公開中
【淡本町私立淡本中学校:特別編】視点三転、校長気絶事件
幕間 アサたちの入学前の時系列を想定
具体的にはA先生の初期化前(6ヶ月よりさらに前)
いつもより明るいギャグ寄り
本編に繋がる伏線はありません。
おまけギャグパートあり
北西先生(英語教師)出てきます!
〜A先生視点〜
もう今月も今日で終わりだ。
今月の分のカルテは、校長に提出して見てもらう必要がある。
そのカルテを渡すため、私は校長室まで来ていた。
扉を軽く2回、ノックする。
...返事はない。仕方がないので、返事を待たずに扉を開けようとする。
......内側から鍵がかけられているようで、開かない。
「校長、いらっしゃいませんか?カルテを持ってきたのですが」
「...」
「クソ校長」
「...」
「おっと、やっと死にましたか」
先程の暴言にも反応がないということは、そういうことだろう。
これで私も、やっとお役御免だろうか。
「緊急事態のようですので、扉は破らせていただきます」
扉の蝶番をつまんで引っ張ると、鈍い音がしてから外れた。
私はロボットであるため、力は人間のプロボクサーより強い。
そうして簡単に扉を破壊し、私は校長室に入った。
予想通りといったところか。
部屋の中心に、うつ伏せで倒れている校長がいた。
とりあえず脈を測ってみると、
残念だが生きているようだ。ただの気絶といったところだろうか。
そうなると、私には彼を助ける義務が発生する。
不本意ではあるが、トドメを刺すのはやめたほうが良さそうだ。
「校長、保健室まで運びますよ。引きずられたいですか?
米俵のように抱えられたいですか?それともお姫様抱っこですか?」
「...」
「返事がございませんので、引きずります」
適当に口実を作ってから、校長をずるずると引きずって
保健室まで連れて行く。
するとその道中で、南先生と出くわした。
「うえぇぇ!?ロボット、校長先生に何してるんですかぁ!?!?」
「彼は校長室で気絶していたんですよ。今保健室に運んでいる最中です」
「んなこと言って、お前が校長先生に危害を加えたんでしょ!!!
だからわたしは言ってたのに!!ロボットは危険だって!」
「申し訳ないですが、何を仰っているのか」
「うっ!うるさいです!!うるさいです!!ここの教師はみんなおかしい!!」
一通り似たようなことを言ってから、
南先生はどこかへ行ってしまった。
私は彼女に怖がられているらしい。
私以外にも、北先生や西先生、北東先生なんかが
南先生の恐怖の対象。
彼女に怖がられていないのは、校長と北西先生だけだ。
確かに、彼らはこの学校では割と普通の人間寄りではあるだろう。
そう考えながら校長を引きずっていると、保健室に着いた。
校長を片手で放り投げると、運良くベッドの上に落下した。
落ちた瞬間に「ぐえ」と聞こえた気がするが、おそらく気のせい。
しばらくすると、校長は目を覚ました。
「えーっと、A先生...僕って何してたんだっけ...」
「ずっと気絶していましたよ」
「えぇ?...記憶が抜け落ちてる気がするな...」
「きっと頭部強打による記憶障害でしょう、それだと辻褄が合いますから」
校長は何かを思い出そうと、うーんと唸っていた。
すると、何か思い出したように手を叩く。
「そういえば、僕が校長室に戻る前に北先生に会ったよ。
彼女なら、僕が気絶する前に何をしていたか知っているかもしれない」
「そうですか、では北先生に話を聞きに行ってきますね」
「頼んだよー。あとエアコンの温度下げていい?」
「ご自由に」
そう言って、私はエアコンのリモコンを掴んで放り投げた。
またまた運良く、リモコンは校長の顔面にクリーンヒット。
「ぐえ」とかなんとか聞こえたのは、やはり気のせいだろう。
〜北先生視点〜
職員室で、残った仕事を終わらせるために、
私はパソコンのキーボードを叩いていた。
それにも疲れ、大きく伸びをした瞬間、A先生が職員室に入ってきた。
「北先生、少し前校長にお会いしましたか?」
「はい、会いましたが」
A先生は、今さっきあったことを話してくれた。
校長先生が校長室内で気絶していた、ということらしい。
それで、校長先生に会っている私に話を聞きに来たのだという。
だが、特に校長先生に異変などは見られなかった。
他に何かあっただろうか...
