このシリーズは、誰もが子供の頃にやった「お馴染みの遊び」をVR空間で最悪の形にアップデートした、【デスゲーム】です。
グロテスクな描写や直接的な暴力は一切ありません。
描かれるのは、VRならではのデータ的なペナルティ、特殊な役職がもたらす極限の疑心暗鬼、そして「さっきまでの味方が敵になる」絶望的な心理戦だけです。
「負ければ消滅(ログアウト)」という極限状態の中、プレイヤーたちが生き残りを賭けて必死に騙し合う、スリリングな物語をお届けします。
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目次
第1話:悪魔のオリエンテーション
ある日、悪夢は始まった――
「――目を覚ましてください。ログインは完了しています」
頭に響く無機質な電子音声で、僕――ハヤトは意識を取り戻した。
目を開けると、そこは果てしなく広がる真っ白な|仮想現実空間《VR空間》だった。
「ここは……? ログアウトボタンはどこだ!?」
「おい! 現実のスマホも繋がらないぞ!」
周りを見渡すと、僕と同じように困惑し、絶叫するプレイヤーたちが大勢集まっている。
その数、およそ35人。
誰もが自分の意志でVRギアを装着して眠りについた、あるいはいつも通りお気に入りのゲームをプレイしていたはずだった。
西暦204X年、ネットの最深部や特定のバグを踏んだ者だけが強制転送されるという謎の空間――
――都市伝説の『審判の庭(ジャッジメント・ガーデン)』に、僕たちは囚われてしまったのだ。
パチン、と乾いた指パッチンの音が響く。
空間の中央に、黒いシルクハットをかぶった顔のないアバターが忽然と現れた。
「ようこそ、選ばれし迷子たち。これより、VR空間限定の特別イベントを開催いたします。一時間、必死に足掻いてみせなさい。さもなければ、あなたの存在のすべてを|デリート《消滅》します――
申し遅れました、私、今回のゲームの|GM《ゲームマスター》を務めさせていただくものです。」
GMの言葉と同時に、空間の壁面に巨大なホログラムの文字が浮かび上がる。
**『ドロケイ:制限時間 120分』
**
「ルールは簡単、誰もが知る『ドロケイ』です。警察側が泥棒を全員捕まえるか、泥棒側が一人でも一時間逃げ切ればゲームセット。ただし、これは魔改造バージョンです」
GMが杖を振ると、空間に不気味な赤い文字が追加された。
「警察にタッチされた泥棒は、アバターが強制書き換えされ、その場で『警察陣営』へ寝返ります。衣服と瞳が赤く染まった瞬間、システム的に警察となり、泥棒時代の記憶や作戦を持ったまま、今度は元仲間を全力で狩る側に回ってもらうのです」
プレイヤーの間に悲鳴のようなざわめきが広がる。
「そして敗者へのペナルティ。ゲーム終了時に敗北した陣営、および途中で警察に捕まった泥棒は、その場でアバターがポリゴン粒子となって『|消滅《ログアウト》』します。現実のあなたたちがどうなるかは……おっと、これ以上は言えませんね」
「消滅……!? 冗談だろ!」
一人の男が叫び、GMに殴りかかろうとした。
しかし、GMの体に触れる直前、男のアバターはポリゴン粒子となって一瞬でかき消えた。
「ルール説明中の暴言はペナルティ対象です。彼は一足お先に消滅していただきました。
……さて、この必死な泥棒ごっこをさらに盛り上げるため、皆さんには基本陣営とは別に、秘密の【特殊役職】をランダムで一つずつ配布しました。
自分の手元にある端末を確認してください。どんな役職があるか、今から一度だけ説明しますよ」
GMが手をかざすと、空間全体に全9種類の役職ホログラムが展開された。
「まずは逃げる【泥棒陣営】の特殊役職。
最初から警察と繋がっていて泥棒の情報をリークする裏切り者、【スパイ】。
他のプレイヤーにタッチして自分の特殊役職を強制的に押し付ける、【怪盗】。
ミニマップに常に警察の位置が赤点で表示されるナビゲーター、【犬】。
二人一組の運命共同体で、片方が捕まるともう片方も自動的に警察へ寝返る、【不実な恋人】。
ゲーム中一回だけ『〇〇は警察だ』と全体へ嘘の公式アナウンスを流せる、【偽預言者】。
これらが泥棒側に紛れ込んでいます」
プレイヤーたちはお互いの顔を見合わせ、早くも疑心暗鬼の目を向け合う。
誰が味方で、誰が裏切り者か、もう分からない。
「対する【警察陣営】にも特殊な追跡者がいます。
泥棒だけでなく、味方の警察をもフリーズさせて手柄を独り占めしようとする、【サイコ警察】。
開始50分間は完全な泥棒のフリをして仲間を安心させ、残り10分で最強の警察へ強制変身する爆弾、【落とし子】。
そして、エリア中央にある泥棒の逆転要素『リセットボタン』の周囲から動けない代わりに、近づく泥棒を遠距離からフリーズさせる防衛の要、【看守】」
GMの解説が進むたび、空間の空気はどんどん重くなっていく。
「最後に、どちらの陣営でもない孤独な第三陣営、【愉快犯】。
彼らの勝利条件は、一時間の制限時間終了時に『警察と泥棒の人数がぴったり同数』であること。警察が勝っても泥棒が勝っても彼らは消滅するため、裏で必死に人数をコントロールして戦場をかき回すことでしょう」
すべての説明が終わり、僕――ハヤトは震える手で自分の端末を開いた。
そこに浮かんでいた文字は――。
**【基本陣営:泥棒】
【特殊役職:一般泥棒(特殊能力なし)】**
能力なし……!?よりによって一般泥棒だって……!?
