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【淡本町私立淡本中学校:5限目】下校、警鐘。
...やっと、待ちに待った5限目が来た。
この時間を耐えきれば、わたしはやっと家に帰ることができる。
そして5限目の内容は入る部活について。
部活の一覧の紙を渡され、顧問の教師、部員数を見てから
入る部活について検討をする。
そして明日、本格的に見学などをして入部届を出すことになる。
わたしが入りたいのは陸上部。
渡された紙を見た。陸上部は...
部員数は男子5人、女子6人の合計11人。
まあまあ多い方だ。
顧問は、まだ会ったことのない先生と...A先生?
A先生は養護教諭のはずではないだろうか。
そう思い、職員室の光景を思い出す。
きっと人手不足なのだろう。
だが、その間保健室はどうするのだろうか?
この学校はつくづく、生徒であるわたしが心配になってしまうほどお粗末だ。
「皆さん、気になる部活はありましたか?」
北先生がそう言った。そこから軽く連絡事項などを伝えられ、
いよいよ下校だ。初日は5限のみで助かった。
早く帰りたかった私は、手早く荷物をまとめた。
渡された教科書は量が多かったため、2回に分けて持って帰る。
リュックを背負い、教室を後にしようとした。
すると、後ろから声をかけられた。
振り返ってみれば、そこにいたのはカラ君。
「よ、アサ」
アサというのが、わたしのあだ名。
もとい、擬似的な改名。
流石にあの名前は不便すぎるので、本当に助かった。
「あ、カラ君。どうしたの?」
「いや、一緒に帰らないか?」
そう言ってもらえて嬉しかった。
思えば、1番最初にわたしに話しかけてくれたのが彼だった。
わたしは二つ返事で了承して、一緒に下駄箱まで向かった。
靴を履き替えると、開放感に包まれた。
明日もあるとはいえ、やっと気を休めることができる。
場合によっては転校かな、と考えながら
カラ君と一緒に校舎の外に出た。
すると、何やら1年生が集まってざわざわしている。
早く帰らないのだろうか、そう思いながら、
カラ君に早く行こうかと話しかけた。
「ちょっとアサさん、今帰れないみたいだよ」
「え?」
アキラちゃんにそう言われ、わたしは耳を疑った。
もう下校だと、北先生は言っていたではないか。
帰れないのなら、そう生徒に知らせるはずだ。
見ると、校門は閉められていて、トゲの付いた
ワイヤーのようなものが巻き付けられている。
ピンポンパンポン、腑抜けたメロディが耳を刺す。
校内放送の音が外まで響いてきているようだ。
『えー、1年生の皆さんにお知らせします。
本校は下校というシステムを採用していないため、校門は開きません。
各々校舎の好きなところで寝泊まりをお願いします。
尚、夕食は給食と同じように、運ばれてきたものを配膳して教室で食べてください。
以上、校長先生がお送りいたしましたー』
校内放送が終わった後、私たちは暫くそこから動けなかった。
2年、3年の人は何事もないかのように過ごしているようだ。
きっと心配した家族が迎えに来てくれる...
そんな希望も、わたしは忘れてしまうことになる。
〜来ていない!校長の勝手に質問回答コーナー〜
Q.美術と音楽の教師がいないようですが、授業はやらないのですか?
A.自習だよ。個人の創造性を尊重するスタイルなんで。
Q.校長先生は糸目ということですが、今後開眼はしますか?
A.チミは何を言ってるの?開眼する糸目は糸目じゃないよ。