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いつまでも 君の隣にー決戦編IIー
※10000文字越え
※後書きの小話とかなんかよく分かんないけど許してネ☆((
いつまでも 君の隣にーただ一つの熱願編ー
空を見上げる。
ヴィス「今日は、美しい星空が広がっているな‥」
今日は朝から晴れていたため、夜は雲ひとつない星空が見えた。キラリキラリと光るその星たちは、今日も懸命に生きている。
この美しい空を見るのも、最後かもしれないのか…。
そう考え、僕は少ししんみりした。
メトリ「急にどうしちゃったのさ!ヴィスらしく‥は、あるのか。」
すると、横からひょっこりメトリが現れ、いつものように元気一杯の笑顔を僕に向けた。
ヴィス「‥今日で、全てが決まるんだと思ってな‥」
メトリ「あはは!全てが決まるだなんて、大袈裟だよ!!
…でも、まぁ‥確かに、そうなのかもしれないね‥」
ヴィス「…」
声色を変え、ほんの少し俯くメトリ。その目尻には、キラリと光る何かが見えた気がした。
メトリ「‥、ねえヴィス!」
次にこちらを向く頃には、その光るものも綺麗さっぱり消えていた。
同時に、メトリの声はさっきと同じような明るい声になっている。
ヴィス「どうした?」
メトリ「‥必ず生きて、また会って‥もっと、もっともっと楽しいことをいっぱいしよう!」
メトリは、腕を上に向けて大きく広げた。片手には、いつも持っているめいぐるみがぶら下がっている。
メトリ「ミーフィとも、シャルルとも、アレンとも、ルオナとも、メアリーとも、ライルとも、ブロードとも、シルヴィーとも、イヴとも、レイアとも、トラウムとも_リーヴァとも。《《みんなで》》たくさん楽しいことしよう。鬼ごっことかかくれんぼとか‥後、人形遊びとか!それから_」
一人一人名前をあげて行くメトリのその声は、今から友人と目一杯遊ぶ子供のようだった。クルクルと楽しそうに回り、何をしたいか挙げていく。
メトリ「_ルークも、ルビーも、他のたくさんの人形たちも、みんな逝なくなっちゃったけど、私たちだけでも生き残って、みんなの、分まで楽しく‥!__生きよう__‥!!」
ヴィス「‥嗚呼。必ず勝って、最期のその時まで楽しく生きよう。きっと、それが残された僕たちに求められる生き方だ。」
メトリ「__うん__‥!‥ありがとう、ヴィス‥。」
少しずつ小さくなった声。あの声には、一体どんな想いが込められているのだろう?
きっと、僕には想像できない沢山の感情が、想いが込められている。僕はそう感じた。
しかし、『《《みんなで》》』‥か。メトリの願いは、本当に叶うのだろうか?
僕の予想が正しく、その人物がこの場にいなかったら…それは叶わないかもしれない。
そんな不吉なことを考えながら、メトリに持っていたハンカチを渡し、その場から離れる。後ろから啜り泣く声が聞こえたのを、聞こえなかったフリをして。
ヴィス「ー‥」
ふうと息を吐き、辺りを見てみると、既に殆どのドールたちが集まっていることが分かった。半分以上のドールが何かを決意したような、そんな真剣な顔をしてこの場にいる。残ったドールたちは、少し強張った顔をするのが見える。
しかし、ブロードの姿だけはどこにも見えなかった。彼は‥どこに居るんだろうな。
「ヴィス。」
「ヴィスさん。」
二つの声が、僕の名を呼んだ。
僕は振り返り、その声の主たちを見る。
ヴィス「レイア?トラウムも。どうしたんだ?」
レイア「なんだか落ち着かなくてね‥この三人で雑談でもしたら、少し気が紛れるかと思って。」
トラウム「自分も、、レイアさんと同じです、、、」
ヴィス「はは。なんだ、それ。」
レイトラ「「……」」
ヴィス「__なんだよ、その顔‥」
なんだか無性に面白くなり、表情を緩ませクスクスと笑った。何故だか、二人は驚いたような顔をして固まっている。
僕はすぐに元の表情に戻った。
トラウム「あ、いや、、、まさかヴィスさんが笑うなんて思わなくて、、」
レイア「貴方がそんな風に笑うだなんて、思わなかったのよ‥」
レイトラ「「《《初めて見たから》》」」
ヴィス「はぁ‥?」
二人は似たようなことを言って、お互いを見た。「ねぇ?」とレイアがトラウムに同意を求めると、「ですよね、、」とトラウムも頷く。
失礼じゃないか、二人とも‥。
レイア「ふふ、ごめんなさいヴィス。だって貴方、本当に全く笑わないんだもの。」
トラウム「自分がヴィスさんの笑った顔をしっかりと正面から見たの、、これが初めてですよ、、?」
ヴィス「冗談よしてくれ‥ちゃんと笑ってるぞ、二人の前でも。」
レイア「嘘ね」
トラウム「嘘ですよね、、」
ヴィス「オイ‥」
二人が困ったような笑顔で僕の表情筋の話をしていると、集会場の入り口の方でシルヴィーとリーヴァが会話をしているのに気がついた。リーヴァは、いつにもなく真剣な表情で何か言った後、シルヴィーは去っていく…
そろそろか。
ヴィス「すまない二人とも。そろそろ‥」
レイア「、…‥もっと早くから話せていたら良かったのに‥」
トラウム「まあまあ、、、ヴィスさんが想い人と過ごす時間なんですから、良いじゃないですか、、」
ヴィス「トラウム!!」
レイア「あら。貴方にもようやく春が来たのね!私、応援してるわよ?」
ヴィス「ホントに、よしてくれ‥。」
トラウム「__ふふっ。__」
二人はクスクスと口に手を当てて笑っている。
二人とも、いつになく楽しそうだ。レイアの言う通り、もっと三人の時間も作っていたら良かったな__
トラウム「_ほら、行かないんですか、、?メトリさんに取られちゃいますよ。」
