエッジ》の連発、ガルフにやられないための超スピードを常に維持していたからだ。ここで、カマイタチはある作戦に出た。ガルフに攻撃することを諦め、|標的《ターゲット》をそれ以外に絞り、そして…。
**|突風刃《ウィンドエッジ》!!!!**
なんと、マルチに向かって突風刃が放たれたのだ。
**「え!?」**
「よけろ!!! マルチ!!!!」
だが、|突風刃《ウィンドエッジ》は速すぎた。よけることもできない。|壁魔法《バリア》も|復元魔法《リカバリー》を使っているため使えない。シンゴも間に合わない。
**「マルチさん!!!!」**
マルチの運命やいかに!?
不壊の壁は刃を持たない 第十三話
カマイタチ編最終回!
「マルチさん!!!!」
誰も、間に合わない。この人たちがいてくれたから、こんな生活を送れているのに。もし、この人たちがいなくなったら…。
**|また《・・》?**
**それだけは嫌だ!!! 絶対に!!!! **どうにかして助けないと!!! でも……。
「間に合わない!!!!」
くそっ……!!!!
カマイタチの|突風刃《ウィンドエッジ》がマルチに当たりそうになった…その瞬間の出来事だった。草むらから飛び出してきたスライムが、|突風刃《ウィンドエッジ》をその体で受け止めたのだ。
「え!?」
「あれって……!!」
そう、そのスライムとはまさに…!!!
**「プロフェッサアアアア!!!!」**
「ふっ、どうよ。スライムはこんな事だってできるんだぜ!!」
「てゆうかお前、ずっとどこにいたんだよ。このクエストが始まった時からいなかっただろうが。」
「ああん!? お前らが『|こいつ《プロフェッサー》なんていなくてもだいじょーぶ☆』って言ってギルドに置いていったんだろーが!!!!」
「あ、そうだった。」
「寂しかったぜぇ〜? ギルドなんて何にもする事ないしさぁ〜? 俺の心は深く傷ついたぜぇ〜?」
「ごめんて。」
「ま、いいや。とりあえず今はカマイタチ討伐を優先しよう。」
「お、おう?」
「|突風刃《ウィンドエッジ》は|お前《ガルフ》か|お前《シンゴ》が受け止めろ。」
「おう!」
「は、はい(?)」
「本体の方は|スライム《プロフェッサー》が止めるわ。」
「え、でも、どうやって…。」
「スライムの|粘性《とくちょう》を使うんだよ。」
「なるほど!!! ** |非牛頓流体《アブソリュート》としての|性質《プロパティ》を利用した|衝撃分散《ディフューズ》ですね!!! でも、|スライム《プロフェッサー》の|細胞膜《ゲノム》の|断層剪断力《シア・ストレス》に対する|粘度変化《メタモルフォーゼ》の|関数《ロジック》は、カマイタチが持つ運動エネルギーを|完全《パーフェクト》に|相殺《カウンター》できるレベルに達しているんですか?**」
「はい?」
「くっくっく、話が早いじゃねえか。**俺の|体細胞《マテリアル》は今、|剪断速度《ベロシティ》の増加に伴って|指数関数的《オーバーロード》に粘度が増大する『ダイラタント流体』へと|局所的相転移《スポット・フェイズシフト》を遂げている。カマイタチと|衝突《インパクト》したその|瞬間《とき》、俺の|表面《アウター》はダイヤモンドを凌駕する|莫氏硬度《デュラビリティ》へと硬化し、エネルギーを|熱力学的《サーマル》に周囲の|空気《アトモス》へ|散逸《リリース》させてるのさ**」
**「すごい!!!!」**
「あの。シンゴさん…?」
「なんですか?」
**「言ってることが1㎜もわかんないんだけど。」**
「とりあえずプロフェッサーが本体を止めてくれるらしいです。」
「おお!!! 今回はちゃんとわかりやすく説明してくれている!!!」
「……。」
「じゃ、俺のいうことに従え!!! 作戦開始だあああ!!!!」
「おう…?」
「スライムに指揮されるって、なんか変な感じですね。」
「なんか悔しい。」
「うるせえ!!!! 黙って俺に従っときゃいいんだよ!!!!」
「は〜い…。」
**カマイタチ討伐作戦 開始!!!!**
**|突風刃《ウィンドエッジ》!!!!**
「|突風刃《ウィンドエッジ》だ!!! シンゴ、頼む!!!」
「了解です!!!」
「ア!!! コッチニモキタ!!!」
「俺が受け止める!!!」
**ガキイン!!!!**
シンゴとガルフが、飛んで来た|突風刃《ウィンドエッジ》を受け止める。
「よっしゃ!!! そろそろ俺様の出番だな!!!」
「でも、よく考えたらカマイタチって速すぎて捕まえる以前に追いつけないんじゃないの?」
「ふふふふふふふふふ。」
「キモっ。」
「そこもちゃーんと考えているのだよ。」
「え。」
「カマイタチは確かに速い。だから、普通に追いかけても捕まえられない。」
「はあ!? じゃあどうしろってんだよ!!!」
「だまれだまれ!!! だ・か・ら、俺は作戦を考えた。その名も……**『地面にスライムくっつけて動けなくする作戦』**だ!!!!」
**「ネーミングセンスがねぇ!!!!」**
「うるさい!!! でも、この作戦は成功したみたいだぞ? ほら、あそこを見てみろ。」
「あ゛!!!!」
なんとそこには、プロフェッサーが出した(ほぼ体の一部)スライムに足を取られて動けなくなっているカマイタチの姿が!!!!
「えええええ!?」
「どんなに足が速くても、所詮は足で走っているだけ。こうなってしまえばもう勝ち確なのよ。」
「すごい!!! じゃ、ガルフさん!! とどめを!!!」
**「……もうこのままでよくね?」**
**「はい?」**
「いやだってさ、こうして動けなくなっているわけだし。なんかかわいそうだし。」
「……じゃあ…いっか。」
「帰ろ帰ろ。」
「ツカレタ~。」
「ちなみにガルフさん!!! 今日の分のエクレアは!?」
「もちろんあるぞ!!!」
「やったー!!!」
**カマイタチ 討伐(?)完了!!!!**
その後カマイタチはめずらしいモンスターとして町の観光名所になったという……。
長らく更新できずすみませんでした。
不壊の壁は刃を持たない 第十四話
ガルフの私生活!
