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The Silent Execution Game~死と裏切りのゲーム~ #09
沙耶が役職部屋へ入ると、モニターが取り付けられており、『誰を占いますか?』と表示される。
(誰かなぁ。あかりちゃんとか何考えてるかわかりにくいけど、めあちゃんも結構怪しいよな……)
沙耶は迷った末、翠を選択した。
すると、『本当に「翠」にしますか?』と表示される。
はい、というボタンを押すと、『「翠」はシロです。』と表示された。
「うわぁ。ミスっちゃったなぁ。あってると思ったんだけど……。てか翠ちゃん何の役職だろ?」
村人なのか。
自分と同じような能力持ちなのか。
それとも別の特殊役職なのか。
「占い師、不便だなぁ……。あ、てか今何時ぐらいなんだろ」
沙耶は役職部屋から出ると、自室を見回す。
「あ、あった」
その時計の針は10時12分を指していた。
「これ何時まで何すればいいんだろ……。ま、とりま寝不足だし寝るか」
沙耶はベッドに横になると、すぅ、と眠りに落ちていった。
---
ポーン。
「ふぁっ」
沙耶が電子音で起きると、12時だった。
『昼食の時間です。食堂に集まってください。気分が悪い方は自室のミューティング室へ入室し、パネルで「自室で昼食を受け取る」というボタンを押してください。もう一度繰り返します———』
沙耶はこくっと首を傾げた。
「ふわあぁぁ……。誰か体調悪い子いるのかな?」
沙耶は大きくあくびをしながらベッドから起き上がった。
思ったよりぐっすり眠っていたらしい。
「二時間も寝てたんだ」
眠気の残る頭をかきながら立ち上がる。
沙耶は顔を洗うため洗面所へ向かった。
冷たい水で顔を洗うと、ようやく意識がはっきりする。
鏡に映る自分を見る。
「……よし」
少しだけ気合いを入れる。
無意識に思っていたんだ、その時までは。
みんな、いるって。
---
沙耶が部屋から出ると、人の姿は感じられなかった。
「……一番なのかな?」
沙耶は食堂の中に入るが、誰もいない。
沙耶の足音が寂しく、食堂に響いた。
朝食と違い、長机に10人分の昼食があった。
沙耶は不気味に思いつつも、一番奥の席に座る。
目の前でジュー、といい音を立てているステーキを見つめる。
と、そこでギギー、と食堂のドアが開いた。
「あ、よかった。さーやいて」
めあがぴょっこりと顔を出す。
「今、アーシャちゃんの部屋に行ったんだけど、ちょっと気分悪いから部屋で食べるって」
めあはそういいながら「これおいしそうだね~」と沙耶の隣に座った。
「そうなんだ」
沙耶は少し安心した。
いない、と聞くとどうしても嫌な想像をしてしまう。
けれど体調不良なら仕方ない。
「アーシャちゃん、大丈夫かな」
「……まあ、今回の会議は自己紹介だけど、こんな息のつまる場所に居たら体調も悪くなるよ」
「そうかもね」
沙耶も頷く。
その時。
ギギギッ。
また食堂のドアが開いた。
「おー、もう来てた」
璃夜だった。
後ろには翠と幸もいる。
「あの放送の後のやつ聞いた?」
「え、何それ?」
「あ、結構早めに来てた感じ?」
「私たち、さっき部屋で聞いたんだけど」
翠が続ける。
「放送が終わった後、少しだけ追加でアナウンスが流れたんだよ」
「追加?」
めあと沙耶が同時に反応する。
「うん」
璃夜が頷く。
「会議以外で自分の役職について話すとか、誰かひとりに『友達だから~』って言ってCOするのはなしだって」
「ねえ、COって何?」
数秒の沈黙。
そして。
「そこから!?」
「めあちゃん知らなかったの!?」
「知らないよ!」
めあが堂々と言い返す。
璃夜が笑いながら説明した。
「カミングアウトの略」
「自分はこの役職ですって名乗ること」
