編集者:SAKUTARO777
「不壊の壁は刃を持たない」シリーズです。
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目次
不壊の壁は刃を持たない 第一話
かなり長めです。ご了承ください。
「終わんねぇえええええええ!!!!」
夜2時。一向に仕事が終わりません。もう38連勤。ただでさえ体が弱くて体力がないんですよ、ぼく。それなのに同僚がぼくがメガネだって理由だけで仕事を全部押し付けていくんですよ。死ぬっつーの!!!!
「まじで死ぬんじゃないかしら。死ぬとしたら…過労死か。死んだらどうしよっかなー。」
なんてことを考えていたら、まじで死んじゃいました。過労死です。薄れゆく意識の中、「もっと体力があったらよかったのに………。」
目が覚めると、見知らぬ場所にいました。全く知らない森の中。ぼくも最初は混乱しましたけど、ようやく理解しました。
「これが…『転生』か!!!!」
いやもうメッチャ嬉しかったっすよ。なんてったって「転生」でしょ!? 転生モノって大体主人公が無双するやつじゃないですか!! 敵をバーンってぶっ倒して、最後にゃかわいーお嫁さんとケッコン!!! 最高ジャン!!!!
「この世界ならぼくもすげーことできちまうのでは!?」
とかノンキなこと考えてたら…なんと!! ぼくの前にバケモノが現れたのです!!!
「ぎゃあああああああ!!!!」
ナマハゲみたいな頭にトラみたいな体のバケモン!! よだれダラダラたらしてるバケモン!!! 明らかにぼくを食おうとしてるバケモン!!!! 死ぬって!!!! 死ぬって!!!! いや、ぼくはぼくなりに必死に逃げたんですよ? でもね、やっぱり追いつかれちゃったんですよ。バチィッって頬をぶっ叩かれましてね。クソ痛かったんですよ。血とかは出なかったけど。
「あ、これ死ぬな。」
転生してわずか5分。ぼくの第2の人生が終わってしまうかに思えた……その時!!!
ズバッ!!!!
って音がしたかと思って振り向いたら……バケモンが真っ二つになってたんですよ。そんでバケモンの頭の上みてみたら…人がいたんです!!! でっかい剣を持ってる、ムキムキのイケメン!!!! この人が助けてくれたんだな、とぼくはすぐにわかりました。
「おい、そこのお前。見慣れない顔だな。旅人か?」
旅人…じゃないけど…まあそんな感じか。てか言葉がわかるんですけど!! なんか知らんけどありがたい!!!
「あ、ハイ。」
「『魔導登録証』は持ってるか?」
「なんすか、それ。持ってないっす。」
「ぬゎにぃ〜〜!? 魔導登録証を持っていないだとォ!?」
いやまじで知らない!! だってこの世界来てまだ7分しか経ってないもん!!
「全く…しょうがないな。ついて来い。新しく登録させてやる。」
なんやかんや優しい人なんだな…。
ムキムキイケメンに連れられてぼくは『フロリッシュ』って街に着きました。ちなみに4時間かかりました。その割には全然疲れなかったけど。
「結構栄えてるなぁ…。」
「おう! なんてったってここは王都だからな!!」
「道理で。」
そのまま歩いていくと、「魔導庁」という看板の大きな建物が見えてきました。あ、文字も読めるんだ!! ありがてぇ〜!!! 魔導庁に入ると、さっそく受付の人が話しかけてくれました。
「おうガルフ! 今日はどんなご用で?」
あ、ムキムキイケメンの人ガルフって言うんだ…。
「こいつ、魔導登録証を持ってないらしいんだ。だから、新しく発行してもらいたい。」
「……はァ!?」
え、なに!? 受付の人がぼくをジロジロみてるんですけど!!! 怖い!!!!
「おい、お前いくつだ。」
「23です。」
「ぬゎにぃ〜〜!? 魔導登録証は6歳になったら発行する法律だろ!? 世界規模で!!!」
ウソだろ!? じゃあぼく法律守れてないじゃん!!!「魔導登録証の不携帯は重罪!!!」とかだったらどうしよぉお〜〜!!!
「いや、こいつは旅人らしい。南方の国のやつだったらありえるだろ。」
「うむ…。」
南方の国……? そこじゃ法律であるはずの「6歳で魔導登録証を発行する」ってことができてないのか…?
