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Chapter3
どうやら。
あの夢は、夢じゃなかったらしい。
浦飯幽助が、生き返った。
ほんとの、ほんとに。
『……え?』
最初に聞いたとき、私はしばらく意味が分からなかった。
死んだ人が、生き返る。
そんなこと。
ありえないと思っていた。
でも。
現実だ。
幽助くんは、生きている。
学校にはまだ来ていない。
けれど、生きている。
『よかった……』
思わず、口から言葉がこぼれた。
隣にいる螢子を見る。
さっきまで泣いていたのが嘘みたいに、嬉しそうに笑っている。
その顔を見ていると、私まで嬉しくなった。
本当によかった。
幽助くんが帰ってきて。
螢子が、笑ってる。
それだけで十分だった。
……でも。
私は、あの夢を思い出していた。
真っ白な場所。
光に包まれた幽助。
そして――私がしたこと。
『…………』
夢じゃなかった。
ということは。
私もできる可能性があったってこと……?
もしかして螢子があれを?
「蘭?」
『えっ?』
螢子の声に、慌てて手を下ろした。
「どうしたの?」
『う、ううん! なんでもない!』
危ない。
変なことを考えていた。
あんな夢を見たなんて、螢子には絶対言えない。
……言えるわけがない。
『でも……』
あれが本当に予知夢だったのなら。
私が見たものには、何か意味があったのだろうか。
それとも。
たまたま?
偶然?
『……分かんないなぁ』
小さく呟く。
私は昔から、普通の人には見えないものを見てきた。
だから、夢だって普通とは違うのかもしれない。
そう考えれば、少しは納得できる。
……できるけど。
なんとなく。
嫌な予感がした。
幽助くんが生き返った。
それだけなら、喜ばしいことだ。
なのに。
胸の奥が、ざわざわする。
まるで。
これから何か、とんでもないことが始まるような――
そんな気がした。
「蘭!」
螢子が私の腕を引く。
「帰ろ!今日は幽助のところ行くんでしょ?」
『あ、うん!』
私は笑った。
『行こう、螢子』
今は。
余計なことを考えなくていい。
幽助くんが生きている。
それだけでいい。
そう思っていた。
――このときは。
まさか。
幽助くんが生き返ったことが。
私の人生そのものを、大きく変えることになるなんて。
知る由もなかった。