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終焉の鐘 第十八話 第一部完結
この世界は、嘘で成り立っている──
誰もが嘘を並べ
誰もが嘘を信じ
誰もが嘘を愛す
この世界は、嘘で成り立っている──
誰もが嘘を並べ
誰もが嘘を信じ
誰もが嘘を愛す
中国裏社会の帝王
【闇雲】
彼の率いる|組織犯罪集団《マフィア》
【|终焉的钟《終焉の鐘》】
彼らもまた、
嘘を信じ
嘘を愛し
そして
闇を愛すものだった
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第十八話 ~|永遠《とわ》の別れ~
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「俺は、あんなクソ野郎よりも強い──あんな師匠よりも────」
「その辺にしておけ──いくらお前でも殺すぞ」
空木の声を遮るように、後から空木のこめかみに銃口を押し付ける人物がいた。
「────────っ師匠」
空木に銃口を押し付けている青年、氷夜は微かに微笑む。そして口を開いた。
「紫雲様、闇雲様が────1番奥の部屋です」
氷夜のその言葉で、紫雲は察したように走り出す。
「傀儡っ──‼︎」
紫雲は扉を蹴り飛ばして入った部屋で声を出す。その部屋では、苦しそうに咳き込みながら倒れている闇雲──地獄傀儡がいた。
「当たり前だよ────いつも君のために毒を飲んできたんだから」
そして、後から聞こえた不気味な声にハッと振り向く。闇雲は重そうな体で立ち上がり、紫雲を守るように前に出た。
「それ、以──上、紫雲に近づくな」
闇雲は苦しそうに銃を目の前の青年に向ける。さっき、紫雲が殺したはずの地獄偶人に向けて──
「ねぇ、紫雲に悠餓──?俺はね、これでも君たちのことは大好きなんだよ」
『殺してしまいたいくらいに』偶人は不気味にそう笑うとのんびりと紫雲たちに歩み寄る。
「この数年間、1日たりとも君たちのことを考えない日はなかった。そんな日はあり得なかった。君たちと出会ったあの日から、俺はずっと君たちの虜だった」
偶人は感情が読み取れない笑顔を浮かべたまま闇雲の目の前まで来たところで立ち止まる。
「酷い話だよね。こんなにも、手を伸ばせば届いてしまう距離にいるのに、いつまで経っても君たちには届かなかった」
「紫雲に打たれた所、結構痛いな」
「俺も人間だよ。悲しくもなる」
「なんで?どうして?っていつも思う」
「俺は君たちみたいに綺麗な心を持ってないんだ」
「自分でも分かってるよ」
「ならどうすればいいの?」
「本当、好きすぎて憎い」
溜めてきたものを全て吐き出すように偶人は笑顔で喋り続けた。一度言葉を区切り、悲しそうに笑う。
「本当に届かないならさ、俺のために死んでよ」
偶人はそう言い、目の前の闇雲を蹴り飛ばす。床に押し付けてから首に手を回し、力を込めた。
「ウッ──屑──洟兄──さん」
闇雲のその声に、偶人は悲しそうに微笑んでから手を緩める。
「お願いだよ、2人とも──俺を殺せ。殺してくれ────」
偶人はそう言うと、懐から小さな紙と鍵を取り出す。そしてそれを紫雲に投げた。
「なるべく早く、その場所に行くように。君たちが知るべきこと、知らない方が良いこと、どんなに辛くても受け入れないといけない全ての真実が分かる」
紫雲は躊躇いながらもそれを拾い、偶人に銃口を向けた。
「屑洟兄さんのことは、本当に大好きです」
「俺もだよ、紫雲、悠餓」
静かな空間に似つかない発砲音が鳴り響く。ドサッと、目の前の偶人が倒れるのを見てから、紫雲はあまりにも静かな闇雲を見る。それを見た瞬間、紫雲は膝から崩れ落ちた。
「嘘────だろ────」
紫雲の瞳から、ポタポタと雫がたれる。
「なぜ────?僕はまだっ──まだ君から何も聞けてない‼︎まだ何も終わってない‼︎まだ何も知らない‼︎まだ昔みたいに、笑い合えてない──────」
息はしてなく、脈もない目の前で倒れている大切な──大切だった2人を見つめて紫雲は力無くうなだれた。
「なんでまた────僕だけが残されるんだよ────」
「紫雲様だけじゃない」
上から降ってきた声に、紫雲は顔を上げる。
「来るのが遅くなってしまってすみません‼︎紫雲様」
そう言って、紫雲を安心させる笑顔を浮かべた黒雪は、紫雲に手を差し伸べる。
「もっと、僕を頼ってください」
黒雪のその言葉に、紫雲は目を見開く。そして、差し出されている手を、のんびりと取った。
「黒雪の言う通りだね。俺たちは君を支える為にいるんだ」
「俺は、あなたにもっと上を向いてほしい」
「珍しく、こいつに同意見だ」
そして、いつのまにかそこにいた孌朱とLast、氷夜もそう声をかける。
「レモンと、七篠と、おなさは──?」
ふと、紫雲はそう問いかける。3人がいない。このメンバーが集まっているなら、いてもおかしくないはずだった。
「七篠とレモンは────地獄偶人の攻撃に耐えられなかった」
直球には言わないLastのその言葉に、紫雲はそっと目を閉じる。また、その2人を巻き込んでしまった。そう後悔する。
「おなさは、行方不明です──。気がついた時にはいなかった」
その言葉に、紫雲はため息を吐いた。
「どうやら、まだまだ面倒なことがたくさん起こりそうだ」
孌朱がそう呟くと、紫雲に微笑みかける。
「これからも、一緒によろしくお願いしますね、紫雲様────いえ、闇雲様」
孌朱のその言葉に、紫雲は軽く微笑んだ。
闇雲という存在は裏社会から消えることはない
たとえその人間が変わったとしても──