トラウムが指を指す方向を見ると、メトリがリーヴァの方へ駆け寄っているのが見えた。
ヴィス「‥《《次やったら》》承知しないからな。」
レイア「耳が真っ赤。説得力ないわ。」
トラウム「あ、本当だ、、」
ヴィス「‥」
ギロリと睨むと、二人は何事もなかったかのようにしだす。
ヴィス「__全く…__
‥それじゃあ、《《また》》」
トラウム「はい。《《また》》」
レイア「怪我をしたら私のところに来なさいよ?…必ず《《また》》、会いましょう。」
僕たちは、お互い背を向けてそう言い、その場を去っていった。
三人の時間なんて、これから作ればいいのだ。そう…
--- |ブロード《新たな人形ゴロし》を倒して__ ---
帰っていくシルヴィーの背中を見つめるリーヴァの元に着くと、メトリも既に来ていたようだ。僕が来たことを見計らい、リーヴァへ声をかけた。
メトリ「リーヴァ。準備はOK?」
ヴィス「リーヴァ、僕から離れないように。」
リーヴァは決意に満ち溢れた真剣かつ明るい表情、声で返事をしてくれる。
リーヴァ「うん!」
僕、リーヴァへとあることを言うために一歩近づく。
--- バチバチッ ---
ヴィス「!?」
その瞬間、集会場が突然停電した。廊下があるであろう方向を見ても明かりは見えないため、工場中が停電したと考えられた。
突然の出来事に人形たちはざわめき、一瞬にして騒がしくなる。
ミーフィ「真っ暗!」
イヴ「どうして、です?」
アレン「何が起きてる?誰か、ブレーカーの場所知ってるか!」
人形たちの様々な会話が聞こえてくる中、アレンは冷静に対処を始める。ブレーカーの位置を知っている者はあまり多くない。僕は知っているが、リーヴァから離れるわけには…。
シャルル「俺がブレーカーを戻してくる。」
僕がアホみたいなことを考えていると、シャルルがブレーカーを上げに向かおうとした。
その瞬間_
「レディースアーンドジェントルメーン!ようこそお集まりいただきありがとう!」
いつもXが登場する際に言う、あの定文。しかし、その声はXのものではなく、男性とも女性とも取れる不思議な声をしている。声の主が誰か分かっているのはほぼゼロであろう。
いつの間にか、いつもみたくスポットライトがステージの中心へ当てられてい。
他のドールもこのセリフを聞いたことがあるため、さらにざわつき始めた。
ドールたちは、次第にスポットライトの当てられたところより少し先に視線を向けるようになる。
リーヴァ「このセリフ…」
??「お待ちしておりました。皆さま!」
いつも被っているシルクハットを手に取り、集会の時に会った時と同じ、優雅なお辞儀をする人物。それは_
メトリ「《《ブロード》》…?」
ヴィス「やっぱりか…!」
僕は、最後に工場を見て回りながら考えていたんだ。“新たな人形ゴロしは一体誰か”を…
僕が持っていた情報は、『一人称が|私《わたくし》であること』『敬語』『空間を操る能力で、遠距離からの攻撃が可能なこと』『主な武器はナイフであること』‥など。見てわかる通り、限りなく少ない。
まず、一つ目の情報でだいぶ絞られた。この工事にあの一人称の者は然程多くないのだ。敬語であるドールも少ないわけではないが、絞ることはできる。
次の能力の情報は、能力自体の情報が少なすぎてあまり絞ることができない。代わりに、僕が『能力をよく知らない相手』で絞る。ナイフが武器というのは、そもそも武器自体見られないので犯人は絞れないため諦める。
人形ゴロしなんてやるくらいだ。ドールや工事を好まないドールであること、外へ出たい派閥であることでさらに絞り、数人へと犯人候補を減らした。
ここまで絞れば、後はただ怪しい人物をピックアップするだけ。
その中にブロードはいて、僕は眼鏡の件や絶望の迷宮で一人でいたことを考慮し、要注意していた‥。
この時だけは、僕の記憶力と、覚えていた過去の僕に拍手と感謝を送りたくなったというのは、心の中に留めておく。
そして今日、あの集会場に集まるドールたちで、怪しかったドールの有無を確認し、ブロードのみその姿を見ることができなかったため、僕はブロードが犯人だと断定したのだ。
しかし、犯人が分かってもこうなったら意味がない。リーヴァたちに伝えようと思っていたのだが、遅すぎたようだ。
この考察も、無駄になってしまったな…。
ドール「誰だあれ?」
ドール「見たことないなぁ」
ドールたちの声は止めどなく流れてくる。その声の話題は、現れたブロードのことと、突然の停電のことしかない。
ブロード「皆様、不思議に思っていることでしょう。|私《わたくし》がなぜ急にステージの上で話し出したのか…それは」
ブロードは、喋りながらモニターを下ろし始めた。
この場にいる全ドールがそのモニターに視線を向ける。
ライル「はぁ?めんどくさ…」
トラウム「何が起きるのでしょうか。」
メアリー「一体何をしているの…?」
全員が頭にハテナマークを浮かべ、モニターを凝視する。
すると、突然映像が流れ出した。流れる映像は、人間の映った古そうなビデオ…音声はなく、ただただ人間たちが動く様子が撮られたもの。
ブロード「人間はとても魅力的です。」
ブロードは、そんなつまらない映像をうっとりと眺めながら語っている。その姿はまるで、人間に恋でもしているかのような_
ブロード「人間は良いですよね。人形とは違い、美しい腕、足、指、目…全てを持っています。それなのに、人形という人もどきを作って美しいと鑑賞する、その不思議さもまた奥深い。
|私《わたくし》は人間になりたい訳では無いが、周りのドールは人間になっても良いと思います。」
ブロードは、自身を落ち着かせるように一息つく。殆ど一息で喋ったんじゃないだろうか?
