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終焉の鐘 第十三話
この世界は、嘘で成り立っている──
誰もが嘘を並べ
誰もが嘘を信じ
誰もが嘘を愛す
この世界は、嘘で成り立っている──
誰もが嘘を並べ
誰もが嘘を信じ
誰もが嘘を愛す
中国裏社会の帝王
【闇雲】
彼の率いる|組織犯罪集団《マフィア》
【|终焉的钟《終焉の鐘》】
彼らもまた、
嘘を信じ
嘘を愛し
そして
闇を愛すものだった
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第十三話 ~探すべき物~
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「なぜ勝手に死のうとするんだ‼︎」
終焉の鐘の屋敷で、闇雲の罵声が響いた。周りには幹部のLast、氷夜、黒雪と、コンシリエーレの孌朱。そして紫雲がいる。幹部会議──そこで紫雲はこないだの襲撃のことを話した瞬間に、闇雲の罵声が響いたのだった。
「なぜ──?それは俺があの時死にたいって思ったからです」
悪びれもせず淡々とそう答える紫雲に、闇雲は軽く顔を顰めた。
「紫雲──闇雲様の気持ちは考えないのか──?」
そして孌朱は気まずそうにそう口を開いた。紫雲は孌朱を軽く見てから呟く。
「考えてますよ──これでも。ただ、考えるのと、行動するのは違います」
紫雲はそう言って冷たい目で孌朱を見つめる。説得は無理だと悟った孌朱はため息をついて口を閉ざし、相変わらずの笑顔を浮かべた。
「紫雲、僕にとって君は、本当に大切な人なんだ──自分の命に変えてでも守りたい。それなのに、勝手に死なれると困る」
悲しそうに言う闇雲を、紫雲は感情のこもってない目で見つめた。
「それ、俺の人生に関係あります?あなたが勝手にそう思うだけで、俺からしたら所詮ただの言葉。それを信じる意味もないし、そのために自分の人生を曲げる必要もない。まずまず最初に約束したはずだ。俺は地獄傀儡が見つかり次第死ぬつもりだ──と。今更つまらない言葉を並べて俺を生かそうとするな──この外道」
その言葉に反応したのは、闇雲ではなく、孌朱と氷夜だった。
「闇雲様を外道扱いなど──いくら紫雲様でも俺は怒ります」
「氷夜と同じく──俺も気に食わない」
2人はそう言うと、紫雲に銃口を向ける。今すぐにでも発砲してきそうな勢いだった。Lastと黒雪は、それを呆然と見つめている。
「すみません闇雲様──俺はあなたを信用するのが難しくなった。地獄偶人とあなたの関係、彼らとあなたの関係、ここ最近の事件に関連してないとは思えない。たまには真実を教えてよ、悠餓」
紫雲は悲しそうにそう言うと、自分を嘲笑うような笑みを浮かべた。
「それじゃあ、出来ないなら──さようなら」
紫雲はそう言うと、身を翻して部屋を出て行った。
「追いますか──?」
氷夜の言葉を、闇雲は無視した。ただ呆然と、紫雲が出て行った扉を眺めている。何か、とても悲しそうに。
「何が、いけなかったんだろう──紫雲のことは誰よりも──知っているつもりだったのに」
闇雲が漏らしたその言葉に、4人は気まずそうに俯いた。かける言葉が見つからない。そんな中、黒雪は静かに口を開く。
「何がダメだったかなんて、自分で考えてくださいよ。紫雲様は、一人で沢山の闇を抱えていた。いつも、それをわざと作る冷たい雰囲気で隠して無理に笑って──そんな生活を3年間も続けてたら、そりゃあ、ああなりますよ」
黒雪のその言葉を聞いた闇雲は、冷たい目で睨んでいる黒雪を呆然と見つめた。
「俺は紫雲様について行きます。俺が忠誠を誓う相手はあなたじゃない──紫雲様だ。Lastには、数えきれないくらいお世話になって、まだ恩も返しきれていないけど──それでも俺は、紫雲様に忠誠を誓います。彼について行きます」
お世話になりました。それだけ言って頭を下げ、黒雪は走って紫雲を追いかける。
どれだけ走ったのだろうか──
黒雪の恐ろしいくらいの体力も無くなりそうなくらい走った後、黒雪は目の前に見つけた人を見て、心からホッとする。
「紫雲様────」
予想外の声に驚いた紫雲は、振り返り、呆然と黒雪を見つめた。
「俺は──紫雲様に忠誠を誓ったので」
そう言ってニッと笑う黒雪に、紫雲はフッと噴き出した。
「ありがとう────」
嬉しそうにそう言う紫雲に、綺麗な夕日が降り注ぐ。その場所から見た夕日は、絶景だった。
「綺麗ですね──ここ」
黒雪のその言葉に、紫雲は笑顔で頷く。
「昔──良く傀儡と見に来ていたんだ──ここにいると、心が落ち着く」
そう言って紫雲は綺麗な笑顔を浮かべた。
「これからどうする?黒雪」
紫雲の問いに、黒雪は笑顔で応えた。
「一緒に旅でもしますか──?」
紫雲と黒雪は、どこか別の国へ旅に出る。
紫雲の探すべき物を、見つけ出すために────