前回、カマイタチを討伐したガルフパーティーたち。その翌日。
「どれにしようかなぁ…。」
ギルドの|近所《ちかく》の市場にて。そこには、悩みながら八百屋の商品をじっと見つめるシンゴの姿が。
「う〜ん……。」
「あれ? シンゴじゃん。」
「マルチさん!?」
「こんなとこで何やってんの?」
「いや、今日のデザートに何か|果物《フルーツ》を食べたいなと思ったんですけど…どれにするかなかなか決められなくて……。」
「ふーん…? じゃあ、食べたい|果物《フルーツ》の候補をいくつかに絞ればいいんじゃ?」
「それもできないんですよぉ……。」
「んー…じゃ、りんご、オレンジ、ブドウ!! この3つから選べ!!」
「うーん……**まず、りんごは王道だよね。皮を剥く手間はあるけど、あのシャキシャキした歯ごたえと甘酸っぱさは捨てがたい。1玉買えば何日かに分けて食べられるし、コストパフォーマンス的にもかなり優秀だ。でも、オレンジのみずみずしさも魅力的だな。包丁でスマイルカットにすれば手軽に食べられるし、ビタミンCも豊富。あの口いっぱいに広がる果汁は、リフレッシュしたい今の気分にぴったりかもしれない。いや、待てよ……ブドウはどうだ? 洗うだけで皮ごと、あるいはツルッと剥いて食べられる手軽さがある。一粒ずつ大事に食べられるから、読書や勉強のお供にも最適だ。ただ、他の2つに比べると少し贅沢な気もするし……。**」
「また始まったよ…。」
「う〜ん……。」
「ああもう!!! じゃあ1番安いオレンジで!! もうそれにしろ!!!」
「あ、じゃあ、オレンジ5つで。」
**「軽い!!!」**
「そういえば、マルチさんはなんでこの市場に?」
「ん? ああ、ちょっと食料調達にな。」
「それにしても、今日はいい日ですねぇ。なんてったって、今日はガルフさんが用事でクエストが休みなんですから。」
「本当それ。今日は珍しくのんびりできるな。用事…ってなんなんだろうな。」
「ガルフさんいわく、結構大変な用事らしいですよ? 遠くまで行かないといけないような。」
「大変そうだな。まあ、それはともかく!!! 今日は家に帰ったら1日中ゲームしまくるぜ!!!」
「やっぱり私生活はだらしない……ん?」
「どうした?」
**「いや、あれ……ガルフさんじゃないすか?」**
「へ?」
「ほら、あそこですよ!!! 服屋の前を通ってるあの人!!!」
「うわ、マジでガルフじゃん!!! ……。」
「え、マルチさん? どうしました?」
「…ちょっと尾けてみようぜ。」
「え?」
「気にならないか? 俺たちに嘘ついてまで隠したかった用事とはなんなのかよぉ。なあ、シンゴ。お前も気になるよなぁ?」
「え、いや、まあ……気にならないと言ったら嘘…になるかも…? にしてもキャラ変わりすぎじゃないすか?」
「そんなことは今はどうでもいい。さあ、尾行開始だ!!!」
「ええええええ!?」
**(ほぼ強制的に)ガルフ尾行作戦 開始!!!!**
ガルフ尾行作戦開始から約5分……ガルフの背後約5m。そこには電柱に隠れる不審者がいた…言うまでもなくマルチとシンゴである。
「いったい何をしてるんでしょうか…。」
「さあな。」
「あ! マルチさんと…シンゴさんまで? こんなとこで何やってんですか?」
なんと、同じく市場で買い物をしていたタートルがマルチとシンゴを見つけ、それなりの音量で声をかけてしまったのだ!!!!
**「🤫!!!」**
「え、絵文字で喋らないようにしている……!?」
「今、ガルフ尾行作戦実行中なんだよ!!」
「ガルフさん!? ガルフさんて今用事で遠くにいるはずじゃ…。」
「ところが、だ。あそこにいるんだよ。」
「へ!? どこに……ガルフさん!?」
**「🤫!!!!」**
「すいません。」
「俺たちに嘘ついてまで隠したかった用事を調べるために尾行してるんだよ。」
「私も混ぜてもらっていいですか?」
「おう。いいぞ。一緒に謎を解こうじゃないか。」
「メンバーが増えちゃったよ……大丈夫かなぁ…?」
**次回!! ガルフの目的が明らかに!?**
久しぶりの投稿でした。
不壊の壁は刃を持たない 第十五話
ガルフの用事とは!?今回長めです。
ガルフ尾行作戦開始から約10分……ガルフの背後約5m。そこには、電柱の影に隠れる不審者がいた…言うまでもなく、マルチとシンゴとタートルである。
3人で小声で話し合う。
「今のところ、大きな動きはありませんね…。」
「ガルフ、『何かを探しているような』感じだな。」
「そうですね。」
「えええ!? なんすかそれ!! ぼく1㎜も分かりませんでしたよ!?」
「やっぱ知能C+だな。」
「ひどくないですか!?」
「あ゛!!! 見ろ、あそこ!!! ガルフが服屋に入って行ったぞ!!!」
「え!」
「じゃあ、本当の『用事』は、『服屋に行くこと』だったんですかね?」
「でも、それくらいなら別に嘘ついてまで隠す必要ないじゃないですか。」
「う〜ん…じゃあ、『別に』何かがあるってことなのか?」
「どうなんでしょうか……。」
「ア! ミンナナニヤッテンノ?」
なんと、ついにはアルバトロスまでもが尾行中のシンゴたちを見つけ、タートルと同じくそれなりの音量で声をかけてしまったのだ!!!