ブロード「長々と話していると、夜が明けてしまいますね。それでは、そろそろ始めましょう。」
そう言うと、ブロードは右手を掲げた。
この瞬間…
ブロード「ショーの始まりです!」
--- `パリンッ` ---
リーヴァたち「!!!」
ステージ周辺の空間が歪み、ソレに近くにいたドールたちが巻き込まれてパリンと耳をつんざくような音を立てて、割れた。
ブロードの能力であろう。Xを思わせる不気味な笑みを浮かべ、一瞬にしておよそ五十のドールを壊してしまった。ステージの周りには、割られたドールの残骸が落ちている。どの破片がどのドールのものか判別する術は、ない。
呑気にそんなことを考えていると、僕のすぐ近くにいたドールが割られた。感情を出す前に、反射で後ろへ下がり、巻き込まれないよう退避する。
レイア「なんてことをするの!!」
アレン「みんな下がって!」
イヴ「どうして、こんなこと、する、です?」
ブロード「ふふふ‥。
どうして、ですか。答えは簡単です。|私《わたくし》が選ばれしドールになるためですよ!」
そんな“自己中”の塊発言をするブロードは、片手間にドールたちを次々に割っていく。
パリン
多分今ので百…これ以上は不味いな‥。
仲間がやられているというのに、どうしてこんなにも冷静なのだろう‥僕は、少し自分が恐ろしくなった。
リーヴァ「あなた、あの時パイプが倒れてくるって教えてくれたよね?親切な人だと思っていたのに…」
ブロード「あはは!え?まさか本当に|私《わたくし》のことを信じていたのですか?馬鹿らしい、嘘だとも思わないなんて。
あのパイプは、|私《わたくし》が倒したのですよ。」
リーヴァが、怪我をした原因は、|アイツ《ブロード》か__
ヴィス「何のために!」
メトリ「許せない!」
僕は、『何のためにリーヴァを傷つけるようなマネをした』という意味でそう言った。メトリもきっと、そう言った意味を込めて言ったのだろう。
しかし、そんな二人の発言に、ブロードは面倒臭い、とでも言うかのように深くため息をつく。
ブロード「鬱陶しいんです。さっさと私の踏み台になってください。」
…|アイツ《ブロード》には一体どんな罰が似合うだろうな。
自己中心的な発言を言い終えると同時に、唯一の明かりだったスポットライトが消えてしまった。ブロードの姿も見えなくなってしまい、見失ってしまう。
その瞬間、ブロードの能力であろう。大きな空間の歪みが、押し寄せてきた。
**「みんな!一時退散!!」**
この声は‥ルオナか!
いつになく大きな声で、ルオナはそう叫ぶ。
生き残っていたドールたちは、その声でよくやくまともに体を動かし、大急ぎで集会場の外へ逃げ出した。
リーヴァを視界に入れつつ逃げていた僕は、逃げるドールたちの波によりリーヴァを見失い、さらにその波で外へと押し出されてしまった。
僕が外に押し出され、数秒後先程まで無事だった集会場は、空間の歪みにより無惨にも崩れた。
ヴィス「__リーヴァ‥!__」
ドールたちを掻き分け、リーヴァを探す。
周りのドールたちは、この暗闇の中集会場の成れの果てを見てざわついている。
ドール「あいつが人形ゴロしか?」
ドール「やばくね?一瞬で集会場が崩れたぞ。」
ドール「戦うなんて、やっぱ無理。」
「ヴィス、!」
少し苦しそうに僕の名前を呼ぶ声はメトリのもの。声のする方へ急いで行くと、メトリは他のドールによって壁に押し付けられている状態になっていた。
ヴィス「メトリ!
