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The Silent Execution Game~死と裏切りのゲーム~ #02
「占い師? もしかして、`人狼`?」
沙耶は自分の|頬《ほお》をつねった。
「痛い……。本当に、人狼の世界に……もしかして、`死んじゃうかも`しれない……?」
沙耶はぱっと我に返ると、寝室―――いや、自室―――へ戻り、ドレッサーと思わしき棚を開いた。
その中にはいつも沙耶が着ている私服が入っていて、ほっと安心する。
沙耶は服を取り出すと、パジャマから私服に着替えた。
(外に出よう。そして、多分みんな困っているから……。話し合えれば、いいかな)
沙耶は、ぎゅっと自分の手を握りしめると|履《は》きなれたスニーカーで、玄関の扉を開けた。
――――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、来た。はじめまして」
私がドアを開けると、丸いホールが広がっていて、豪華な装飾とシャンデリアのある豪邸のような場所だった。
ホールの壁には等間隔で10つの扉があって、そのうち一つはとても大きい。
私の扉は大きな扉の隣で、扉の上に“101”と書いてあった。
その話しかけてきたことは、私の3つ隣の扉―――“104”―――の前に寄りかかっていて、黒髪のウルフカットで、襟足だけエメラルドよりの水色の子だった。
「はじめまして……えっと……」
「ああ、うち、|璃夜《りよう》っていう。うちのママがちょっと変わり者で、男みたいな名前だってよく言われるけど。あなたは?」
「私は、|室谷《むろたに》|沙耶《さや》です! よろしくお願いします」
「あ~、うち、固いのニガテでさぁ。タメでよろ!」
璃夜はにっと笑って、軽く手を上げた。
その仕草が妙に気さくで、沙耶の緊張が少しだけほどける。
「でさ、沙耶は……状況、把握してる? うち、まだ全然でさぁ」
「えっと……私も、よく分からなくて……。気づいたら、ここにいて……」
「だよねぇ。うちも起きたらそこの部屋でさ。なんか人狼っぽいけど、悪趣味すぎん?」
璃夜はホールの中央を親指で指した。
「しかも誰も来ない。みんなひよってんのかな?」
その時、―――カチッ。
ホールの中央にある大きな扉の上部、丸い時計のような装置が動き出した。
赤い針がゆっくりと回転し、やがて0:30:00で止まる。
そして、無機質なアナウンスが響いた。
『――参加者の皆様。30分後に一日目の会議を開始します。全員、ホールに集合してください。繰り返します――』
沙耶はびくっと肩を跳ねさせた。
「会議……。やっぱり、人狼だ」
「まあ、大丈夫だよ、どうにでもなるって」
と璃夜が言うと、時計の針がカチ、カチと動き始めると同時に“108”と書かれた部屋から白髪で、低いツインテールの女の子が姿を現した。
背は沙耶より少し低く、肌は雪みたいに白い。
彼女はぱちぱちと|瞬《まばた》きをしながら、「お、おはよう、ございますっ!」とばっと頭を下げる。
「おはよー。初めまして、うち、璃夜っていうんだ。あんたは?」
「わ、私はアーシャですわっ。よろしくお願いいたします……。あら、そちらの方は……?」
「私は沙耶って言います。よろしくね」
「よろしくお願いいたしますわぁ……!」
アーシャが深々と頭を下げたその瞬間、“103”の扉がギィと開いた。
「あ、アーシャちゃん」
その子は茶色がかった髪で、小さなお団子ヘアだった。
見るからにアーシャと友達らしい……?
「はへ? なぜ存じ上げてますの?」
「まあね。でこっちが沙耶ちゃんに……。『りおう』ちゃんだっけ?」
私は、少しドキッとした。
私はこの子のこと知らなかったから。
「違う、璃夜だよ。というかなんでうちらのこと知ってるの?」
「う~ん、会ったこと、あるし? 私、物覚え早いから。沙耶ちゃんとは英検会場であったし、隣の席だったから。璃夜ちゃんはカラオケいったときに一人で受付いたし、名前見たから」
「……はあ、すごいね」
私がため息をつきながら感嘆すると、「ありがと」と短く返事をした。
「私は|翠《みどり》。ヒスイの|翠《すい》の字。よろしくね」
「よろしくね」
「よろしく」
「よろしくお願いいたしますわ!」