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黄色の青春、さようなら
下を向いて歩いているうちに、気づけば駅に着いていた。
学校帰りの高校生で賑わう駅を、秋の風が音もなく吹き抜けていく。今日は余計に冷たさが身に染みた。
気を紛らわせようと、帰りの電車の出発時刻を確かめる。時刻標を見ると少し時間があった。
ベンチに座ってぼんやりしていようか。それとも祓い屋のバイトのメールでも確認しようか。そんなことを考えていると、ふいにカバンに入れたままのノートが気になった。ノートを取り出して、改めて表紙を見た。黒いペンで落書きされた表紙からは、あの冷たい笑い声が思い出される。
……新しいものを買った方がいい。そう思った私はベンチから立ち上がり、改札脇のコンビニへ向かった。
コンビニの自動ドアが開くと、店内の暖かな空気が私の頬を撫でた。けれど、冷え切った体の芯はなかなか暖まらない。
明るい蛍光灯の光を浴びながら、重い足取りで文房具コーナーへ向かった。
本当なら、まだ買い替えなくてよかったんだけどな。
小さくため息をついたあと、辺りを見回した。厚みのあるものやキャラクターもの、表紙が鮮やかなもの。棚いっぱいに並ぶノートの値札だけを見て、一番安いノートを手に取った。
私はレジへ向かい、軽い財布から必要な分だけ小銭を取り出した。
店員さんは無造作に会計を済ませた。
「どうぞ」
私は何も言わずにノートを受け取った。新しいノートは少し冷たかった。