自分が書いた小説を入れるだけのシリーズです。
一巻完結とか、シリーズの名前がない奴いれてます。
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目次
第一章 ー依頼ー
はじめまして。
江戸風の町を舞台にした、何でも屋の物語です。
ギャグあり、事件あり、戦闘ありで、ゆるく楽しく書いていく予定です。
よかったら覗いていってください!
第一章 — 依頼 —
ある日の朝。
上等な着物を羽織って、4人ほどの護衛に囲まれているお偉いさん(男)が路地を歩いていた。
すると見えてきた看板「何でも屋 華」
江戸の街にあるものとしては少し作りが脆いが、ある意味存在感を放っている。
男 「ここが噂の何でも屋か、、」
護衛を外に待機させ店に入ると、20代ほどだろうか、銀髪の男がおそらく店主の席であるところに座りながら眠っていた。
男 「すみません。ここは何でも屋華で間違いございませんか。」
そう聞くと、銀髪の男は顔を上げ、
銀髪の男 「そうだけど、、」と言った。
この銀髪の男は無頼といい、一人でこの店を営んでいるらしい。
無頼 「ところでお客さん、なにか依頼があって来たんじゃないの?」
男 「そうです。探してもらいたいものがございまして、、」
男は一枚の写真を見せる。
無頼 「この人は?」
男 「私の娘です。つい先日、私が仕事に行っている途中でいなくなってしまい。思い当たるところを探したのですが、、」
無頼 「へぇ〜、報酬はいくら出せる?」
男 「この金額で、どうですか?」
机の上にドンと置かれる札束。
無頼 「承知しました。」
無頼は意気揚々と外に出ていった……
読んでくださりありがとうございます。
「何でも屋華」という何でも屋の最初のお話を書いてみました。
果たして、無頼は依頼された人物を無事に見つけることができるのか…..
そして、この依頼にはどんな秘密が隠されているのか…..
次回はいつ出るかわかりませんがぜひ引き続きの読んでくれたらうれしいです。
byアユト
第二章 ー真実ー
いよいよ開幕した第二章!
前回、絶妙な調子よさで依頼を引き受けた無頼(ぶらい)ですが、案の定ロクなことになりません。
人様のお店を勝手に使った挙句、前払い金をネコババして遊びに行こうとする、絵に描いたようなクズっぷりを発揮する無頼。
しかし、そんな天国のような時間は長くは続きませんでした。
笠の奥から現れたのは、最も会いたくなかったあの人物……!
居候VS本物の店主、バツの悪い再会の瞬間をお楽しみください。
第二章 ー真実ー
無頼「あっぶね〜。バレるかと思ったけど案外バレないもんだな〜」
無頼「さてこの金で何をするか〜、でも依頼もやらないとだよな〜」
そう、言っていると...
?(女)「すみません」
無頼「え、俺ですか?」
?(女)「そうです。突然すみません」
同い年くらいだろうか、とても可愛らしい声をした、三度笠で顔の隠れた女性に話しかけられた。
?(女)「今ここで、、勝手に人のお店を使い、依頼人からもらった前払金を依頼をやらずに自分のものにしようとする人がいると聞いたのですが、、もしかしてあなたですか?」
無頼「え、、あ、、、、いや〜人違いじゃないですか、、、」
?(女)「そんなはずないわよね、、、、」
?(女)が被っていた、三度笠をとると...
無頼「げぇ、、馨、、」
馨「何勝手に人のお店開けてんのさーしかも勝手に依頼受けてうちの金使おうとして、、、」
馨は何でも屋華の実の店主で無頼は店主でもなんでもなく先日居候になったヒモなりかけのニートである。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
第二章の冒頭から、無頼のヒモ&ニート街道がフルスロットルで暴走していましたが、あっさり馨(かおる)に見つかって撃沈しました。
三度笠を脱ぐシーンのプレッシャーと、無頼の「げぇ」という心の声の温度差を感じていただけたら嬉しいです。
真の店主である馨に完全に押さえ込まれた無頼は、果たしてこの後どんなお仕置きを受けるのか?
そして横領しようとした依頼は無事に解決できるのか……?
次回の展開もぜひ楽しみに待っていてください!
第三章 ー改めましてー
はぁ……またあいつが余計な厄介ごとを抱え込んできました。
みなさん、こんにちは。無頼の尻ぬぐいに日々胃を痛めている馨です。
今回舞い込んできたのは、お偉いさんの娘さんの捜索依頼。
手がかりは名前すら分からない似顔絵一枚だけ。
「馨の得意分野だろ?」なんて本人は気楽に言っていますが、人探しがなぜ得意なのか……
その理由は追々分かります。
それでは、呆れ半分でお付き合いください。
第三章 ー改めましてー
「で? そのお偉いさんから聞いた話を、一から全部吐き出しなさい」
腕を組み、冷ややかな視線を送る馨の前で、無頼は正座させられていた。
正座の脚の痺れに耐えかねてモジモジと身をよじるが、馨の眉間にはシワが寄ったままだ。
「いやね? 俺だって最初から騙すつもりじゃ……まあ、ちょっとあったけどさ。でもちゃんと話は聞いたって! えーっと、お偉いさんが仕事に行ってる間に、その娘さんが突然いなくなったんだと」
「名前は? 年齢は? 最後に確認された場所は?」
「……あー、名前は……写真に夢中で聞き忘れた」
「はぁぁぁ……!?」
馨の大きなため息が部屋に響く。
頭を抱える馨の前に、無頼はお偉いさんから預かった娘の似顔絵が描かれた紙を差し出した。
「でも顔はこれ! かなりの上品なお嬢様って感じだろ? どこぞの大名か豪商の娘っぽかったぜ。あ、それと『思い当たるところは探した』って言ってたから、家出とかじゃなく事件性の匂いがプンプンするね」
馨はその似顔絵を受け取り、じっと見つめる。
「……確かに、着ている物も身なりも相当な家柄の子ね。でも、名前も分からないのに江戸の街から一人を探すなんて、そう簡単じゃないわよ。前払い金はいくら受け取ったの?」
「えーっと、束でどーんと……」
「全部没収。当然よね?」
「げぇっ! 俺の遊興費が……!」
「元々あなたのお金じゃないでしょ! ……ハァ、引き受けちゃった以上、うちの店の信用にも関わるわ。無頼、あんたもちゃんと働くのよ。今から詳しい情報を聞き直すわよ!」
「てか、お前の得意分野じゃん、人探しって。一人でもできるでしょ〜」
「あんた、なんで私がそういうの得意か知らないからそんなこと言えるのよ。そもそも、あんたが勝手に受けたのがいけないし、、」
切りが悪いかも知りませんがここまで!
最後までお読みいただきありがとうございました!
正座させられて脚を痺れさせている無頼を描くのがとにかく楽しかったです。
前払い金を全額没収された彼の明日はどっちだ。
そして名前も分からないお嬢様は無事に見つかるのか……!
馨の意外な過去や特技の秘密についても、これから少しずつ明かされていきますので、どうぞお楽しみに。
また次の章でお会いしましょう!
番外編 馨と無頼の質問コーナー
【お知らせと番外編のお届け】
いつも作品を読んでくださりありがとうございます!
次回の本編をお届けする予定だったのですが、少し機材の不調(データ迷子トラブル)が発生してしまい、調整にお時間をいただくことになってしまいました……!
本当に申し訳ありません。
その代わりに、本編では見られないキャラたちの小話(番外編ショートストーリー)を用意しました!
今回はいつもと違うリラックスした彼らの雑談をお楽しみいただければ幸いです。
次回の本編は【次回の投稿予定日:9月24日頃】に更新予定です。
今しばらくお待ちくださいませ!
皆さんこんにちは〜 __アユトでーす…__
無頼「おい作者(アユト)、俺たちが何…一生懸命働いているところで、サボってるんだよ」((チョップ
無頼「ブヘェッ **痛ェ〜**」
馨「もともとお前、働いてないだろ」
アユト 馨ちゃ〜ん、そうだよね。悪くないよね。むしろ悪いの無頼だよね…
馨「いや、それもおかしいでしょ」
無頼「そうだそうだ!俺が、悪いなんて飛んだ濡れ衣じゃん」
馨「てか、この気まずい時間どうするの。私に少し休みができたのはいいんだけど…その時間を無駄にするわけにはいかないし」
アユト いやーね、この時間を盛り上げるために色々持ってきたから!特に二人についての情報あんまり出してないと思って質問コーナーをやるって、Atono に宣言しちゃったから…
無頼「Atonoって誰?」
馨「聞いたってキリがないでしょ、こういうのはほっとくのが一番だよ。質問コーナーやるなら早めにね、せっかくのシルバーウイークなんだから」
アユト いやー馨くんは話が早くて助かる〜。それでは始めましょう!
