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日の御子と鳥頭
和子ちゃんほぼ全員と関わってるから消去法で権之助になりました。
……全部『和子ちゃん』呼びなのは許してくれ……(アホってムズいぃ)
空の色が朱色に染まっていく時間。
私、|天照和子《あまてるわこ》は|狐屋《きつねや》家の縁側に腰を下ろしていた。
いつもならば見習い字消士たちが修行に励んでいる時間だが、本日はナシ。
我が友コオリくんの母、上さまの発案により、四家の絆を深めるための『食事会』を行うのだ。
私は字消士ではないが、日の御子であり、コオリくんの友として参加させていただくことになったのだ。
しかし私は客人という立場であり、やることがない。
手伝おうと言っても、なぜかコオリくんと礼くんに「「何もしなくていい」です」と言われてしまったのだ。とても必死そうに言われたのだが、なぜだろうか?
「あっ、和子ちゃんはっけ~ん! 和子ちゃんもひまなの?」
やたらとニッコニコ笑顔で私に話しかけてきたのは、|鹿ヶ谷権之助《ししがたにごんのすけ》。
兎川家の字消士である、ほまれが大好きなものすごい鳥頭である。
「ひまだが……。キミもなのか?」
「いやー、まあね。ね、ちょっと話さない?」
私が返事を返す前に、権之助は勝手に隣に腰を下ろす。
そして、ニコニコとした無邪気な笑顔ではなく、少しおとなびた、優しい笑顔になった。
「和子ちゃん、ありがとね」
「……ぬ? 私は、キミに感謝されるようなことをしたか?」
私が眉をひそめて問いかけると、権之助は空へと視線を向けた。
「ほまれが変わってくれたの、和子ちゃんのおかげだと思うからさ」
権之助が空へと向ける視線は、クリスマス会前夜に話したときと同じ。
ほまれのことを想い、熱を帯びている。
「ほまれは、『権だってうちを変えた』って言ってるけどさ。俺は、和子ちゃんのおかげだと思うんだよね。ほまれが和子ちゃんを主と決めてから、前よりずっと笑うようになった。素顔だって、たまに見せてくれるし。だから、ありがとう」
視線がこちらに向けられた。
その瞳が、あの時よりも澄んで見える。
私がなにも言えずにいると、権之助が「よ~しっ!」と立ち上がった。
「和子ちゃん、話聞いてくれてありがと! 俺ほまれんとこ行ってくる!」
ニカッと笑った権之助はタタタッと音を立てて去っていった。
ふぅ……ガンバッタァ……