公開中
2話「能力の確認」
「さて、お遊びはここまでにして」
「…あれで遊びだったのかしら…」
ベアトリスがそうつぶやくと、スバルは即座に返す
「遊びだ」
「どう考えても__」
「遊びだ」
「…遊びって言い方が何か…チャラい男みたいな感じがするのよ」
ベアトリスがそうつぶやくと、スバルは__
「…スゥゥゥゥゥ…やっぱ…あ、遊びじゃねぇし」
無理がある。
さっきあそこまで遊び遊びと言っていた人がやっぱり遊びじゃないと言うなんて。
どう考えても無理がある。
「まぁまぁここで一旦終わりにしよう」
「勝手に話を終わらせられた気がして不満なのよ!!!!」
ベアトリスの抗議が響き渡る。
だがスバルは歩みを止めない。
聞こえていないわけではない。
むしろ、聞こえているからこそ無視しているのだ。
「んで、俺は暴食を討伐した。つまり『暴食』の権能は今俺の手の中にある。そこまでオーケー?」
「『おーけー』?」
エミリアがオーケーと言う言葉に対し疑問を持つ。
この世界の言語ではないのだから。
「あー。大丈夫って意味だよ」
スバルが意味を説明してあげる。
すると、エミリアが納得したようにこう続ける
「うん!それならオーケー!」
「でな。獲得した能力を確認したいんだ」
「だからまぁやるよ。ふぅ…**コル・ヒドラエ**」
その瞬間、スバルの頭にとあるものが流れ出す。
一体なんだろう。
一体何なんだろう。
そう思いながら、スバルの意識は暗闇の中へと落ちていく。
---
彼が生まれたときには、既に彼女の手中だった。
「さっさと食べやがれください。クズ肉ども」
そう肉が分け与えられて僕たちは、その肉をむさぼり食う。
そんなつまらない人生を毎日毎日送っていた。
逃げてしまったら。
離れてしまったら。
自分の足、腕がこの世のものではない姿に変えられてしまうと思ったから。
彼女の『権能』で。
僕たちは、反抗もできずに。
僕たちは、彼女の言いなりになって。
何日も何日も。
何週間も何週間も。
何ヶ月も何ヶ月も。
何年も何年も。
暮らしていく。
たったそれだけのこと。
なのに。
なんで完遂できない人がいるんだろう。
そういう人たちは、この世のものではないものに変えられてしまうから。
「やめ__うわあああ!?この__怪物がぁぁぁぁ!!!!」
そんな断末魔は何回聞いただろう。
10回。
100回。
500回。
それ以上かもしれない。
それ以下かもしれない。
そんなの数えてないとわからない。
彼女なら知ってるかもしれない。
数えてるかもしれない。
でも。
聞けない。
それが現実だ。
もう。耐えられない。
私たちはそう思った。
俺たちはそう思った。
僕たちはそう思った。
やがて__
暴食の権能が移り、
分裂した。
美食家 ライ
悪食 ロイ
飽食 ルイ
3人に分裂して__
ここから出されて自由になった。
俺たちは、何人も何人も何人も。
記憶、名前を食べ続けた。
ある日、プリステラで。
ある人に出会った。
それは俺たちをとても憎んでいた。
「…!暴食ッ!!!!!!!!!!」
憎んでいたけど、俺たちには叶わなくて。
もっと食べたい。
憎しみは良い味がするんだァ。
何人も何人も食べてきたけど、憎しみっておいしいんだァ。
でも、その場は一時退散されて。
次に戦ったのは。
兄様とでかい獣人の兄ちゃんだ。
戦闘が進んでいくにつれ__
チャンスは来る。
「がッ!?」
「ユリウス・ユークリウス!イタダキマス!!!!」
「待てや!!」
「…ごちそうさまでした」
おいしかったなァ。
もっと食べたいなァ。
でも戦いは終わって。
俺たちは逃げた。
次に、チャンスが来たのは監視塔での一節。
「なんだ?オメエ」
初代剣聖と出会った。
「俺たちは魔女教大罪司教暴食担当ロイ・アルファルド」
「そう名乗る奴は強くねェよ。わかンねェか?オメエ。魔女教?だっけか?暴食?そんな大層な称号与えられて、調子乗ってンじゃねェのか?オメエ」
食べたい。
記憶を。
名前を。
食べたい。
彼のものを。
「いいじゃねェか。面白そうだな。よし、食ってみろ」
嬉しかった。
心が踊った。
胸が高なった。
「レイド・アストレア、イタダキマス!!!!」
「…ごちそうさまでした」
美味しい美味しい美味しい美味しい。
それだけが、自分を埋め尽くして。
想像以上の美味しさで。
俺たちは満足した。
はずなのに。
「これだけか?オメエ」
どうして生きている?
記憶と名前どっちもくらったはずなのに。
なんで?
どうして?
「つまんねェなァ。オメエ」
そう言って。
追い出された。
俺たちは逃げた。
このプレアデスから。
次に会ったのはヴォラキア帝国だ。
そこで記憶と名前どっちも食べた。
帝国最強の男のものを。
おいしかった。美味だった。
そんな感想しか出てこない位に。
次に、彼らと会ったのはカララギ。
いろんな人の名前を食べて、食べ応えがあって。
でも、最終的には。
英雄に追い詰められて。
殺され、殺され殺され殺される。
そんな運命を歩んで、自分の意識は、暗闇へ落ちていった。
---
「__あ…あ?…ぁ…やめろ…やめるんだ…ん…ぁぁ…ぁあ…あああ!?ああうあああ!!!!」
3話次回予告
「…知ってるか?」
「はい!なんですか?」
「舞台、カララギのままなんだぜ」
「はい!特に舞台が変わったような描写もありませんでしたし、そこら辺はちゃんとわかってますよ!」
「いやさ。第二章を見ればわかると思うんだけどカララギっていうのをうまくいかせてないよねって思ってさ」
「はいはい」
「ってことで次回3話「商人の本領」お楽しみに」
「カララギ感が出るタイトルですね!」
「感とか言うな。感とか」