なんの武器も持たない一般人の僕は、この化け物じみた特殊役職たちの中で生き残らなければならないのだ。
「それでは、カウントダウンを開始します。裏切りと騙し合いのデスゲームを、どうぞお楽しみください」
GMの嘲笑とともに、真っ白な空間がガラガラと崩れ落ち、不気味なサイバー都市の廃墟へと変貌していく。
空中には、真っ赤なホログラムタイマーが『02:00:00』を刻み、静かに秒読みを始めた。
信じられる味方は、一人もいない。
僕たちの、命がけの1時間が今、幕を開けた。
こんにちは!
S●ratchでデスゲアニメ見るの大好きなKanonLOVEです!
今回はまあ色々書こうと思い、NOVELCAKEでもやったことのないもの――
デスゲームを書いています!
下のURLからキャラ募集しています!
では!
https://tanpen.net/event/14277871-e1e6-4edc-b302-e8b84444485b/
集まらなかったら⋯⋯泣きます(まじ)
第2話:ゲームスタートと、最初の『愉快犯』
第二話だぜ。
「ゲーム開始(スタート)。――裏切りと騙し合いの世界へ、行ってらっしゃい」
ゲームマスターの歪んだ嘲笑が耳に残る中、視界を埋め尽くしていた真っ白な光がガラガラと崩れ落ちた。
電子の風が吹き抜ける。
一瞬で再構築されたのは、月の光に照らされた不気味なサイバー都市の廃墟だった。
錆びついた鉄骨、ホログラムのネオンが明滅する高層ビル、そして暗い路地裏。
「う、嘘だろ……本当に始まっちまった……!」
「逃げろ! 警察が来るぞ!」
周囲の泥棒プレイヤーたちが、パニックを起こして一斉に散り散りになっていく。
背後のスタート地点では、赤く光るバイザーを装着した3人の【一般警察】と、何やら不穏なオーラを放つ【サイコ警察】【看守】、計5人の警察陣営が、10秒間の待機ペナルティで静止していた。
「くそっ、とにかく隠れる場所を探さないと……!」
僕――ハヤトは能力なしの【一般泥棒】だ。
焦りで心臓が破裂しそうになりながら、近くの崩れたビルの影へと走り出そうとした、その時。
「ひゃっほーう! 見てよこのステージ、グラフィック最高じゃん!」
緊迫感の欠片もない、やけに軽い男の声が響いた。
振り返ると、そこに立っていたのは一人の青年だった。
輝くような金髪に、左目が青、右目が緑のオッドアイ。
全体的にかなり薄着で、首元を大きく開けたチャラい服装をしている。
整った顔立ちは文句なしのイケメンなのに、纏っている空気が致命的なまでにチャラい。
彼――五十嵐流星は、自分の携帯端末の画面を眺めながら、うっとりとした表情で呟いた。
「ふぅ、、、このゲーム、楽しいねェ、、、。命を賭けた究極のゲームなんてさ、オレずっと待ってたんだよね。逆境の時こそ、オレは輝く、、、!」
――こいつ、正気か……!? 負けたら消滅するって言われたんだぞ!?
ハヤトが呆然と見上げる中、流星はフッ、と自分の前髪をかき上げてポーズを決めた。
若干の厨二病の気配を感じる。
その時、流星の視線が、近くで震えていた女性の泥棒プレイヤーに向いた。
流星の目がきらりと輝く。
「おっ! そこのかわい子ちゃん、オレと遊んでかない? 命がけのデートってのもオツなもんでしょ?」
「ひっ、客引き!? 結構です!」
女性プレイヤーは短い悲鳴を上げて、全力のダッシュで逃げていってしまった。
「あれぇ!? なんで!? オレこんなにイケメンなのに! つーか今のはナンパであって客引きじゃないんだけどなー。まあいいや、オレのナンパ成功率がまた1%未満に収束しちゃったね」
流星はガックリと肩を落としたが、すぐにケロリとした顔で笑った。
自分の容姿の良さに自覚的な分、余計にチャラさが際立っている。
「おい、あんた……」
ハヤトが思わず声をかけると、流星のオッドアイがまっすぐにこちらを捉えた。
「ん? あんた、オレに何か用? ああ、あんたは……ただの『一般泥棒』か。つまんないの」
流星は手元の端末をハヤトに見せつけるように掲げた。
そこには、赤と青のマークがぴったりと並んだ奇妙なアイコンが表示されていた。
【基本陣営:第三陣営】
【特殊役職:愉快犯(勝利条件:ゲーム終了時に警察と泥棒の人数が同数であること)】
「オレの役職、これ。警察が勝とうが泥棒が勝とうが、オレの負け。だからさ、オレはどっちの味方でもないし、どっちの敵でもあるってワケ。アイツらが何人死のうが、オレが消滅しようがどうでもいい。オレはただ、この最高のゲームを一番楽しい形にコントロールしたいだけなんだよねェ」
流星の口元が、ゾクッとするほど邪悪に、そして純粋に釣り上がった。根っからの狂気ゲーマーの笑顔だった。
『――ゲーム開始から5分が経過しました。ここで、運営よりファースト・イベントを告知します』
その時、夜空に浮かぶ巨大なホログラムタイマーが『01:55:00』を指した瞬間、GMの不気味な声が街全体に響き渡った。
『特別イベント①【セーフゾーンの縮小】。現在から10分後、ステージの外周エリアを順次強制消滅(デリート)させます。泥棒諸君は、急いで中央のビル街へ集まりなさい。さあ、警察に見つからずに移動できるかな?』
「あはは! さっそく仕掛けてきたねェ!」
流星が嬉しそうに手を叩く。
エリアの縮小。
それは、隠れていた泥棒たちが強制的に炙り出され、警察の群れの中へと飛び込まざるを得ない、最悪のイベントの幕開けだった。
まじで参加してくださった方、ありがとうございます!
えっと、今回執筆時間がなかった上、NOVELCAKEの方の執筆が忙しい買ったためクソ回です(((
まだまだ参加募集してるので(人気じゃないんで)ぜひ来てください!
