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Chapter5
おばあちゃんに聞いたところによると。
幽助くんは順調に進んでいるらしい。
ついでに、桑原くんも。
彼はもともと、おばあちゃんにお祓いを頼みに来たらしい。
……なのに。
どういうわけか、成り行きでトーナメントに参加している。
『なんでそうなるんだろう……』
思わず苦笑する。
でも。
『二人とも、がんばれ……!』
小さく呟いた。
幽助くんも桑原くんも。
きっと大変だと思う。
だから。
頑張ってほしい。
私はくじを配り終わってとても暇である。
『……終わった』
やることがなくなった。
さて。
どうしよう。
道場の中を見回す。
みんな試験に集中している。
邪魔をするのも悪い。
『……勉強しよ』
私は隅に座り込んだ。
鞄からノートと筆記用具を取り出す。
学校の宿題も持ってきていた。
……けれど。
普通の勉強をする気分でもなかった。
私は一冊の古い本を取り出す。
表紙には何も書かれていない。
中身は――
霊や妖怪についての資料。
おばあちゃんから借りたものだ。
私はページをめくった。
霊。
死者の魂。
怨念。
そして、妖怪。
私にとって、どれも昔から身近なものだった。
でも。
「見える」ことと「知っている」ことは違う。
私は今まで、ただ見ていただけだった。
あれが何なのか。
どうしてそこにいるのか。
危険なのか。
そうじゃないのか。
何も知らなかった。
だから。
少しずつでも知りたかった。
ページをめくる。
妖怪には、それぞれ種類がある。
人間に害をなすものもいれば。
人間と関わらず生きているものもいる。
強さにも差がある。
霊力にも。
そして――
『……妖力?』
聞き慣れない言葉に、私は首を傾げた。
ページを戻す。
妖怪が持つ力。
妖力。
『霊力とは違うんだ……』
私はノートに書き写していく。
**霊力――人間や霊能力者が扱う力。**
**妖力――妖怪が持つ力。**
その違い。
種類。
危険度。
できること。
できないこと。
一つずつ、丁寧に。
夢中になっていると。
ふと。
ページの端に、小さな文字が目に入った。
私は眉を寄せた。
そこには。
**『人間の中にも、極めて稀に強い霊力を持つ者が生まれる』**
と書かれていた。
私は、自分の手を見る。
私にも。
霊力がある。
おばあちゃんはそう言っていた。
だけど。
どのくらい強いのか。
自分では分からない。
私は霊が見える。
それだけだと思っていた。
『……私も、ちゃんと調べてみようかな』
独り言を呟く。
やがて。
ノートを閉じる。
『……勉強、もうちょっと頑張ろ』
その日から私は。
「霊」と「妖怪」の違いを。
以前よりずっと真剣に考えるようになった。