「へぇ~」
めあは感心したように頷く。
「また一つ賢くなった」
「小学生みたい」
翠の呟きに笑い声が起こった。
「しょ、小学生だって!? もう! めあは一応高校生なのに……」
「「「は?」」」
その場にいた全員が固まった。
「……えーっと、それにしては身長がおチビというか、あと、ちょっと子供っぽいっていうか……言動が……」
「ふーーーーーん、へぇーーーーー」
「ヒェッッェェ」
めあがにっこり笑った。
幸が変な悲鳴を上げる。
めあは幸の肩をぽんっと叩いた。
「めあはね」
「うん」
「身長、気にしてるの」
「ごめんなさい」
「あと、子供っぽさも」
「ごめんなさい」
「言動も」
「ごめんなさい」
「ふふん、よろしい」
めあは満足そうに席へ戻った。
「そういえば」
沙耶がふと思い出す。
「他のみんな遅いね」
「あー」
璃夜が頷く。
「確かに」
と、そこで、ギィィ……。
食堂のドアが開いた。
全員が振り返る。
「あ」
入ってきたのは美都だった。
キョロキョロとあたりを見回すと「えっと……」と呟いた。
「あ、隣座る?」
と、翠が隣の席に促す。
「ありがとう」
「美都ちゃん、遅かったね」
沙耶が聞く。
「あー……」
美都は少し気まずそうに頭を掻いた。
「私、お風呂入ってた……」
と恥ずかしそうに笑う。
「なんか、疲れちゃって、お風呂入ったら疲れ、とれるかなって。……普通のお風呂だったけど」
「温泉じゃなかった?」
「期待してたの?」
璃夜が呆れる。
「まあ、少し」
ギィィィ……。
また食堂の扉が開く。
「あ」
今度はまどかだった。
相変わらず落ち着いた様子で中へ入ってくる。
「こんにちは」
「やっほー」
めあが手を振る。
「遅かったね」
翠が聞く。
まどかは少し考えてから答えた。
「自室で、少し趣味を……」
「趣味?」
「……えっと……」
まどかはうーんと顔をうつむく。
「……私ゲーム好きなので」
「え、そうなの?!」
「……だから言いたくなかったんです……」
「ちなみに何やるの?」
翠が聞く。
するとまどかの雰囲気が少しだけ変わった。
「ホラーゲームです」
「やっぱり」
「でしょうね」
全員の肯定にむすっと頬を膨らませる。
「皆さん失礼ですね」
「違う違う」
璃夜が笑う。
「適性がありそうなだけ」
「ホラー苦手なんだよねー」
幸が言う。
「めあも」
「私も」
沙耶も手を挙げる。
「好きなゲーム実況者がホラーゲームしてるのを一人で見るだけで昼でも視線を感じる」
沙耶が言うと、まどかは「昼夜感じてますから」と呟いた。
「……待って」
幸が真っ先に反応した。
「さらっと怖いこと言わないで?」
「事実なので」
まどかは首を傾げる。
「事実が一番怖いんだよ!」
幸の叫びに食堂が笑いに包まれた。
(あとはあかりちゃん、姫奈ちゃんか)
「あ、美都ちゃん、姫奈ちゃんって体調悪かったりするの?」
「あ、言い忘れてた。ちょっと気持ち悪いから部屋で食べるって」
「昨日、あまり眠れていない人多そうでしたし」
「まどかちゃんは?」
翠が聞く。
「普通に寝ました」
「強い」
璃夜が即答した。
その時。
ギィィ……、と再び扉が開いた。
今度はあかりだった。
「こんにちは」
相変わらず静かな声。
あかりは空いている席へ座った。
「遅かったね」
幸が言う。
「うん」
「何してたの?」
あかりは少しだけ考える。
そして、「窓の外をデッサンしてた」と答えた。
「描いたら残るし、忘れないでしょ。鳥もいたんだよ」
「へぇ」
あかりはステーキを一口サイズに切ると、口に含んだ。
「ん、おいしい」
「でしょ~?」
めあが得意げに言う。
「なんでめあちゃんが作ったみたいな顔してるの」
翠が呆れたように突っ込む。
「気持ち?」
「謎すぎる」
食堂に小さな笑い声が広がる。
