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いつまでも 君の隣に ー前編ー
いつまでも 君の隣に 過去編
??「__初めまして‥“ヴィス”」
ヴィス「……?」
目が覚め、初めて目にしたものは、一人の老人だった__
--- これは、とある工場で生まれ暮らしてきた ---
--- “ヴィス”と呼ばれる人形の物語__ ---
--- そして ---
--- 唯一無二で ---
--- 最高で ---
--- 最愛の ---
--- `彼女`と出会う物語___ ---
ヴィス「…ここは‥」
意識が朦朧としている…一体、僕の身に何があったのだろう
老人「ここは“アミアンジュファクトリー”。‥しがない、工場だよ」
ヴィス「アミアンジュファクトリー‥工場‥?」
何故工場に僕はいるんだ‥?
嗚呼、目覚める前の記憶が一切ない‥思い出せない。何故だ?
ヴィス「‥ッ‥ズキン」
頭が軋むように痛い。どこかで頭を打ったのだろうか…
パキッ
おかしな音が、部屋に響いた。
老人「!大変だ。ヒビが‥」
ヒビ?《《人間に》》ヒビなんて、そうそう出来るはずはない。
僕は違和感の出来た額へと手を伸ばす。すると、右半分の額に、小さいがヒビが入っていた。
ヴィス「なっ!?」
人間が骨にヒビが出来ることは、まああるだろう。こんな風にいきなりなることなんてないのだが。
しかし、僕の額にできたヒビは皮膚にヒビができていたのだ。人間ならばあり得ない。裂けることがあったとしても、多少は血が出るはず。
老人「すぐに直さなければ‥少し待っていなさい」
老人が立ち上がると同時に、息が上がる。
ヴィス「ッ、は…!!?」
何故、どういうことだ
《《人間なら》》、痛みが、血が………
ヴィス「……人間‥なら‥」
自然と口から出た言葉は、考え出た予想は‥僕の心を多少抉った。
信じられないと現実逃避をしたくていっぱいになった僕はそばにいた、僕の正体を知っているであろう老人にこう言った。
ヴィス「僕は…一体何者なんだ……?」
老人「‥」
口から漏れ出たように思うほど小さくか細いその声を、老人は聞き取った。いや、《《聞き取ってしまった》》
老人「…時間が経つと、直せなくなってしまう。直した後に、話そう」
ヴィス「いい。こんな傷、大したことではない。
そんなことより、僕の‥僕は何者なのか‥教えてくれ‥」
老人「…」
話を逸らしたいという気持ちが丸見えな老人に放った言葉は、どうやら老人の心に刺さったらしい。少しばかり手を震わせながらこちらを向き、老人は口を開いた。
老人「君は‥、…
--- ヴィス メイ《《人形》》 ---
…私が今この工場で作った、人形だ」
ヴィス「ッ!!」
人形 ?人形
人形 人
人形 人形
人形 人形 人形
人形 人形
人形¿
その言葉だけが、頭に響く
ヴィス「……人、形‥」
老人「っ…」
少しばかりの虚無感が、僕を襲う。
ヴィス「……そうか‥ありがとう‥ろう、、創造主」
タタッ
老人「待ちなさい!!!」
スタッと自分が寝っ転がっていた台から降り、僕はその場を去った。
ヴィス「……少し、頭を冷ましたいんだ‥ボソリ」
---
---
---
あれから数日…僕は誰とも会わず過ごした。もちろん、あの心優しい老人ともだ。
頭は十分覚めているはずなのに、未だ信じられないと言う自分がいる。現実逃避も、いい加減にしなければいけない……
ヴィス「…」
ここは静かだ。
ここは、他の人形たちはいないし、話し声も聞こえない…
ヴィス「…__はぁ__‥」
小さくため息をつき、僕は立ち上がった。
--- ゴツンッ ---
ヴィス「っ!?」
??「~‥。
!すみません大丈夫ですか?」
ヴィス「あぁ…平気だ、心配ない‥」
??「、ヒビが‥」
ヴィス「これは…今ので出来たものじゃない。気にしないでくれ」
??「そうですか?ならいいんですけれど‥」
ヴィス「‥君、名前は?」
??「え?自分ですか?」
ヴィス「、失礼した‥普通、自分が名乗ってからだね。
僕は‥ヴィス、正式にはヴィスメイ 人形というらしい」