オイ、どけ。邪魔だ」
メトリの周辺にいるドールを、無理やり押しメトリを解放する。軽く咳き込むと、「向こうにリーヴァが」と指を指す。
メトリと共に、指を指した方へ行くと、そこには、血の気の失せた表情でリーヴァが何か呟いていた。きっとその内容は、ブロードへの何か。怒りか、悲しみか、困惑か、疑問か…それがどんな感情によるものかは、僕には分からない。
メトリ「リーヴァ!無事!?」
ヴィス「怪我は?擦り傷一つでもないか‥?もしあったら死んででも|アイツ《ブロード》を|止めて《叩きのめして》くるよ‥?」
リーヴァ「‥う、うん‥大丈夫。だから、やめてねヴィス‥」
ヴィス「それなら、良かった。
あいつ、何を考えているのかわからないな。」
少し背伸びし、辺りを見る。
レイアとトラウム、メアリーとシャルル、ミーフィ…僕が親しくしているドールは全員無事。少しずつ仲間同士で集まっているようだ。
メトリもその様子を見たようで、酷く安心している。
メトリ「良かった…知り合いはみんな無事ね。」
ヴィス「‥ルオナ?」
メトリ「えっ?」
ルオナがドールたちを押し除け、急いでこちらへやってきた。呼吸を少し落ち着かせ、ゆっくりと衝撃の事実を言葉にする。
ルオナ「聞いて!さっきのやつなんだけど…
鳥たちに聞いた情報によると、あの人…
**Xが最初に作ったドールらしい。**」
リーヴァ「えっ…」
その話を聞く全てのドールがゴクリと息をのみ、その事実を耳にする。
Xが、あの手で初めて作ったドールがブロード…‥なんとなく、納得がいってしまう。
ヴィス「!」
崩れた集会場の方から、ブロードの高笑いが聞こえる。
ブロード「誰一人として逃しませんよ。|私《わたくし》が外に出られるまで。」
ミーフィ「ヒィ…き、きた…」
アレン「みんな、下がって!」
ライル「い、言われなくても…」
ミーフィは殆ど泣いてるに等しい顔し、一目散という言葉が似合うほど素早く後ろへ下がった。リーヴァたちもすぐ後退りする。
すると、ブロードは早速攻撃を繰り出す。
ブロード「スペースモディファイ!」
リーヴァ「避け…」
ヴィス「__リ-ッッ“」
工場の床や壁、様々な箇所が歪んでいく…そのすぐ近くには、リーヴァの姿があった。避けれるような場所は近くにない_
必死に手を伸ばし、リーヴァを助けようとするが、間に合いそうもない。
僕は、“力を使えば、リーヴァ含め一部のドールを救うことは可能だが、残ったドールはどうなる?”なんてことを考える。
もし、リーヴァや他数人だけが助かったとなれば、リーヴァは僕をどう思うだろう…?
シャルル「水晶監獄!」
そんなことを考えていた瞬間、シャルルの力によってリーヴァは水晶の中に閉じ込められる。その水晶により、リーヴァを空間の歪みに巻き込まれることはなかった。
リーヴァ「!?」
シャルル「大丈夫だ。一時的なシェルタみたいなものだ。だが、気を抜いている暇はないぞ。」
リーヴァ「ありがとうございます。」
リーヴァはすぐに解放され、ブロードのことを見据える。
ヴィス「_」
リーヴァが壊されなかったことに、ほっと息をつく。
安心した途端、僕の中からは自分でリーヴァを助けられなかったことに悔しさが湧き出てきた。しかし、今はそんな個人的な感情に浸ったりする時間はない。
僕はすぐに、その悔しさの湧き出る穴に栓をする。
落ち着いて周りを見渡してみると、ブロードの攻撃を避けることしかできていなかったドールたちもそれぞれ力を使い戦っているのが見えた。
僕の力は|ジャッチ・アイ《裁判長の目》…この力は、被告人席に座る者を視界に捉えなければいけない。被告人‥つまりはブロードを、視界に入れなければならないのだ。
この力はブロードが隠れれてしまう壁やドールたちの力‥遮るものがあると使えないし、ブロードがワープを使うせいで、視界に捉えられない。
さらには照明がなく月明かりだけが頼りのこの場所じゃ、ブロードの位置すらハッキリわからない。
これでは…
トラウム「|En forme d'éternité《アンフォームド・エターナイト》!」
ブロード「おっと!」
トラウムも自身の力を使いブロードを止めようとするが、すんでのところでブロードも力を使いワープしてしまう。転送先は、トラウムの死角。
トラウムの場合、彼が力を使いたい相手の顔を見なければ使えない。そのため、相手の顔をトラウムが見なければ使えないのだ。ブロードはそのデメリットを使い、トラウムに自分の顔が見えないよう、死角にワープした。
これでは、僕はもちろんトラウムも無力だ。
アレン「狡猾な…!」
ブロードは、そんなワープでの回避をする性悪な方法を繰り返し、|最《いと》も簡単にドールたちの攻撃を避けてしまう。
ヴィス「これでは攻撃が当たらない。」
メトリ「どうしたらいいっていうの〜!」
ブロード「あっははは!やはり|私《わたくし》がこの工場で最も優秀なドールだぁ!」
どこからか、ブロードの高笑いが聞こえてくる。ブロードがワープを繰り返すせいで、どこにいるかがわからない。
ライル「ベルフェゴール!ベルフェゴール!ちっともあたりゃしない。めんどくさ!」
ドール「もうヤダっ!!!」
ドール「これじゃあ、能力の無駄遣いじゃねぇーか!!!」
ドール「死にたくないよ‥!」
ヴィス「_士気が落ちてる‥!!」
ルオナ「これはまずい。相手の思う壺だね。」
ブロード「今度は逃しません。スペースモディファイ!」
こちらの攻撃が当たらないせいで、士気がドンドン下がっている。
その様子を見ると、ブロードは今までよりも笑みを深めさらに余裕そうな表情をする。力の名前を唱えると、先ほどよりもずっと大きな空間の歪みがこちらへ押し寄せてくる。
メトリ「まずい!全員巻き込まれる!!」
ヴィス「逃げれる場所は___ない‥!!!?」
迫ってくる歪みが大き過ぎる。身の安全が保障できる場所に駆け込むまでの時間がない。
その時…
イヴ「っっビューティフリュバン!!」
先程まで後方にいたイヴが、ドール全員の前に庇うかのように出ていた。
もしかして、イヴの力は_!
