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倫理に背く下劣な男と信心深き哀絶たる女
めっちゃ前の日替わりお題です
いつのまにか、変換欄のところめっちゃ進化してる👀使いこなせるようになりたいです。
日替わりお題も時間経ちすぎだし、やんわり要素でも許してください💦
追記6/1
すみません推敲漏れました。
加筆修正加えました。
如月レツという男は、言うなれば畏敬の名を冠する男である。誰もが恐れ、誰もが敬い、そして跪いた。絶対的権力者。その男こそが、この国の全てを握っていた。
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「______…… いい加減に貴様らのその厚かましい美徳観念的たる主張は聞き飽きたな」
「そっそんなあ!!!」
辺りに、慌てふためき絶望の淵へと徐々に追い込まれゆく情けのない国家の重鎮達の声が響いた。
「お待ち下さい!!!必ず実現させてみせると誓いますからっっ!!」
「・・・・・・」
この非常事態ともいう事態には、必死にもがき、なんとか食い止めようとする者、その突拍子もない発言に怒号する者、意気消沈としただ漠然と虚空を見つめる者までいた。会合に一国家の存続が掛かっているのかと考えると国民が可哀でならない。
暫く、混乱からなる騒音が鳴り止まない豪勢に飾り立てられた会合室にて如月が片眉を少しばかり顰めてみると、一瞬にしてその表情の機微から沈黙が流れた。
その沈黙を破るように、社会的にはこの国の首相が発言を呈した。
「………30年前に起きた人類史上、究極の悲劇ともなるアマザック大陸に訪れた大災害。世界が絶望した。だが、その5年後に如月殿の助けがなければこの国はとっくに途絶えていました。我々政府、いえ、国民はとても感謝しています。」
「ですが、先ほど仰られたこの『-国民救済策第九条案-如月レツ殿における遺伝子工学からなる人類の進化』来月から本格的に施行される、最重要政策からの離脱を為さるというお考えですがその経緯について是非、お聞かせ下さい。」
場に、緊張が走る。その目を合わす事は叶わずとも視線が一心に注がれる。長いようで、短い間をすぎるとその口を開け、一言仰せられた。
「私が如月レツだからだ」
続けて、
「私は兼ねてより、生まれてから死ぬまでは人類に『如月レツ』という大きく何事にも変えがたい影響を与えてきた。救うも、殺すも、全てにおいてだ。それは貴様らがようく知っているだろう。血は水よりも濃いと云うが、何故そうなのかわかるか?それは人に必ず自然発生的に起きる生と死に直結するものであるからだ。そこで人が何より重きにおくのは死なのだ。生ではない。」
「要するに、死は永遠で、生は刹那。そういう普遍的信仰が人類には根付いている。特に無神論者が蔓延るこの国においてはな」
「……………」
先程の沈黙から高圧的な重さとはまた、違った気味の悪い空気が彷徨う。
「だがな、25年前にある女が私の目の前に現れた。その女は私の思う人類の死生観を真っ向から否定するような者だった。」
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<女との出会い>
あの女の名前も詳細も忘れたが、私の元へいきなり尋ねてきたんだ。国家救済への協力を要請しに、
「______世界的大災害が人歴8550年起きてから早5年が経ちました。我々は、人類進化そして遺伝子工学を主に日々世界の為に研究しています。今、人類が窮地に追いやられているこの時こそ、貴方のような進化という人類の大きな進歩を遂げられた存在に協力願いたいのです。………」
「そうか。どうでも良い」
「っ!?は?」
「どうでも良いと言った。私からすれば、人が大勢死んだも生きてもどうでも良い。何より私自身がこの事態において私のような極めて稀な者の与える影響力を理解していないとでも?」
「第一、この5年間私が自ら名乗りを挙げなかったのは何故だか考えたか?」
「っ……何故です?」
「フフフフフッフハッッハッハハハハハ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
「ハハハハハッッ………実に愚かだ。質問には、回答で返したまえ。まあ、要するに……」
「私が人類に対する前々から個人的にあった偏見とも云うか、持論……死生観だな。その証明に、丁度良いと考えた。それが理由だろうな。」
「死という、根源的なものからなる解釈も広がり、死をこういった災害であった被害などの報道でもあるだろう?これだけの人が死んだ。それだけ危険だった、と。それを推し量る判断基準としても扱われるのだな。と」
女は終始、私に対する言動にまるで怯む様子はなかった。軽蔑さえされていたと思う。関心さえ湧いたよ。あのような不遜な態度をとられるようじゃ、国の情勢や、政治的介入も考慮すればよくて大陸から親族諸共追放、または死刑だ。
「うゔぅっわ、最悪」
「っ?!ッフッッ!!!ハッッハッハッッハッッッッッ!!!!!!」
「ぇ、」
「ぁっえっゔっ、???!!!!………大変!!申し訳っ!!!!