**馨と無頼の質問コーナー!**
__勝手に質問考えてます__
はじめに!デデン!
Q.お二人の誕生日は?
馨「5月18日」
無頼「いや早!てか、そんなに細かく設定考えられてたの⁈俺、誕生日祝われてるけど、知らされてないぞ!」
馨「そうなの?この小説が始まる時に教えてもらったよ。設定の多さで頭パンクするくらいだったから、てっきり無頼も決まっているのかと」
アユト そういや、無頼の誕生日決めてなかったね。頭の絵片隅にもなかったわ。
無頼「いやそれ酷すぎるでしょ。待遇が全然違うじゃん!一応俺も、主人公的存在じゃないの!」
馨「いや、求めすぎても大変だよ…」
無頼「それはそれで、何があったの!」
アユト え〜後から考えるのめんどくさいから、今決めようよ。
馨「無頼も誕生日決めたいらしいし、それがいいかもね」
無頼「いや雑ッ、まぁいいや。で?俺の誕生日は?どうやって決めるの?」
アユト 2月6日でよくね
無頼「あっさりしすぎでしょ、しかも、早くね。どう決めてんの」
アユト いや、わかんない。突然思いついた。
無頼「なんか、イケすかないな…」
馨「でも、いいじゃん。誕生日決まったよ」
アユト この質問に時間かけすぎでしょ。次いこう…
無頼「急に興味無くなってんじゃん!」
Q.__ 何にしよう…__
無頼「いや、流れ悪」
アユト 仕方がないじゃん。急いで用意したんだから… そうだ!お互いに気になっていること聞こう!よろしく〜
無頼「丸投げじゃん!」
アユト すぴぃー💤
馨「聞いてないよ。すごくマイペースな人だから…」
Atono はいはいはいはい!質問したい〜!
無頼「うわっ びっくりした〜」
馨「あっ、Atonoさん。こんにちは」
Atono 馨__くん__こんにちは〜 無頼__くん__は、初めましてかな?Atonoでーす!
無頼「だれだれこのひと!」
Atono は〜いでは早速質問していきまーす!
無頼「なんで無視!」
Atono __はぁうるさいなぁ__
無頼「今なんか言わなかった?!」
Atono Atonoです。アユトの全てを知っている人だよ。わかった?
無頼「あっはい…… なんか流されてる?!」
Atono じゃあ早速始めよう!
Q.好きな食べ物は?
Q.身長は?
Q.好きなタイプは?
Q.二人の出会いは? あと…
無頼「いや、多い多い!」
馨「さすが、アユトの全てを知っている人。似てる…」
無頼「えっと、はじめは?好きな食べ物?」
馨「好きな食べ物…あっ、みたらし団子とか、湯豆腐が好きだよ」
無頼「俺は、蕎麦だな」
Atono 意外とちゃんとあった__びっくり‼️__
馨「あとは…えーと。身長と好きなタイプ…__私たちの出会いね…__」
無頼「俺の好きなタイプは、儚げで放っておけない、守りたくなる人だな!」
馨and Atono 「「へぇー」」
無頼「な、なんだよ…」
Atono いいや?なんでもないよ。
馨「私の身長は167cm好きなタイプはフェアリータイプと草タイプかな?無頼…身長は?」
無頼「お、俺の身長なんて誰も知りたくないだろ!てか、好きなタイプってそういうこと?!」
Atono 無頼くんさぁ__あんまり…面白くない…__
無頼「何を求めてるんだよ!ちゃんと答えてるじゃん!あぁ…もう!173cmだよ!」
Atono あっそう
無頼「なんで、そんなに軽いのさぁぁぁ」
Atono 最後!二人の出会いは?
無頼「はぁ〜もういいや。俺たちの出会いはな…」
馨「無頼ストップ」
無頼「はぁ?」
アユト 待って待って待って〜!ネタバレになる〜
Atono 起きてきた
アユト それは後々、話すから!言わないで!
無頼「作者(アユト)!なんで、丸投げにするのさ!色々大変だったんだけど!」
アユト ごめんね〜でも、おかげで穴が埋まったよ〜
馨「これからは気をつけてね」
アユト 気をつけるよ〜
Atono あと喋ることある?
アユト 特にない!
無頼「じゃあ、終わろうぜ…__このメンバーは大変だよ__」
アユト 終わるか
「「「「ここまでありがとうございました!」」」」
__次回はしっかり出します!__
ここまで読んでくださりありがとうございます!
急いでつくったので編集ミスがあったらすみません…
次回の馨たちの物語はしっかりと出しますので!
それでは…
第四章 ー聞き込みと小さな違和感ー
「ちょっと待てって! 本当に裏の怪しい能力じゃねーか!」
……どうも、無頼です。
軽い気持ちで引き受けた仕事のせいで、俺の愛するぐうたら生活が音を立てて崩れ去ろうとしています。
相棒(?)の馨は怒るとめちゃくちゃ怖いし、なんだか目とか光らせちゃうし、探す相手は大名家のお嬢様で事件の匂いしかしないし……。
まあでも、前払い金を全額没収された以上、働くしかありません。
俺たちの災難だらけの人探し、ちょっと覗いてってください。
第二章 ー聞き込みと小さな違和感ー
無頼「何よその意味深な言い方……。え、もしかして馨ちゃん、実は裏の陰謀組織の情報屋だったりする感じ?」
馨「バカ言ってんじゃないわよ。私の得意分野って言ったら……『情報収集(聞き込みと張り込み術)』に決まってるでしょ! 足で稼ぐの! ……まあ、この能力のおかげもあるけど、、」
無頼「ん? なんか最後ボソッと言った?」
馨「な、なんでもないわよ! とにかく!」
馨は誤魔化すように咳払いをすると、似顔絵に視線を落とし、表情をキュッと引き締めた。
馨「……人探しには、どうしても『力仕事』が必要になる局面があるのよ。この似顔絵の女の子、着物の柄からして間違いなく『黒羽藩』の御嬢様よ。そんな大物の娘が表立って騒がれずに消えた……つまり、誘拐されたか、あるいは藩内のドロドロした家督争いに巻き込まれた可能性が高いわ」
無頼「うわぁ、急に事件の規模がでかくなったんだけど……」
馨「だからよ。裏社会の奴らやならず者とバッティングした時、私一人じゃ力押しが効かないでしょ? あんた、見た目と態度はただのヒモニートだけど……刀の扱いだけは一応立つじゃない」
無頼「一応ってなんだよ、一応って。俺の剣筋は芸術的って言われて……」
馨「はいはい自慢はいいから! ほら、立つ! 痺れが切れたならまずは聞き込みよ! あんたには私の『用心棒』兼『パシリ』として死ぬ気で働いてもらうからね!」
無頼「ええ〜……俺のぐうたら生活が音を立てて崩れていく……」
渋々立ち上がった無頼と、何か「特別な能力」を隠していそうな馨。噛み合わない二人組は、江戸の街へと繰り出した。
馨は知り合いを見つけるたびに、巧みな話術で世間話に花を咲かせ、相手の警戒を解きながら自然と噂話を引き出していく。
男1「あぁ、黒羽藩? そういやここ数日、お屋敷の周りで夜遅くに籠が何台も出入りしてるのを見たって奴がいるな」
男2「そうそう、それにお侍様たちがなんだかピリピリしててさ……」
着実に情報を集めていく馨の姿に、無頼は感心したように呟く。
無頼「やっぱり顔が広いのな。足で稼ぐってのも伊達じゃないわけだ」
馨は茶屋の裏手に回ると、ふと立ち止まり、目を閉じて深く息を吸い込んだ。
無頼「馨?」
馨が目を開けた瞬間、その瞳の奥が一瞬だけ怪しく光ったように見えた。馨は路地の奥を一瞥すると、ボソッと呟いた。
馨「……いたわ。黒羽藩の似顔絵の女の子……ううん、あの着物の匂いと足音の感じ。ここから三丁先、蔵が立ち並ぶ裏通りに向かってる」
無頼「は? なんでそんなことが分かん……って、まさかさっき言ってた『この能力』ってやつ?」
馨「細かいことはいいの! 聞き込みで得た噂と、私の『これ』を合わせれば一発よ。行くわよ、無頼!」
無頼「ちょっと待てって! 本当に裏の怪しい能力じゃねーか!」
最後までお読みいただきありがとうございました!
『黒羽藩のお家騒動』なんて急にでかい事件に巻き込まれつつある二人ですが、実は一番の大問題がありまして……。
このシリーズのタイトル、まだ良い案が思いついていません。
『江戸の凸凹捕物帳』『ヒモ侍と目から光出る女子の事件簿』お店の名前とるか?(理由がねーしな)……いや、どれもしっくりこない!
