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第五話 トキVSルナ
**第五話 トキVSルナ**
訓練場。
抜き打ち実技試験の決勝戦。
観客席は先ほどのヒカル対トキ以上に盛り上がっていた。
理由は簡単。
どちらが勝つのか全く分からないからだ。
🟣「よろしく」
👑「よろしくですわ!」
黒瀬トキ。
西園寺ルナ。
二人は向かい合う。
ヒカルは観客席でその様子を眺めていた。
⚡「どっち勝つと思う?」
近くにいた男子生徒が首を傾げる。
「分からないな」
⚡「だよな」
⛈️「それでは決勝戦を始める!」
⛈️「始め!」
合図と同時。
ルナが動いた。
👑「風刃!」
風の刃が飛ぶ。
しかしトキは冷静だった。
🟣「影潜り」
黒い影へ沈み込む。
風刃は空を切った。
👑「またそれですの!?」
🟣「便利だからな」
地面から現れたトキが距離を取る。
対するルナは接近。
風を足に纏う。
👑「風歩!」
加速。
🟣「速いな」
👑「神代さんに勝つためですもの!」
🟣「納得」
風と影が激しくぶつかる。
数分後。
まだ決着はつかなかった。
⚡「ルナ頑張ってるな」
「意外と互角だな」
⚡「だな」
観客席から見ても、二人の実力差はほとんど無かった。
むしろ。
純粋な身体能力ならルナが少し上かもしれない。
👑「はぁっ!」
風の斬撃。
🟣「っと」
紙一重で避ける。
👑「逃げてばかりですわね!」
🟣「戦略と言え」
👑「正々堂々戦ってください!」
🟣「嫌だ」
👑「神代さんみたいなこと言わないでくださいまし!」
観客席。
⚡「俺そんなこと言ってるか?」
全員頷いた。
⚡「ひどい」
🟣「自覚無かったのか」
試合時間は五分を超えた。
疲労はルナの方が大きい。
風による高速移動は体力を消耗する。
対してトキは最小限の動きで戦っていた。
👑「まだですわ!」
🟣「そう来ると思った」
その瞬間。
地面の影が伸びる。
🟣「影縫い」
👑「!」
ルナの足元を黒い影が捉えた。
動けない。
👑「しまっ……!」
🟣「終わりだ」
木刀が首元へ向けられる。
静寂。
⛈️「勝者!」
⛈️「黒瀬トキ!」
歓声が上がった。
「うおおおお!」
「優勝だ!」
「強っ!」
👑「負けましたわ……」
ルナはその場に座り込む。
悔しそうだった。
だが。
🟣「強かった」
👑「慰めですの?」
🟣「違う」
👑「……」
🟣「本当に」
ルナが少し驚いた顔をする。
🟣「あと少し体力が残ってたら負けてた」
👑「!」
🟣「だから次も頑張れ」
👑「……当然ですわ!」
ルナは立ち上がった。
👑「次は神代さんも黒瀬さんも倒しますわ!」
⚡「いやだ」
👑「まだ何もしてませんわよ!?」
こうして実技試験は終了した。
帰り道。
⚡「腹減った」
🟣「もう聞き飽きた」
👑「学習しませんの?」
⚡「しない」
👑「堂々と言いましたわ!?」
⚡「そういや」
🟣「ん?」
⚡「トキ優勝おめでとう」
🟣「ありがとう」
👑「私は!?」
⚡「準優勝おめでとう」
👑「雑ですわ!!」
三人の笑い声が夕暮れの学園に響く。
だがその頃。
校長室では。
校長「……妙だな」
机の上に置かれた報告書。
そこには最近増加している魔物の出現件数が記されていた。
そして。
森で発見された、あの黒い痕跡。
校長「嫌な予感がする」
重々しい声が静かな部屋に響いた。