**「🤫!!!」**
「ナ、ナンダコレ!!!」
「本日2度目の絵文字!!!」
「今ガルフを尾行してるんだよ。」
「ナンデ?」
「俺たちになんで嘘ついたのかを調べるためだよ。」
「ヘエ。オレモマゼテ!!!」
「おう。いいぞ。あまり大きな声は出すなよ。」
**「ワカッタ!!!」**
**「🤫!!!!」**
「ゴメン。」
「もう全員じゃん…。」
ガルフが服屋に入ってから約10分後…。
「全っ然出てこねえ!!!」
「うーん……何か手掛かりになるものはないかなぁ……ん?」
「何か見つけたか?」
「いや、あの看板……。」
そう言ってシンゴが指さしたのは、服屋の前に立っているある看板だった。
【裁縫教室開催中!!! 服以外にも使えるヨ!!!】
「……裁縫教室?」
「ガルフさん、裁縫教室に行ったんですか?」
「え、なんで?」
「シラネェヨ。」
「うーん……**いや、確かに最近、服の裾やボタンがきれいに直されていた気はする。でも、それなら既製品の修理サービスに頼めばいいはずだし、わざわざ自分で技術を習得しようとするからには、何か特別な理由があるに違いない。例えば、誰かに手作りのプレゼントを贈りたいとか、あるいは布地の強度や縫製パターンを深く理解することで、日常の服選びや何か別の作業に活かそうとしているのか……? 待てよ、『ただなんとなく興味が湧いた』という可能性も捨てきれない。でも、あの真剣な目つきは絶対にそれだけじゃない。何か隠された目的が……。**」
「こっちも本日2度目!!!」
「やっぱりいつ聞いても長いですね。」
「イツオワルンダ。」
「考えてもわかんないなぁ…。」
**「…のぞいてみようか?」**
「え、できるんすか!?」
「おう。|消音魔法《ミュート》と|姿隠魔法《ステルス》を使えば…いけるはず。」
「やってみましょう!!」
「ヤルノ?」
「やるの!」
**のぞき見作戦 開始!!!!**
「俺は『2特』だからな。|消音魔法《ミュート》と|姿隠魔法《ステルス》を同時に使えるんだよ。」
「おおー!」
「よっしゃ、行くぜ! **|姿隠魔法《ステルス》!!!!**」
マルチがそう唱えた瞬間、マルチを含めたシンゴたち全員が透明になった。※マルチのおかげでシンゴたちにはお互いの姿が見えています。
「すげー!!!」
「これで足音とか出されてガルフに見つかったら大変だからな。**|消音魔法《ミュート》!!!!**」
その瞬間、シンゴたちの『音』が消えた。
「………。」
「…………!!」
「……?」
「**|消音魔法《ミュート》|解除《リリース》!!!!**」
「ブハッ!!!」
「はぁ。忘れてた。|消音魔法《ミュート》使ってる間は声も出せないんだった。」
「|消音魔法《ミュート》も|姿隠魔法《ステルス》みたいに『特定の人だけ音が聞こえるようになる』とかできないんですか?」
「ふっ。できないことはないさ。」
「じゃあやってくれたらよかったのに。」
「__………魔力の消費量がハンパじゃなくなるんです。__」
「なんか急に声が小さくなった!!!」
「マルチは『ふっ』で誤魔化せなくなると、こんなふうになるんです。普段はイキってあんなことしてますけど、これがマルチの本来の姿なんですよ。まあ、すぐ元に戻るんですけどね。」
「__しょうがないだろ!? こっちにはこっちなりの事情があるんだよ!!!__」
「それもうでかい声で言えばいいのに。」
「…まあいい! |消音魔法《ミュート》の|特定解除《フィックスリリース》は魔力を死ぬほど食われるから、さっさと行くぞ! 俺についてこい!」
「本当にすぐ戻った!!!」
「わかった!!」
「行くぜ!! **|消音魔法《ミュート》!!!!**」
またさっきと同じように音が消えたが、マルチのおかげでシンゴたちはその消えたはずの音が聞こえている。
「はよしろ!!! はよ!!!」
「タートルさんはぼくが担いで行きます!!!」
「頼んだ!!!」
急いで服屋の窓から中を覗くシンゴたち。だが……。
**「カーテンかかってんじゃねえか!!!!」**
**のぞき見作戦 失敗!!!!**
「はぁ……魔力がだいぶ減っちまった。」
「大変でしたね。」
「カエリタイ~。アイスガトケルヨ~。」
「今の気温は…27度……やばいかもしれませんね。」
「もう尾行作戦やめます?」
「いや、まだだ。いつかきっと救いの手は現れる!!!」
「そんなこと言っても…もう5時間ですよ? さすがに帰りましょうよ…。」
「いや!! まだだ!!! いつか救いの手は現れえええええええええ!!!」
「どうした!!!」
「ガルフが!!! ガルフが出てきた!!!」
「マジすか!!!」
なんと、服屋から出てきたガルフが持っていたのは……**いびつな形をしたぬいぐるみだった!!!!**
**「ブハハハハハハ!!!! ヘッタクソ!!!!」**
「あ、ちょ!! マルチさん!!!」
「あ゛、見られた?」
「え!? いやいやいやいや、何にも見てませ……。」
「いや…何それ……下手くそすぎるでしょ……ww」
「そうなんだよねぇ。」
「……ガルフさんって、裁縫苦手なんですか?」
「そうなんだよ。だから、裁縫教室に行ってみることにしたんだ。」
「でも、なんであんな嘘…。」
「笑われると思ったから。でも、みんな思ったより優しくて安心したよ。さすが俺の見込んだパーティーメンバーたちだ。ただ……。」
**「ギャハハハハハハ!!!!」**
「|マルチ《あいつ》だけはあんまり優しくなかったがな。」
「……。」
その翌日。冒険者ギルドにて。
「おーい!!!」
「へ?」
少し太り気味の男が、クエストが貼られた掲示板へ向かって猛スピードで走ってきたのだ。
「だれすか?」
「|任務《クエスト》|郵便《ポスト》だよ。毎日掲示板にクエストを貼りに来るんだ。でも、今日はいつもと様子が違うような…?」
|任務《クエスト》|郵便《ポスト》の男は、掲示板にバンとクエストを貼りつけて言った。
**「|緊急《クリシス》|任務《クエスト》だ!!! 【クロードラゴンの討伐】!!!! S級|任務《クエスト》だ!!! 誰かこのクエストをクリアしてくれないか!? 期限は明日まで!!!」**
「ええ!? 何それ!!! しかもS級!? ぜっっっっっったいやりたくない!!!」
「ああ。S級の強さは前に身を持って思い知ったし(四、五話を参照)、明日は休みの予定なんだ!!!」
「そうだそうだ!!!」
**「報酬は600万ペールと『ラーブラ』のエクレアだ!!!」**
「……は? 今…『ラーブラ』っつったか?」
「言ったよ。『ラーブラ』って……16時間並ばないといけないあの最高級ブランドのエクレア?」
「しかも600万ペール………。」
**「やるしかねぇ!!!!」**
**「ええええええええ!?」**
次回!S級任務!
不壊の壁は刃を持たない 第十六話
久しぶりの投稿になりました。
前回までのあらすじ!ガルフパーティーがS級|任務《クエスト》をすることになった!