なくてもいいのでは?(それはそれで嫌だな…)
ということで、誰かこのシリーズに素敵な名前をつけてくれませんか……!?
「これだ!」というタイトル案や「〜系がいいのでは?」といったアドバイスがあれば、ぜひ、いや、絶対に!なんでもいいので!教えてください!
皆様からのアイデアを心よりお待ちしております。それでは、また次の章でお会いしましょう!
第五章 ー蔵通りの攻防ー
どうも!このアカウントの影の支配者(予定)兼、小説を一人で書き続けているアユトです!
今回は第5章「蔵通りの攻防」!ついにバトル回だーーーっ!(⑉>ᴗ<ノノ゙✩:+✧︎︎⋆パチパチ
……と言いつつ、うちの馨様が容赦なさすぎて敵がちょっと可哀想になる回です(笑)。
普段は綺麗でお淑やかな馨様だけど、お財布(店の金)が絡むとマジで容赦ない。
ドン引きする無頼との温度差を楽しんでいってください!
ちなみに横で見てるAtonoに「そろそろ書けば?」って言ったら「ん〜見守る担当だから〜」って流されました。
書く気ゼロかよ!!
それでは、蔵通りの攻防戦へどうぞ!(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾*•.¸¸♡
第五章 ー蔵通りの攻防ー
薄暗い蔵街に足を踏み入れると、しんと静まり返った空気が漂っていた。大きな蔵の陰に差し掛かったところで、馨がピタリと足を止める。
馨「……来るわよ、無頼。頭上と正面」
無頼「へいへい」
次の瞬間、蔵の屋根の上と曲がり角から、笠で顔を隠した男たちが四人、一斉に飛び出してきた。
手に握られているのはギラリと光るドスだ。
男1「かぎ回るドブネズミどもが……ここで消えてもらおうか!」
無頼「うわ、容赦ねぇなぁ。俺まだ今日一食も食ってないのに……」
無頼は呆れたように息を吐くと、一瞬で間合いを詰めた。
飛びかかってきた男のドスを最低限の動きでかわすと、そのまま顎下へ強烈な掌打を叩き込む。
そのまま流れるような拳と蹴りで、あっという間に二人を沈めた。
一方、残る二人に向き合った馨は、髪からすっと金属製の長い簪を抜き取り、腰から煙管を滑らせる。
男2「女が一人で舐めるなよ!」
男が刀を振り下ろした瞬間、馨は優雅に、だが恐ろしいほど無駄のない動きで懐へ潜り込んだ。
柔術の要領で男の手首を捻り上げ、関節を極める。
男2「ぐあぁぁっ!?」
悶絶する男に対し、馨の唇にはぞっとするほど美しく冷ややかな微笑みが浮かんでいた。
馨「ごめんなさい……今はお前たちの相手をしている暇はないの。だから……大人しく消えてくれない?」
馨は男の顎を掴んで強制的に上を向かせると、手に持った金属製の煙管の先端で、男の鎖骨の窪みを容赦なくズブッと突き刺した。
男2「ヒッ……ぁ……!!」
痛みに倒れ込む男の頭を、馨は上から冷たい目で見下ろしながら、その踏みつけた足に体重を乗せる。
馨「私の店のお金を勝手に使おうとした愚か者の処理で、ただでさえイライラしていますの。これ以上、私に無駄な時間を使わせないでいただけますか?」
残ったもう一人の男が、その圧倒的な威圧感に気圧されて後ずさる。
男1「ひ、ヒィっ……化け物……!」
馨「誰が化け物ですって……? 言葉遣いには気をつけた方がよろしいですよ」
馨は黒い微笑みを浮かべたまま、すっと手元で簪を回転させた。
そのまま目にも留まらぬ速さで踏み込み、逃げ出そうとした男の足首のツボへ簪の鋭い先端を深々と突き立てる。
男1「ギャぁぁぁぁっ!?」
倒れ込んだ男の背中に容赦なく膝を乗せ、馨は男の髪をぐっと掴み上げて耳元で囁いた。
馨「これ以上、不快な声を発したら……次はどこを刺して差し上げましょうか?」
男たち「参りましたぁぁっ! お許しくださいぃぃ!」
男たちが泡を吹いて倒れるのを見届け、馨は煙管についた埃をトントンと払うと、何事もなかったかのように首を傾げた。
無頼「……お前、丁寧な口調になればなるほどエグいな。敵じゃなくて本当に良かったわ……」
ドン引きして引きつった顔で見つめる無頼に対し、馨はフッと可憐な笑みを浮かべて見せた。
馨「あら、無頼? あなたもこんな風にお仕置きされたいのですか? でしたら、喜んで追加して差し上げますけれど……?」
無頼「結構です! 謹んでお断りさせていただきます!」
馨「ならよろしいです。……この中にいるわ、あの女の子」
馨は倒れた男たちを踏み越え、蔵の頑丈な扉を見つめた。
無頼「へいへい、じゃあサクッと救出して、俺の無実を証明しますかね!」
ここまで読んでくれてありがとうございます!アユトです!
敵の男たち、完全にお相手を間違えましたね……。
鎖骨と足首のツボはアカンって!
そして命の危機を感じ取った時の無頼のレスポンスの速さよ(笑)。
アユト「いや〜馨様のドSっぷり最高でしょ!ねえAtono、次章こそ一回くらい書いてみる?」
Atono「無理無理、アユトの原稿を一番に確認する読者だから( ˙-˙ )」
アユト「読者ポジションに逃げるなーーー!!」
……というわけで、次回も自分が元気に書いていきます!
男たちを制圧し、いよいよ目的の蔵の前まで辿り着いた二人。
無事に依頼を達成できるのか…
中にいる少女の運命は……!?
「面白い!」「Atono書けw」と思ってくださった方は、感想などをいただけるとめちゃくちゃ励みになります!
それでは、第6章でお会いしましょう!✨(時間があれば、6.7章まとめて書くかも)
【日常ドラマチック化部へようこそ】
はじめましての方も、いつもの方もこんにちは! アユトです。
今回長めに挑戦(?)してみました!
突然ですが、みなさんは「何の変哲もない日常」に退屈したことはありませんか?
通学路の曲がり角、昼休みのパン争奪戦、テスト返却のあの重苦しい空気……。
このお話は、そんな地味な高校生活を「無駄に熱いBGM」と「無駄にドラマチックな暴風」で映画のワンシーンに変えようとする、ちょっと(かなり?)頭のネジが飛んだ部活のお話です。
ツッコミが追いつかないカオスな現場と、胃を痛めながら奮闘する主人公の勇姿(?)を、どうぞ肩の力を抜いてお楽しみください。
それでは、『日常ドラマチック化部へようこそ』、開演です!
【あらすじ】(みたい人は見てね!)
消しゴムを借りる。焼きそばパンを買う。テストの赤点を隠す。
そんな誰もが通り過ぎる普通の日常を、圧倒的な「音」と「風」と「演技」でドラマに変える『日常ドラマチック化部』。
流されやすい少年・乾 梓砂は、強烈な先輩たちをまとめる「監督」に就任させられてしまう。毎日胃を痛めながらも、彼らの全力のバカらしさに心地よさを感じ始めた頃、生徒会から非情な「廃部通告」が下される。
条件は、文化祭のステージで全校生徒を満足させること。
武器は、巨大扇風機とリアルすぎる口演奏、そして無駄なイケメンフェイス。
崖っぷちの4人が仕掛ける、最高にドラマチックな奇跡のステージが始まる!
