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【淡本町私立淡本中学校:4限目】校則、再認。
4限目は、校則の確認。
そして、校則に関することの質問に答えてくれるらしい。
どうやらこの学校の校則は少し独特らしく、
毎年何も知らない生徒が誤って校則を破ってしまう事例が多発したという。
渡された紙に書かれた校則を見てみると、やはり少しおかしい。
・登下校は原則、奨励服のみとする。
・廊下は基本歩き、必要なときは静かに走ること。
・スカートを切る、丈を長くするなどの改造行為は禁止。
・腰パンなども禁止とする。
・校長室は基本ノックすべし。緊急時のみ、ノックは不要。
・第二理科室は立ち入り禁止とする。入った場合、当校は
何があっても責任を取ることは出来ない。
・養護教諭の様子がおかしい場合、すぐに逃げて
校長室まで知らせに来ること。
・国語の教師は生きています。
・チャイムは鳴った時点でアウトです。
ちゃんと授業前には席に座っていてください。
・当校の花壇は養護教諭が手入れをしています。虫がいるのは普通のことです。
・花壇を掘るな。
・試験中などのカンニング行為は厳禁である。
・花壇の花踏むな。
・花焼くな。
校則自体もおかしいものの、言葉回しなども
少し独特で、話し口調なのが少し不気味だった。
あの校長は正しい文章の書き方すら分からないのだろうか。
「それでは質問を受け付けます。気になったことは気軽に聞いてください」
実を言うと、最初から最後までのすべての文が気になる。
すると、ひとりの女子生徒が手を上げた。
「アキラさん、どうぞ」
そう言われると、彼女は立ち上がった。
その子は女子にしては背が高く、ガタイがいい。
本人も自分が少女らしくないと知っているのか、髪は男子ほどに短い。
「国語の教師は生きていますって、これどういう意味でしょうか」
彼女は、わたしが一番気になった一文を読み上げた。
生きている人間に、わざわざ生きているなどと言うだろうか。
わたしは、それが何かを隠して言った、言い訳のようにしか見えなかった。
「文字通り、彼は生きていますよ」
「なら、なぜわざわざ書くのですか?」
「理由はありません。ただ本当に生きているからそう書いているわけで、
そもそも死んだ人間が立って歩くわけないでしょう」
北先生は早口でそう言って、この話題はこれで終わりとでも言いたげに、
他に質問がある人はいないか問いかけてきた。
まだ煮えきらないような顔をしながらも、アキラちゃんは席についた。
やはり、何か隠されているような空気感だった。
いつもゆったり話す北先生が、早口で話した。
それは、早く話を逸らしたいという心理の現れだ。
「先生、この養護教諭の...から始まる一文についてなのですが、
具体的に様子がおかしい状態とは、どのような状態なのでしょうか?」
カラ君が、手を上げてからそう質問をした。
確かに、そこも気になる部分だ。
きっとA先生はロボットなのだし、不具合がなんとかみたいな理由なのだろう。
「A先生はロボットなので、たまに不具合を起こします。
私も毎週しっかりメンテナンスはしていますが...
その状態の彼は何をするか分かりませんので、
目が赤く光っていた、などの場合はすぐ逃げることを心がけてください。」
北先生の回答を聞いて、わたしは鳥肌が立った。
だって、2限目に会ったA先生は
目が赤く光っていたではないか。
〜来ていない!校長の勝手に質問回答コーナー〜
Q.A先生は両性ということですが、
三人称は何を使えばいいのでしょうか?
A.僕たちは普通に”彼”って呼んでいるよ。
本人の性自認も、男性の方に寄っているんだって。
Q.”あ”(語り手)の性別はどっちですか?
A.確認してみたけど、性別の届け出は無かったよ。
だから、君が感じるように捉えればいいんじゃないかな。
参考までに、あの子の髪型はショートボブ、
制服は男子のものを着用しているよ。