「え、S級!? いやいやいやいや、ダメでしょ!!! カマイタチの時なんてプロフェッサーがいなかったらマルチさん死んでたじゃないすか!!!」
「おい…もう一度よく考えてみろ……『ラーブラ』だぞ? 本来なら16時間+1つ10万ペールのエクレアを……タダでもらえるんだ……やるしか…ねぇだろ?」
「ぐっっ……!!!」
「じゃ…決まりでいいな……?」
「ゔおおおおおお…!!!」
「よし! 決まりで!」
「え゛!? ぼくまだなんも言ってないんですけど!!!」
「ちなみに、その『クロードラゴン』ってのは、どこにいるんだ?」
「話を聞いてください!!!」
「えっと…『クロードラゴンはヴォラタイル草原にいる』だって。」
「ちょっとおおお!!!」
「ヴォラタイル草原って、1年中気候が不安定らしいぜ。」
「へええ。」
「……そうなんですね。」
「?」
「え、ちょっと待って!? こっからヴォラタイル草原まで40kmあるじゃん!!!」
「はあ!?」
「ちょ、ちょ!! はよ準備せな間に合わんって!!!」
「え、ちょっと! 待ってくださいよ!!!」
30分後……晴れ空が広がるヴォラタイル草原。
「ゼェ。ゼェ。や…やっと着いた……ヴォラタイル草原…。」
「体力SSSSSSSSS…ってやっぱこういう時に便利ですよね☆」
「ずりいぞ…!!! おい、ちょ、アルバトロス…!! |回復魔法《ヒーリング》してくれ!」
「ツカレタカラデキナーイ。」
「いいから!!」
「エ゛~。ショウガナイナー。|回復魔法《ヒーリング》。」
ガルフパーティーたちの疲れがみるみるとれていく。
「やったぜ! 全回復したぞ!」
「さすがアルバトロス! |回復魔法《ヒーリング》の腕|だけは《**・・・**》いいんだよな!」
「ウルセエヨ!!!」
「…あれ?」
曇った空を見上げながら、ガルフが言った。
「どうした、ガルフ?」
「いや、ついさっきまで晴れてたよな?」
「お、おう。」
「でも、今は曇ってるんだよな〜。」
「た、確かに!!!」
「マジで|不安定《ヴォラタイル》じゃん。」
「…そうですね。」
「にしても腹が減ったなぁ…。|回復魔法《ヒーリング》は傷とか疲れには|作用《アクト》するんだけど空腹には|作用《アクト》しないんだよなぁ。」
「俺も腹が減ったぁ。」
「私も。」
「オレモ。」
「そ、それなら、またアルバトロスが何か持ってきてくれてるんじゃ…。」
「そうだな! アルバトロス、何か持ってるか?」
「パンナラアル。」
「おお! じゃあそのパンくれ!」
「1コシカナイ。」
「…………こ、ここは!! リーダー格である俺が食べるべきでは!?」
「はあ!? 何言ってんだよ!! ここは『2特』の俺が食べるべきだろ!? 100年に一度の逸材だぞ!? 俺は!!!」
「私がいなかったらあなたたちすでにみんな死んでるはずでは?」
「オレガクウ!!! モッテキタオレガクウノ!!!」
「たった1つのパンでここまで本気になれるあなたたち、別の意味ですごいと思います。」
**「どういう意味で!?」**
その後、ジャンケンでガルフが食べることが決まりました。
「いえええええええい!!! 俺様の勝ちい!!!」
「くそっ…!!! まさかあそこでグーを出すなんて……!!!」
「ふふん。このパンはお・れ・が!! 美味しくいただくぜ♡ じゃ、いただきま……。」
ガルフがパンを口に入れようとした……その時!!! 黒い影がガルフの手からパンを鷲掴みにしてかっさらっていったのだ!!!!
「はあ!? 何!? パンが消えたんですけど!!!」
「あ゛!! あれは……!!」
マルチが指差した先にはなんと……**今回の|任務《クエスト》の|標的《ターゲット》であるクロードラゴンが羽ばたいていた!!!!** しかも、その足にはガッチリとパンが握られていた!!!
「それ俺のパン!!! 返せドロボー!!!」
ガルフが叫んだが、クロードラゴンには意味はなく、クロードラゴンはパンを器用に口に押し込んでしまった。
**「うわああああああああ!!!」**
「たかがパン1つで!?」
**「ゆるさねぇ…ゆるさねぇぞおおおおおおお!!!」**
「落ち着いてください!!!」
**「|討伐《ぶったお》してやる!!!!」**
**クロードラゴンVSガルフパーティー 開戦!!!!**
「うおおおおおおおおおお!!!!」
ガルフが斬ろうとするが、クロードラゴンは飛んでいるため届かない。
「降りてこいやあああああああああ!!!!」
「あ゛!!! ちょ、ガルフ!!! 危ない!!!」
そう、これこそがクロードラゴンが|緊急《クリシス》のS級|任務《クエスト》に割り当てられた理由……。
**|鋭鉤爪《レグナティ》!!!!**
**ズドオオオオオオオン!!!!**
「……ええええええええ!?」
なんと、ヴォラタイル草原の地面に大きな穴が空いてしまったのだ!!!