**第一章:日常ドラマチック化部へようこそ**
高校の入学式。乾 梓砂(いぬい あずさ)の計画は完璧なはずだった。
「目立たず、出しゃばらず、平和な3年間を送る」
しかし、押しに弱い性格が災いした。
放課後の校内、各部活の勧誘合戦という名の荒波に揉まれ、気づけば両手には大量のビラ。
途方に暮れて廊下の隅に立ち尽くしていた、その時だ。
「――**カット!!** ダメだ、全然ドラマチックじゃない!」
突如、廊下の先から朗々とした男の声が響き渡った。
見れば、眩しいほどのイケメン――神宮寺 蓮が、大真面目な顔でこちらへ歩いてくる。
その後ろには、顔色の白い華奢な男子生徒が、家庭科室から盗んできたような巨大な工業用扇風機を重そうに抱えてついてきていた。
「君、名前は?」
「え、あ、い、乾です__……乾 梓砂……__」
「乾くん! 君の今の『困り顔』、素晴らしい哀愁だ。だが、立ち姿に風がない! 九条、回せ!」
「……うん。乾くんの困り顔、僕の過去に似てる……僕も昔『重すぎて無理』って振られた時、そんな顔で立ち尽くしてた……」
ブワッと猛烈な風が吹き荒れ、梓砂の手から全てのビラが吹き飛んだ。
「ちょっと何するんですか!?」
「これだ! 吹き飛ぶ書類、戸惑う新入生! そしてここに運命の出会いが重なる! 美咲、音をくれ!」
「任せて! **――ズバババババッ! ジャーン!!**(※口演奏)」
どこからか現れた小柄な女子生徒が、カメラを構えながら驚異的なクオリティの劇伴を口で奏で始める。
「な、なんですかここ……! 僕、帰ります!」
「待って乾くん!」
九条と呼ばれた男子が、すがるような目で梓砂の袖をガッチリと掴んできた。
その目は笑っていない。
「行かないで……僕を置いていかないで…あ゙の゙子゙み゙だい゙に゙、゙僕゙を゙一゙人゙に゙じな゙い゙で゙…゙…゙ッ゙!゙」
「重い重い重い! 初対面の僕にぶつけるトラウマの癖が重すぎる!!」
「素晴らしいリアリティだ九条! 乾くん、君が来ないと我が『日常ドラマチック化部』が完結しないんだ。さあ、部室へ行こう!」
断るタイミングを完全に見失い、九条の重い愛(?)に腕を掴まれながら、ずるずると引っ張られていく梓砂。
(嘘だろ……なんで下校しようとしていただけなのに……助けてくれ……!)
連行された先は、特別棟の奥深くにある物置同然の元・視聴覚室だった。
乱雑に積まれたパイプ椅子と、なぜか部屋の真ん中に鎮座するレフ板。
梓砂が呆然と立ち尽くす中、部長の神宮寺は満足げに腕を組んだ。
「ようこそ、我が『日常ドラマチック化部』へ! さあ乾くん、記念すべき第一回の主題を発表しよう。テーマは――『放課後、隣の席の女子に消しゴムを借りる』だ!」
「……は? 消しゴム?」
「そうだ! 地味な日常にこそ、最高のドラマが潜んでいる。……九条、例のブツを」
陰気な顔をした九条が、恭しく差し出してきたのは……ごく普通の白い消しゴムだった。
ただし、なぜか新品なのに斜めにカッターで切られ、謎の哀愁を漂わせている。
「乾くん……これ、僕が中学の時……好きだった子に借りて、結局返せなかった消しゴム……(切断済み)」
「重い!! なんで思い出の品をカッターで加工して保存してるんですか!?」
「いいぞ九条、過去の未練が素晴らしい小道具を生んだ! さあ乾くん、美咲を相手に『すみません、消しゴム忘れちゃって……借りてもいいですか?』と声をかけるんだ!」
言われるがまま、梓砂はカメラを構える美咲の前に立った。
胃の痛みをこらえ、引きつった笑顔で声をかける。
「あの……花咲先輩、消しゴム借りてもいいですか……?」
「――カット! ダメだ、全然なってない!」
神宮寺が容赦なく手を叩いた。
「声に甘えがない! 美咲、効果音で感情を補強してやれ!」
「任せて。――ジャ~ン♪(※切ないピアノの音色)……チャララ~ン(※初恋の予感風)」
「さらに風だ! 九条、強で入れろ!」
ブオオオオオン!!
巨大扇風機が唸りを上げ、狭い部室に暴風が吹き荒れる。
梓砂の前髪はオールバックになり、目も開けられない。
「痛い痛い! 風が強すぎて目が乾く!!」
「耐えろ乾くん! そこで指先が消しゴムに触れた瞬間、恋が生まれるんだ!」
「……でも」
不意に、扇風機のスイッチを握る九条がボソッと呟いた。
「指先が触れたって……どうせ最後は『重い』って捨てられるんだ……触゙れ゙合゙え゙ば゙触゙れ゙合゙ゔぼど゙、゙別゙れ゙が゙辛゙ぐな゙る゙だ゙げな゙ん゙だ゙よ゙…゙…゙っ゙!゙」
「九条先輩、感情移入の方向性が不穏すぎる!! 扇風機止めて!!」
「美咲! 音をもっとドラマチックに上げろ!」
「――**ドギュゥゥン!!**(※衝撃の展開の音)」
荒れ狂う暴風、口で奏でられる壮大なBGM、そして過去のトラウマで半泣きになりながら扇風機を回し続ける先輩。
混沌(カオス)の渦中で、梓砂の限界がやってきた。
**「――いい加減にしてください!!」**
怒声が狭い部室に響き渡り、暴風と奇妙な効果音がピタリと止まる。
「九条先輩! トラウマを思い出して泣くならまず扇風機を止めてください! 目に入った砂でこっちが本気で泣きそうです! それに部長、消しゴム貸すだけで全米が泣く映画みたいな演出いりません! 貸すか貸さないか、それだけです!」
一気に言い放ち、肩で息をつく梓砂。
あまりの剣幕に、さっきまで暴走していた先輩たちが呆然と固まった。
「……すごい」
沈黙を破ったのは神宮寺だった。その目は輝いている。
「見たか九条、美咲! 今の乾くんの『現場を仕切る圧倒的主導権』! まるで現場監督のような存在感だ!」
「……うん。怒られたけど……なんか、見捨てられてない感じがして……悪くないかも……」
「乾くん、今のツッコミに合わせて『ズビシッ!』って効果音入れると映えるよ! もう一回言って!」
「要求しないでください!!」
頭を抱える梓砂。
しかし、この瞬間、部室のパワーバランスが決定した。
「はぁ……もういいです。やるならちゃんとやりますから、僕の指示に従ってください」
「「「な、なに……!?」」」
「まず扇風機は『弱』! 九条先輩、泣かない! 花咲先輩、BGMは主張しすぎない控えめなやつ! 部長は黙って見てて!」
流されやすく押しに弱い性格のはずだった。
しかし、目の前で繰り広げられるカオスに耐えかねた結果、新入生の梓砂が「暴走する先輩たちを力技でまとめる苦労人監督」のポジションに収まってしまったのだ。
「いいですか、消しゴムを渡すっていうのはこういう普通のでいいんです……『あ、はいどうぞ』。これだけです!」
「「「おおおっ……!!」」」
「なぜ感動してるんですか!?」
こうして、乾 梓砂の「振り回されながらも仕切ってしまう」不憫な日常が、本格的に幕を開けたのだった。
**第二章:購買の限定焼きそばパン争奪戦**
第一章で不本意ながら「監督」に就任させられた乾 梓砂(いぬい あずさ)の日常は、まったく平和にならなかった。
それどころか、昼休みという最も穏やかであるべき時間すら、この部活にとっては命がけの「現場」と化していた。
「――いいか乾くん、これが我々の主食であり、魂の象徴だ!」
神宮寺部長が、黒板にドーンと下手くそなパンのイラストを描いた。
「『購買の限定プレミアム焼きそばパン』! 1日限定5個! 4時間目の終了チャイムと同時に校内全生徒が一斉に押し寄せる、まさに戦場! この日常の壮絶な泥臭さを、我々は最高のドラマに昇華させなければならない!」
「いや、ただパン買いたいだけですよね?」
梓砂はパイプ椅子に深く腰掛け、頭を抱えた。
「普通に走って行って買えばいいじゃないですか」
「甘い! 甘いぞ乾くん!」
神宮寺がバッと振り返り、梓砂を指差す。
「ただ走るだけでは視聴者――いや、全校生徒の心が動かん! スローモーション、焦燥感、そしてライバルとの交錯! これらが噛み合って初めて、パンひとつの価値が跳ね上がるんだ!」
「……乾くん」
すっと横から影が差した。
九条先輩が、どこから出してきたのかストップウォッチと謎のメモ帳を差し出してくる。
「これが過去3年分の……購買へ続く階段の混雑データ……と、僕の血と涙の記録……」
「血と涙ってなんですか」
「僕……昔好きだった子に『焼きそばパン買ってきて』って言われて……必死で走って買ったのに……『遅いからもう別の男子に買ってきてもらった』って言われて、パン突っぱねられたんだ……」
「だから重い!! なんで全部のトピックにドン引き失恋エピソードが紐付いてるんですか!?」
「……だから僕は、パンを見るだけで……胸が締め付けられる……ッ(涙)」
