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第6話
体育祭まであと二週間
放課後の体育館は、男子校とは思えないほど真面目な空気に包まれていた
……と言いたいところだが、実際は騒がしい
🍍「イツキちゃ〜ん!こっち手伝って!」
リオが大声で呼ぶ
イツキは紙テープを抱えたままきょとんと振り返った
🌱「え?どこ〜?」
🍍「ここここ!飾り付け!」
イツキが駆け寄るとリオは満面の笑みで抱きつく
🍍「イツキちゃんが来てくれたらテンション上がる〜!」
🌱「うわっ!?リオ先輩!」
そこへアマネがすぐに割り込む
☁️「福井先輩、離れてください…イツキが作業できないでしょう」
🍍「え〜?アマネ嫉妬?」
☁️「してません!」
ユエはそのやり取りを見て静かに笑う
🐾「アマネ、イツキくんの扱いが板についてきましたね」
☁️「お前は黙れ」
体育館の端ではシュウトが脚立を押さえていた
上ではヒスイが飾りの布を結んでいる
🐙「ヒスイ、これでいい?」
💎「もう少し右だ……そうだ」
シュウトは脚立を押さえながらふと視線を横に向けた
イツキが紙テープを持って走ってくる
🌱「イカ先輩!これどこに貼るの?」
🐙「うわっ!?イツキくん、走ると転ぶよ!」
🌱「えへへ、だいじょうぶだよ〜」
シュウトは心の中で叫ぶ
🐙(だいじょうぶじゃない……今日もかわいい……)
ヒスイは脚立の上からため息をつく
💎「春田、紙テープ落とすぞ」
🌱「ほんとだ〜」
💎「気をつけろ」
イツキは素直に頷き紙テープを抱え直した
アマネがその様子を見て眉をひそめる
☁️「イツキ、先輩に迷惑かけてないだろうな」
🌱「かけてないよ〜」
☁️「いや、かけてるだろ……」
ユエはアマネの肩を軽く叩く
🐾「アマネ、イツキくんは迷惑じゃなくて“癒し”ですよ」
☁️「お前は黙れ…てかデジャヴじゃね?」
🐾「……まぁまぁ」
☁️「今の間何?!」
作業が進むにつれ体育館は少しずつ華やかになっていく
イツキは紙テープを貼りながらふと呟いた
🌱「体育祭って楽しみだね〜」
☁️「イツキは何でも楽しそうだな……」
アマネが苦笑する
🐾「イツキくん、応援係ですよね?」
ユエが尋ねる
🌱「うん!声出すの得意だよ〜」
🐾「それは……わかります」
リオがすぐに反応する
🍍「イツキちゃんの応援とか絶対かわいいじゃん!」
☁️「イツキをかわいいって言うな!」
アマネが即ツッコミを入れる
シュウトはそのやり取りを見て、ぽつり
🐙「……イツキくんが応援したら絶対人気出そうですね」
🌱「え?なんで?」
☁️「うん、イツキは知らなくていいよ……」
アマネは言葉を濁した
ヒスイは布を結びながら静かに言う
💎「春田は、声を出すと周りがつられて笑うからな」
🌱「えへへ、そうかな〜」
イツキは本気でわかっていない
その無自覚さが、6人の胸を少しだけ揺らす
作業が終わる頃、体育館の窓から夕焼けが差し込んだ
オレンジ色の光が由夢の髪を照らす
その瞬間、先輩トリオの動きが止まった
🐙「……今日のイツキくん、いつにも増して可愛いですね…」
💎「危なっかしい顔がさらに危なっかしくなる」
🍍「天使!!」
アマネは頭を抱える
☁️「なんなんだよ……可愛いとか天使とか言うな……」
イツキは照れたように笑った
🌱「みんなが言うならそうなのかも〜?」
その言葉に、6人全員が一瞬だけ黙る
そして、自然と笑った
体育祭準備の放課後
ただ飾り付けをしているだけなのに、なぜか胸が少しだけあたたかくなる時間
こうして、“6人で何かを作る”楽しさを知った日になった