「え、ちょ!!! やばくないすか!? 深さ……10mはあるっすよ!?」
「やばいって!!! 直径20mあるって!!! |鋭鉤爪《レグナティ》強すぎだって!!!」
「ちょ、ちょっとまって!!! いったん水晶(新しく買い替えた)で|能力値《ステータス》確認してみるわ!!! ………えーと…?」
〈攻撃力 S。スピード S。知力 A+。体力 A+。〉
**「強すぎんだろ!!!!」**
「どうしよ!!! 攻撃力とスピードがS!? スピードSって|音速《マッハ》だよ!?」
「マジすか!!! ガ、ガルフさん!!! これはさすがに撤退した方が……。」
「いいや!!! 俺は逃げない!!! パンのうらみを晴らすまでは!!!」
「パン好きすぎだろこの人。」
「おいシンゴォ!!!」
「は、はい!?」
「|あいつ《クロードラゴン》を降ろす作戦を考えろ!!! 飛ばれてたらどうやっても攻撃は当たんねえ!!!」
「え゛!? そんなこと急に言われても……。」
「速くしろ!!!」
「えええ!?」
えーと…? 『飛ばれてたら』…だからあの翼をどうにかすればいいんだろ? そもそも|音速《マッハ》で飛ベる上あの大きな|体重《からだ》を支えられるのは、それなりの|靭性《きょうど》があるからだ。ならその|靭性《きょうど》を弱く…|脆《やわらか》くするには……。
「あ!!」
「さっそくきたな!?」
「はい!!! 見つけましたよ、クロードラゴンの攻略法!!!!」
今回も太文字多めでした。
不壊の壁は刃を持たない 第十七話
更新がめっちゃ遅くなりました。すいません。ちなみにクロードラゴン編は四話構成で進めていきたいと思っております。なんかどんどん長くなってってるし……。
「見つけましたよ、クロードラゴンの攻略法!!!!」
「よっしゃ!!! さすがシンゴだな!!! みんな!! いったん隠れて作戦会議だ!!!」
「OK!!」
みんなですぐに草むらに隠れる。
「それで、シンゴ!!! クロードラゴンの攻略法って……!?」
「今回の攻略法は……**『瓶』です。**」
「『瓶』!?」
「そうです。🫙です。」
「く、詳しく説明してくれ!!」
「わかりました!」
「まず、クロードラゴンが今、あの大きな|体重《からだ》を支えて空を飛べている理由。それは、|翼《はね》自体にそれなりの|靭性《きょうど》があるからです。」
「うんうん。」
「つまり、その|靭性《きょうど》を弱く、つまり|脆《やわらか》くすることができれば、クロードラゴンは自分の|体重《からだ》を支えることができずに墜落します。」
「そうだな。」
「その|靭性《きょうど》を|脆《やわらか》くするための鍵が、瓶なんです。」
「うーん……あ!! 瓶で|翼《はね》をぶっ叩くんだろ!? 俺の勘がそう言ってるぞ!!!」
**「全っ然違います。」**
**「クソがああああああああ!!!!」**
「それにしても久しぶりに出たよな、ガルフの当たらない勘。」
「うるせえ!!! じゃあ、瓶で一体どうするって言うんだよ!!!」
「ところでみなさん、**『|液体《えきたい》|窒素《ちっそ》』**って知ってますか?」
「えーと…その……あれだろ? 水になった気体……的な?」
「話を聞いてくれ!!!」
「まあ、間違ってはいませんね。正確には、**『空気中の窒素を−200度まで冷やして液体にしたもの』**です。」
「ほえぇ……?」
「そして、液体窒素には**『|低温脆性《ていおんぜいせい》』**という特性があります。|低温脆性《それ》を使えば、クロードラゴンの|翼《はね》を|脆《やわらか》くすることができるんです!!!」
「う……ん………?」
**「みんなシンゴのわかりにくい説明で理解に苦戦している様だね!!!」**
「え゙!? 誰!?」
どこからともなく、誰かの声が聞こえてきたのだ。
「うるせえよ。そもそも原理から難しいんだから。」
**「代わりに俺様が説明してあげようッ!!!!」**
「あ゙!!! お前は……。」
シンゴが名前を言い切るより先にアルバトロスのかばんから出てきたのは……。
**「プロフェッサー!?」**
「そう!! この世の神とも言える天才スライム!!! プロフェッサー様さ!!! 喜べ愚民ども☆!!!」
「ナンデオレノカバンノナカニイタノ!?」
「なんか前とキャラ違くないですか?」
「模索中なんだろ。」
「そ、それで? わかりやすい説明ってのは…?」
「おう!! 今から説明してやるぜ!!!」
「あのデカい|トカゲ《クロードラゴン》が空を飛べてるのは、|翼《はね》がゴムみたいに強くて頑丈だからだ。ここまではわかるよな?」
「お、おう。な…なんとかな。」
「シンゴの作戦は、『もの凄く冷たい『液体窒素』ってやつを|翼《はね》にぶっかけて倒す』作戦だ。そうだろ?」
「……………。」
「図星☆」
「うるさい!!!」
「でも、|液体窒素《なんかつめたいやつ》を|翼《はね》にぶっかけたところで、何ができるんだ?」
「ふっふっふっ。ここからがこの作戦の|真骨頂《ハイライト》!! |物質《もの》ってのはな、限界まで冷やすとガラスみたいに|脆《やわらか》くなるんだ(これが低温脆性)。**そして!!! 冷え切ったところで|翼《はね》をぶっ叩けば、クロードラゴンは自分の|体重《からだ》を支えきれずに勝手に墜落するってわけさ!!!!**」
「おお……。」
「な? シンゴのよりわかりやすかったろ?」
「確かに……。」
「えええ!? 悲しいんですけど!!!」
「でもさ、その…あの……。」
「『液体窒素』ね。」
「そう!! それだ!! それをどうやって作るんだよ。」
「いや、それは俺も思ってたんだよね☆ 一体どうするつもりだ? |愚民《シンゴ》。」
「ふふふふ……そこで『瓶』の登場なんですよ……。」
「ここで冒頭の回収!?」
**液体窒素の集め方!!(シンゴ流)**
**①空気を瓶の中にパンパンに詰め込む!!!**
「え、でも、『窒素』なんだろ? ならそれ『だけ』を集めなきゃダメなんじゃないのか?」
「大丈夫です。空気中の70%は窒素なので。ただ、それでも足りなかったら嫌なのでパンッパンに詰めておきます。まあ|風凪爪《ウィンドクロー》でも使えば余裕でしょう。」
「なんか|風凪爪《ウィンドクロー》って久しぶりに聞いた気がする……。」
**②−200度まで冷やす!!!**
「ここが1番難しい工程ですね。|氷魔法《アイス》でもなんでもいいのでとにかく冷やしまくってください。」
「お…OK……?」
「さすがのマルチもこの有様……。やべぇぞ。」
「ここさえできればあとは簡単ですよ。」
**③瓶の中に液体がたまってきたら液体窒素の完成!!!**
「あとはできた液体窒素をクロードラゴンの|翼《はね》……できれば付け根の方にぶっかければクロードラゴンの|翼《はね》はガラスみたいに|脆《やわらか》くなるのでそこを叩いてもらえれば勝手に墜落します。」
「へええ……?」
「まあ、あいつを落とせさえすればあとはなんとかなるっしょ☆」
「軽いな……。」
「まあいいや! それじゃ……。」
**「作戦開始だ!!!!」**
最後まで読んでくれてありがとうございました!!感謝の気持ちしかありません!!!
