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第5話
放課後の図書室は男子校とは思えないほど静かだった
イツキは宿題の調べものをしようと本棚の前に立っていた
🌱「えっと……どれだろ……」
背伸びしても届かない位置に目的の本がある
指先が本の端に触れた瞬間——
🐙「危ないですよ、イツキくん」
後ろから大きな影が伸びてきて本をすっと取った
シュウトだった
🌱「イカ先輩!」
🐙「イツキくん、背伸びして落ちそうじゃないですか……」
🌱「えへへ、ちょっと届かなかっただけだよ〜」
シュウトは本を渡しながらイツキの笑顔に視線を奪われる
🐙(……今日もかわいい……)
心の中で頭を抱かえた
🌱「ありがとうございます!イカ先輩!」
🐙「……いえいえ、全然…」
シュウトは耳まで赤くなり視線をそらした
その様子を少し離れた席からヒスイが見ていた
本を閉じて静かに近づく
💎「春田、また危なっかしいことしてたな」
🌱「え?危なっかしい?」
💎「説明しづらいけど……放っておくと転びそうな顔だ」
🌱「えぇ〜?」
イツキは首をかしげる
シュウトは心の中で「わかる……」と深く頷いていた
ヒスイはイツキの手元を見て、ぽつり
💎「その本難しいぞ?読めるのか?」
🌱「読めるよ!たぶん!」
💎「たぶんじゃない」
ヒスイはため息をつきながらもイツキのページをそっと開いてやる
💎「ここから読むといい」
🌱「ヒスイ先輩、優しい〜」
💎「別に普通だ」
そのやり取りを見てシュウトは苦笑する
🐙「……イツキくん、先輩に甘えすぎですよ…」
🌱「え?甘えてないよ?」
🐙「甘えてるんだよなぁ……」
イツキは本気でわかっていない
そこへ図書室の扉が静かに開いた
🍍「イツキちゃ〜〜ん!!!」
小声で叫びながらリオが入ってきた
🍍「シュウトとヒスイとイツキちゃんがそろってるとか最高じゃん!」
🌱「ウリ先輩、図書室は静かに……」
🍍「ごめん!」
リオはイツキの隣に座り、距離を詰める
🍍「イツキちゃん、何読んでんの?」
🌱「これ〜」
🍍「難しそう!」
🌱「うん、難しい!」
シュウトはその距離感に頭を抱える
🐙「……リオ、近いですよ…」
🍍「え?イツキは近くてもいいじゃん!」
🐙「よくないです!……」
ヒスイは静かに言う
💎「リオ、春田のページが見えないだろ」
🍍「ほんとだ!」
イツキは笑っているだけなのに先輩トリオはなぜか落ち着かない
そこへアマネとユエが図書室に入ってきた
☁️「ユム、ここにいたのか」
🌱「アマ〜、先輩たちと本読んでた!」
☁️「読んでたっていうか……囲まれてたな」
ユエは状況を一瞬で理解し、静かに笑う
🐾「イツキくん、先輩方に人気ですね」
🌱「え?なんで?」
🐾「そこがまた……魅力なんですよ」
アマネはため息をつく
☁️「イツキ、宿題終わったのか?」
🌱「まだ〜」
☁️「ほら、やるぞ」
アマネはイツキの隣に座り、ノートを広げる
その瞬間先輩トリオの視線が一斉にアマネへ向いた
🐙「……アマネくん、イツキくんの隣取るの早すぎないですか」
💎「さっきまで俺が見てたんだが」
🍍「イツキの隣は争奪戦なんだよ!」
アマネは頭を抱える
☁️「なんなんだよ……男子校で隣の席争うな……」
ユエは楽しそうに笑った
🐾「イツキくんは誰の隣でも嬉しそうですけどね」
🌱「えへへ、みんなといると楽しいから〜」
その言葉に、図書室の空気がふっと柔らかくなる
静かな場所なのに、6人がそろうと、どこかあたたかい
こうして、“図書室の静かな距離”は、6人の絆をさらに深める時間になった