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星降る夜の、特等席
第一章「寂しがりの彼女」
星降る夜、ベランダの小さなテーブルに並べられたのは、コンビニで買った温かいお茶と、差し入れのチョコレート。
「愛華、お待たせ。遅くなってごめんね」
リビングの窓を静かに開けて、少し冷たい夜風と一緒に現れたのは、黒のパーカー姿の木村柾哉。多忙なスケジュールを縫って、疲れを見せない優しい笑顔で「ただいま」と頭をなでてくれる。
第二章「幼馴染という安心感」
物心ついた頃からずっと隣にいた柾哉。INIとしてステージに立つ眩しい姿はいつだって誇らしいけれど、この部屋の彼は、昔と変わらない「柾哉」のままだ。数日ぶりの再会に、積もる寂しさを埋めるように、愛華は思わず彼の背中にぎゅっとしがみつく。
「もう、遅いよ……寂しかったんだからね」
「ごめんごめん、ずっと会いたかったよ。ほら、こっち来て」
第三章「特等席のぬくもり」
ソファに並んで腰掛け、すっぽりと彼の腕の中に包み込まれる。柾哉の大きな手のひらが、冷えた愛華の手を包み込んで優しく指を絡めた。ふわりと香る愛用の柔軟剤の匂いに、張り詰めていた寂しさがゆっくりと溶けていく。
見上げる夜空には、都会のビル群の隙間から、満天の星が瞬いている。
「ねえ、星きれいだよ」
「本当だね。でも……」
柾哉は空から視線を外し、愛された愛おしいものを見るような瞳で、まっすぐに愛華を見つめた。
「俺にとっては、愛華の隣が一番の特等席だし、一番きれいな星だよ」
照れくさそうに笑いながら、愛おしそうに頬をなでて、ゆっくりと唇が重なる。冷えた空気が嘘のように心地よくて、彼の腕の中だけで世界が温かく満たされていく。
「これからもずっと、俺の隣にいてね」
愛華の耳元で囁かれたその甘い声は、夜空にきらめくどの星よりも、ずっと優しく胸に残った。