イヴがその名前を叫ぶと同時に、イヴの髪はパステルピンクの色をしたリボンが生成され、イヴの後方にいた僕たちドールを包み込んだ。
視界が暗くなり、外から耳をつんざくような騒音が聞こえてくる。
しばらくすると視界が晴れた。
視界が晴れるというのは、外の歪みがなくなったことを意味する。
ヴィス「_、」
辺りを見渡す。
イヴの力で作られたリボンは、ブロードの力によって一定の範囲にしか届かなかったらしく、リボンで包まれていた周りには、ドールたちの残骸が大量に転がっていた。
レイア「ヴィス!」
ヴィス「レイアか‥怪我は?」
レイア「私は平気。ヴィスの方こそ、平気なの‥?」
ヴィス「もちろん。
‥と言っても、この無傷な体はイヴのお陰なんだがな‥」
レイア「良かったわ…」
レイアはほっと胸を撫で下ろし、辺りを見回す。周りに落ちているドールの残骸を見て、息を呑んだことが分かる。
レイア「…外に取り残された人形は‥みんな……」
ヴィス「‥そうらしい。僕たちは、運が良かっただけ‥たまたまだ。
イヴの後ろにいたから、救ってもらえた‥」
レイア「ええ…」
何か恐れているような、悲しそうな声が隣からする。
「た、助かったよ…」
「ありがとう!」
イヴのいる辺りから声が聞こえ始める。
よく見ると、ルオナとミーフィがイヴに感謝しているシーンが見えた。イヴは力を使った代償なのか‥フラフラした足取りだ。
イヴ「よかった、です…」
そう言うと、イヴはパタリと意識を失い、眠るかのように倒れてしまった。それを見たレイアがすぐに駆け寄り、抱える。
レイア「大丈夫!?しっかり!この子は私が介抱するわ。」
イヴの力により生き残ったドールはホッと安堵している。
それを他所に、レイアはイヴを抱えブロードの攻撃の届かない場所への連れて行った。
しかし、戦いはまだ続いている。安心している余裕はない。
「まさかあの攻撃を防ぐとは…感心ですね。」
ほんの少し驚いたような顔をして、そう呟くのは空中に浮くブロードだ。
アレン「一体、攻撃を当てるにはどうすればいいんだ…」
ルオナ「一つ心当たりがあるよ。」
ルオナは、アレンのその発言にそう提案して、リーヴァの方を見る。
キョロキョロと自分の周りのドールを見るが、明らかにルオナの視線はリーヴァを見ていた。リーヴァはそれを確認して、自分を指差す。
リーヴァ「あ、あたし!?」
ルオナはそうだ、とでも言うように頷き喋り始めた。
ルオナ「確か、リーヴァの能力って辺りを照らす力だったよね?鳥から聞いたんだ。」
ヴィス「そうか。この場が明るくなれば、攻撃も当てやすくなる。少なくとも今よりは。」
メアリー「そういえば、あの時の光、とても眩しかった…」
メアリーは、何かを思い出したのか目を細めた。
リーヴァは決意し、自分の拳を見る。
リーヴァ「‥わかった。やってみる。」
ヴィス「リーヴァ、君なら出来るよ。」
リーヴァ「うん‥!」
リーヴァは、ブロードに向かって唱える。
最後のチャンスを生み出す、その言葉を…
リーヴァ「**ヴィトロルミエール!!**」
工場中が、まるで昼のように明るくなる。暗闇に慣れてしまった目には少し毒だ。
ブロード「またこの光かっ!!」
ブロードもあまりの眩しさに両手で顔を覆った。
その瞬間
--- パァンッ ---
ヴィス「?!」
リーヴァの力によって発した光の粒。それが破裂し始めたのだ。
ヴィス「、なんだこれは!?」
トラウム「光が…!」
破裂した光の破片らしきものがブロードの服につくと、瞬く間に炎で包まれ全身へと広がっていく。
ブロード「目が…服がぁ…!」
炎に包まれているブロードは、必死に燃え盛る炎を消そうと服を|叩《はた》いたりするが、それは逆効果…
ブロードは包む炎は、さらに勢いをました。
アレン「やるなら今しかない。」
アレンのその一言に、ドールたち頷き最後だと言わんばかりの猛攻撃を仕掛け畳み掛けた。当然、僕も_
ヴィス「|ジャッジ・アイ《裁判官の目》。」
メトリ「サイコキネシス!」
シャルル「水晶監獄!」
ミーフィ「マリオネット!!」
アレン「グラン・カルマ!」
ルオナ「ルボネテレパシー!」
ライル「っべルフェゴール!」
トラウム「|En forme d'éternité《アンフォームド・エターナイト》。」
全身を焼く炎と、ドールたちの攻撃によりボロボロと落ちてくるブロードの皮膚。もちろん、僕らはビスクドール、本物皮膚ではないく陶器の破片なのだが‥
ソレが下にいる僕らへと降り、コツコツと当たる。
ブロードはこれで倒せる。工場に平和が戻る‥!
