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不壊の壁は刃を持たない 第九話
SAKUTARO777
キングスライムの攻略法!!
「見つけましたよ、キングスライムの攻略法!!!!」
「おお!!!」
「なになに!?」
「今回の攻略法は…**『塩』です。**」
「へえ…じゃあ説明おねが
「危ない!! |巨身撃《ドロップタックル》が来るぞ!!!」
「え゛?」
「んぎゃああああああ!!!!」
**ドスゥゥゥゥゥン!!!!**
「っぶねぇ……。」
「デカすぎんだろ!?」
「でもその分、動きは遅い! 早くどこかに隠れよう!!」
「よし!! 全速力であのでかい木の裏に隠れよう!!!」
「おう!!」
素早く木の裏に隠れたパーティー。※タートルはガルフが抱えていきました。
「それで、シンゴ。『塩』ってなんなんだ?」
「あ、はい。ところでみなさん、『浸透圧の原理』って知ってますか?」
「う〜ん…。」
「すっごく簡単に説明すると、『水が塩や砂糖が濃い場所へ移動する性質』ですね。」
「う〜ん……?」
「身近なものに例えるなら…あ! きゅうりの塩漬けですね!」
「え? きゅうりとその……ナントカあつの…。」
「『浸透圧の原理』です。」
「そうそれ! それと何が関係あるんだ?」
「まず、きゅうりの塩漬けを作るとき、きゅうりの中に水分、きゅうりの外に塩がありますよね?」
「そうだな。きゅうりってみずみずしいし。」
「そして、きゅうりの塩漬けができたとき、きゅうりの中から水分がなくなってしおしおになり、きゅうりの外には水が出てできた塩水があります。」
「んんん?」
「『塩の濃い方に水が移動した』ってことですよ。」
「おー!!」
「そしてこの原理をスライムに使うと…?」
「ゔ〜……。」
「ヒント。スライムは体の90%以上が水分ですよ?」
「あ!!」
「マルチさん!! わかったんですか!?」
「わかったよ。」
「ええええええ!?」
「スライムに浸透圧の原理を使うと、体の中の水分が抜け出てボロボロのカチカチになるんだろ?」
「正解でえす!! これなら倒せる気もしません!?」
「……いけるかもな。でも問題は…。」
「『塩』をどうやって用意するかだよな…。塩なんて持ってきてないし…。」
「ふっふっふっ。そこもちゃーんと考えてるんですよ。」
「え!?」
「僕たちが隠れているこの『木』を利用するんですよ。」
「ええ!?」
「見たところ、この木、僕の世界にあった『ヒルギダマシ』って木によく似てるんです。」
「ん?」
「それで、ヒルギダマシは、葉っぱの裏の塩類腺ってところから塩を出すことができるんです。葉の表面に白い結晶が付いてたらその証拠です。」
「あ! ほんとだ!! 白いのが葉っぱについてる!!!」
「なめてみてください。」
「しょっぱい!!!」
「やっぱり! これヒルギダマシなんだ!!」
「でも、結構味薄かったし、量めっちゃ少ないんじゃないの?」
「はい。めちゃくちゃ少ないです。」
「スライムを倒す分には?」
「全く足りません。」
**「ダメじゃん!!!!」**
「でも、周りをよく見てください。ここは森。この木が何本あると思ってるんですか?」
「あ…!!」
「これが、攻略法です。」
「おおおお!! すごい!! でも、どうやってこの木から塩を取り出すんだ?」
「風魔法で葉っぱの裏の塩だけを削り取ってくれれば…いいと思います。」
「よっしゃ!! いくぞ、みんな!! キングスライムを倒すぞ!!!」
「おおー!!」
「いくぜ!! |風凪爪《ウィンドクロー》!!!!」
マルチとタートルの風魔法で、葉っぱの裏から次々と塩が削り取られていく。
「あ!! やっば!! 計算したけどやっぱ塩の量足りねーじゃん!!!」
「え!? 何やってんだよシンゴ!!! |風凪爪《ウィンドクロー》使うの結構疲れるんだぞ!?」
「やばい!! 作戦しっぱ……。」
「シオ、アッタゾ!!!」
「え!?」
アルバトロスが手にしていたのは、
**ポテトチップスこいしお味BIGサイズ!!!!**
「うすしおじゃなくて!?」
「それは!!! 塩分濃度103%のポテチ!?」
「なんだよそれ!? 100%超えてんじゃん!!!」
「このポテチにも|風凪爪《ウィンドクロー》を使ってくれ!!!」
「わ、わかった!!!」
ヒルギダマシから取り出した塩とポテチから取り出した塩が集まっていく。
「え、まじ!? 奇跡的に塩が足りた!!!」
「いっけええええええええええ!!!!」
**ズガアアアアアン!!!!**
「ちっちゃ。」
マルチが抱えているのは、ボロボロになったキングスライム(だったもの)。
「じゃ、こいつも倒して追加報酬を……。」
「ちょっと待て。」
「ええ?」
「こいつ、頭いいぞ。」
「へ?」
「これ、いつも持ち歩いてる魔導登録用の水晶なんだけどさ。」
「え、なんでそんなもん持ち歩いてんですか?」
「もし体に異変とかがあったらこの水晶でわかるんだよ。」
「便利すぎないか?」
「それで、こいつのステータス見たんだけどさ。知力がSSSSSSSSSS…だったんだよね。」
「え?」
「だからこいつをパーティーに入れようと思うんだけど…どう?」
「いや、頭いい人がいてくれたらうちのパーティーも助かるし…いい…んじゃ…あ、でもそいつが暴走しないとも限らないだろ?」
「大丈夫。もうこいつは普通のスライム以下だよ。知力だけ。塩が相当奥まで染み込んじゃったみたい。…ちょっと水かけていい?」
「どーぞ。」
マルチが水魔法を唱え、スライムに水をかけると、スライムがスライムになった(?)!!
「ひ〜…死ぬかと思ったよ…。水ありがてぇ…。」
**「しゃべった!!!!」**
「これも知力SSSSSSSSS…が関係してんのかな?」
「なあ、俺たちのパーティーに入らないか?」
「え? いいけど…入らないって言ったら?」
「今ここで○す。」
「入る!! 入るから!!! ○さないで!!!!」
「うん! それでいい。」
「こっわ…。」
「じゃあ名前がいるよな……何がいいかな? そうだ、シンゴ。それっぽい名前つけてやれ。」
「ええ!?」
何がいいかな!? 何がいいかな!? 頭がいい!? 頭がいい!? え、何!? どうしよどうしよ!! かっこいいやつ? かわいいやつ? えええええどうしよおおおおお!!! あ!!
「プロフェッサー………。」
「は?」
「いや!! 違うんです!! 今のは忘れてください!!!」
**「それめっちゃいいじゃん!!!!」**
「えええ!?」
「じゃあお前は今日からプロフェッサーな!」
「了。」
**「軽い!!!!」**
こうしてぼくたちは、新たなパーティーメンバーを迎えたのであった……。
八話誤字があったので更新しました。あとニャゴさんのリクエストやりました。