では!
https://tanpen.net/event/14277871-e1e6-4edc-b302-e8b84444485b/
第3話:水色のカーディガンと、甘い嘘
『特別イベント①【セーフゾーンの縮小】。現在から10分後、ステージの外周エリアを順次強制消滅(デリート)させます。
――おっと、言い忘れていました。このゲーム、最後まで生き残って勝利した陣営のプレイヤーには、現実世界で**【賞金一億円】**が贈られます。
これ、まじだからね。さあ、命と金を賭けて、急いで中央のビル街へ集まりなさい』
GMの、あまりにもゲスで魅力的な追加アナウンスがサイバー都市の夜空に響き渡る。
「賞金、一億円……! まじ、なのか……!?」
ハヤトの喉がゴクリと鳴った。ただの恐怖だったデスゲームに、今度は「強欲」という名のガソリンが注がれたのだ。
周りのプレイヤーたちの目の色が変わるのが、遠目からでも分かった。
「あはは! 最高じゃん! 人間、金が絡んだ時が一番必死で面白いんだよねェ!」
隣で【愉快犯】の流星がケラケラと笑う。
その時、崩れたビルの路地裏から、タタタッと軽い足音が近づいてきた。
「あの……っ、すみません!」
現れたのは、一人の少女だった。
肩あたりまで伸びた綺麗な髪に、どこか幼さの残る可憐な顔立ち。
サイバー都市の殺伐とした風景にはおよそ似合わない、優しい水色のカーディガンとベージュのスカートを身にまとっている。
彼女――儚木まりかは、怯えたようにハヤトの服の袖をきゅっと掴んだ。
「私、怖くて……。ゲームが始まったら、急にみんなバラバラになっちゃって。もしよかったら、一緒に、こんなゲーム終わらせましょう……?」
潤んだ瞳でまっすぐに見つめられ、ハヤトの心臓がドクリと跳ねた。
彼女の頭上に浮かぶホログラムウィンドウには、確かに【基本陣営:泥棒】とだけ表示されている。
特殊役職の欄は、ハヤトと同じように空白――つまり【一般泥棒】の表示になっていた。
――よかった……僕と同じ、能力なしの一般泥棒だ。
この子を守って、一緒に中央へ行かないと!
「うん、一緒に行こう。僕はハヤト。こっちのチャラいのは流星。とにかくあと10分でここが消滅するんだ、急いで中央のビル街へ――」
「ちょっと待ったァ」
歩き出そうとしたハヤトの肩を、流星がひょいと掴んで引き止めた。
流星のオッドアイが、じっとまりかを見つめる。
「おっ! そこのかわい子ちゃん。オレと一億円獲りに行かない? って言いたいところだけどさー。あんた、さっきから『賞金』ってワードが出た瞬間だけ、一瞬だけさぁ……すっごいニヤついてなかった?」
流星の言葉に、ハヤトは息を呑んだ。
流星はナンパは失敗するが、ゲームの観察眼だけは異常に鋭い。
まりかは一瞬だけ目を見開いたが、すぐに悲しげに眉を下げて首を振った。
「そんな……ひどいです。私、本当に怖くて、必死なだけなのに……」
「あー、ごめんごめん! オレ、客引きとか詐欺師に間違えられるタイプだから、つい疑い深くなっちゃってさ。姐さん、怒らないでよぉ」
流星はいつもの軽い調子で頭をかいた。
「流星、女の子をいじめるなよ。時間が無いんだ、行くぞ!」
ハヤトはまりかを庇うようにして、迫り来る消滅ゾーンから逃れるため、中央のビル街へと走り出した。
◇
ハヤトの背中を追いかけながら、水色のカーディガンを着た少女・まりかは、小さくうつむく。
その長い前髪の奥で、彼女の優しい瞳が、一瞬にして冷酷な、氷のような大人の目つきへと変わった。
――一億円、一億円、一億円……!
絶対に私が手に入れる。
目の前の冴えない男も、チャラ男も、全員私のための盾になってもらうんだから⋯!
彼女の手元にある隠された端末の画面には、ハヤトたちの目には見えない、最悪の役職名が真っ赤に拍動していた。
**【真の特殊役職:落とし子(警察陣営)】
****【※開始110分(残り10分)が経過した瞬間、最強の追跡者へと強制反転する】
**
ハヤトはまだ知らない。
自分が今、一番頼りにしようとしている少女こそが、このゲームの後半で全員を地獄に叩き落とす「最凶の爆弾」であることを。
参加していただいたキャラまたまた登場!
てなかんじで進めていきます。
おまけ
最近気づいてしまったこと2つ
その一。学タブで遊びすぎ(((
その二。本業のノベルケイクよりこっちの活動量多い
【幕間】ゲームマスターの悪巧み
ネタなくなってきたわけではない。
テスト前だからだ。
だがしかし、短い。
サイバー都市の廃墟を見下ろす、虚空に浮かぶ暗黒の監視ルーム。
そこでは、数十枚のホログラムモニターが明滅し、必死に逃げ惑う35人のプレイヤーたちの脳波データやバイタルサインをリアルタイムで映し出していた。
「――おい。第一ステージの調子はどうだ?」
闇の奥から、歪んだ音声加工を施された低い声が響いた。
このゲームのスポンサーであり、人類の肉体をアバター化しようと企む巨大組織『パノプティコン』の幹部からの通信だ。
監視デスクに両足を乗せ、黒いシルクハットを指先で弄んでいたGMは、大げさに肩をすくめて見せた。
「素晴らしいですよ、お偉いさん。開始わずか5分ですが、恐怖と疑心暗鬼のおかげで、実験体どもの脳波は最高の|ご馳走《データ》に育っています。やはり『身内が敵に寝返る』というルールは、人間の理性を壊すのに最高の手際だ」
「フン……だが、まだ何人かはゲームとして楽しんでいる余裕があるようだな」
幹部が指さしたモニターには、金髪オッドアイの愉快犯・流星が、へらへらとナンパをして客引きと間違えられているマ抜けな映像が映っていた。
「ああ、あの十九歳ですか。根っからの異常ゲーマーですね。他人の生死をエンタメだと思っている。
……ですが、それでいいのです。彼のような異分子が戦場をかき回すほど、周りの『一般人』の絶望は深まる。彼もまた、最高の|人形《アバター》の素体になりますよ」
GMはねっとりとした笑みを浮かべ、手元のフェーダーをゆっくりと押し上げた。
「それに、今回の泥棒側にはとっておきの『毒親切』を仕込んでありますからね。ほら、あの水色のカーディガンの少女です」
モニターに映るまりかは、ハヤトの袖を掴み、今にも泣き出しそうな可憐な表情を作っていた。
しかし、システムが弾き出す彼女の精神状態の数値は、冷酷なまでに「強欲」のインジケーターを振り切っている。
「最初は優しい仲間として信頼させ、最後の10分で『最強の鬼』に反転させ、内側からすべてを食い破らせる……。彼女が牙を剥いた瞬間、あの少年がどんな顔をして精神を崩壊させるか、今から楽しみで仕方がありません」
「ふっ……悪趣味な男だ。では、次のフェーズへ進め。実験の手を緩めるな」
「御意。では、実験体どものケツに火をつけてやりましょう」
GMは立ち上がり、空中にある赤い起動ボタンを愛おしそうに叩いた。
「さあ――|欲のガソリン《一億円》をくれてやる。もっと必死に、醜く、お互いをハメ合いなさい」
えっと⋯⋯
このあとも投稿する予定です((
第4話:不気味な影と、中央の混戦
若干カオス理論発生中(?)