--- あぁ…愚かですねぇ… ---
その考えは、どうやら___`甘かったらしい`‥。
ブロードを焼いた炎は、次第に収まっていく。
黒焦げの物体から、あの声が聞こえた__
そう言って鎮火したボロボロの姿で笑い、攻撃自体をワープさせた。
リーヴァ「なっ…」
ヴィス「ブロード‥!?」
ブロードは、全身がボロボロの酷い姿であるのにも限らず奇声にも聞こえる笑い声を発する。
その瞬間、ドールたちの出した攻撃は、自分たちの方へ牙を剥き襲いかかってきた。
ブロードの力により、ドールの攻撃は跳ね返ってしまったのだ。
ライル「まさか…自分自身に…グゥ。(眠りに落ちた)」
シャルル「嘘だろ…閉じ込められた。」
アレン「重力が…重い…!」
トラウム「ッ、、!」
メトリ「うわぁ?!」
次々と攻撃の跳ね返りを喰らっていく。ある者は自分の力で生み出した雷に打たれ、ある者は跳ね返った矢に当たり串刺しに、またある者はどこからか跳ねてきたナイフでズタズタにされている。
リーヴァ「_あぁッ“?!」
ヴィス「_リーヴァ!!!?」
リーヴァや僕の攻撃は、そもそも跳ね返ってくるものがないため安全_
そう思っていた。
実に‥馬鹿だ。少し考えれば分かったのに、リーヴァに危険が及ばなかったのに‥!!!
他のドールたちが出した攻撃がこちらにも跳ね、リーヴァに当たった。その衝撃で、リーヴァは跳ね飛ばされ壁に叩きつけられる。
攻撃は、ルオナやミーフィにも当たり跳ね飛ばされている。
ヴィス「くそっ‥リーヴァ!!」
すぐにリーヴァの元へ駆け寄り、声をかける。
ヴィス「大丈夫か、リーヴァ‥リーヴァ!」
リーヴァ「っ‥」
リーヴァは叩きつけられた反動により、軽い脳震盪のような状態になっているようだった。
ヴィス「レイア!
_は、ドールの手当でいないのか‥!」
レイアがイヴや他のドールの対処で近くにはいなかったため、リーヴァを抱えてレイアに預けようとする。
その時‥
ヴィス「_ガッ“‥?!!」
僕にも、他のドールの攻撃が跳ねてきた。
ブロードの方へは背を向けていたため、当たった背中からとても嫌な音がする。
ヴィス「ぐ‥」
背中からくる違和感には、覚えがある。僕が完成した直後の、《《あの感覚》》_
リーヴァ「_ヴィ‥__ス__‥?」
ヴィス「、リーヴァ‥良かった。ああ、傷だらけじゃないか‥キレイな顔にまで‥。服もボロボロだ。汚れもたくさんある。これ以上リーヴァを危険に晒したくない。すぐにレイアの元へ‥」
僕は、背中にある違和感や少しの痛みを隠すためにリーヴァへ目を合わせずに話す。背中からは未だに嫌な音がする。
リーヴァ「ヴィス‥体から変な音がするよ‥!怪我をして」
ヴィス「僕は大丈夫。ほら、立てるかい?肩貸そうか?」
リーヴァ「ねぇ、お願いヴィス。無理をしないで‥あたし、これ以上‥!!」
少し増えた声で、僕の服の袖を掴みそういうリーヴァ。君はいつもそうやって、自分よりも僕たちを優先してくれるんだな…。
この荒れた戦場で咲く一輪の花は、優しく暖かい_。
ブロード「終わりです。」
ヴィス「!」
ブロードが能力の名前を叫ぶと、周りの空間が一斉に歪み始めた。
ドール「もう、終わりだ‥」
ドール「死にたくない、死にたくない…ッ!!!!」
ドール「…」
この場の全員が絶望し、諦めかけた。
誰もが自分は死ぬんだと悟り最期の時間、死を覚悟する。
リーヴァ「そん、な‥」
ヴィス「‥」
リーヴァだけでも、どうにか助けよう
そのことで頭がいっぱいになったその時
「にャッ!!」
灰色の何かが、僕たちの横にある入り口からものすごい速さでブロードに飛びついた。
ブロード「な、なんです!?この猫!?」
「シャー!!」
よく見ると、リーヴァと出会ったあの日‥リーヴァに引っ付いてきた灰色の毛並みの哺乳類_猫だった。
ドール「うおおおおお!!」
ドール「いけええ!」
ドール「絶対に仕留める!」
ブロード「クッ…小癪な!」
ブロードは、いきなり自分へ飛びついてきた猫に動揺が隠しいれていない。そんなブロードの様子を見たドールたちは、「これが本当に最期のチャンスだ‥!!」と一斉に攻撃を始める。
しばらくは攻撃をどうにかしようと暴れていたが、次第にそんな体力はなくなってしまい、勢いよく倒れる。
ブロード「…はぁ…ここまでやったと…言うのに。」
深くため息をつくブロードは、四方八方から様々なドールたちからの攻撃を受け、まともに受け身などは取れなかったため全身ボロボロになってしまっていた。
何かの攻撃で衝撃が加わり崩れてしまったのだろう。そっと、右目の辺りをおさえている。
すると…
--- ボロっ ---
ヴィス「!」
おさえていた箇所からドンドンひび割れが広がってゆき、ついに頭の右半分はボロボロと、無惨にも崩れた。