「まあ、いいだろう。こっちへ来い。」
受付の人に案内されて、ぼくは「魔導登録」する(らしい)部屋に行きました。
「部屋の真ん中に置いてある水晶…あれで同録するのかな…?」
「じゃ、この水晶に手をかざせ。この水晶がお前の能力を教えてくれる。それを魔導登録証に書き写す。それで発行終了だ。」
そんな簡単にできるんだ…そして、言われたままにぼくは水晶に手を伸ばしました。水晶が喋ります。
〈攻撃力 C。知能 C+。スピード B。〉
え、ぼくメッチャザコくね!? 最低ランクがCとかだったらまじやばいって!!! もうかわいーお嫁さんとケッコンどころじゃないよ!? 一応ガルフさんにも確かめておこうかな…。
「あの、これって何段階あるんでしょうか…。」
「下からC、C+、B、B+、A、A+、Sだ。お前めっちゃザコだな。」
うぎゃぁああああああああ!!!! そんなぁああああああ!!!! 絶望していたぼくに、水晶が言いました。
〈体力 S。〉
……え? 体力が…S!?
〈SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS…。〉
Sが止まんなくなった!? え、なんで!? 受付の人、続いてガルフさんが言いました。
「そんなバカな!! 一番上がSだからSがいくつも付くってことはありえないはずだぞ!!! SSもS+もないのに!!!!」
「おい、もう一回やってみろ。水晶の誤作動かもしれん。」
「あ、ハイ。」
ぼくは言われた通りにもう一回水晶に手を伸ばしました。
〈攻撃力 C。知能 C+。スピード B。〉
ここまでは同じ…。問題は次…。
〈体力 SSSSSSSSSSSSSSSSSSSSSS…。〉
やっぱり同じ!? なんで!? そこで、ガルフさんが言った。
「おい、お前、ナマハゲタイガーに攻撃されたりしなかったか!?」
ナマハゲタイガー…。あ、さっきのバケモンか。
「それなら、普通にビンタされましたけど。」
「な…に!?」
え、なんかダメだった!? ガルフさん、受付の人の順で言います。
「ナマハゲタイガーの攻撃力はな、Sなんだ。Sの攻撃はSじゃなきゃ防げない。普通に食らえば即死だぞ? それなら…ありえるかもしれない。」
「確かにな…いくらSでもかすり傷くらいは負うはずだ。それなのに傷一つ負っていないなんて…。」
ん? 「体力」って「持久力」みたいなことじゃないのか?
「あの。」ガルフさんが答えてくれた。
「なんだ。」
「『体力』って、どう言う意味なんですか?」
「ああ、ここでいう体力は、『持久力』『頑丈(タフネス)さ』のことなんだ。」
え!? どっちも前世の俺が持ってなかったやつ!!! うおおおおおおお!!!なんかうれし〜!!!! ……確かに、フロリッシュに着くまで4時間ずっと歩きっぱなしだったけど全然疲れなかったもんな…。そして、ようやくずっと黙っていたガルフさんが口を開けた。
「なあ…。」
「ハイ!? なんでしょうか!!」
「俺のパーティーに入らないか!?」
……え?
最後まで読んでくださりありがとうございました!コメント&アドバイスなどいただけると励みになります!ユーザー名も書いてくれたらその人の作品読みますので!ちなみに「あさまる」と「とやまる」の兄です!弟たちの作品もぜひ!読んで見てください!
不壊の壁は刃を持たない 第二話
ちょっと長いかもしれません。
「俺のパーティーに入らないか!?」
……え? いや、誘ってもらえるのは嬉しいんだけどさ、ぼくを誘う意味がわからない。だって体力しか取り柄がないじゃない。前世でも一向に出世できず万年普通社員だったんだもの。
「あの、本当にぼくなんかでいいんでしょうか…?」
「ああ、もちろんだ!!」
うっひょおおおおおおおお!!!! 人に認められたあああああああ!!!! それもガルフさんに!!! うれし〜!!! …あ、そういえば…。
「あの、ガルフさんの魔導登録証を見せていただけますか?」
『魔導登録証』とは、現世で言う身分証? 的なやつらしい。
「おゔ、いイぃぃィイィぞ。」
といって、ガルフさんは魔導登録証を見せてくれた。なんか動揺してなかったか…? まあいいや。どれどれ…?