「ハァ、ハァ、……もうすぐ、中央ビル街だ……!」
ハヤトは息を切らせながら、迫り来るステージの強制消滅から逃れるため、必死に走っていた。
背後からは、電子の壁が都市の端からバリバリと音を立てて空間ごと消し去っていく恐怖の音が響いている。
「ねえ、ハヤトさん……私、もう足が動きません……」
水色のカーディガンを着たまりかが、涙目でハヤトの腕にすがりついてくる。
「あはは! ほらほら急がないと消されちゃうよォ? 命がけの鬼ごっこ、最高にゾクゾクするねェ!」
隣を走る流星だけが、ゲームを心から楽しむようにオッドアイを輝かせて笑っている。
三人がなんとか中央のビル街へと滑り込んだその瞬間――。
「あひゃ……っ、いっ! あっははは、はっははぁ!」
薄暗い路地裏の影から、鼓膜を不快に震わせるような、不気味で甲高い笑い声が響いた。
ハヤトが思わず足を止めると、そこには長身の奇妙な人物が立っていた。
黒くボサボサに伸びきった髪に、ぴょこんと跳ねたアホ毛。
黒いジャケットに黒いスラックスという、闇に溶け込むような服装。
髪の隙間から覗く片方の目は、血のように赤く怪しく光っている。
そして、口元には不気味な笑みを常に浮かべ、両手はせわしなく、もじもじと何かをこねるように動いていた。
「な、なんだこいつ……プレイヤーか!?」
ハヤトが身構える。
頭上のホログラム表示は【基本陣営:泥棒】となっているが、纏っている雰囲気が異質すぎる。
「我……? うん、我、ここにいるよぉ……ふふっ……」
その人物――零古焦は、掠れたウィスパーボイスで、常に少し笑いながら囁いた。
内向的でこちらと視線を合わせようとはしないが、その赤い瞳はハヤトたちの動きをじっと観察している。
「おっ、新しいゲーム仲間? あんた、身長高くて黒ずくめで、なんか裏ボスっぽくてイカすじゃん! オレと一億円、狙いに行っちゃう?」
流星がいつもの調子でナンパ(?)気味に近づく。
しかし、古焦はもじもじと手を動かしたまま、カサカサとした動きでまりかの方へと一歩近づいた。
「……ククッ、優しい、女の子……。我、一緒に、いたいなぁ……。あひゃひゃ!」
「きゃっ!」
まりかは怯えたようにハヤトの背後に隠れた。
「ハヤトさん、あの人、すごく不気味です……。関わらない方がいいんじゃ……」
――確かに、この人は何かおかしい……。
でも、消滅ゾーンから逃げてきた泥棒の仲間なら、見捨てるわけには……
ハヤトが葛藤した、その時。
『ウーーーッ! ウーーーッ!』
ビル街のいたるところから、けたたましいサイレンが鳴り響いた。
中央エリアに逃げ込んできた大量の泥棒たちを待ち伏せていたかのように、赤く光るバイザーをつけた
【一般警察】たちが、一斉に路地裏から姿を現したのだ。
「泥棒を発見! 確保する!」
「うわああっ! 警察だ!」
「逃げろ! 捕まったら終わりだぞ!」
一瞬にして、中央ビル街はパニックの渦に包まれた。
逃げ惑う泥棒プレイヤーたち。それを容赦なく追い詰める警察陣営。
「大変、ハヤトさん! こっちへ!」
まりかがハヤトの手を引っ張り、警察の薄い方向へと走り出す。
「ひゃっほー! 乱戦だ! もっと盛り上がってきたねェ!」
流星が笑いながらそれに続く。
ハヤトたち4人は、警察の追跡を振り切るために狭いビルとビルの隙間へと逃げ込んだ。
ハヤトは気づいていなかった。
自分たちを誘導しているまりかが、ハヤトを警察の視線に晒すための「人間の盾」として位置を微調整していることに。
そして――自分たちの後ろを、両手をもじもじさせながらカサカサと走ってついてくる古焦が、手元の端末の「警察陣営専用チャット」へ、ウィスパーボイスで楽しげにメッセージを打ち込んでいることに。
【泥棒4人、中央のC-4路地に逃走中。我、今から誘導するね……。あひゃひゃ!】
古焦の隠された役職は【犬】。泥棒の皮を被り、泥棒を警察へ売るための最凶の間諜だった。
味方は一人もいない。
ハヤトの命をかけたゲームは、さらなる絶望の混戦へと突き進んでいく。
なのでクオリティ低いのは許してちょ♡(嘘です、ごめんなさい)
それはなぜかというと⋯⋯!
