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【淡本町私立淡本中学校:6限目】慟哭、守秘された異常。
わたしは、校舎に向かって走り出した。
聞かなくてはいけない、嘘をついたあのひとに。
ただの中学校、だなんてとんでもない嘘ではないか!
突然走り出した私を、カラ君が追いかけてきた。
走りながら、わたしに聞いてくる。
「どうしたんだ!?急に走り出して」
「A先生に、聞かないと...」
「A先生、ってあの養護教諭の人か!?」
下駄箱に着き、乱雑に靴を履き替える。
上靴のかかとを踏んだまま、わたしはまた走り出した。
校則にあった、必要なときは静かに走ることという一文を思い出し、
なるべく静かに、だが素早く走った。
保健室の前に辿り着き、わたしはノックもせずに扉を開けた。
「A先生!」
「君は、アサさんだったね。後ろの君は、カラさんかな」
顔色ひとつ変えず、A先生はそう言ってカルテを取り出した。
別に具合が悪いわけではない。
ロボットなんだから、顔色が変わらないのは当然か。
いや、今はそんなことを考えている場合ではない。
わたしはずいと一歩前に出て、できるだけ真剣な声で問いかけた。
「先生、この学校はただの中学校と仰ってましたね。
あれ、嘘だったじゃないですか」
問い詰めるわたしに、A先生は少し困った顔をする。
だが、わたしと後ろにいたカラ君の空気に押されたのか、
渋々といった様子で話し始めた。
「申し訳ないけど、私にも守秘義務があるんだ。
簡単にこの学校の目的について話すことはできなかった」
A先生の言うことは、確かに納得できるものだった。
彼だって仕事なのだから。私は少し頭に血が登っていたのかもしれない。
少なくとも、冷静ではなかった。
「先生、学校の目的ってなんですか?」
「カラ君...!今言ってたでしょ、守秘義務が...」
「いいよ、教えても。ただし、他の人には言っちゃダメだよ」
少し周囲を確認する素振りを見せてから、先生はそう言った。
本当にいいのだろうか?わたしがそう思っているそばから、先生は話し始めた。
「校長は、昔言っていたんだ。我が校の生徒は幸せになる義務があるって」
「義務、ですか」
「そう。きっと、あまりに無理やりな方法だけど、
彼なりに...生徒のことは考えているはずなんだ...でも...いつから...」
A先生は、話の途中で急に顔を曇らせ、
そのままぶつぶつと独り言を話している。
結局、この学校の本質的な部分は掴めない。
もう戻ろう、そうカラ君に目線で訴えかける。
だが何を勘違いしたか、彼はそのまま質問を続けた。
「先生、最後にひとつ。ここの卒業生は、その後どうなったか知っていますか?」
「...卒業生?ああ、確か......」
そう言い、A先生は凍りついたようにフリーズした。
「どうかしましたか?」
「いや...どうだったかな...おかしいな...これ...わたし前から勤めてるのに...
卒業式だって見たはずなんだけどな...なんで...またあいつが...」
とりとめのない言葉を発しながら、A先生は激しく頭を掻きむしる。
大丈夫ですか、そう言ってカラ君はA先生の顔を覗き込んだ。
覗き込んだ瞬間、カラ君は急にわたしの腕を掴んで、
保健室から逃げるように走り出した。
視界の端には、頭を抱えてその場にうずくまっているA先生が見えた。
先生が心配だが、今はカラ君の行動に従ったほうが良さそうだ。
「カラ君、何かあったの!?」
「A先生の目...光ってたんだ、赤く」
とりあえず校長室行こう、そう言うカラ君に同意してから、
わたしは物思いに耽る。
1番まともだと思ったA先生が、1番異常なのかもしれない。
〜来ていない!校長の勝手に質問回答コーナー〜
Q.公式ホームページの教師名簿にいる東(あずま)先生とは誰ですか?
A.さあ、誰だったかな。僕、そんなひと雇った覚えないよ。
Q.それぞれの教師の悩みを教えてください
A.僕→若いこと
A先生→ギガ足りてない(忘れっぽい)こと
西先生→腕片方無いからグーチョキパーで何も作れないこと
北先生→レモンかけられたら一時消滅すること
南先生→情緒不安定なこと