「泣かないで九条先輩! 過去は忘れて! ほら、ストップウォッチ渡すから時間測ってください!」
梓砂が慌ててなだめると、九条は「うう……乾くん優しい……見捨てないでね……」と呟きながら、涙を拭ってカチカチとボタンを押し始めた。
「美咲先輩! パンを巡る疾走感のBGM用意してください!」
「任せて乾くん! ――**デレレレレレ! テンテテテン!**(※緊迫のサスペンス風)」
「よし、完璧だ。部長、指示通りに走ってください! 風速は扇風機『弱』で再現します!」
「ふっ……見せてやろう、我が走りを!」
神宮寺が部室の扉を開け、廊下を大げさなスローモーションで走り出した。
髪を激しくなびかせ(九条が横で扇風機を持って並走)、流れる汗(美咲が霧吹きで吹きかけ)、緊迫した音楽(美咲の口演奏)が鳴り響く。
「乾! 目の前にライバルが現れたぞ! どうする!?」
「『あだち先輩に先を越される!』って焦ってください!」
「うおおおお! あだちぃぃぃ!!」
神宮寺が迫真の表情で叫ぶ。
「カット!!」
梓砂が手を叩いた。
「今の表情、完璧です部長! でも声がデカすぎて隣のクラスの先生に怒られるので、声量は抑えてください!」
「……見事な指示だ乾くん。実に的確だ……!」
あんなに嫌だったはずなのに、気づけばテキパキと現場をコントロールしてしまっている自分に、梓砂は深い溜め息をついた。
(僕……なんでこんなに馴染んじゃってるんだろう……)
**第三章:テスト返却の絶望と空回りする恋**
期末テスト返却の日。
部室に漂っていたのは、重苦しい沈黙だった。
「……終わった」
神宮寺部長が、机に突っ伏していた。手元にあるのは、真っ赤な赤点が躍る数学の答案用紙だ。
「この私が……数学28点だと……? これでは美咲に『頭の悪い男』だと思われる……ッ!」
「誰もそんなこと思わないですよ……」
梓砂があきれ顔で自分の答案(78点)をカバンにしまう。
「テーマは決まったな、乾くん! 次は『絶望の赤点を隠しながら、好きな女子にカッコつける瞬間』だ!」
「自分の個人的なピンチを部活のテーマに昇華させないでください」
「いいから付き合え! 美咲、カメラを構えろ!」
神宮寺は答案用紙を背中に隠し、美咲の前に立った。
キザな笑みを浮かべ、低音ボイスを響かせる。
「ふっ……美咲。テストなんてものは、人生のほんの通過点に過ぎないと思わないか?」
「そうだね部長! ――ズババーン!(※ドラマチックなギターの音)」
「君が望むなら、私はこの答案を歴史の闇に葬り去ってもいい……」
神宮寺の必死のアピール。
しかし、美咲はキラキラした目でカメラを回しながら、まったく明当違いな反応を返した。
「すごいよ部長! 答案を隠す時の肘の角度、めちゃくちゃサスペンス感出てる! BGMもっと重くするね! ――**ドォォォン!!**」
「……そこじゃない、美咲……」
神宮寺が白目を剥いて倒れかけた。
完全に意図が伝わっていない。片思いのすれ違いが酷すぎる。
「あの、部長……かわいそうですけど、美咲先輩には1ミリも伝わってないです」
梓砂がそっと耳打ちする。
「……知っている……乾くん、慰めてくれ……」
「はいはい、よしよし。九条先輩、落ち込んでる部長に何か温かいものでも……って、なんで九条先輩まで暗い顔してるんですか!?」
部屋の隅で、九条が真っ黒な画用紙をハサミでチョキチョキと刻んでいた。
「……僕も、中学の時……テストの点が悪くて……好きだった子に『もっと勉強できる人がいいな』って言われて振られたから……」
「トラウマの引き出しが多すぎるだろこの人!!」
絶望する部長、トラウマで自傷的アートを始める九条、ノリノリで爆音BGMを奏でる美咲。
「ああもう! 全員落ち着いてください!!」
梓砂の怒号が再び部室に響き渡った。
「部長は補習を受けてください! 九条先輩はハサミを置く! 美咲先輩は一回静かに! 僕がテスト用紙のカッコいい隠し方のお本せせせ(噛んだ)……手本を見せますから!!」
「「「おおおっ……!!」」」
やっぱり、この部活の舵をとっているのは自分なのだと、梓砂は諦めとともに悟るのだった。
**第四章:文化祭出展の危機と、小さな絆**
季節は巡り、秋。
校内がどこか浮き足立つ文化祭の前月、重大な危機が部を襲った。
「……廃部、ですか?」
生徒会室から戻ってきた神宮寺の顔は蒼白だった。
「ああ……『実績のない謎の部活に教室を割り当てる余裕はない。文化祭のステージ発表で全校生徒を満足させられなければ、即刻廃部』と告げられた……」
「えっ……じゃあ、部活なくなるんですか……?」
梓砂は一瞬、胸がスッとするのを感じた。
(これで……あのカオスな毎日から解放される……! 平和な日常が戻ってくる……!)
そう、思ったはずだった。
しかし、ふと部室を見渡すと、九条が今にも消えそうな顔で震えていた。
「……そっか。やっぱり僕たちの部活なんて、いらなかったんだ……あの子が言った通り、僕のやることは全部無駄なんだ……」
「九条くん……」
美咲も、いつも元気に鳴らしていた口BGMを止め、寂しそうにカメラを見つめている。
神宮寺は深々と頭を下げた。
「すまん、乾くん。君を巻き込んでおいて、こんな結果になってしまって……君はもう、解放されていいんだぞ」
沈黙が部室を包む。
梓砂は、自分の手を見つめた。
あんなに嫌だった。
強風を吹き付けられ、変なBGMを聞かされ、重すぎるトラウマをぶつけられ、毎日胃が痛かった。
――でも。
(なんでかな……ここで終わるの、めちゃくちゃムカつくな)
梓砂は大きく息を吸い込み、パイプ椅子を勢いよく引いて立ち上がった。
**「――何諦めてるんですか、部長!!」**
全員が弾かれたように梓砂を見た。
「実績がないなら作ればいいでしょ! 全校生徒を満足させればいいんでしょう!? 頼むから勝手にしんみりしないでください! 似合わないです!」
「乾くん……?」
「九条先輩! あなたの脚本と小道具は無駄なんかじゃないです! クセが強すぎて重いだけです! 美咲先輩の音だって本物だし、部長の顔と無駄な情熱だけは唯一の取り柄なんですから!」
「最後、褒めてるか!?」と神宮寺がツッコむが、梓砂は止まらない。
「僕が監督です! 僕の指示通りにやれば、絶対に廃部なんてさせません! 文化祭のステージ、全員で大爆破……じゃなくて大成功させますよ!!」
しばしの静寂のあと。
九条の目に、光が宿った。
「……うん。乾くんがそこまで言うなら……僕、命がけで脚本書くよ……!」
「乾くん……! 私、最高の音を出すね! ――**ジャジャーン!!**(※決意のファンファーレ)」
「ふっ……言ってくれるじゃないか、新入生」
神宮寺が涙を拭い、ニッと不敵に笑った。「よし、我が日常ドラマチック化部、最後の戦いに挑むぞ!!」
こうして、まとまりのなかった4人の心が、ひとつの熱狂へと束ねられたのだった。
**第五章:文化祭本番――奇跡のステージ**
文化祭当日。体育館のステージ裏。
超満員の全校生徒のザワめきが、幕の向こうから聞こえてくる。
誰もが「あの変な部活が何をやるんだ?」と半信半疑の野次馬根性で集まっていた。
「みんな、準備はいいですか」
衣装(※普通の制服)を着た3人を前に、梓砂がインカム風のインコを耳に装着(気分だけ)して問いかける。
「九条先輩、扇風機のコンセントは?」
「……ばっちり。強風モードのリミッター、解除してある……」
「解禁しないでください怖いから! 美咲先輩、マイクの準備は?」
「いつでもいけるよ! 腹筋のウォームアップ完璧!」
「部長、顔の仕上がりは?」
「最高だ。いつでもイケメンだ」
「よし。テーマは――『遅刻しそうな女子生徒と、曲がり角でぶつかるあの瞬間』。……開演です!」
ブザーが鳴り、幕が上がった。
ステージ中央に立つのは神宮寺。
食パン(※スポンジ製の小道具)を口にくわえ、大真面目な顔で走り出す。
「大変だ! 遅刻遅刻~!」
観客席から「ぶっ」「ベタすぎるだろ」と小さな笑いが漏れる。
しかし、ここからが「日常ドラマチック化部」の真骨頂だった。
「美咲先輩、音入れ!」
「――**ドキュゥゥゥン!! テンテケテンテン……**(※超ハイレベルな疾走BGM)」
マイクを通した美咲のリアルすぎる口演奏が体育館中に響き渡り、観客が「えっ、あの音全部口で出してるの!?」とザワつき始める。
「九条先輩、風!」
**ブオオオオオオン!!**
ステージ袖から繰り出された特大の風が、神宮寺の髪と制服を劇的にたなびかせる。
まるでハリウッド映画のワンシーンのような重厚なスローモーション演出!
