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黄色の青春、さようなら
電車がゆっくりと速度を落としていく。
ガタン、と小さく揺れたあと、ホームへ滑り込むように停車した。
車内にアナウンスは流れなかった。
ザザーン、ザザーン。
その代わりに聞こえてきたのは、遠くの波が静かに砂浜へ寄せる音だった。
電車の扉が静かに開いた。
潮風が車内へ流れ込み、私の髪をふわりと揺らした。
「着いたよ!さあ行こうか!」
あおは勢いよく立ち上がると、子どものように軽い足取りでホームへ飛び降りた。
置いていかれないように、私も慌てて電車を降りた。
ホームを出た瞬間、潮の香りがふわりと鼻をくすぐった。
顔を上げると、おしゃれな洋風の家や、どこか懐かしい駄菓子屋が並んでいた。
建物の隙間から覗く海は、太陽の光を受けてきらきらと輝いていた。
駅前の通りを歩いていると、八百屋や鮮魚店が目に入った。
「今日はサンマが安いよ!」
「とれたてのトマトがあるよ!」
そんな威勢のいい呼び込みの声が通りに響いている。今はスーパーでなんでも済ませられるけれど、こういう商店街も悪くないな。
商店街の軒先を眺めながら歩いていると、一角に古びたバス停があった。今ではあまり見かけない、レトロなデザインだ。
けれど、時刻表は真っ白で何も書かれていなかった。
彼女は気にするそぶりもなく、通り過ぎていく。
……まあ、古いから消えてしまっただけかもしれない。
少し引っかかったけれど、大したことではないのかもしれない。
そう思い直して、私は深く考えずにその背中を追った。