執筆時間が20分しかなかった()
詳細:某コンビニのレジが混んでた結果20分待ちだったから。
取る予定だった時間(40分)−レジ時間(20分)=20分
よし、明日の数学のテスト、何点だろう!
数学は得意科目だから頑張るぞ!
てか中間テストに向けても頑張るぞ!
ってことでまた明日!
第5話:全方位の蜘蛛の巣と、一般人の足掻き
テ ス ト 勉 強 や だ な ぁ 。
「ハァ、ハァ、ハァ……っ!」
冷たい夜風を突き破りながら、ハヤトは必死に足を動かしていた。
狭く薄暗いビルの隙間。
すぐ後ろからは、電子の壁が空間ごと街を削り取っていく重低音が響いている。
迫り来るカウントダウンの恐怖。
「ハヤトさん、こっちです……! 警察の薄いルートを見つけました!」
前を走る水色のカーディガンの少女、まりかが、涙目を浮かべながら僕の手を強く引っ張る。
気づきもしなかった。まりかが僕を引っ張る位置が、常に「警察から最も射線が通りやすい盾(デコイ)」になるよう、冷酷に微調整されていることなど。
「あはは! 追いつめられるネズミの気分はどうだい? 最高にゾクゾクするねェ!」
すぐ横を並走する金髪オッドアイの愉快犯、流星が、場違いな歓声を上げて笑う。
他人の生死すらエンタメとして消費するその瞳が、不気味にギラギラと輝いていた。
そして、僕たちの最後尾を、カサカサとした奇妙な動きでついてくる長身の影――零古焦。
黒くボサボサの髪の隙間から赤く光る片目を覗かせ、常に手をもじもじと動かしながら、掠れたウィス
パーボイスで囁いている。
「あひゃひゃ……我、楽しい……楽しいよぉ……ふふっ……」
古焦の視線は、手元の端末の暗い画面へと落とされていた。
彼女の指先は、僕たち泥棒には決して見えない『警察陣営専用チャット』のキーボードを、もじもじと、しかし正確に叩き続けている。
【泥棒4人、中央のC-4路地に逃走中。我、今から誘導するね……。あひゃひゃ!】
古焦の真の役職は【犬】。
泥棒の安全をナビゲートする救世主の皮を被り、その実、警察へ獲物を売り渡す最悪の間諜(スパイ)だった。
「――いたぞ! 泥棒どもだ! 囲め!」突如、路地裏の先から、赤く光るバイザーを装着した【一般警察】が3人、壁を背にするようにして姿を現した。
「しまっ……! 先回りされてる!?」
僕は急ブレーキをかけ、背筋に冷たいものが走るのを感じた。
後ろは消滅ゾーン、前は警察。
完全に退路を断たれた、絶体絶命の包囲網。
「きゃああっ! 警察! ハヤトさん、どうしよう……っ!」
まりかが僕の背中に隠れ、恐怖に声を震わせる。
「おっとォ、完全に詰んじゃったねェ。オレの人数調整計画、開始早々ピンチじゃん」
流星が頭の後ろで手を組み、わざとらしくため息をついた。
「あひゃ……っ、いっ! 包囲、されちゃったねぇ……ククッ……」
古焦はもじもじと手を動かしたまま、口元を歪めて笑っている。
誰も頼れない。
誰も信じられない。
能力を持たない【一般泥棒】の僕が、この化け物たちの真ん中で、今まさに警察にタッチされようとしていた。
――くそっ……何か、何か突破口は無いのか……!?
その時、僕の脳裏に、ゲーム開始時にGMが説明した全9種類の役職一覧がフラッシュバックした。
警察陣営の役職――【サイコ警察】【落とし子】【看守】。
泥棒陣営の役職――【スパイ】【怪盗】【犬】【不実な恋人】【偽預言者】。
目の前の一般警察たちは、一列に並んでじりじりと距離を詰めてくる。
だが、その内の一人の警察が、不自然に周囲をキョロキョロと見回し、他の警察から微妙に距離を取っていることに、僕は気づいた。
その警察の手元は、心なしかピクピクと攻撃的に震えているように見える。
――待てよ……。
警察の特殊役職には『味方の警察すらフリーズさせて手柄を独り占めしようとする』。
そんな奴がいるって言ってたな……。もし、あいつが――
「捕まえるぞ、泥棒!」先頭の警察が、僕に向かって手を伸ばす。
その瞬間、僕は一か八かの賭けに出るため、喉が張り裂けんばかりの声で叫んだ。
「おい! そこの左の警察! お前の後ろの警察、【サイコ警察】だぞ!! お前をハメて手柄を横取りしようとしてる!」
――根拠のない、完全なハッタリ。
だが、この「誰もが誰もを疑うデスゲーム」において、その一言は強烈な毒となって警察たちの足元を狂わせた。
「なっ……!? 何を言って――」先頭の警察が思わず動きを止め、背後の仲間に鋭い視線を向けた。
その刹那、警察同士の間に、泥棒側と同じ「最悪の疑心暗鬼」の火花が散る。
「あはは! 面白いこと言うじゃん、ハヤト!」
流星の目が、歓喜に細められた。
こんちゃぁ!
いや、時間的にこんばんはぁ!
KanonLOVEです!
えっと⋯⋯
「テ ス ト 勉 強 や だ」
では!