「おおおおお!!?」「なんかスゲぇ!!」
観客席からどよめきと歓声が上がった。
ただの「食パンをくわえて走る男」が、圧巻の音と風によって、誰も目を離せない超大作サスペンスへと変貌していく。
神宮寺が角を曲がる。そこへ、美咲演じる女子生徒(のパネル)が登場する――はずだった。
その時。
「……あ」
扇風機を回していた九条が、ステージの照明を浴びて、急に顔を青ざめさせた。
「大勢の視線……みんなが僕を見ている……。そういえば……中学の文化祭でも、僕、失敗してみんなに笑われて……あの子に『恥ずかしいから近寄らないで』って言われたんだ……っ」
(ヤバい!! トラウマスイッチが入った!!)
袖で見ていた梓砂の背中に冷や汗が流れる。
九条の手が震え、扇風機の風向が明後日の方向を向き始めた。
演出が崩れる!
「う……うわああああん! 僕なんて……僕なんて生きてたってぇぇ!!」
九条が半泣きでステージ中央へ走り出してしまった。
大混乱する観客席。「え、演出?」「事故?」
神宮寺も焦る。「く、九条!? アドリブか!?」
このままでは台無しになる。
廃部だ。
梓砂は歯を喰いしばり――マイクをひったくると、自らステージへ飛び出した!
**「――九条先輩!! 何ステージの真ん中でトラウマ撒き散らしてるんですか!!」**
**ズビシッ!!**(美咲が瞬時に完璧なツッコミの効果音を入れる)
観客席からドッと爆笑が起きた。
「乾くん……っ! 僕、やっぱりダメなんだ……!」
「ダメじゃないです! 先輩が今まで作ってきた小道具も、書いた脚本も、全部最高でしたよ! 過去の女の暴言なんかに負けてんじゃないです!!」
「乾くん……(じーん)」
「ほら、扇風機をこっちに向ける! 部長、倒れ込む準備! 美咲先輩、クライマックスのBGM!!」
**「「「はいっ!!」」」**
梓砂の怒涛の監督指示(ツッコミ)により、崩れかけたステージが一瞬で軌道修正された!
九条が気迫の表情で扇風機を構え直し、猛烈な暴風が吹き荒れる!
美咲が全霊をかけた「壮大な愛のテーマ」を口で歌い上げる!
神宮寺が渾身のドヤ顔で、すれ違いざまに食パンを差し出す!
**ドギャァァァァン!!**(決まり音)
……静寂。
そして――
**ワアアアアアアアアアアアアアアッ!!!**
体育館が揺れんばかりの大歓声と割れんばかりの拍手が、ステージに降り注いだ。
ただの日常動作を、圧倒的な熱量と謎のチームワークでエンターテインメントに昇華させた4人に、全校生徒が立ち上がって拍手を送っていた。
「や……やったのか……?」
神宮寺が呆然と呟く。
「乾くん……僕、褒められた……? みんなに拍手されてる……?」
九条が涙をボロボロとこぼした。
「乾くん! 最高のライブだったよ! パシャパシャ!」
美咲が笑顔でカメラを向ける。
梓砂は、肩の力を抜き、ステージの真ん中で深々と溜め息をついた。
(まったく……本当に、胃が痛い部活だ……)
けれど、その口元は、微かにほころんでいた。
**終章:日常は続いていく**
文化祭は大成功を収め、生徒会からも「謎の感動があった」として正式に部活動として承認された。
数日後。夕暮れ時の部室。
黄昏時のオレンジ色の光が差し込む中、梓砂は一人でパイプ椅子を片付けていた。
「ふぅ……なんとか生き残っちゃったな」
静かな部室。
これから先も、あの騒がしい毎日が続くのだと思うと、溜め息が出そうになる。
けれど、最初の頃のような「嫌だ」という気持ちは、不思議と消えていた。
「目立たず、平和に過ごす」という高校生活の計画は完全に崩れ去ったけれど……まあ、悪くないのかもしれない。
ガチャリ、と部室のドアが開いた。
「やあ、乾監督!」
神宮寺部長が、相変わらず無駄に爽やかな笑顔で入ってくる。
「乾くん……今日の放課後の指導案、書いてきたよ……捨てないで読んでね……」
九条が、ちょっとだけ晴れやかな(でも相変わらず重い)顔で続く。
「乾くん! 今日のBGMの新曲、練習してきたよ! ――チャララ〜ン♪」
美咲がカメラを構えてパシャリと音を鳴らした。
梓砂は振り返り、呆れたように、でもどこか嬉しそうに腰に手を当てた。
「……で、今日のテーマは何なんですか?」
神宮寺がニッと笑い、黒板に大きく文字を書いた。
『雨の日に、そっと置き傘をしていく男』
「よし、九条! 水鉄砲で雨を再現しろ! 美咲、しっとりとしたジャズだ! 乾くん、指示を!」
「……はいはい。九条先輩、水は僕にかけないでくださいね。美咲先輩、音量は控えめで。部長、行くぞ!」
**「「「サー、イエス・サー!!」」」**
ドタバタと賑やかな音が、夕暮れの校舎に響き渡る。
流されやすい新入生・乾 梓砂の、最高にくだらなくて、最高にドラマチックな日常は――まだまだ始まったばかりだ。
(【日常ドラマチック化部へようこそ】・完)
『日常ドラマチック化部へようこそ』を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
いやぁ……梓砂くん、本当にお疲れ様でした(笑)。
最初は「目立たず平和に」なんて言っていた彼ですが、気づけば一番声を張り上げ、部をまとめ上げる名監督になってしまいましたね。
人間、極限状態(カオス)に置かれると隠れた才能が花開くのかもしれません。
このお話を書いている時、私自身も「日常のくだらない一コマ」をいかに大げさに描写できるか試行錯誤していて、ずっとニヤニヤが止まりませんでした。
消しゴムを借りるだけで暴風が吹き荒れ、焼きそばパンを買うだけでサスペンスになり、テストの点数を隠すだけでドラマになる。
……冷静に考えると全員かなりヤバい奴らなのですが、どこか憎めない愛おしさを持った4人組になれたかなと思っています。
文化祭を乗り越えて絆(?)が深まった日常ドラマチック化部ですが、彼らの「無駄に熱い日常」はこれからも続いていきます。
雨の日の置き傘、体育祭のフォークダンス、修学旅行の部屋班決め……
まだまだドラマチック化できる日常は山積みです!
もし「この日常シーンもドラマチック化してほしい!」というリクエストや、読んだ感想などがありましたら、ぜひ教えていただけると嬉しいです。
最後に、最後まで梓砂たちの暴走に付き合ってくださった読者のみなさま、心からの感謝を申し上げます!(長い……)
また次の「現場」でお会いしましょう!
byアユト (くそっ、一万字に届かなかった………)
『ダンジョン運営も楽じゃない!』
どうも!このアカウントの影の支配者(予定)兼、今日も一人で執筆中のアユトです!
今回は完全新作!
『ダンジョン清掃・保守管理課の朝は遅い(嘘)』をお届けします!(⑉>ᴗ<ノノ゙✩:+✧︎⋆パチパチ
華やかな冒険者の裏で、胃を痛めながらエンタメ空間(ダンジョン)を作り出している裏方さんたちのお仕事コメディです(笑)。
『俺って天才!』って悦に入ってる冒険者と、裏で泥臭く駆け回る整備員たちの温度差を楽しんでいってください!
