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Chapter2
それから数日。
私は、何がどうなったのか、よく分からないままだった。
ただ一つ。
幽助くんが、生き返るらしい。
――生き返る。
その言葉を聞いたとき、私は思わず首を傾げた。
そんな都合のいいこと、あるのだろうか。
一度死んだ人間が、生き返るなんて。
普通なら、ありえない。
でも。
幽助くんが死んだあの日。
私が見たものも、普通ではなかった。
だから私は、何も言えなかった。
そして、その夜。
私は夢を見た。
真っ白な場所に、幽助くんが眠っていた。
だけど。
身体が、淡い光に包まれている。
ただ、光だけがどんどん強くなっていく。
私は、なぜか幽助くんのところへ歩いていった。
一歩。
また一歩。
そして――
気づけば、私は幽助くんに触れていた。
唇が、ほんの一瞬だけ重なる。
その瞬間。
眩しい光が、私たちを包んだ。
――そこで、目が覚めた。
『…………』
しばらく、天井を見つめる。
心臓が妙にうるさい。
『……なんだったの、今の』
夢。
どう考えても夢だ。
私は布団の中で顔を覆った。
『予知夢……にしても……』
少しだけ考えて。
私は、さらに頭を抱えた。
『なんか螢子に申し訳ない夢……』
だって。
よりによって幽助くんだ。
螢子の大切な幼馴染。
そして、私の大切な親友。
『……いや、でも』
ふと思う。
夢の中の幽助くんは、光っていた。
あの光。
もしかして――
私が幽助くんにキスをすることで。
幽助くんが、生き返る?
『…………』
そんな馬鹿な。
自分で考えておきながら、すぐに否定する。
『……私がしなくても、他の人がするよね』
そもそも。
夢なんだから。
気にする必要なんてない。
そう思った。
……思ったのに。
どうしても、あの光景が頭から離れなかった。
私は枕に顔を埋める。
『……もういいや』
今日は学校に行く気になれなかった。
螢子には申し訳ないけれど。
今日は休もう。
そう決めて、布団の中に潜り込んだ。
けれど。
このときの私は知らなかった。
あの夢が。
ただの夢ではなかったことを。
そして。
これから始まる長い物語の、最初の兆しだったことを。
――まだ、何も知らなかった。