〈攻撃力 A。知能 A。スピード A。〉つっっっっっよ!!!! ガルフさん強すぎるぜ!!! さすが!!! で、体力は…。
〈体力 C。〉……んん!? 体力がC!? ウソだろ!? あんなに強いガルフさんが!?
「あの、この《体力 C》って、本当なんですか?」受付の人が言う。
「ああ、本当だ。」
「ええっ!? でも、フロリッシュに来るまですっど歩きっぱなしで…。」
「ああ、それね? 魔法で地面スレスレを浮いてたんだよ。」
ええええええええええええええええええええええ!?!?
「普通に歩いてたら1時間も持たないよ、ガルフは。」
「本当なんですか? ガルフさん。」
「………📕トウダ。」
📕(本)当らしいな…。信じられないよ。あのガルフさんが…体力C!? とか考えてたらガルフさんが言った。
「だ・か・ら!! 君のような頼れるタンクが欲しかったんだよ!!!」
「タンク?」受付の人が言う。
「パーティーにとっての『盾』だ。」次にガルフさん。
「俺はさっきも言った通り体力がCだからBランク以上のモンスターの攻撃を受けると死ぬ!!! 死ななくても致命傷を負う!!! だから君のような優れたタンクがいれば俺にとってもパーティーにとってもすっごく嬉しいことなんだよ!!!」
「おお……。」
なんかぼくはすごい人らしいぞ? ガルフさんもいるしこれなら入っても……いや! 待てよ? 本当に大事なのは『報酬』じゃないのか? 思ったよりブラックなパーティーだったら取り返しがつかなくなるかもしれないからな。
「ところで、報酬はどれくらいもらえるんでしょうか?」ガルフさんが言う。
「んー…クエストの難易度にもよるけど…普段は100万ペールくらいもらってるかなぁ…。」
『ペール』? なんじゃそりゃ。お金の単位かな?
「あの、100万ペールってどれくらいの価値があるんですか?」受付の人が答えてくれた。
「100万ペールありゃA5等級の黒毛和牛が30キロは買えるぞ。」
えええええええええ!? あ、じゃあ1ペールって現世の1円って考えてもいいわけだ。にしてもえええええええ!?相当もらってるじゃないですか!!! まじかよ!!! てかこっちにも黒毛和牛いるんだ。あ、でも「パーティー」って言ってたからな…報酬は山分けか…? もしパーティーが20人いるなら一人あたり5万円になるじゃないか!!! それは嫌だね!!! 十分高いけど嫌だね!!! ぼくぁ欲張りな人間なんでね!!! 一応聞いておこうかな!!!
「ちなみに、ガルフさんのパーティーって何人いるんですか?」
「俺のパーティーは5人だよ。お前を入れてな。」
おおおおおおおおおおお!!! 1人あたり20万!!! 余裕で一人暮らしできる金額じゃないか!!! 月1回しかクエストしなくても余裕!!!! あ、でも…。
「クエストはどれくらいの頻度でするんでしょうか?」
あんまり働きたくないからな!! ぼくは!! 過労死したせいでこっちの世界来たんだからね!!!!
「俺のパーティーでは毎日1回はクエストするようにしているよ。」
ゔおおおおおお!!!! どうしよっかなぁああああああ!!!! 入らないでおこうかなあああああ!!!!
「あんまり休んでいると体が鈍るし、ペールはいくらあっても困らないからな!!!」
おお…。さすがだぜガルフさん…。てか『ペール』ってお金そのもののことだったんだ…。う〜〜〜〜〜ん…。どーしよっかなぁあああああああ。せめて大好きなエクレアを毎回クエスト終わりに配ってくれるなら………。
「あ、そういえば俺のパーティーはいつもクエスト終わりにエクレアを配るようにしてるぞ。」
「ぜひパーティーに入らせてください!!!!!」
最後まで読んでくださりありがとうございます!コメント&アドバイスなどいただけると励みになります!コメントにユーザー名を書いてくれればその人の作品も読みますので!ちなみに「あさまる」と「とやまる」の兄です!弟たちの作品もぜひ!読んでみてください!