Atono「……ねぇアユト、これタイトルに『(嘘)』って入ってるけど、朝早いの?」
アユト「ブラックだから超早出だし超サービス残業だよ!!」
それでは、裏方の苦労が詰まった第1話へどうぞ!(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾*•.¸¸♡
**『ダンジョン清掃・保守管理課の朝は遅い(嘘)』**
松明のほの暗い光が、濡れた石造りの壁を怪しく照らし出していた。
「――待て。みんな、足を止めろ」
パーティーのリーダーである剣士・レオンが、張り詰めた声で静止をかける。
彼が指さした先、石畳のわずかな凹凸を見つめ、仲間たちがゴクリと息をのんだ。
「ふっ……甘いな。この不自然な床の沈み込み……矢が飛び出す感圧式のトラップだな?」
「さすがレオンさん! 私、全然気づかなかった……!」
「フッ、ダンジョンの罠師め。俺たちの目を誤魔化せると思うなよ!」
レオンは腰の剣を軽く叩くと、華麗なステップで危険地帯を軽々と飛び越えてみせた。
続いて仲間たちも慎重に罠を回避し、奥の扉へと進んでいく。
「今日も無傷でダンジョン攻略達成だな!」という誇らしげな高笑いが、通路の奥へと消えていった。
**――30秒後。**
「……行ったか?」
「はい、角を曲がりました! 完全に気配消えました!」
静まり返った通路の壁が、突如として『ガラガラガラ』と音を立てて横にスライドした。
現れたのは、つなぎの作業着に安全ヘルメットをかぶった二人組。
手には万能レンチと魔法のスコップ。
そして胸元には『株式会社ダンジョン・マネジメント 現場維持管理課』のIDカードが光っている。
新人社員のルークは、頭を抱えて叫んだ。
「先輩! だから言ったじゃないですか! 『初級冒険者向け通路』にレベル3の感圧罠は分かりやすすぎるって! 普通にスルーされましたよ!?」
「うるさいわね! 最近の新人冒険者がネットの攻略wiki見すぎなのよ!」
ベテラン整備員のヴェロニカ先輩が、作業着の袖をまくり上げながら悪態をつく。
「いい、ルーク? 私たちの仕事は冒険者を殺すことじゃない。『うわっ危ねぇ!』っていうスリルと『俺って天才!』っていう快感を提供して、笑顔で帰すことなの! 今日のあのパーティー、あのままだと『今日のダンジョンぬるくね?』ってレビューサイトに☆1評価書くわよ!?」
「うぐっ……顧客満足度(CS)の低下は今月のボーナスに響く……!」
「分かったら急ぐわよ! あいつら、次は5分後に『岩ゴロゴロエリア』に到達する! ルーク、裏の搬入用エレベーターから200キロのダミー岩運んで! 手押しで!」
「200キロ!? 魔法で運んじゃダメなんですか!?」
「この階層は魔力感知型のモンスターがいるから魔法厳禁! 筋肉使いなさい、筋肉!」
「求人票に『アットホームな職場で体力に自信がない方も安心』って書いてあったのにぃぃぃ!!」
ルークは悲鳴を上げながら、裏通路へと猛ダッシュを開始した。
「ハァ……ハァ……! 重い、重すぎる……っ!」
ルークは搬入用の台車をがむしゃらに押し、裏通路を爆走していた。
上に乗っているのは、ポリウレタンと微量の軽量化魔法で作られた「特製ダミー岩(重量200キロ)」。
当たっても怪我はしないが、見た目はどう見ても命を奪いにくる大岩そのものだ。
「ルーク、遅い! あと三十秒であいつらがエリアに入るわよ!」
「無茶言わないでください! これ、坂道なんですよ!?」
傾斜三十度のキャットウォーク(作業用通路)を駆け上がり、岩転がしトラップの「発射口」へと滑り込む。
壁の覗き穴から下を見下ろすと、先ほどの冒険者パーティー(レオンたち)が、ドヤ顔を崩さないまま「岩ゴロゴロエリア」の入口に足を踏み入れるところだった。
「よし、間に合った……! レオンたちが特定のステップを踏んだら、手動でこのレバーを引いて岩を落とすわ!」
ヴェロニカがレバーに手をかけ、息を潜める。
しかし、覗き穴を覗いていたルークが血の気を引かせた。
「せ、先輩……大変です! あのパーティーの魔法使いの女の子、靴ひも結び直してます!」
「はあ!? なんで今!? じゃあ先頭の剣士だけ先に進んじゃうじゃない!」
「このままだと、剣士ひとりだけ岩に追われて、後ろの仲間が取り残されます! 連携プレイの見せ場が作れません!」
「チッ、これだから素人は……!」
ヴェロニカは素早くインカムのスイッチを入れた。
『こちら現場維持管理課! 5階層・Bルートの「発光キノコ」の光量を10%下げて! あいつらの視界をちょっと悪くして、歩調を合わせさせるわよ!』
『了解、調光しまーす』
ダンジョンの天井に生えたキノコが一瞬だけほの暗くなる。
「ん? ちょっと暗くなったな……みんな、離れるなよ」と、先頭のレオンが足を止めた。
その隙に、靴ひもを結び終えた魔法使いが合流する。
「よし、今よ! ルーク、レバー引いて!!」
「うおおおーっ!!」
ルークが渾身の力でレバーを引くと、ガコン!という重厚な音が響き、200キロのダミー岩が傾斜を転がり落ちていった。
『ゴロゴロゴロゴロ……!!』
「な、なんだこの音は!?」
下からレオンの焦った悲鳴が聞こえてくる。
「出たな、大岩トラップ! みんな、走れぇぇぇ!!」
「キャー! 追いつかれるー!」
絶叫しながら一列になって全力で逃げ出す冒険者たち。
彼らがぎりぎりのところで横穴へ飛び込むと、ダミー岩は『ズシーン!』と壁に激突し、派手な音を立てて砕け散った(破片は数分後に自動消滅する仕様だ)。
覗き穴からその光景を見ていたルークとヴェロニカは、はぁ……と深い溜息をついてその場にへたり込んだ。
「……逃げ切れましたね」
「ええ。ハラハラ感演出成功、怪我人ゼロ。満点のアクションシーンを提供してあげたわ」
直後、下の通路からレオンの声が響いてきた。
「ハァ……ハァ……間一髪だったな! だが……最高にシビれる冒険じゃないか!」
「さすがレオンさん! あの判断力、痺れました!」
「ふっ、これだからダンジョン攻略はやめられないぜ!」
ハイタッチを交わし、満足気な笑顔で奥へと進んでいく冒険者たち。
「……喜んでくれて何よりです」
ルークは疲れ果てた顔で微笑んだ。
「さ、余韻に浸ってるヒマはないわよルーク。次は8階層のボス、大蜘蛛(ビッグスパイダー)の糸の補充と、ついでに巣の掃除に行くわよ!」
「えっ、あの巨大な蜘蛛の巣をですか!? 手で払うんですか!?」
「当たり前でしょ! はい、コロコロ持って!」
「求人票の『快適な職場環境』ってこういう意味じゃなーーーい!!」
ルークの叫び声が、ダンジョンの裏通路に虚しくこだましたのだった。
(第1話・完)
最後まで読んでくれてありがとうございます!アユトです!
200キロのダミー岩を手押しで運ばされるルーク、不憫すぎて最高ですね(笑)。
冒険者に最高のスリルと「俺ってすごーい!」を提供するために、裏では調光したり岩運んだりコロコロかけたり……ダンジョン運営も楽じゃない!
アユト「いや〜、レビューサイトの★1評価を恐れるダンジョン運営、リアルで良くない!?」
Atono「めちゃくちゃ裏方の苦労が滲み出てて笑ったわ。で、アユトはいつコロコロ持って掃除行くの?」
アユト「行かないよ!? 原稿を書くという重労働(200キロの岩並み)をしてるんだから!!」
(楽しく書かせてもらってるからね!責任なんてあんまないからね!労働でもないよ!話の流れ的にね…)
Atono「はいはい、お疲れ様( ˙-˙ )」
……というわけで、
「裏方組がんばれ!」「☆5評価してあげたい!」と思ってくださった方は、ぜひ感想をいただけるとめちゃくちゃ励みになります!
次回もお楽しみに〜!✨(未定)
推しが専属看守なんて! …最高じゃん!
どうも!作者のアユトです!(いい加減、Atonoかいてくれないかな〜〜〜〜〜〜〜〜〜)
人生とにかくノリで生きている人間なんですが、先日ぼーっと上の空で過ごしていたら突然「地下牢に推しが看守として降臨したらヤバくない?」という思いつきが脳内を駆け抜け、勢いだけで一気に書き上げてしまいました。
絶望の復讐劇……のはずが、推しの顔面と低音ボイスに脳内大オーケストラを鳴らし始めるヒロインの暴走劇です。
ノリとテンションには自信があるので、この雰囲気にピンと来た方はぜひ一緒に盛り上がっていってください!
**第1章:絶望の底に降臨した「誠実なる最推し」**
「――おい、囚人番号405。立て」
鉄格子を叩く冷ややかな金属音。
地下牢の冷たい石床の上で、私は静かに目を開けた。
(……はぁ。冷たい、痛い、暗い。最悪の住環境ね)
元・エルハート伯爵令嬢にして、パーティーの盾を務めていた私、セレナ・エルハート。
仲間の裏切りと身に覚えのない大罪の濡れ衣によってすべてを奪われ、この地下牢へぶち込まれた。
(元婚約者の奴、よくもやってくれたわね……。あーあ、令嬢っていうあの窮屈で堅苦しい生活から抜け出したくて、身分を隠して冒険者になったまでは良かったんだけどなぁ)
膝を抱えながら、自分の甘さを噛み締める。
(剣を振るのが楽しすぎて冒険に没頭しすぎたのが完全に裏目に出たわ。あいつが裏でコソコソ私の実家や領地に良からぬ手を回してることにも気づかないで……! 自分のパーティーメンバー(仲間)だと思ってた奴らまであいつに買収されてただなんて、マジで見る目がなさすぎた。もう誰も信じない。全員地獄に引きずり落としてやる……!)