「別に、一見関係なさそうなことでもいいですよ。
校長と世間話をしただとか」
「ああ、それなら...校長先生の嫌いな動物についての話を聞いていました」
彼はすこし不思議な人で、人の話を中断して
自分のことを話し始めることがある。
今回もその流れで、校長先生の嫌いな動物の話になったのだ。
そういえば、その場にはもうひとり誰かいた気がする。
誰だっただろうか。少し考えて、思い出した。
「西先生、西先生もいましたよね」
「...」
私と同じく、仕事を片付けるためにパソコンとにらめっこしていた
西先生が、名前を呼ばれたことに反応して顔を上げた。
「校長先生の嫌いな動物が、ネズミだって聞いていた時。
西先生もいらっしゃいませんでしたか?」
再度聞いてみると、メモ帳に文章を書き始めた。
この人は声が小さいため、筆談がメインだ。
書き終わったものを、私たちに見せるように掲げた。
「”確かにわたしもいました”...だそうです」
「そうですか、では西先生からも話を聞かせてもらえれば」
私は、校長先生が何を話していたのかを説明した。
最初は私が業務上の連絡をしていたところ、何を思ったか
それを遮り、校長先生は自分が嫌いな動物の話をし始めた。
きっと、最近2年1組の教室にネズミが出たという話を
思い出したのだろう。彼が嫌いな動物は、ネズミらしいから。
すると、その話に興味を持った西先生が、話に混ざった。
そこから、校長先生はどれほど自分がネズミ嫌いなのかを話し始めた。
ネズミが通った箇所は絶対殺菌したいし、見たら気絶してしまうほどで...
「気絶、ですか」
話の途中で、A先生がそう呟いた。
そうだ、ネズミだ。校長先生はネズミを見たら気絶するらしい。
なら、校長先生の気絶はネズミが原因...?
そう考えていると、物音が聞こえた。
見ると、西先生がメモ帳を掲げている。
「”それなら、校長室にネズミが出たんでしょうか”...と」
「いえ、そんなはずは。この中学校に外の動物は入れないはずです。
外から捕まえてきて敷地内に放す以外は...裏山の鹿が良い例でしょうか。
あれはすべて北西先生が捕まえてきて、敷地内に放したものです」
「そういえば2年1組のネズミも、動物好きの生徒が裏口から外に出て、
捕まえてきてこっそり飼っていたものでしたね」
淡本中学校の特殊な性質について、A先生に言われて思い出した。
ネズミが入ってこれる余地などないはず...
そう、人の手で運ばれ放される以外には。
つまり、校長先生の嫌いな動物を知っている人物が、
彼を気絶させるために、ネズミを運び込んできた。
それを校長室内に放ち、それを見た校長先生が気絶...といったところだろうか。
要するに、犯人は...
「西先生、あなたネズミを捕まえてきましたか?」
「”南先生に聞いてみてください”、らしいですよ」
「...?でも、あの場に南先生はいないはずでは...」
そう思ったものの、お喋りな校長先生なら、
すでに南先生に話していても不思議ではない。
だが、南先生は校長先生を盲信している...
そんなひとが、こんなことをするだろうか?
いや、西先生がやったにしても、違和感なことに変わりはないが。
彼が校長先生の弱点を、面白がるようには見えない。
いつも至って真面目だし、校長先生の言うことを良く聞くからだ。
とりあえず、彼が言う通り南先生に話を聞いてみることにしよう。
私たちは南先生に会うため、職員室を後にした。
〜南先生視点〜
あのロボットもあの地球外生命体もあのゾンビも筋肉バカも、
全員おかしい全員おかしい。
わたしだっておかしいけど、たまにおかしくなっちゃうけど、
あいつらよりかはマシだ。校長先生は、あのロボットに診てもらったら
治ると言っていたが、信じられない。
校長先生ではなく、あのロボットが信じられない。
メスかなんかを研ぎながら、恍惚とした笑みを浮かべているのを見たことがある。
あんな顔を見て、誰が信用できるというんだ!
そう考えていると、後ろから肩を叩かれた。
見ると、ロボットと地球外生命体とゾンビではないか!
