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第十七話 家から遠いこの場所で
最近探偵っていうほど探偵してないけれどいつか探偵になります(?)
「久しぶりだね」
「連絡はとってましたけどね」
夏休み前の休日、おれは親の都合、自分の意思と色々重なり、わざわざこいつの家から馬鹿みたいに遠いカフェをおれが選び、そこでとある人物と会っていた。おれの家からも遠いけれど、こいつに対する嫌がらせなら構わない。
それに、好きであっているわけではないのだけれど。
「あとさっき小さく『おえっ』ってい言ってたの、聞こえてたからな」
「あんたの人格の問題ですよ。、、、聞こえてたならはっきり言えばよかった、、、。」
「オイ」
|榊《さかき》|瑛人《えいと》。それがこいつの名前だ。以前、自分のタブレットで嫌々連絡をとっていた人物。親は研究者と政治家。おまけに日本で名の知られた名家である。そんなこいつが家が近いからという理由で普通の小学校に通っているのを聞いたのは驚いた。こんなやるをなんで知ってるかって、もちろん親繋がりだ。
肩書きはいいとして、問題は人格だ。こいつは一見お人好し、優しそうに見える。今もニコニコと微笑んでおり、近くにいるお婆さん(多分知らない人)の頬を赤く染めている。顔も良くてなんかオーラが出ている、そんなこいつだけれど、おれは知っている。こいつがほぼ無限にあるといってもいい親の金を勝手に使いまくり、(金持ちはいいですよね)さらには今通っている中学校では先生を脅しているとかいう噂も。(こいつは不良かもしれない)挙げ句の果てには街にいたヤンキーを素手でなのかは知らないがボコボコにしたとかいう情報もある。(なにがしたいんですか??)まぁとにかくやばいやつということである。
そんなやばいやつが何の用かというと。
「で、研究は進んでるんですか?」
「それがさぁー、結構なんとも言えない状態で、、、。」
そう言いながら紙を一枚、見せてくる。
そこには「『X』について」と大きく見出しが書かれている。さらにその下の文にも目を通すと、
「Kを含む三人から検出された『X』。これはどうやら人の負の感情から生まれ、その感情が強いほど周りへの影響も大きくなっていくとわかった。さらに、これは人に取り憑くができ、取り憑かれた人間は自分の望む『力』を使えるようになると判明。これは元々あったスキルとは関係は見られず、取り憑かれている間も元々のスキルは使えるままだった。 取り憑かれている人間は、自分が取り憑かれているということを認識していない。また、取り憑かれている時は目がうつろ、強い怒りや悲しみがあるなどという特徴がある。これについては、まだまだ他にもありそうだ」
その後も文が続いていたが、長くなりそうなので一旦読むのをやめる。
「ここにあるK、というのは、九里瑞穂であっていますね?」
「そうだ。君がとってくれた動画が役に立ったよ」
動画ーあれはおれがあの時、屋上で勝手にスマホで撮った動画だ。校則は、、、とりあえず考えないことにする。
「にしてもあんたの親、結構有能ですね」
「スキルが『解明』だからかな。元々の頭脳は知らない。」
「馬鹿なんですかね。そしたらあんたも馬鹿ってことで。めでたしめでたし」
「めでたしめでたし、じゃない。一応これでも中学受験をして、全国で10位以内入ってるんだが?」
「おれの自己紹介ですか?どうもありがとうございます」
思いっきり煽ってやると絶対にこっちの反応を楽しんでる顔でそいつは口を開く。
「話を変えるが、怜や咲葵、まふゆはどうなんだ?」
絶望する、壊れる、なんていってきたくせに随分とノリノリだ。
「元気ですよ。あんたのことは一回も話題に上がりませんね。素晴らしいことです」
「怜、、、消しゴムを買ってあげた仲なのに」
「地味にショボいのなんなんですか?不人気者は静かにしておいてください」
「こう見えてこっちの中学でも俺は消しゴムを買ってあげたんだ。」
「いやなんでそんなに消しゴムを買ってあげたいんですか?」
こいつは謎に消しゴムへの執着心がある。意味がわからない。
「で、あんたのスキルはどうなんです?前、小学校でテストの問題を見抜いてやろうと、ふざけて使って体力をあまりにも使いすぎて救急車呼ばれたって怜から聞きましたけど」
「あぁ。それについては安心してくれ。『見抜く』のもだいぶ安定して使えるようになった。明、君こそ鉛筆を忘れて焦り、鉛筆を生成しようとして鼻血を出してぶっ倒れた過去があるようですが。」
「絶対それ誰にも話さないでくださいね。、、、でも、かき氷シロップは最近生成しました。美味しかったですよ」
「楽しんでいるようで何より。」
とりあえず喋ったところで注文をする。このまま居座るだけ居座るのは流石にまずい。
「じゃぁ、これで」
「同じ物を。」
注文が済なり、すぐにこいつは口を開く。喋るのが好きらしい。
「そういえば明の学校に、一ノ瀬という先輩がいると思う」
「いますね。風の噂だと握力がすごい弱いって聞きました。10とか10以下だとか、、、。ふにゃふにゃしてそうですもんね。というか、会ったことあるんですか?」
「それが、なぜか学校帰りの駅で急に話しかけてきて、、、。」
「不審者じゃないですか。しかも金持ちに話しかけているとは。あの先輩、こいつとは話さない方が良かったのに、、、。うざいし」
「悪口は放っといて。えーと、そう。話しかけられたのは別に良かったんだけど、問題はそこからだ。俺の名前を知っていたんだよ。」
「そうなんですか。まぁ有名っちゃ有名ですからね。」
「それにもう一つ納得できないことが一つ、、、。あの人、どんな人間か見抜こうとしても『エラー』としかわからなかった。スキルも、性別も、年齢も、血液型に親の情報、さらには髪の毛の本数までも、、、。」
「まぁ謎が多いのはわかりますけど、なんで最後に髪の毛の本数?そんなことにスキルを使うから救急車呼ばれるんですよ。」
「でも本当に謎だったんだよな、、、。あ、話しかけられて、親に渡した明の動画について何か知ってることはないかって聞かれたんだ。それで連絡先を交換して、、、。」
「あの人スマホ持ってたんですか。」
「シンプルだけどおしゃれなケースを使っていた。」
「いいから次の情報を話してください」
「で、すると怜と咲葵が危ないって話を、、、。」
あの先輩、絶対に重要な情報を握ってる、、、。続きを聞こうとすると、タイミングが悪く注文した物が届いた。
「おー!ついに」
「そんなに喜ぶんですか?」
ため息をつく。なんというか、世間知らずというか、こいつ、なんか抜けてるというか、、、。
「じゃぁお願いします」
「それで、、」
するとどこからか桜の花びらが飛んでくる。しかも何枚か。それはテーブルの上で止まる。
思わず店内を見渡しても、桜と関係のあるものはなかった。ただ、近くのお婆さんが急に周りを見たおれを見て不思議そうな顔をするだけだ。
「桜、、、?」
瑛人も不思議そうな顔をしている。
こんな時期になぜ桜、、、?そう思ってもおれの疑問に答えてくれる人はいなかった。
スキルについてなんですけれど、勉強とかの試験に関してずるしてスキルを使うのは禁止されています(この世界では法律で)じゃないとなんでもやり放題ですもんね