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今日はすごい文房具物語の筆がすすむ
「それでは、この待合室にてお待ち下さい。」
「ありがとうございます…。えっと、オレンジペン、さん。」
「ねぇ、シャーペンちゃん!」
さっきまでの敬語はどこへやら。元気に話しかけてくる。
「こっち向いてくれる?」
私はゆっくりと、オレンジペンさんの方へ体を向ける。
「私、そういう人の絶望した顔が好きなの。もっとよく見せて?」
「…え?」
そう言って、オレンジペンさんは私の顔、いや、目を見てくる。
なにか…怖いものを感じた。無理やり、引きつるような笑顔になった。
「…やっぱり、シャーペンちゃんは作り笑いのほうがいいよね。」
「…?」
「こんな人のために絶望の顔見せるんじゃなくて、色んな人に笑顔見せてあげな。」
「えっと…」
案外、いい人だった、のかな…?
っていうか、今の間に別のエバー・レディー・シャープペンシルが来ててもおかしくないのに…。
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よし。これで、あの子に私は悪い人じゃないってイメージは少なくともついたはず。
悪い人から成り上がる良い人。これは、初対面での良い人より、良い人っぽさが増すんだよね。
だから、時々助けてあげたりすれば、またいいイメージがつくはず!
あ、でも一個失言しちゃったな〜。
作り笑い、って。聞き逃してくれてるといいけど〜…。
ま、でも…あの子にいいイメージつけたところで無駄だったか。あ、でも、今から悪いイメージ見せれば、また絶望する顔、見れる…?赤ペンちゃんはもう少しかかりそうだし…。
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そして、私は待合室にノックをして入る。
…あれ?おかしい。ここには私のぞいて9人しかいない。私の前に試験を受けた人は、13人いたはず…
残りの4人はどこに…?
私はとりあえず、空いている席に座った。隣のシャープペンシルと、おしゃべりをした。
残ってるシャー芯はどれぐらいなのかとか、何位狙いなのか、とか。
あっという間に隣のシャープペンシルと仲良くなった。
「そういえば、名前は?」
「え、名前?えーと…強いて言うなら、シャープペンシル?」
「それは総称じゃん!区別がつかなくなるから、自分で名前考えておくといいよ!ちなみに、私はシニ!私は42番目に生まれたっていうのと、シャープペンシルって、シャーペンって、略すじゃん?んで、シャーって西って意味らしいから、それを反対にしてシニ!」
「42番目!?意外に古いんですね…。」
「んで、あんたの名前よ、名前!」
「えーと…。」
「じゃあわたしが決めてあげるよ〜。うーん…チャース?とか?チャンスがよくありそうな感じ!」
「私は、チャース、ですか…。」
そうすると、もう一つ、シャープペンシルが入ってきた。
「なんか二人楽しそうじゃん!名前の話?私はね〜、シチエ!和っぽいでしょ?こんな、仲間同士蹴落とし合うなんて嫌だからさ、和っぽい名前で、私が平和を作れればなって思って!つけた!今!」
「今!?行動はや…。でもまあ、こういう時間も残り僅かかもしれないね。私も、このシャー芯を出すのも、最後かもしれない。シャー芯出しとこ。」
シニさんが、シャー芯を出した、その時。アナウンスが始まった。
「結果発表のお時間となりました。不合格になったのは、待合室Bにいるシャープペンシル、全員となります。このアナウンスが聞こえているシャープペンシル、全員となります。」
…え?
その時、床に真っ直ぐな亀裂が入った。まるで、定規で線を引いたような、丸い、線。そして、床が、開いた。下には紙くず。
この下って、もしかして、ゴミ箱…?
私は無意識に、目をつぶった。
「チャース!」
名前を呼ばれて、やっと目を開けた。
シニさんと、私のクリップが絡まっている。シニさんは、さっき出したシャー芯を壁にさして、それに掴まってぶら下がっていた。
「シチエさんは…?」
「見当たらない…。捨てられた…?」
そんな…。
そこに、誰かの足音が近づいてきた。