「うぎゃあああああああああああ!!!!!!」
「落ち着いてください南先生、北です」
「ああっ!!皆さんお揃いで一体何なんだっていうんですかぁ!!!!」
「少しお話を聞かせてくれませんか?」
そうして、わたしは化け物たちから話を聞かされた。
校長先生が気絶していたこと...これはわかる。
ロボットが校長先生を引きずり回してたから。
そして、その気絶の原因がネズミを目にしたことであること。
なんとなく予測はついていた、前聞いたことがあったから。
化け物らは、今ネズミを校長室内に入れた犯人を
探している真っ最中だそうだ。
「そっ、それはロボットが犯人でしょう!自作自演ですぅ!!」
「私ですか?なら、最初から校長を保健室まで引きずっていったり
しませんよ。後々犯人探しで不利になりますから」
「はぁっ!?どうせまたギガ不足でそんなこと
考えてられなかったんじゃないですかぁっ!!??」
「落ち着いてください南先生、現状あなたがかなり怪しいです」
そう言われた瞬間少し焦ったが、これはカマをかけられてると気がついた。
ロボットが校長先生を運んできた時間帯、
教師たちはほとんど全員別行動だったはず。
誰もアリバイがない中、わたしが怪しいなんて
断定できるはずがないのだ。
...そういえば、あのゾンビ。
廊下ですれ違ったとき、北方面へ歩いていっていた。
あそこ側は裏口、外への出口だ。
「...いえ、わかっちゃいました犯人が」
「うわ急に落ち着かないでください南先生」
「犯人は、ロボットが校長先生を引きずり回った時間帯より前、
裏口がある方角へ歩いていったゾンビ...西先生です!!!」
ゾンビは胸ポケットからメモを取り出し、
床にメモを置いて何かを書き始めた。
いつも思うのだが...片手で筆談は、流石に無理がある。
「”そうですよ なにか問題でも?”だそうです」
「完全に開き直ってますね」
「問題ありありですよぉこのクソゾンビ!!!!」
さらにメモ帳に書かれた文章を読んでみると、
事件の全貌が段々と掴めてきた。
この学校に来てから、面白いことが全く無く
代わり映えのない日々に飽き飽きとしていたらしいクソゾンビ。
暇つぶしで校長先生の命を狙ってみるも、逆に殺されかけ断念。
そんな中、今日校長先生の嫌いな動物を知ってしまった。
これは遊ばない手はない!と考え、外に行ってネズミを調達。
校長室のダクトからネズミを投入して、
その一部始終を見ていたらしい。
「”面白かったですよ、いつもデカい態度の校長が
ネズミ一匹にさんざん翻弄されて、挙句気絶するのは”...と書いてありますね」
「意外といい性格してますね、真面目だと思っていましたが」
...結果として、真犯人はロボットだという風に口裏を合わせることになった。
クソゾンビが怒られるのを気にして、自分がやったことにしてほしいと
言い出したからだ。
ロボットはクソゾンビの診療をよくするため、
情が移っているのだろう。化け物どもの傷の舐め合い。
ロボットは校長先生にガチギレされ、スクラップにされる寸前まで
いったそうだが、地球外生命体が止めに入ったため未遂に終わった。
そうして、比較的丸くこの事件は収まったのだった。
--END--
おまけギャグパート
〜伐採〜
校長「校舎裏の森邪魔すぎ!全部伐採していい?」
北西先生「Oh!あそこはシカさんManyなのでNoNoですヨー」
校長「まずチミから伐採だな(チェンソー片手に)」
〜ランド〜
校長「あわもとランド行こう」
北先生「ディズニーじゃないんですか?」
校長「ネズミ嫌いだからね。さ、東西線乗って西船から京葉で舞浜でインパだ!」
A先生「ディズニーですよね」
ーーーーーーーーーあわもとランド到着ーーーーーーーーーーー
A先生「タワテラ混んでますね」
北先生「前の人全員殺せば疑似ファストパスですが」
A先生「牢屋までのですか?」
校長「混んでたら座れないかな...(真剣な顔)」
南先生「ぶふっw」
--END--
完全に出しどころ見失ってた教師名簿[西マツロ]
声が小さく、ぼそぼそしてるため基本筆談。
だが、肝心の文字でさえミミズのようで読みにくい。
たまにA先生に診てもらっているらしい。
無口で表情筋と目が死んでるだけで、
実は結構好奇心旺盛でいたずらとかもやる性格。かわいいね。
身長:172cm
体重:52kg
性別:男性
年齢:28歳。教師陣の中で最年長。
性格:どこか掴み所がない。
備考:給食を食べているところ、トイレに行くところが目撃されていない。
人気投票もお願いします
https://tasuketsu.com/vote/Qgei9lFlgTS72gY4MS88