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第2話:ゲームスタートと、最初の『愉快犯』
第二話だぜ。
「ゲーム開始(スタート)。――裏切りと騙し合いの世界へ、行ってらっしゃい」
ゲームマスターの歪んだ嘲笑が耳に残る中、視界を埋め尽くしていた真っ白な光がガラガラと崩れ落ちた。
電子の風が吹き抜ける。
一瞬で再構築されたのは、月の光に照らされた不気味なサイバー都市の廃墟だった。
錆びついた鉄骨、ホログラムのネオンが明滅する高層ビル、そして暗い路地裏。
「う、嘘だろ……本当に始まっちまった……!」
「逃げろ! 警察が来るぞ!」
周囲の泥棒プレイヤーたちが、パニックを起こして一斉に散り散りになっていく。
背後のスタート地点では、赤く光るバイザーを装着した3人の【一般警察】と、何やら不穏なオーラを放つ【サイコ警察】【看守】、計5人の警察陣営が、10秒間の待機ペナルティで静止していた。
「くそっ、とにかく隠れる場所を探さないと……!」
僕――ハヤトは能力なしの【一般泥棒】だ。
焦りで心臓が破裂しそうになりながら、近くの崩れたビルの影へと走り出そうとした、その時。
「ひゃっほーう! 見てよこのステージ、グラフィック最高じゃん!」
緊迫感の欠片もない、やけに軽い男の声が響いた。
振り返ると、そこに立っていたのは一人の青年だった。
輝くような金髪に、左目が青、右目が緑のオッドアイ。
全体的にかなり薄着で、首元を大きく開けたチャラい服装をしている。
整った顔立ちは文句なしのイケメンなのに、纏っている空気が致命的なまでにチャラい。
彼――五十嵐流星は、自分の携帯端末の画面を眺めながら、うっとりとした表情で呟いた。
「ふぅ、、、このゲーム、楽しいねェ、、、。命を賭けた究極のゲームなんてさ、オレずっと待ってたんだよね。逆境の時こそ、オレは輝く、、、!」
――こいつ、正気か……!? 負けたら消滅するって言われたんだぞ!?
ハヤトが呆然と見上げる中、流星はフッ、と自分の前髪をかき上げてポーズを決めた。
若干の厨二病の気配を感じる。
その時、流星の視線が、近くで震えていた女性の泥棒プレイヤーに向いた。
流星の目がきらりと輝く。
「おっ! そこのかわい子ちゃん、オレと遊んでかない? 命がけのデートってのもオツなもんでしょ?」
「ひっ、客引き!? 結構です!」
女性プレイヤーは短い悲鳴を上げて、全力のダッシュで逃げていってしまった。
「あれぇ!? なんで!? オレこんなにイケメンなのに! つーか今のはナンパであって客引きじゃないんだけどなー。まあいいや、オレのナンパ成功率がまた1%未満に収束しちゃったね」
流星はガックリと肩を落としたが、すぐにケロリとした顔で笑った。
自分の容姿の良さに自覚的な分、余計にチャラさが際立っている。
「おい、あんた……」
ハヤトが思わず声をかけると、流星のオッドアイがまっすぐにこちらを捉えた。
「ん? あんた、オレに何か用? ああ、あんたは……ただの『一般泥棒』か。つまんないの」
流星は手元の端末をハヤトに見せつけるように掲げた。
そこには、赤と青のマークがぴったりと並んだ奇妙なアイコンが表示されていた。
【基本陣営:第三陣営】
【特殊役職:愉快犯(勝利条件:ゲーム終了時に警察と泥棒の人数が同数であること)】
「オレの役職、これ。警察が勝とうが泥棒が勝とうが、オレの負け。だからさ、オレはどっちの味方でもないし、どっちの敵でもあるってワケ。アイツらが何人死のうが、オレが消滅しようがどうでもいい。オレはただ、この最高のゲームを一番楽しい形にコントロールしたいだけなんだよねェ」
流星の口元が、ゾクッとするほど邪悪に、そして純粋に釣り上がった。根っからの狂気ゲーマーの笑顔だった。
『――ゲーム開始から5分が経過しました。ここで、運営よりファースト・イベントを告知します』
その時、夜空に浮かぶ巨大なホログラムタイマーが『01:55:00』を指した瞬間、GMの不気味な声が街全体に響き渡った。
『特別イベント①【セーフゾーンの縮小】。現在から10分後、ステージの外周エリアを順次強制消滅(デリート)させます。泥棒諸君は、急いで中央のビル街へ集まりなさい。さあ、警察に見つからずに移動できるかな?』
「あはは! さっそく仕掛けてきたねェ!」
流星が嬉しそうに手を叩く。
エリアの縮小。
それは、隠れていた泥棒たちが強制的に炙り出され、警察の群れの中へと飛び込まざるを得ない、最悪のイベントの幕開けだった。
まじで参加してくださった方、ありがとうございます!
えっと、今回執筆時間がなかった上、NOVELCAKEの方の執筆が忙しい買ったためクソ回です(((
まだまだ参加募集してるので(人気じゃないんで)ぜひ来てください!
では!
https://tanpen.net/event/14277871-e1e6-4edc-b302-e8b84444485b/