キャラ参加はこちらから
https://tanpen.net/event/14277871-e1e6-4edc-b302-e8b84444485b/
第6話:終わらない縮小と、IQの獣
オハヨーゴザイマス
「なっ……!? 何を言って――」
僕のハッタリに、先頭の警察が思わず動きを止めて背後の仲間を振り返った。
その刹那、警察同士の間に、強烈な「最悪の疑心暗鬼」の火花が散る。
「おい、まさかお前、本当にサイコ警察……」
「違う! 泥棒のデタラメだ、惑わされるな!」
「あはは! 面白いこと言うじゃん、ハヤト!」
流星が歓喜に目を細めた瞬間を見逃さず、僕はまりかと流星の腕を掴んだ。
「走れっ!!」
警察が互いに身構えた一瞬の隙を突き、僕たちはその横をすり抜けて猛ダッシュで路地裏を駆け抜けた。
後ろからは「あひゃ……っ! 我、置いていかれちゃう……!」という古焦のカサカサとした足音が追ってくる。
警察に位置をチクる【犬】である彼女を連れて行くのは危険だが、今は振り切る余裕すらない。
『――ピピピッ。警告、ファースト・イベント【セーフゾーンの縮小】を終了します。これより外周エリアは完全に消滅デリートされました』
頭上からGMの無機質なアナウンスが響くと同時に、背後から迫っていたバリバリという電子音がピタリと止んだ。
なんとか、中央エリアへの生き残りを賭けた大移動は成功したのだ。
「ハァ、ハァ……たす、かった……?」
僕たちは、高層ビルに囲まれた薄暗い中央広場の片隅へと滑り込み、荒い息を吐いた。
だが、安心したのも束の間。
広場の中心には、すでに外周から炙り出されて集まってきた、数十人の泥棒プレイヤーたちがいた。
誰もが怯え、お互いに距離を取って睨み合っている。
「ふぅ……あー怖かった。ハヤトさん、機転を利かせてくれてありがとうございました」
水色のカーディガンを着たまりかが、胸に手を当ててホッと微笑む。
「おっ、あそこに座ってる奴、なんか雰囲気違ってイカすじゃん」
流星がオッドアイを輝かせ、広場の隅にある錆びついたコンテナを指差した。
そこに、一人の少女が足をぶらつかせて座っていた。
ボサボサの少し長めな黒髪。龍の柄が鮮やかに描かれた、黒と朱の外套を羽織っている。
鋭い牙が覗く大きな口に、まるで獲物を定める獣のような、凶暴な目つき。
下には黒いTシャツとジーンズを着込んでおり、一見すると無軌道な不良そのものだった。
彼女――上堂由希は、僕たちが近づいても怯える素振りすら見せず、ふんと鼻で笑った。
「あん? なんだお前ら。ゾロゾロと群れやがって」
「俺は上堂。よろしくな」
ぶっきらぼうに名乗る彼女の頭上には、確かに【基本陣営:泥棒】の文字。
特殊役職の欄は、僕と同じように空白――つまり【一般泥棒】と表示されていた。
「君も一般泥棒なのか……! よかった、僕はハヤト。こっちはまりか、流星、そして古焦だ。ここは警察だらけで危ない、一緒に――」
「参加する理由?んなもんなくてもいいだろ。暇人の趣味、それだけさ。」
由希は僕の言葉を遮り、コンテナから飛び降りると、鋭い目で僕たちの顔を一人ずつ観察した。
その瞬間、彼女の脳内では、恐ろしいほどの速度で計算が弾き出されていた。
(ほほう……。
水色カーディガンの女、怯えたフリをしとるが、重心の置き方がいつでも他人を前に押し出せる殺人鬼のそれやな。一般泥棒の皮を被った【落とし子】か?
隣の金髪は……ハハッ、他人の生死を見てワクワクしとるな。こいつは【愉快犯】。
後ろの黒ずくめ(古焦)は、手をもじもじさせながら端末を隠しとる。
位置情報を送る【スパイ(犬)】か)
IQが異常なほど高い由希は、僕たちのわずかな挙動や視線だけで、全員の隠された本性を見抜いていた。
(そして、この真ん中の冴えない男……こいつだけは本物の、ただの馬鹿正直な【一般泥棒】やねぇ。
クククッ……)
由希の口元が、外套の襟に隠れて怪しく釣り上がる。
(かかりましたねぇぇぇぇぇ………。ちょうど警察をハメるための『無知な囮』が欲しかったところや。彼にはここでたっぷり、俺のために働いてもらいましょうかねぇ……)
「ま、協力し合って生き残るってんなら、俺も異論はねえよ」
由希はわざとらしく不良っぽい笑みを浮かべ、僕の手を握った。
僕を、いつでも使い捨てられる最高の人形として見定めながら。
味方は一人もいない。
【愉快犯】、【落とし子】、【スパイ】に加え、今度は【IQの怪物(落とし子)】までがハヤトの周囲を取り囲む。
一般泥棒・ハヤトを巡る、地獄の第2フェーズが今、幕を開けた。
オハヨーゴザイマス
KanonLOVEです。
では。(二度寝するので)
番外編:side GM編 悪魔のトリアージ(第1話)
西暦203X年、現実世界。
ネットの最深部に君臨する巨大組織『パノプティコン』が、まだ表舞台のコンサルティング企業として、国家のデジタルインフラを裏で支配し始めていた頃の話。
「――完璧なシステムだ。これこそが、人類の無駄を排除する究極の効率化だよ、真壁君」
薄暗い研究室の中、立体ホログラムに映し出される膨大な脳波データを見つめながら、組織の幹部が低く歪んだ声で笑った。
デスクの前で、白衣を着た一人の青年が静かにキーボードを叩いていた。
真壁。のちに黒いシルクハットをかぶり、プレイヤーたちの生死を弄ぶゲームマスターとなる男の、まだ「人間」だった頃の姿だ。
当時の彼は、天才的なVR空間のエンジニアであり、同時に重度の「現実嫌悪者」でもあった。
「効率化、ですか。お偉いさん、僕にはこれが、ただの『合法的な殺人マシーン』に見えますが」
真壁は眼鏡の奥の冷徹な瞳で、ホログラムの数値を睨みつけた。
パノプティコンが国家の裏で進めていた計画――それは、社会にとって「価値がない」と判断された人間をVR空間へ強制ログインさせ、極限のデスゲームによってその命をシステム的に|デリート《抹消》していく、恐るべき処刑システムの開発だった。
現実世界で犯罪を犯した者、巨額の借金を抱えた者、社会の底辺で燻る人間たち。
彼らを逃げ場のない仮想現実に引きずり込み、命を賭けた心理戦を強いる。
「言い方が悪いね、真壁君。現実世界はバグだらけだ。人口過剰、犯罪、格差……無価値な人間のせいで、世界はいつも崩壊寸前じゃないか。だったら、そのエゴに塗れた余剰人員をVR空間の『お遊び』の中で綺麗に間引いてあげた方が、社会はより洗練される」
幹部は真壁の肩に手を置き、冷酷に囁いた。
「君だって、この醜い現実を憎んでいるだろう?
