公開中
五度目の怨恨
こんにちは。
株式会社〇〇 新卒採用担当です。
先日はお忙しい中、
当社選考にご参加くださいましてありがとうございました。
慎重に選考を行いました結果、
誠に残念ではございますが貴意に添えない結果となりました。
ご希望に添えず恐縮ですが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
数ある企業の中から、当社にご応募いただきましたことに感謝するとともに、
田中様の今後のご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。
---
「〇〇〇〇ーーー!!」
いかん、放ってはならない言葉を口走ってしまった。僕は鉄の味のにじむ唇を舐め回しながら、心の奥底でグルグルと渦巻く黒い何かを吐き出すようにつばを吐いた。
「なんなんだよ、まぁさ、別にさ、行きたいところじゃなかったからさ、なんとも思わないけどさ…」
僕の目には生き井戸のように水が湧き出していた。なんだ、強がりじゃないぞ!
ノロノロと電車から降りると、足をもつれさせて転けかける。前にいたババアから「どこ触ってんだい!!この痴漢!!」と、あらぬ疑いをかけられた。お前みたいな熟れすぎた果実、誰が食うかよ!
足早にその場を立ち去る。もう散々だ。いつもこうだ。周りのやつら全員敵だ!
家に帰ろうとしたが、あまりにしんどくて歩幅が小さくなっていく。やがて一切の身動きをも取ることができなくなった。もう、帰りたくない。
実は僕の両親は就活をしたことがない。公務員試験を受けて一発合格のエリート。だのに僕はなぜこんなに落ちこぼれているのか。鷹が鳶を生むとはまさにこのことだ。
そのため親にいくら辛いことを話しても理解されない。無知は最大の罪だとこの頃よく思う。
近くのボロ公園のボロベンチに腰掛ける。空を見上げたところ、白いものが降ってきた。ハトの糞だ。
「クソ野郎!」
まさしく糞野郎であった。
そんなこんなで今日も日が沈む。僕の心も水平線の遥か下へと沈んでいった。