ブロード「|私《わたくし》は…優秀ではなかったと言うのか…?」
最期にそう言い残し、悲しく、無念そうな表情のまま永遠の眠りへとついた_
---
終戦直後、僕はリーヴァをメトリに預け、ピクリとも動かないブロードの元へ近寄った。
ヴィス「‥」
ブロードの|身体《からだ》は、側だけの修復すら困難な程崩れており、綺麗な状態で眠らせることは不可能…それが、見ただけで分かるほどボロボロにだった。
ヴィス「終わりか‥」
“激戦の終了”‥僕はホッと安堵しつつ、メトリと一緒にいるリーヴァの方を見た。
いつも明るく、元気な笑顔を魅せてくれるその顔には、笑顔のかけらもない。脅威が去ったことへの安堵、失った多くの無実なドールたちへの悲しみ、ブロードへの怒りや悲しみ、他に方法はなかったのかと言う考え……様々な感情、思考が、リーヴァの中に渦巻いているのが見て取れた。
リーヴァ以外…この場の誰も、喜びも悲しみの表情もしていない。ただただ‥昨夜起きた、苦しい激戦の結末を見ているだけ_
朝日がボロボロになってしまった工場の至る所から差し込んで来る…それは、夜が明けた知らせだ。
キラキラと眩しいくらいに輝く朝日。ソレに照らされるブロードの亡骸を見て、僕の中に一つの、もう無意味な疑問が浮かび上がってくる。
ヴィス「僕たちにとってコレは……《《この結末》》は…本当に、最善だったのか‥?」
ポツリと独り言を呟く。呟いた既に遅い疑問は、あまりにも小さく、震えた声だ。
そんな声を聞いたのか、はたまたこの静寂を打ち越そうとしただけのたまたまなのか…この誰一人喋らない暗黙の空間を破ったのが、メトリだった。
メトリ「何はともあれ、これが《《最善》》だったんだよ。」
いつも見たく明るく振る舞い、周りのドールたちを励ます。メトリは本当に、人徳というかなんというか‥そういった類いのものを持っているのだろう。
その言葉に、ドールたちは「そうだよね‥」とほんの少しまだ暗い表情ながらも同意した。リーヴァも言葉こそ発さなかったが、コクリと静かに頷く。
ヴィス「…」
軽いため息をつきながら、顔を斜め上に向けて掛けている眼鏡を指で押し上げる。
差し込んでくる朝日が眩しいな‥。
_全てが終わった。
これで、リーヴァ《《たち》》との何気ない、ただの平和な日常が戻ってくる__
--- __ガタ‥__ ---
ヴィス「__‥なんだ?__」
今、揺れた気が‥。
レイア「ヴィス!」
ヴィス「、レイア…!
‥無事だったか、よかった。」
レイア「それはこっちのセリフよ!!わたしはただ、イヴや怪我をした人形の治療をしてただけ‥一番辛くて苦しかったのな、貴方たちでしょう‥?」
ヴィス「そんなの、変わらない。
確かに‥色々あったが、治療しなければ壊れるだけの運命だったドールだって山ほどいたんだぞ。それを治療して直すのだって大事な役目だし、辛いはずだ‥そんな風に卑下しないでくれ。」
レイア「、‥ごめんなさい。でも、だって‥」
ヴィス「‥どうした?」
レイア「‥」
チラリとレイアの目線をやったのは、ブロード。
その目線の意味は痛いほど、よく分かった。
ヴィス「‥何度でも言うが、こっちが辛いならそっちだって大変だし辛いだろ。色々ありはしたが、変わらないぞ。」
レイア「‥貴方って、自分の意見を全然曲げないから、意味はなかったわね‥ふふ。」
クスリと、いつもより子供っぽく笑う彼女は、リーヴァとはまた違う可愛らしさが垣間見える。
もしあの時リーヴァに出会わなかったら‥僕が恋に落ちてたのは、レイアだったりしたのかもしれないな。
--- __ガタガタ‥__ ---
トラウム「__事解決ですね。それでは。」
そんな冗談を考えていると、トラウムを含む数十人がそれぞれの場所に帰ろうとしていた。
ミーフィ「‥ねぇ!待って!工場の様子がおかしい!」
ミーフィはそう言って、辺りを見回した。
その様子を見て僕らも見てみると、工場の至る所に出来てしまったヒビが大きくなっていき、酷いところからガラガラと崩れ始めている…。
あの激戦に、工場が耐えられなかったのだ。
ヴィス「嘘だろう‥!!」
レイア「そんな‥」
トラウム「、、、」
ヴィス「ッ‥。
工場が崩れる!外に出ろ!」
僕は精一杯大きな声でそう叫んだ。この間にも、工場は唸るような音を上げている。
ミーフィ「外に…出るの!?」
アレン「確かな安全は保証できないけど…」
ルオナ「どっちにしろここにいたらみんな倒壊に巻き込まれて潰されるよ。」
優秀なドールでない者がこの工場の外に出れば、あのルールに則り焼き殺されてしまう。しかし、今はそんなことを言っている場合ではないのだ。諦めてここでたたずみ、崩壊に巻き込まれるのを待つのと、|一筋の光が差し込む希望《工場の外》に一か八か駆け込んでみるのと、どちらがいいだろう?