……さあ、最初の|テストイベント《実験》を始めよう。誰もが子供の頃にやった、あの懐かしい遊びをベースに、人間の理性を徹底的に破壊し、敗者を一人残らず死に追いやる最悪のステージを構築したまえ」
真壁はしばらく黙っていたが、やがてフッと、自嘲気味に口元を歪めた。
「子供の遊び、ですか。……いいですね。身内が敵に寝返る、あの泥泥の追いかけっこ――『ドロケイ』なんてどうでしょう。人間が一番必死になって命を求め、仲間をハメ合って死んでいく、最高に醜い処刑場を作って見せますよ」
ここでGMの名前発覚(((
どうもKanonLOVEです!
KanonLOVEと、打とうとしたら「KEEP OUT」が変換候補に出てきました。
物騒ですね(((
今回ちょっとやる気が出なかったので番外編急投稿しました。
では!
まだまだキャラ募集中
https://tanpen.net/event/14277871-e1e6-4edc-b302-e8b84444485b/
番外編:side GM編 悪魔のトリアージ (第2話)
「――被験者3名の心停止を確認。|ポリゴン粒子化《デリート》、完了しました」
無機質なシステム音声が、誰もいない実験室に響き渡る。
大型モニターの前に座る真壁は、震える手で眼鏡を押し上げ、映し出された『DEAD』の赤い文字を凝視していた。
パノプティコンが極秘裏に開発した、脳への高負荷による強制脳死システム。
VR空間での敗北は、電子の刃となって現実の肉体の心臓を止める。
真壁が作り上げた『ドロケイ』のプロトタイプは、文字通り、敗者を一人残らず「抹殺」する悪魔の処刑場だった。
「ひ、酷すぎる……。本当に、現実の命を奪うなんて……」
隣でモニターを見ていたアシスタントの女性が、口元を押さえてへたり込んだ。
最初のテストに集められたのは、多額の借金を抱えた「社会のゴミ」と組織に判断された10人のプレイヤーたち。
彼らはただのVRゲーム大会だと思ってログインし、そして、ルールに敗れて本当に死んだのだ。
「真壁君。何を怯えているんだね?」
背後の闇から、組織の幹部が冷酷な声で話しかけた。
「彼らは社会の役に立たない、淘汰されるべき敗者だ。|彼らの命《データ》を間引くことで、我々のシステムはさらに強固になる。……君が考案した『役職』による騙し合いは素晴らしかった。仲間を売って自分だけ生き残ろうとした瞬間の脳波データ、実に最高だったよ」
「僕は……そんなつもりでこのゲームを……」
真壁の頭痛が激しくなる。
彼は現実を憎んでいた。
だが、自分の手で人を殺したいわけではなかった。
しかし、パノプティコンという巨大な歯車は、もう止まらない。
逆らえば、次に消されるのは自分だ。
「さあ、真壁君。次のフェーズだ。人間の恐怖をさらに煽るために、君自身がゲームの『顔』となり、戦場をコントロールするんだ。冷酷に、慈悲なくな」
幹部から差し出されたのは、顔のパーツが一切ない、真っ黒な『のっぺらぼう』のアバターデータ。
そして、現実の真壁のデスクに置かれた、一つの黒いシルクハット。
――僕が、彼らを殺す『死神』になれと言うのか……?
真壁は、震える手でシルクハットを手に取った。
その時、モニターの中で、生き残りを賭けて必死に仲間をハメ合っている、最後のプレイヤーたちの醜い映像が目に飛び込んできた。
恐怖に顔を歪め、金を求めて叫び、さっきまで味方だった男の背中を笑顔で警察に売る人間たち。
その醜悪な姿を見た瞬間――真壁の脳内で、何かがパチンと弾けた。
「……あはは。そうか。そうですよね、お偉いさん」
真壁の口元が、ゾクッとするほど邪悪に歪んだ。
「人間なんて、最初からこの程度だ。命の価値なんて、僕が査定してやればいい。必死に足掻いて、醜く騙し合って、最後は絶望して死んでいく……。これ以上の最高のエンターテインメントが、この世にありますか?」
眼鏡を投げ捨てた真壁は、黒いシルクハットを深く被り、狂気の笑顔を浮かべた。
真壁という人間は、この日、完全に死んだ。
生まれたのは、プレイヤーの命を弄ぶ、冷酷非道なゲームマスターだった。
テスト近いのでサボり気味でした。
すみませんでした。
では!