不壊の壁は刃を持たない 第十八話
今回は早めに投稿しました!今回はいつにも増して太文字多めです。
「作戦開始だ!!!!」
「…え、てか瓶ってどこにあんの?」
「…………。」
「シンゴ……?」
「……………………。」
**「ダメじゃん!!!!」**
「えええ!? じゃあどうすんだよ!!!」
「すいませ〜ん……。そこは考えてなかったですぅ………。細かいことあんま気にしない性格なのでぇ……。」
「おま、細かいことあんま気にしない性格なの!? そもそも今その話関係ないし!!!」
「う〜ん………。」
「仕方のない子たちだねぇ……。」
「え?」
きょとんとするガルフたちの前で、プロフェッサーの体がみるみる瓶の形になっていく。
「え、ちょ待!! お前……。」
「ふふふ…瓶がないなら……作ればいいじゃない!!!」
**「またキャラ変えようとしてんのか!?」**
**「あ、そっち!? 私の体の方かと思った!!!」**
「と、とにかくこれで瓶の代わりにはなるはずでしょ!!」
プロフェッサーが瓶になった体をガタガタ言わせて喋る。
「え、シンゴ、どうなの?」
「うーん…まあ、プロフェッサーの性質から考えて、使えないことはないと思います。」
「『使えないことはない』だと!? バカを言うんじゃないっ!!! 私はカマイタチすらも捕まえたんだぞ!? **そう、私の体はまさに『万☆能』!!!!**」
「まあいいや。こいつさっさと冷やすぞ。」
「え、ちょっと!!! 話を聞きなさいよ!!!」
「マルチ!! タートル!! |風凪爪《ウィンドクロー》だ!!! 空気をとにかく詰めろ!!!」
「わかった!!! **|風凪爪《ウィンドクロー》!!!!**」
|風凪爪《ウィンドクロー》の力で、プロフェッサーの中にどんどん空気が入っていく。
**「痛った!!!」**
「え?」
**「え、ちょっと!!! 痛いんですけど!!! 空気入れすぎ!!! やばい!!! 破裂するって!!!」**
「いや、そこは耐えろよ。」
「冷たい目を向けないで!!!」
「あ、そろそろいいかもです。」
「プロフェッサー!!! フタしろ!!!」
「わかってるわよ!!!」
プロフェッサーの(空気の)入り口にフタがされる。
「ゔゔ……。吐きそう…。」
「おし!! 次は冷やすぞ!!! 目標は−200度!!!」
「おっけい!!!」
「え、ちょ、待っ
**「|氷魔法《アイス》!!!!」**
**「冷てえ!!!!」**
「え?」
**「え、ちょっと待って!? 冷たい!!! 死ぬ!!! 死ぬって!!! ちょっと待って!!! ねえ!!!」**
「う〜ん……さっきも空気の詰め込みに耐えてもらったし……いったん冷やすのを止めようか…?」
「そう!!! それがいい!!! な、シンゴ!!!」
「あ、ちなみに、**一回冷やすのを止めると余計時間かかりますよ。**」
**「冷やすのを止めるなぁ!!!!」**
**「えええええ!?」**
10分後……。
「で…できた!! その名も……**凍結スライム瓶!!!**」
※プロフェッサーの意識はありません。
「中は……あ、なんか水ができてる!!」
「それが液体窒素なんですよ。」
「おお〜。」
「ん……あれ!?」
「どうした!?」
「なんか瓶まで液体窒素の影響受けはじめてるんですけど!!! このままだと瓶ごとぶっ壊れます!!!」
「なんだって!? プロフェッサーの努力を無駄にしないためにも……早く液体窒素をぶっかけないと!!! |片翼《かたはね》でもいいので!!!」
「とりあえず俺がおとりになるからその隙にぶっかけてくれ!!」
「OK!!」
「よし! **ここからが本当の作戦開始だ!!!!**」
「おお〜い!!! クロードラゴーン!!!」
クロードラゴンがガルフに気づいたのか、視線をガルフの方に向けた。
**「こんのぉ……クソドラゴンがああああああああ!!!!」**
クロードラゴンが一直線にガルフへと向かっていく。そこはさすがの知能A+。
「やばいやばいやばいやばい!!! 速すぎるって!!! 追いつかれる!!! 死ぬううううううう!!!!」
「今だ、シンゴ!!!」
「はい!! マルチさん!!! うおおおおおおお!!! **必殺!!!**」
「んあ……なんだ? 意識飛んでた? ところでシンゴは何を……ハッッ!!!!」
**「凍結スライム瓶液体窒素ブレイク!!!!」**
**「|瓶《おれ》ごと投げてんじゃねぇええええええ!!!!」**
**パリーン!!!!**
「やった!! 命中した!!!」
「なるほど……『瓶も液体窒素の影響を受けてたからそのまま投げても瓶ごと割れて問題ナッシング☆』ってか………シンゴもよく考えたなぁ……。」
その時、地面から声が聞こえてきた。
「お…俺は問題しかないんだが……?」
「ん?」
よく見るとそこには……小さくなったプロフェッサーの姿が!!!
「ブハハハハハ!!! 何それ!!!」
「しゃあねえだろ!? 粉々にされたんだから!!!」
「今はそんな話どうでもいいでしょ!!! ガルフさん!! クロードラゴンの|翼《はね》を!!! クロードラゴンがまだ地面にいる今がチャンスです!!!」
「おっしゃあああ!!! 食らえ!!! 必殺!!!」
「ガルフさんの必殺技…きっとかっこいい名前に違いない!」
**「ガルフ斬り!!!!」**
**「ネーミングセンスが皆無!!!!」**
**「うるせえ!!!!」**
「ギャアアアアア!!!!」
クロードラゴンが悲鳴を上げるが、もはやどうにもならない。
**シンゴの作戦により、クロードラゴンの|片翼《かたはね》は粉々になってしまったのだから!!!!**
「いくぞみんな!!! **クロードラゴン討伐だ!!!!**」
お知らせです!人気投票をしてくれた方、本当に申し訳ありません! https://tasuketsu.com/result/5sbaJ8XN6Iz4MLTlCO1f このリンクからもう一度人気投票をしてください!前のサイトはバグかなんかで消えちゃったみたいで……本当にすみません!!!
不壊の壁は刃を持たない 第十九話
どうやってブチギレクロードラゴンを討伐するかな…? 今回「かなり」長めです。ご了承ください。
「クロードラゴンが飛べなくなった今がチャンスだ!!! クロードラゴンを討伐するぞ!!!!」
「おう!!!」
いける…!! このままなら……!!! クロードラゴンを討伐できる!!!
