公開中
十六度目の疑念
通されたのは落ち着いたオフィスのエントランスだった。
「それでは、今から代表を呼びますのでお待ちください」
そして座った会社の椅子。目の前にはなんの変哲もない普通の机。
そしてその上に、白い人形のプランター。なんだこれ?
僕はそれをじっと眺めて、結局なんなのかよくわからなかった。LINEの公式キャラに白い奴がいると思うが、そいつの顔なしverの頭半分がスパンと切れていて、そこからオレンジ色の透明な作り物の草が生えている。
そんなことをぼーっと考えている間に、会社の代表がやってきた。
「こんちは。」
代表はラフな格好だが、高級ブランドのシャツを着ている。
面接は始まる_
---
僕は無難に挨拶をしてそのまま話を聞き続けた。
会社の説明をされ、質問はないかと聞かれた。
…僕の話は?
自己PRもなければガクチカも言わせてもらえない。あんなに会社の前で壁に向かって練習したのに!
周りから白い目で見られたり、建物の前で写真撮影をしている人に邪魔者扱いされて端に追いやられても練習し続けたのに!
結局、会社の説明だけされて帰された。これで良かったのだろうか。
しかしあの代表、妙な沼らせ感があったな。褒めてはいないが、疲れを隠そうともしないスタイルが堂々としていて新鮮だった。
それでも代表を務めているのだから、やはりそこまで上り詰めるにはカリスマ性的な何かが必要なのか。
…って、そんなことどうでもいいわ。