アーシャと姫奈こそいないものの、さっきまで少し静かだった食堂はすっかり賑やかになっていた。
「それにしてもさ、この`館`? って超狭くない? ホールにみんなの部屋があって、そして食堂があるだけ。ちょっと変だよね」
「だね。中庭とかあってもいいと思うけど……」
「外も真っ白だしね。あかりちゃん、鳥見えたなんてラッキーだね!」
あかりのナイフを動かす手が止まった。
「……うん。ありがと」
少し顔を赤らめた。
「わ~。照れんなよぉ」
「うるさ」
あかりは短く返し、再びステーキを口に運んだ。
「ほんとに照れてる」
「照れてない」
「照れてるじゃん」
「照れてない」
「かわいい~」
「……うるさいっ」
「真っ赤じゃん」
「トマトだ」
めあが言う。
「失礼だって」
その時。
ポーンと、館内放送が流れた。
『参加者の皆様へご連絡します。現在時刻は午後一時です。これより自由行動時間となります。また、午後三時より各自のミューティング室にて第一回イベント説明会を行います。参加者の皆様は必ず出席してください。もう一度繰り返します……』
「え、イベント説明会?」
「あー、またあのミューティング室かよ」
「絶対ろくな内容じゃない」
「偏見だ」
翠が言う。
「ゲームスタートして、役職配られて、説明会がありますって、平和な話な気がしない」
それは皆思っていたことだった。
「じゃあさ」
あかりが言った。
全員が見る。
「三時までは考えない」
「珍しくいいこと言う」
「珍しくは余計」
あかりが即座に返す。
「「ノリ良い!」」
めあと幸、美都がハモる。
「よし、ごちそうさま」
沙耶の両手を合わせる音が食堂に響く。
「私も、ごちそうさま」
翠がナイフとフォークを置くと、「やべぇ、めあ全然食べ終わってない……」と食べ始めた。
「喋ってるからでしょ」
璃夜が呆れたように言う。
「違うもん」
「どこが?」
めあはうっと言葉に詰まった。
「少しぐらい反撃させろよぉ」
「むーり」
「璃夜ちゃんのいじわーる」
「事実を言っただけ」
璃夜は涼しい顔だった。
「ひどい!」
「いやだって、さっきから一番喋ってるのめあちゃんじゃん」
幸が笑う。
「た、確かに」
そんな中、あかりは静かに立ち上がった。
「ごちそうさま」
「早っ」
幸が驚く。
「あかりちゃん食べるの早いね」
美都が言うと、「普通」とだけ返ってきた。
---
沙耶は翠とホールから出ると、口を開いた。
「翠ちゃん、自由行動なにする?」
沙耶が翠に尋ねると、「うーん、部屋に居よっかな~」とマイナスな答えが返ってきた。
「え~、一人行動?」
「あ、全然そういうんじゃなくて……」
「分かってるよ!」
沙耶が笑うと、翠も少し安心したように笑った。
「なんていうか、考え事したくて」
「考え事?」
「うん」
翠はテーブルに肘をついた。
昨日の昼までは普通に生活していたはずなのに、今は見知らぬ館で人狼ゲームに参加している。
頭が追いつかなくなるのも当然だった。
「それは分かるかも」
沙耶も言う。
「一人の時間ほしいよね」
「でしょ?」
翠は少し嬉しそうに頷いた。
「翠ちゃんって結構しっかりしてるから、あんまり不安そうに見えなかった」
「えぇ?」
翠は苦笑した。
「全然そんなことないよ」
「そう?」
「うん」
少しだけ足を止める。
「正直、怖いし」
翠は前を向いたまま言った。
「だって、人狼ゲームだよ?」
その言葉に沙耶も黙る。
「もし本当に脱落とかあったらどうしようって考えるし」
「……うん」
「みんな良い人そうだしさ」
翠はそこで言葉を切った。
「この人たちに裏切られるんだって。そう思うと悲しい、とか、でも怒りとか覚えちゃうっていうか……」
「分かるよ」
本当に、その通りだったから。
昨日まで知らなかった人。
