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11 混血種
麒麟族の少女、エノコと少しだけ打ち解けたキリンジは、館の中を案内されていた。
「キリンジって家ないんでしょ? 空いてる部屋なら好きに使っていいよ」
「……気持ちはありがたいが、自然の中で暮らす方が好きだ。前の世界でもそうだった」
ずっと森で暮らしていたキリンジにとって、自然とは一つの家であった。
プライバシーよりも開放性を重視するキリンジに、エノコは苦笑いで返す。
「ねぇ、キリンジがいた世界にも麒麟っていたの?」
「少なくとも、オレはいると信じてた。姿を見たことはないけどな」
「じゃあ、初めて会った麒麟が私ってことね」
「そういうことになる。無念だが」
「む、無念!?」
キリンジは儚げな表情を浮かべた。
「オレの勝手な先入観で語らせてもらうが、麒麟というのはもっと獣らしい見た目だと思ってた。でも、いざ人間と同じような見た目だと知ってしまったらな……」
哀愁漂うキリンジに、エノコが割り込む。
「__いや、麒麟族で人間っぽいのは私だけで、他の皆はもっと獣っぽいよ」
獣、その言葉にキリンジが飛びつく。
ついさっき打ち砕かれた理想が時間を巻き戻したように治っていった。
「**な、何だとッ!?** じゃあ、何でお前は人間みたい見た目なんだ?」
エノコが少しうつむき、言いにくそうに答える
「実は私……麒麟と人間の間に生まれた|混血種《ハーフ》なんだ」
「ハーフ……か」
ようやく腑に落ちたようで、キリンジはふっとため息を吐く。
「なるほどな」
「え……信じてくれるの?」
「どういうことだ?」
「だって、麒麟と人間のハーフなんて私しかいないからさ……」
「へぇ」
キリンジが笑みを浮かべた。
「お前だって、嘘つくよう目はしてないな」
エノコは少し口をポカンと開けたが、すぐに持ち直す。
「……ありがとう」