「嗚呼、謝罪は結構とするよ。はぁ、フフ大変恐縮だが、その研究とやらに協力させて頂こう……」
「…っっぇ?…」
「ッ誠に、感謝申し上げますっっ!………」
それが出会いから、この国へ後々この25年という長い間まで関係を築くまでの経緯だ。
それから女の内にある、宗教的な思想観念を知るに至ったのは、______
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「ッですが、彼女、小早川スエは既に故人です______」
失言。それは誰がどう見聞きしても明白であった。この軽はずみな発言を呈した官僚の行く末に同情さえ芽生える。
「そうか」
「……………………………」
「私は以上を持って失礼する。」
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「あの女、スエという名前だったのか………」
私に名乗る事が無いまま死に行くとは、信心深さを物語っているようだな
<傲慢さを絵に描いたような男>
この国、いやアマザック大陸全土に伝わる様々な宗教で最も信仰されるものと云えば、〈リゼア教〉であろう。その教えは唯一神、ヨノクというこの世の全てから疎まれながら世に産まれた者の死までの事実に基づく伝説を後世に伝えていく一手段として、信仰対象として神へと昇格されたのだ。
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「如月殿、この度は我々の研究へのご協力、本当にありがとうございます。」
「ああ!」
「驚いたよ。お前は、以前私に対して大変な無礼を働いた上に厚かましくも国家の政策協力を要請に訪れた者じゃないか?」
「…はい。以前は大変なご無礼を働いた事ここにお詫び申し上げます。」
「……ほう」
「して、具体的な計画はなんだね?」
「はい。まず、如月殿の遺伝子検査を中心に進めて、そこから国民に徐々に献血や検査という形で試験に取り組み、最終的に我々研究室で治験し、後に全国民へ本格的に救済政策として始動します。」
「………それだと、国民へ騙し討ちのような扱いにはならないか?」
「いえ、なりえません。リゼア教の聖ヨノクの教えに則り、救済は罪とありますから。」
「…………っとなれば、お前は国民への裏切り云々より、主への信仰を優先するという事か、?」
「……恐れながら、私のような者の言葉は主への冒涜的行為そのものに成り得ます。ですが教義に則り、例として国民は教徒として扱われると、その命を守る事、種の存続それらを是とする理由もまた失われます」
……………
そう、自らの手で私と人類を救う事を求めた事実さえ否定しうるその危うい思想にとても驚き、興味が湧いたのも束の間。スエといった女はそれまで順調に進んでいた私の血液のデータを元にはじまった遺伝子研究の治験の実験に自らが志願し失敗し、死んだ。
少々、失望した。いとも簡単に自身の死生観を証明するチャンスを逃したあの女に。
価値観が近く面白い話を度々する女であった。
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だから、治験の際私の血液の濃縮度を高め、実験の順序を組み換えた。
殺してみたら、死んだのだ。あの女は
会合室から、退室していく如月レツという男の背中から官僚達は目が離せずにいた。重い扉が閉じ、彼との隔たりが完全にたつまで。
だが、転じて彼は振り返った。
燻る様な微笑みを浮かべて