それなのにもう今では、一緒にご飯を食べて、笑って、馬鹿話をしている。
「……さ、暗い話はここまでにしましょ~! 3時までは、考えない!」
「幸ちゃん!」
「びっくりしたあ」
「えへへ」
沙耶と翠の手を握ると、幸は「ゲームマスターさ~ん、これって、自分の部屋に人入れていいんですか?」と大声で叫んだ。
「わ、幸ちゃん!」
『可能となっております』
「返事してくれるんだ……」
沙耶が呟く。
「ね!」
幸は満足そうに笑うと、二人の手を引っ張った。
「じゃ、決まり! 誰の部屋行く?」
「唐突すぎるって……。私の部屋でいいよ?」
「え、てか何するの?」
翠が聞く。
「三時まで暇じゃん? だったら部屋でだらだら喋ろうよ」
「あー、それはいいかも。私の部屋漫画あるけど、読む?」
「読む読む!」
幸はきらきらと瞳を輝かせる。
「どんな漫画あるの?」
「結構いろいろ。恋愛系とか、ミステリーとか」
「恋愛!」
「少女漫画好きだって言ってたしね」
「へぇ」
沙耶が感嘆のため息をつくと、「読んだ方がいいよ!」と胸の前で手を握る。
「じゃ、部屋行こっか」
「おー!」
幸が元気よく片手を上げる。
「あ、私の部屋にお菓子あるから取ってくるね」
幸がちょい待ち! と部屋に入った。
「お菓子まであるんだ」
沙耶が呟く。
「いいなぁ。私の部屋にもあるかな」
翠が言う。
「探してないの?」
「全然」
「私もだけど」
二人で顔を見合わせて笑う。
しばらくすると、扉が開いた。
「お待たせ~!」
幸が両腕いっぱいにお菓子を抱えて出てくる。
「多っ!」
「何個もってきたんだか……」
「いっぱい」
「見れば分かるよ」
幸の腕の中には、ポテトチップスやチョコレート、クッキーなど、いろいろなお菓子が積み重なっていた。
「落ちる落ちる!」
沙耶が慌てて一番上に乗っていた袋を取る。
「あ、ありがと」
「欲張りすぎでしょ」
「だって何が食べたくなるか分かんないじゃん」
「二時間もないんだよ?」
翠が言う。
「余ったら持って帰る!」
「持って帰るって自分の部屋じゃん」
「細かいことは気にしない!」
「雑だなぁ」
三人は笑いながら沙耶の部屋へ向かった。
沙耶が扉を開ける。
「お邪魔しまーす!」
「お邪魔します」
幸と翠が続いて入ってくる。
と、翠が「え?」と声を上げた。
「え、私の部屋こんな丸テーブルも椅子もないんだけど……」
「ホントだ! 机が増えてる……! ま、どうぞ座って」
「ありがとう」
翠が椅子を引いて座る。
幸も抱えていたお菓子を丸テーブルの上へ置いた。
「よいしょっと」
「なんかちょうどいいね」
沙耶も椅子に腰掛ける。
「三人でお菓子食べながら喋るために出てきたみたい」
幸がポテトチップスの袋を手に取った。
「開けていい?」
「幸ちゃんのお菓子でしょ」
「そうだった」
沙耶がふと役職部屋の方を見ると、「あれ?」。
「どうしたの?」
「役職部屋が無くなって、台所になってる」
沙耶が言うと、翠は腕を組んで言った。
「じゃ、それは私たちに確認させないためだね~」
「あ。そういうこと」
「えー、見てもいい?」
幸がキラキラの瞳で問うてくる。
「もちろん」
「やったー!」
「私もいい?」
「いいよ」
三人で台所へ入ると、コンロと調理台、シンクの隣に冷蔵庫と電子レンジ、オーブントースターがあった。
「冷蔵庫見よ! いち、にのさん!」
冷蔵庫の中にはグレープジュースとお茶、牛乳があり、野菜類と卵などが陳列している。
「あ、見て」
沙耶は奥のほうにおいてあった|三個入りの《.....》プリンを取り出すと、「おお」と拍手が鳴る。
「さ、二人共、何飲む?」
「私はぶどうジュース」
「牛乳でお願い」
「おっけー。あっちで待ってて」
「りょーかい」
威勢の良い掛け声と共に、幸らは戻っていった。
---
「さ、お待たせ」
「菓子パだぁ! 」
