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身代わり地蔵
今日のお話。
この村には、『身代わり地蔵』と言うものがある。
この地蔵の頭の石を削り、体内に入れることにより、病気や厄災を代わりに受けてくれると信じられているものだ。
ただし、身代わり地蔵の頭が完全になくなってしまったら、それはとても恐ろしいことが起きるんだそう。
病人に一つ、熱の出た赤子に一つ、自分に一つ、老人に一つ。
人々はこの地蔵の力を過信し、とにかく体の弱いものや年寄りに地蔵の頭の石を飲ませた。
日に日に地蔵の頭はすり減り、ついには地蔵の頭が無くなってしまった。
人々は、厄災や病気が本人に戻ってくるのではと考えた。
だが、それは違った。
地蔵の頭の石を飲んだ人間の、家族や知人が次々と不幸に見舞われたのだ。
不治の病にかかったり。
いきなり血を吐いて倒れたり。
挙句の果てには、自ら命を断つ者も現れた。
すぐに村の長は、この辺りではよく腕の立つという霊媒師を呼び、身代わり地蔵を封印してもらった。
身代わり地蔵は特別な箱に封印され、二度と出してはいけないものに変わった。
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数十年後。
村に代々伝わる『身代わり地蔵』にまつわる伝え話を読んだ村の子供達は、興味一心でその箱を探しに出かけた。
箱は、川沿いの地面に埋められていた。
子供達は目ざとくそれを見つけると、好奇心に釣られてお札を破り捨て、封印を解き、箱を開けてしまった。
その中身は、本当は頭のない地蔵が入っているはずだった。
だがそこには、『石の粉』だけが入っていた。
その石の粉は、まるで自我を持ったかのように子供たちの口の中に入った。
ざらり、と冷たい石の粉が喉を滑り落ちていく。
翌日、川沿いで、溺死している子供たちの死体が見つけられたんだそう。