「あ゙!!! ガルフ!!! ちょ、危な……。」
「え?」
**|鋭鉤爪《レグナティ》!!!!**
**「ギャアアアアア!!!!」**
**ズドオオオオン!!!!**
「……………。」
「ヴォラタイル草原の後ろにあった森が……。」
「一直線に消し飛んでるんですけど………。」
「やっば……|鋭鉤爪《レグナティ》のこと1mmも考えてなかった……。」
「やばいって!!! シンゴ!! |鋭鉤爪《レグナティ》どうにかしないと討伐できないじゃん!!!」
「やばいですね!!! これはやばい!!!」
「どうすればいい!?」
「知りませんよそんなの!!!」
「ちょ、ちょっと!! もう一回作戦を練り直そ!? ね!?」
「そ、そっすね!!」
「みんな!! ちょっともっかい作戦会議し直すぞ!!!」
「ラジャ!!!」
みんなで草むらに隠れ直そうとするが……|片翼《かたはね》を失ってブチギレているクロードラゴンがそう簡単に作戦会議などさせるはずがなかった!!!
「え゙!? えええええええええ!? クロードラゴンめちゃくちゃ追いかけてくるんですけど!!!」
「やばいやばいやばい!!! 速すぎ!!! 追いつかれる〜!!!」
「くそっ!! **|煙魔法《スモーク》!!!!**」
マルチの|煙魔法《スモーク》で、あたりが白い煙に包まれた。
「今のうt…ゲホッ!!」
「ゲホッゲホ!! ちょ、なんすかこr…ゲホゲホ!!!」
「とにかくいそg…ゲホゲホゲホ!!!」
「だから|煙魔法《スモーク》は使いたくなかったんだよ。」
「でも、結果的に隠れられたんだし、よしとしましょうよ。」
「まあそれもそうか。」
「それにしてもやばいですって!! あれは真っ向から向かっていっても勝てないですって!!!」
「テンションどうなってんだよ。」
「そうだな……で、それをどうするかを考えるのがお前の仕事だろ? お前頭脳派だし。」
「知らぬ間に頭脳派にされてる!!!」
「え、なに? 逆にお前今まで自覚なかったの? お前そんな直感で動くタイプじゃないだろ?」
「え、いや、そう言われると………ハッッ!!!」
「論破☆」
「くそおおおお!!!」
「さあ、どうするんだい? HAHAHAHAHAHA!!!」
「ウザすぎだろ。」
「ちょっとマルチは黙ってて。さあシンゴ!!! どうするんだい!?」
「ゔ〜ん……ゔ〜ん………。」
「がんばれって!! ほらがーんばれ! がーんばれ!!」
「ゔ〜〜〜〜〜〜〜〜ん…………。」
「……早くしてくれないか?」
「うるさい!!! じゃあ、ガルフさんはどうするんですかぁ〜?」
「え、俺!?」
「そうですよぉ? 人に物を言っておいて自分ができないなんてぇ、バリクソダサいじゃないですかぁ?」
「お前ら2人ともウザすぎだろ。」
「ちょっとマルチさんは黙っててください。さぁ、どうするんですかぁ〜?」
「うーん…………こう……穴を掘って下から……みたいな?」
「なんすかそれ。」
「だからぁ……
【地上】
[クロードラゴン]
▲
│
│ ◁上に向かって攻撃!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ [地面]
│
┌─┴─┐ [穴]
│ │
└─┬─┘
△この穴に誰かが入る!
【地下】
こんな感じ!!」
「おお……なんか図が出てきた………。」
「いや、ガルフすゎん。それは流石に無理があるってぇん。」
「おま、プロフェッサー!! またキャラ変えやがって!!!」
「そんなことはぁ、今はぁ、どうでもいいのぉ。」
「その喋り方鬱陶しいな。」
「あん!? じゃあこの喋り方で言ってやるよ!!! 文句あんのかコラァ!!!」
「うん。こっちの方がプロフェッサーらしくていいね。」
「ケッ。まあ、その話は置いといて……ガルフ! その作戦は無理があるぞ! まず、どうやって穴を掘る?」
「え? いや、|風凪爪《ウィンドクロー》とかで開けたら……。」
「そんなことしたらめっちゃ音出るだろ? 穴掘る以前にクロードラゴンに見つかって|鋭鉤爪《レグナティ》!!! |The《ジ》.|End《エンド》だぜ?」
「ぐっっ……。」
**「…………いや、行けますけど。」**
「え!?」
「まさにそれですよ!! それ!! 見つけましたよ、クロードラゴンの新しい攻略法!!!」
「まじ!?」
「でも、それにはあの……なんか物を飛ばす的な|魔法《やつ》がいるんですけど……。」
「|念動力《サイコキネシス》ならあるけど。」
「そうそれ!! それあれば大丈夫っす☆!!」
「で、どうするんだ?」
「あ、はい。今回の作戦は……………。」
「なるほど! さすがシンゴ!!」
「えへへぇ……。」
「デレんな気持ち悪ぃ!!!」
「プロフェッサーは黙ってて!!!」
「じゃ、タートルさん、|作戦通りに《**・・・・・**》お願いします。」
「了解。」
「よし!! じゃあ……**クロードラゴン討伐作戦パート2開始だ!!!!**」
**①!!! できるだけとがった木を|念動力《サイコキネシス》でクロードラゴンに向かって飛ばす!!!!**
「でも、なかなかとがった木ってないなぁ……。」
「もう|風凪爪《ウィンドクロー》で削っちゃうか。」
「ナイス!!」
**「|風凪爪《ウィンドクロー》!!!!」**
マルチの|風凪爪《ウィンドクロー》の力で、みるみる木が削られていく。
「さすがですマルチさん!! これでとがった木ができました!! これなら①はできそうですね!!」
「ふふっ。すごいだろ? この俺☆ だからパンは俺が食べたほうがいいって言ったんだ。さっきからガルフほぼなんもしてねえだろ?」
「ぐっっ……。」
「今はそんなことどうでもいいので早く投げてください!! あと、絶対に|当てちゃダメですよ《**・・・・・・・・・**》。」
「え、なんで?」
「理由は後で説明します。とにかく、|当てないで《**・・・・・**》ください。できるだけ|あいつ《クロードラゴン》の足元を狙う感じで。」
「わかったよ。オラっ!!! **|念動力《サイコキネシス》!!!!**」
**ズンッ!!!!**
見事クロードラゴンの足元に木が突き刺さった。
「よっしゃ!!」
「じゃあ次ですね!」
「てかこれなんの意味があんの? 普通に外しただけでは……。」
**②!!! 別の木をさっきのとがった木にぶち当てる!!!**
「この木は正直どんなのでもいいです、ただ、それなりに重くないと……。」
「じゃあ、こんなのでどうだ?」
と言ってガルフが持ってきたのは、20mはある巨木!!!