(今回言ってることがちょっとアウトな気がしたので制限付きです)
番外編:side GM編 悪魔のトリアージ (第3話)
「――素晴らしいよ、ゲームマスター(GM)。テストは大成功だ」
暗黒の電子空間の中、黒いシルクハットを深く被ったGMの前に、組織の『本尊』がその気配を現した。
そこには、姿も形もなかった。
ただ、空間そのものがグニャリと歪み、網膜を焼くような強烈なノイズの向こうから、何重ものエコーがかかった「声」だけが響いてくる。
性別すら判別できない、だがどこか冷徹な女性のようにも聞こえるその声は、この世界のシステムそのものが喋っているかのような圧倒的な威圧感を放っていた。
「褒めていただき光栄です。おかげさまで、人間の『命の価値』を測る、最高に醜いデスゲームのプロトタイプが完成しました」
GMはシルクハットの縁に手をあて、冷たい闇の空間に向けて懃懃無礼に深く頭を下げた。
かつて真壁と呼ばれた男の瞳には、もう人間の温かみなど微塵も残っていない。
ただ、その「声」への絶対的な服従だけがあった。
『ええ。人間は実に興味深いわ。死の恐怖と、目の前にぶら下げられた「富」への強欲……それらが混ざり合った時、彼らは信じられないほど簡単に仲間を裏切り、ハメ合い、自滅していく』
正体不明の黒幕は、人間をあざ笑うように冷酷に、機械的に告げた。
「ですが、これまでのテストのような『借金まみれのクズ』や『犯罪者』だけでは、データのサンプリングが偏ります。真にこのシステムを国家規模へと拡大するためには、もっと純粋で、無垢で、無価値な『普通の人間』をハメ殺すデータが必要です」
GMの提案に、闇のノイズが満足そうに激しく明滅した。
『分かっているわ。だから、次の本番ステージ「審判の庭」には、極上のガソリンを用意したの。……人間のエゴを最も刺激する数字、「一億円の賞金」よ』
GMの背後のモニターに、膨大なデータが展開される。
そこに映し出されたのは、現実世界でごく普通の日常を送っている、何人もの若者たちの隠し撮りデータだった。
その中には、のちにゲームに巻き込まれるプレイヤーたち――そして、どこにでもいる平凡で、ただただ馬鹿正直な大学生・ハヤトの顔写真もあった。
「一億円、ですか。ふふっ、最高ですね。大金で釣られた有象無象の一般人が、生き残りを賭けて泥泥の『ドロケイ』を繰り広げる。警察役、泥棒役、そして裏切り者の特殊役職……。彼らが必死に足掻いた末に、命を奪われてポリゴン粒子なって消えていく瞬間が、今から待ち遠しくてたまらない」
GMの狂気の笑い声が、冷たい電子の闇に響き渡る。
『さあ、始めましょう、GM。欲に目の眩んだ哀れな羊たちを、死の仮想現実へ誘い出すのです。誰が生き残り、誰が最初に無残に殺されるか……じっくりと見せてもらうわ』
正体不明の主からの冷徹な命令を受け、GMは黒いシルクハットの奥で、その口元を凶悪に釣り上げた。
「イエス。――これより、命を賭けた極限のドロケイ『審判の庭』の幕を開けましょう。誰も逃げられない、地獄のゲームへようこそ……!」
現実世界の若者たちのスマホへ、一斉に「謎のゲーム招待メール」が送信され始める。
ハヤトがその画面をタップする、わずか数時間前の出来事だった。
はい。
ゲームマスター編終わり。
テストノー勉だけど親に怒られたためなかなか執筆時間が取れませんでした。
許して。
はい。
⋯⋯。
キャラ募集してます!
以上。
では!
まだ募集してて草。
↓
https://tanpen.net/event/14277871-e1e6-4edc-b302-e8b84444485b/
第7話:密告者の天秤
「……あ、あの、お二人とも? 顔がめちゃくちゃ怖いんだけど……」
僕――ハヤトは、まりかと上堂由希の二人に挟まれ、その場で冷や汗を流していた。
さっきから二人の笑顔がピキピキと引きつっている。
仲良く協力しようって話になったはずなのに、なぜか僕を巡って、目に見えない強烈な火花が散っている気がするのだ。
「あはは! まりかもヤンキーちゃんも最高にバチバチじゃん! おーい古焦、これスマホで動画撮っとこーよ! 世紀のキャットファイト!」
「あひゃ、あひゃひゃ……我、端末のバッテリーがもったいないから無理ぃ……」
相変わらず流星だけがオッドアイを輝かせてこの修羅場を楽しんでおり、古焦は不気味に手をモジモジさせながらスマホを隠している。
その時、僕たちの端末が一斉に『ピロリ〜ン!』と気の抜けた大音量を立てた。
『――ハーイ、プレイヤーの皆様! ファーストイベント生き残りおめでとうございまーす!』
頭上から、あの黒いシルクハットのゲームマスターの、軽薄でふざけた声が響き渡る。
高層ビルに囲まれた薄暗い中央広場に集まった数十人の泥棒たちが、一斉にビクッと身構えた。
『ちょっと人数が減って寂しくなっちゃったので、皆様の仲をさらに深める楽しい新機能を追加しました! その名も……第2イベント【密告者の天秤】!』
空中にポップなアニメ調の天秤アイコンがデカデカと表示される。
『ルールは超〜簡単! 皆様の端末に【密告ボタン】がつきました! 同じエリアにいる「仲間の現在位置」を警察にポチッと送信すると、なんとその見返りとして、自分だけが【5分間、誰からも姿が見えなくなる完全透明化】になれちゃいまーす!』
「ええっ!?」
「そんなのアリかよ!?」
広場にいた泥棒プレイヤーたちから、一斉にズッコケるような、でもどこか引きつった声が上がった。あちこちで「おい、お前裏切るなよ?」「お前こそ押すなよ!」というガヤガヤとした言い合いが始まる。
『もちろん、誰がチクったかは完全非公開! 制限時間は15分! さあ、誰が最初に仲間を売っちゃうのかな〜? それじゃ、レッツ・裏切りタイム!』
ブツッとアナウンスが切れると同時に、広場は異様な静寂に包まれた。
みんながスマホの画面を見つめ、チラチラと隣の仲間を「自分の透明化のための生贄」としてお互いに観察し始めている。
「う、嘘だろ……仲間を売れば、自分だけが透明になって助かるなんて……」
僕がスマホに表示された真っ赤な【密告ボタン】を見て冷や汗を流す中、周囲の泥棒たちは完全に固まっていた。
誰もが最初に動くのを恐れ、かつ誰かに売られるのを警戒して、スマホを握ったままお互いにジリジリと距離を取り始めている。
これから始まる、絶対に誰も信用できない15分間のカウントダウンが、静かにスタートした。
いろいろひゃっはーなKanonLOVEです(?)
キャラ絶賛募集中。
では!
(キャラ募集のURL貼るときが一番虚しい。)
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