??「ご丁寧にどうも。自分は“トラウム”と申します。ヴィスさんはいつからこの
工場に?」
ヴィス「僕は…ほんの数日前………《《作られた》》」
“作られた” その言葉は、今の僕には重く感じた。自分は産まれたのではなく作られたのだと、実家をさせられる。
トラウム「そうなんですね‥‥正確にいつなのかは覚えてないんですけど、自分は
工場がオープンしたすぐ後に作られました。ココにはかなり長い時間住んでいます。
‥そうだ。ここの人たちとは、もうお会いになられましたか?」
ヴィス「、やっぱり僕以外にも居るんだね」
トラウム「もちろんですよ。殆どの“人形”が貴方と同じように、《《彼》》の手で作られ
ました。既に50体は超えてるんじゃないですかね‥」
ヴィス「人形‥」
トラウム「、……人形の自分に、違和感がありますか?」
ヴィス「…ああ」
目が覚めた時は人間だと思っていたのに、数分後には人形だと告げられる。いきなり過ぎて、その場で飲み込むことができなかった。‥信じきれなきれなかった。
トラウム「ですよね…自分も人形だって言われた時は、思わず『嘘だ』ってなっちゃ
いましたから」
ヴィス「…」
トラウム「…」
ヴィス「…そろそろ、失礼するよ」
トラウム「え?もうですか?」
ヴィス「君、静かな場所が好きだろう。僕がいたんじゃ、落ち着けない」
トラウム「あ……」
ヴィス「またどこかで会えれば、その時話そう」
トラウム「…うん‥そうですね。またいつか。ニコ」
コツコツ‥
…人形だとしても、感情はある。人間と変わりはないのだ。なら‥__
ヴィス「僕なりに、人間と同じように振る舞おう」
---
---
---
数年後………
僕は、あれからすぐにあの老人に会い、突然逃げてしまったことを謝罪した。老人は謝ることじゃないと僕を宥めて、記念にと一つのマフラーをくれた。そのマフラーは白くて、とてもキレイだった…もちろん受け取ったし、初めてプレゼントだと嬉しく思った。今も大切に着けている。
嗚呼それと…どうやらこの額のヒビは、もう修復が出来ないらしい。人形の自分ならと思ったのだが、少しばかり残念だ。
あれから僕は老人の作業部屋で過ごした。ただ室温が丁度いいから居るだけだ。そう室温が。別にマフラーが嬉しかったからとかではない。本当に。
ヴィス「…」
ペラ‥
老人「…」
カチャカチャ‥
老人は、僕を作った後も人形を作り続けていた。あれから十体以上は作っただろうか…人形を作る技術はもちろん、根気も凄いと、僕はとても尊ン、感心した。
ヴィス「‥‥」
ペラ‥
老人「…」
カチャ‥
…何よりも凄いのは、老人が作った人形には魂が宿ることだ。作った人形には魂が宿り、動き、思考し、判断し、表情を変え、笑い、泣く。不思議なものだ。僕やトラウムという人形もその一つで、他にも何十体と魂の宿った人形たちが居る。彼の手には、一体どんなモノが宿っているのだろうか………今度、遠回しにでも聞いてみよう‥。
ヴィス「____フ‥__」
--- こうして、ヴィスと老人は穏やかで平和な日々を過ごした ---
--- 数日後 彼が還らぬ人となってしまうとも知らずに___ ---
今日の文字数
3255文字
あるあるな終わり方。閉めやすいよね、うん。「〇〇とも知らずに…」…うん(?)
前編は完全原作シーンなしのヴィス過去編。設定の後付けがちょこちょこある←おい?
それと、多分僕だけだが、ヴィスの声は斉木楠雄の声だと思ってる((
いや、一回それで想像してから、ヴィスのセリフが全部斉木楠雄になって別の声だと違和感感じちゃうんだ‥でも個人的にピッタリだと思ってる()
一人称と、超能力者で普通の“人間じゃない“、人形として生まれ“人間じゃない”、のが被ってる(?)んだろうか‥
というか老人はこんな感じだろうか…?本編登場はしてないはずなので完全に僕の想像。想像と違ったらすみません。
後、トラウムさんはまだ“変化”を嫌いになる前、精神がまだすり減っていない時です。そんな時なので、僕の方で勝手に明るい感じかな?とか思ってトラウムさんのセリフに「…」少なくしました。問題があればご連絡下さい!