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もう一度家族と呼んで 12巻
黒鳥
ピンポーン
インターフォンが鳴った。玄関に出ると孤児院の先生がいた。
「ひなちゃん、久しぶり。孤児院にね忘れ物があったの。まぁ、正確には私たちが忘れてたんだけどね」
「久しぶりです、お元気でしたか?」
「えぇ、大きくなってびっくりしたわ。はい、これ。」
小さなノートを渡された。
「これは?」
「あなたのお母さんとお父さんがあなたに渡してって言われてたの、読んであげて。」
そう言って先生は帰って行った。
そのノートに書いてあったこと
ひな、私はあなたのお母さんです。あなたが孤児院に置いて行ったのはあなたが2歳の時なの。
ひなっていう名前の由来をまずは教えるわね。あなたの名前には漢字がないの。ひなの「ひ」はあなたのお父さんの名前の頭文字を取ったの。「な」は私(お母さん)の名前の頭文字を取ったの。
深い意味がない名前でごめんね。 私は中学の時の親友がいじめを受けて、自殺してしまったの。その友達に何も出来なかった。だからお葬式の時私はどうしても泣けなかった。そうやって命の重さを知ってるのにあなたの名前はしっかり決めてあげあられなくてごめんね。
いじめはきっと自分より弱い"もの"で遊んでるだけなんだよね。そうやって人をものだと思って扱ってしまうからいじめになる。いじめられていた人の心の問題って言う人がいるけど、それはいじめていたの人の心の問題なのにね。
ひなが初めて泣いた日、笑った日、ご飯を食べた日、話した日、その一つ一つのことが大切なことなのに、命がなくなったらもう泣いたり、笑ったり、ご飯を食べたり、その人の声を聞くことはもうできなくなったっちゃうのに、簡単に命をなくすのはどうなんだろうね。生きたくても生きれない子もいるのに、一生懸命病気に戦っている人もいるのに簡単に自分で命をなくしてしまう。それはどうなんだろうね。
ひなは1歳の時に怪我をしてしまったの。お母さんは命の重さを知っていたからすごく辛い日だった。原因はちゃんとお母さんとお父さんがひなを見てあげてていなかったから。あなたにはね、2歳上のお兄ちゃんと一歳下の妹がいたの。お兄ちゃんはお父さんに懐いてて、妹は私が面倒を見ていないといけなかったから付きっきりだたの。私たちの不注意だったのにひなに怖い思いをさせてごめんね。 もうそんなことが起きないようには、あなたをしっかり見守っている人が必要だと思ったの。お父さんとお母さんは他の兄妹のことでいっぱいいっぱいだったから、ひなの面倒を見てくれる人がいるといいと思った。だから孤児院に預けたの。
ごめんね、お父さんとお母さんの子供だから責任を持たないと行けなかったのに、孤児院に預けるなんて命の重さを知ってるなんて言い張れないわよね。でも、ひなが大きな怪我をしてほしくなかったの。これだけは許してほしい。恨むのも仕方ない、だから恨んでもいいの。
あなたの人生はあなたのものだからあなたの自由にしてね。
責任を持って見守ってあげれなくてごめんね。あなたにまた会えたらいいのにね。
ひなのことを見守ってくれていたのはあなたのおばあちゃんだったの。おばあちゃんはね、あなたが2歳の時に亡くなったの。 ひなの誕生日にね心臓を悪くしちゃったの。「胸が痛い」と言ってね、お父さんが病院へ行こうって言ってたけどおばあちゃんは「ひなが帰ってくるまで待ってる」って言って。すぐに治療を受けていれば助かったかもしれない命だったけど、結局ひなちゃんが幼稚園から帰ってくる前に病院へ行っちゃったの。おばあちゃんはの最後の一言は「ひなによろしく、ひな今までありがとう」って言って私の手を握ってきたの。今まで伝えてなくてごめんね。
これからの人生も楽しんでください。
と書かれていた。
お母さんとお父さんの声が初めて聞けた気がした。