「デカすぎだろ!!!」
「まあいいんじゃないですか?」
「ほらな!!! 俺だってちゃんとできるんだぜ!!!」
「ぐっっ……でもまだ一回だけだからな!!」
「なんか今回『ぐっっ』てよく出るなぁ……。」
「これで②達成だな!! いけ!!! |念動力《サイコキネシス》!!!!」
「|念動力《サイコキネシス》によって飛ばされた20mの巨木がさっきのとがった木に当たると…………**③!!! シーソーみたいになってクロードラゴンがぶっ飛ぶ!!!!**」
シンゴの作戦通り、クロードラゴンは空高くへとぶっ飛んでいった。
「おおおお!!!」
「え、ちょっと待って。よくわかんないんだけど。」
「ふっふっふっ。じゃあ俺が説明してやるよ。」
「ぷ、プロフェッサー!? なんでお前が!?」
「まあ落ち着け。おいガルフ。よく聞けよ? まず、マルチが最初に投げたあの『とがった木』。あれは、|外したんじゃない《**・・・・・・・・**》。」
「え!? どゆこと!?」
「あの木は、|あいつ《クロードラゴン》の足元に|埋め込んだ《**・・・・・**》のさ。」
「|埋め込んだ《**・・・・・**》?」
「そう。これで、シーソーの土台ができあがった。」
「ほう。」
「そして、次に投げたあの木が|クロードラゴンがとがった木の上にいる状態で《**・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・**》とがった木に反対方向から当たると……?」
「叩きつけられた反動でとがった木が跳ね上がり、上にいたクロードラゴンがぶっ飛ぶんだ!!!!」
「おおおおお!!! すげー!!」
「てかこれ作戦の説明時点でちゃんとシンゴが説明してたろ。」
「え、そうなの!?」
「そうですよ。」
「まじかよ………。」
「まじですよ。」
「ま、まあ!! それはいいとしてさ? ぶっ飛ばすことでなんになるんだよ?」
「ふっふっふっ。」
「ウザ。」
「え!?」
「やっぱシンゴはこっちの方がいいよ。」
「…………。」
**「おいそこォ!!! イチャつくなァ!!!!」**
**「イチャついてねーし!!!!」**
「ごほん。では、改めて説明しますよ?」
「うむ。」
「ガルフさんは、『クロードラゴンをぶっ飛ばすことでなんの意味があるのか』と言っていましたね?」
「うんうん。」
「あるんですよ。意味が。」
「ほう……?」
「まず、クロードラゴンに真っ向から向かっていったら|鋭鉤爪《レグナティ》ですぐに終わります。」
「そうだよな。だから、別のやり方が必要だ……ってなって、俺が穴から攻撃する方法を考えて……。」
「そう。|地面の下からなら《**・・・・・・・・**》、クロードラゴンのことを攻撃することができる。でも、穴を掘ろうとするとクロードラゴンに見つかる。なら、|もともとある穴《**・・・・・・・**》を利用すればいい。」
「もともとある穴……?」
「それと、気づいていますか? |タートルさんがいない《**・・・・・・・・・・**》ことに。」
「………あ!!! ……まさか!!」
「そう。クロードラゴンが最初に披露した|鋭鉤爪《レグナティ》で開けたあの穴……!!! あそこからなら、|地面の下から《**・・・・・・**》クロードラゴンを攻撃できる!!!!」
「……!!!」
「そう。全てはあの穴の近くにぶっ飛ばすための作戦だったんですよ。」
「まさかタートルって今……。」
「穴の中にいますよ? じゃ、ちょっと見ときましょうか。タートルさんの最強魔法……気になりますねぇ………。」
「キモっ。」
「全っ然キモくないですよ!!!」
「あ!! 出るぞ!! タートルの最強魔法!!!」
**「最強魔法!!!! |連射超速亀弾《ハイパードライブタートル》!!!!」**
たくさんの亀たちが、クロードラゴンに向かって飛んでいく。
「ええええええ!? なんすかあれ!? 多すぎるでしょ!!!」
「あれこそがタートルの最強魔法。|連射超速亀弾《ハイパードライブタートル》だ。亀の1体1体がB+の攻撃力を持つ。」
「あれ、B+? 亀自体はそんなに強くないんじゃ……。」
「でもな、タートルの最強魔法の真髄は『数』なんだよ。」
「あ!!」
「正直、あれ全部食らったらS+ランクらしいぞ。」
「S+!? はみ出てるじゃないですか!!!」
「体力SSSSSSSSS……のやつに言われたくねぇわ。」※ガルフは体力がCなのが
コンプレックスです。
「すみません……。」
「でもこれで……!!!」
**クロードラゴン 討伐完了!!!!**
「いえええええい!!!」
「…………。」
「ん? どうしました、ガルフさん?」
**「……で、俺のパンは?」**
**「それ最初のやつ!!!!」**
「すっかり忘れてた!! てかもうクロードラゴンの胃のなかで消化されてますって!!!」
「うおおおおおお!! クロードラゴンめえええええ!!!」
「まあまあ。でも、これでエクレアが手に入るじゃないですか。」
「ハッッ!!!!」
「強欲なやつめ……。」
「あん!?」
「落ち着いてください!!」
なんやかんやでわちゃわちゃしているガルフパーティーたちの後ろでは、|連射超速亀弾《ハイパードライブタートル》によって体のほとんどがなくなってしまったクロードラゴンと、穴から出てきたタートルがガルフパーティーたちの所に向かおうとしていた。
「おーい!」
「あ、タートルさん! すごかったですよ!!」
「ありがと。今行くから待っ………………!!!!」
**|鋭鉤爪《レグナティ》!!!!**
安心も束の間に、クロードラゴンが最後の力を振り絞り、タートルに向かって|鋭鉤爪《レグナティ》を放ってしまったのだ。
**「タートルさん!!!!」**
タートルの運命やいかに!?次も更新が遅くなるかもしれませんがご了承ください……🙇