「沙耶ちゃんありがと。いただきます」
三人で食べ始めると、幸がふといった。
「なんか、変なことが起こりすぎて、台所が増えててももうびっくりしなかったね」
「それはそう」
「人間の適応力ってすごいね」
「なんか壮大な話になった」
幸はポテトチップスを一枚口に放り込んだ。
「ん、おいし」
「昼ご飯食べたばっかりなのに元気だね」
「お菓子は別腹だから」
「さっきステーキ食べてたよね?」
「別腹」
「プリンもあるよ」
「それも別腹」
「腹いくつあるの?」
翠が呆れたように聞く。
幸はしばらく考えた。
「……三つ?」
「地味に刻んでる」
沙耶が笑う。
「じゃあプリン食べよっか」
「食べる!」
幸が間髪入れずに答えた。
沙耶は台所へ戻ると、冷蔵庫からプリンを取り出した。
「スプーン……あ、あった」
引き出しから三本取り出し、丸テーブルへ戻る。
「はい」
「ありがとー!」
「ありがとう」
三人の前に一つずつプリンを置く。
「いただきます!」
幸は蓋を開けると、早速一口すくった。
「ん~!」
「どう?」
「おいしい!」
「よかったね」
沙耶も蓋を開ける。
「というか幸ちゃん、本当に食べるね」
「成長期だから」
「便利な言葉だ」
翠が呟く。
沙耶はプリンを一口食べる。
甘い。
さっきまで自分たちが何のためにここに集められたのかなんて、忘れてしまいそうなくらい。
「ねえねえ」
幸がスプーンを持ったまま口を開いた。
「漫画読むんだよね?」
「そうだった」
翠が言う。
「完全に菓子パになってた」
「まあ、今はプリンタイムだからね」
「あ、沙耶ちゃんってそういう系の人だったんだ」
「逆にどういう系だと思ってたの?」
「……そういわれたらわかんないけど」
「何それ」
沙耶が笑う。
「なんか沙耶ちゃん、最初もっと大人しい子だと思ってた」
幸が言う。
「え、私が? そんな大人しかったっけ」
「最初だけね」
翠がくすっと笑った。
「それはちょっと分かるかも。でも今は普通に喋ってるし」
翠の言葉にうんうん、と幸が頷いた。
「じゃあ翠ちゃんは?」
「私?」
「私の第一印象」
「えー……」
翠はプリンを一口食べながら考える。
「話しやすそうだな、とは思った」
「おお」
「あと、結構周り見てるなって」
「そう?」
「うん。なんか、誰か一人になってたら話しかけに行きそう」
「あー!」
幸が頷く。
「分かる!」
「えぇ、そんなことないよ」
沙耶は少し照れくさくなって、プリンを口に運んだ。
「じゃあ逆に」
幸が言う。
「沙耶ちゃんから見た私たちは?」
「第一印象?」
「うん!」
沙耶は二人の顔を見る。
「翠ちゃんは……しっかりしてそう、かな」
「さっきも言ってたね」
「うん。なんか落ち着いてるし」
翠が嬉しそうに笑う。
その笑顔を見て、沙耶も笑った。
「幸ちゃんは、第一印象からあんまり変わってないかも」
「え~。どんな?」
「元気」
沙耶は即答した。
「ざっくり!」
「だって第一印象でしょ?」
「もうちょっとなんかあるじゃん! 優しそうとか、かわいそうとか!」
「最後おかしくない?」
翠が笑う。
「かわいそうになってるよ」
「あ」
幸が固まる。
「かわいい! かわいいって言いたかった!」
「自分で言うんだ」
「事故だから!」
幸が慌てて訂正する。
沙耶はくすくす笑いながら、少し考え直した。
「でも、ほんとに明るそうだなって思ったよ」
「ほんと?」
「うん。あと、すぐ仲良くなれそうって思った」
「おお……!」
幸は嬉しそうに目を輝かせた。
「めっちゃ嬉しー!」
「実際すぐ仲良くなってるしね」
翠が言う。
「確かに」
沙耶も頷いた。
「そうだ、みんな聞いてなかったんだけど、学校どこ?」
書いてるうちにめっちゃパソコン重くなったので、切り悪いですけど、これで終わりです!