レイア「もう、それしかないわ‥。
わたし、人形たちの誘導をする。ヴィス、貴方は先に逃げていて!」
ヴィス「‥、…分かった。リーヴァを連れて、先に出てるぞ。」
僕は、何かをレイアに言おうとしたその口を紡ぐ。
これでお別れじゃないんだ。言う必要はないだろう。まだ、トラウムと、三人で集まっていないんだから‥。
レイア「出口はこっちよ!!」
「急いで!」
レイアと、もう一人‥メアリーは、迷うそぶりなくドールたちの誘導へと動く。僕は、リーヴァの元へ向かいながらどこへ行くか分かっていない新人のドールたちへ、目印になるようなものを教えて逃しながら向かった。
シャルル「行くぞ!」
ライル「めんどっ!」
イヴ「怖い、でも、行くです!」
トラウム「仕方ないですね…」
ドールたちは、次々と外に脱出をする。先に外へ出たドールたちが、ルールに則った罰を受けている様子はない。
ほんの少し、名残惜しそうな、浮かない顔を浮かべるトラウムも、仕方がなさそうに外を目指す。
一通りドールたちの誘導が終わるとレイアとメアリーも急いで出口へと向かった。
--- ゴォオオ_ ---
ヴィス「っ…まずいな…」
遠くの方からとんでもない音が聞こえてきた。落下してくる瓦礫も、初めより大きなものになりつつある。
これ以上長居すると、確実に巻き込まれてしまうだろう。
リーヴァとメトリの元へ合流すると、メトリはリーヴァを心配そうにしながらも「急いで出ないと‥!」と切羽詰まった声で話しかける。
メトリ「リーヴァ、ヴィス、私たちも行こう。」
ヴィス「ああ。そうだな。…大丈夫かリーヴァ。」
リーヴァ「…大丈夫。急ごう。」
未だふらついているリーヴァをカバーしつ、少しずつ前に進む…リーヴァが落ち着いてきたところで、メトリを先頭、僕が最後尾につく形で走り始める。
ヴィス「__!!」
僕は、リーヴァのことを前へ思い切り突き飛ばした
今日の文字数
15917文字
色んな意味で死(泣)にそう…。何がとは言わないけど、とても大まかに分けて三つの意味で死(泣)そう‥。
後多分、次の話で終わります。ついに…あの僕的には真面目に涙ボロボロなシーンの、あの…!!
この作品が終わったら、今度こそ本当に「廃工場のビスクドール”という一つの素晴らしい作品が終わったんだな」って実感しちゃうので、凄い悲しいです。
最後の話の後書きで少し‥話す予定です。長くなったら日記に書くかもですね。
ちなみこの話で一番好きなシーンは、ブロードとの戦いがようやく終わって、一息ついてるところ…。
「_全てが終わった。
これで、リーヴァたちとの何気ない、ただの平和な日常が戻ってくる__」
のところ。
本文見たら分かるけど、“たち”のところに傍点が付いてるんです。単純にこのシーンが好きだし、無意識に‥ねぇ?思ってるところで読んでたら「ン゛ぐ、ッ‥ゥ“‥!!!!(吐血」ってなるの。好き‥。
[小話]
ミニタイトル(?)に書かれている『熱願』とは、“熱心に願い求めること”を意味する。
ただただ純粋に『人間に会いたい』と願い、熱心に人間に会うための行動をしたブロードがメインの回をヴィス視点で語った話のため、このようなタイトルとなった。
さらに、僕の個人的に解釈と超絶こじつけでもう一つ意味を書くとするなら…
ブロードの作者様が書かれたスピンオフ作品「私の心残り」にて、最期にブロードの言った一つの心残りを、「もし出来たなら‥」って熱願している…
って意味がつけることができる(?)
無理やりだけど、タイトルの名前がああなったのはそう言う意味。
スピンオフ含め面白い作品。控えめに言って大好き(((殴
[小ネタ]
これは、悪夢編を書く時に思いついたことで、実際に使ってるんですけど、原作にあるブロードのナイフ不足に繋がるネタ(?)です。
まず前提、僕原作を読んでて、
「あのブロードさん(?)が、こんな肝心な時にナイフ不足するか???」
って思ってたんですよ。原作への文句とかそんなんじゃなくて、単純に。それはそれでいいし、ルークさんとメアリーさんの、あの泣かずにはいられない読者視点最高なお別れが描かれることができたわけですし、なんなら感謝してます。
まあとにかく、そんな疑問を僕が持っていたと。
で、悪夢編書いてていつの間にかヴィスとブロードさんの対峙(ヴィスが外出たところくらい)のところまで来て思いついたんです。
「これ、ヴィスにナイフ消費させれば疑問解消するんじゃね??」
って。つまりこう。
ヴィスとの戦闘でナイフ消費→ヴィスの元からブロードさんいなくなる→(原作)ブロードさんリーヴァたちの元へ移動→一方的な虐殺開始→ヴィスとの戦闘で消費したせいでナイフ不足→ルーク&メアリー最期の会話→……
つてこと。分かってもらえただろうか。
で、あのヴィスの反射力と運動神経に命をかけた、一方的な戦闘シーンができたって言う…。個人的には疑問解消出来たし、(一方的ではあるが)戦闘シーンもオリジナルで書けたし、万々歳。嬉しい(*´꒳`*)
説明が下手すぎて泣けるわ…(