ドロドロとした憎悪と反省で胸を焦がしていた――はずだった。
「……囚人番号405。聞こえているか」
ランタンの仄暗い光の向こう。そこに佇んでいたのは、隙のない黒の制服を纏った青年だった。
黒髪の短髪、氷のように透き通った切れ長の瞳、すっと通った高い鼻筋。
(――――ッ!?!? 待って、えっ、うそでしょ!? ヴォ、ヴォルク様……ッ!?!?)
脳内でファンファーレどころか大オーケストラが爆音で鳴り響く。
(なんで!? なんでここにヴォルク様がいるの!? 前世でブラック企業の過酷すぎる地獄残業に押し潰されそうだった私を救ってくれた、あのソシャゲの最推し「ヴォルク様」そのものじゃん!!)
思い出すだけで目頭が熱くなる。
(甘い言葉なんて一言も吐かないのに、「お前の背中は私が守る」って言ったら死んでも約束を守り抜いてくれた、圧倒的な誠実さと強さ……! 完凸するまで全財産注ぎ込んで本当に良かった……!)
「……おい、なぜ拝んでいる」
「(生き返る……! 呼吸ができる……! 顔面が国宝なのは当然として、言葉を一切飾らないその圧倒的にドライな雰囲気までヴォルク様そのもの……! 感謝……! 世界の奇跡に圧倒的感謝……! 生きててよかった……ッ!)」
「気味が悪いな。私は今日からお前の専属となったカイルだ。あらかじめ言っておくが、お前が伯爵家の令嬢であることは把握している。勘違いするな、お前を監視するのが私の仕事だ」
(は???? 業務連絡の低音ボイスが良すぎて鼓膜が幸福死したんだけど???? しかも私が令嬢だってことまで調べ上げた上で「仕事」としてドライに割り切ってるの?? 誠実の塊か???)
「はいっ! 完璧な業務遂行、心よりリスペクトいたしますカ、カイル様!!」
「……チッ、馴れ馴れしく話しかけるな。私はお前の看守であって、話し相手ではない。大人しくしていろ」
(そう冷酷に言い捨てると、即座に背を向けて立ち去る)
「(冷淡! 無慈悲!! 囚人との馴れ合いを一切拒絶する完璧な線引き!! 最高の看守です!!!)」
「(マントの翻り方が重力まで計算され尽くした美しさ!! 低音の舌打ちの余韻だけで硬いパンが三つ星フレンチに変わります!!! ありがとうございます!!!!!)」
(復讐? 絶望? 知るかそんなもん!! 最高の推しという名の自家発電を得た私が、作画満点の推し(カイル様)を眺めながら完璧な復讐劇を見せてあげるから待ってなさいよ裏切り者ども!!)
第1章、最後まで読んでいただきありがとうございます!
ちょっと読者のみなさんを「えっ、何この温度差……?」と困惑させるような怒涛の展開でお届けしましたが、楽しんでいただけたでしょうか?(笑)
復讐の炎よりも推しの尊さが完全に勝っているセレナですが、ここからも「ノリと勢い」を最優先に、裏切り者たちをドタバタと地獄に叩き落としていく予定です!
「このノリ嫌いじゃないぞ」「なんかちょっと面白いじゃん」と思ってくださったノリの良い方は、感想を残してもらえるとテンションが上がって更新速度が跳ね上がります!
それでは、また次の話でお会いしましょう!
小説ってなんだろうね
【主要キャラクター】
主人公: 本が大嫌いな中学生。時間割の「読書の時間」が苦痛で仕方ない。
図書室の主: 本の面白さを押し付けず、静かに見守ってくれる人物。
【あらすじ】(このまんま、本編にも出てくる)
「漢字を覚えるためには、小説読んだほうがいいよ」
国語の先生の言葉に、僕は心の中で大きくため息をついた。
時間割に組み込まれた、逃げ場のない「朝の読書時間」。周囲が静かにページをめくる中、僕の頭にあるのは「つまんない」「早く終わらないかな」ということだけ。文字の羅列を眺めるだけの15分間は、苦痛でしかなかった。
ある日、適当に図書室の棚から取った薄い一冊を机に置いていた時のこと。
隣の席のやつ(あるいは図書委員)が、僕の開いたままのページをちらりと見て言った。
「それ、面白いの?」
「……ううん。全然。小説の何が面白いのか、さっぱり分からない」
素直すぎる僕の返事に、相手は可笑しそうにクスッと笑って、ぽつりと呟いた。
「『小説ってなんだろうね』」
「え?」
「言葉の羅列に見える時もあるし、誰かの頭の中を覗いてる気分になる時もある。ただの暇つぶしの人もいれば、お守りみたいに持ってる人もいる。——君にとっての『小説』は、まだ始まってないだけかもね」
その言葉がなぜか頭から離れず、僕はその日、初めて自分の意思でその本の「次のページ」を開いてみることにした。
そこに書かれていたのは、大層な名作でも教訓でもなく——自分と同じように「学校なんて退屈だ」と思っている、どこかの誰かのちっぽけな物語だった。
「……あ、これ、ちょっと僕に似てる」
漢字を覚えるためでも、先生に褒められるためでもない。
「ただ、この続きがどうなるのか知りたい」
そう思った瞬間、僕の中で止まっていたページが、パタリと音を立ててめくられた。
**第1章:時間割の15分**
「漢字を覚えるためには、小説を読んだほうがいいぞ」
国語の先生が教壇の上でよく口にするその言葉を、僕はいつも右から左へと受け流していた。
そんな理由で本が読めるようになるなら、苦労はしない。そもそも、僕にとって「小説」なんてものは、ただ黒い文字がびっしりと並んだ退屈な紙の束でしかなかったのだから。
僕の通う中学校の時間割には、毎朝「読書の時間」という15分間が組み込まれていた。
8時15分から30分まで。逃げ場もなく、教室にいる全員が必ず本を開いて静かにしていなければいけない、僕にとって最も苦痛な15分間だ。
もともと、本を読むのが好きではなかった。
小学生の頃から、読む機会があっても頭に浮かぶのは「面白くない」「つまらない」の一点張り。図書室の匂いも、ページをめくるサクサクという音も、どこか自分とは無関係な世界の出来事に思えた。
(あと、八分か……)
チラリと黒板の上の時計を見上げる。針の進みがやけに遅い。
僕は机の上に置いた適当な文庫本に目を落とした。昨日、図書室の棚の目立つところから内容も見ずに引っ張り出してきた本だ。
文字の羅列を目で追ってはみるものの、言葉はただ頭を滑り落ちていくだけで、物語の景色なんて一つも浮かんでこない。
はあ、と小さなため息をついた、その時だった。
「それ、面白いの?」
ひそひそ声が横から聞こえてきた。
隣の席の女子——確か、図書委員をやっている葵(あおい)さんだ。彼女は自分の本から目を離さないまま、小声で僕に話しかけていた。
「……ううん。全然」
僕も先生に見つからないよう、教科書で口元を隠しながら素直に答えた。
「小説の何が面白いのか、さっぱり分からないんだ。みんなよくこんなの毎日読めるよね」
読書好きな彼女に対して少し失礼だったかもしれない、と一瞬焦ったけれど、葵さんは怒る風でもなく、クスッと小さく肩を揺らした。
「そっか」
彼女はそこで初めてこちらを向くと、静かに僕の机の上の本を見つめ、ぽつりと呟いた。
「……『小説ってなんだろうね』」
「え?」
予期せぬ言葉に、思わず聞き返してしまった。
「文字の羅列に見える時もあるし、誰かの頭の中を覗いてる気分になる時もある。暇つぶしの人もいれば、お守りみたいに持ち歩いてる人もいる。——君にとっての『小説』は、まだ始まってないだけかもね」
キーーン、コーン、カーーン……。
ちょうどその時、朝の読書の終わりを告げるチャイムが教室中に響き渡った。
クラスメイトたちが一斉に本を閉じ、ガタガタと席を立つ。
葵さんは「じゃあね」と短く言うと、自分の本を丁寧に鞄へ仕舞い、次の授業の移動のために席を立っていった。
取り残された僕は、机の上の文庫本を見つめたまま動けずにいた。
『君にとっての小説は、まだ始まってないだけかもね』
あの静かな声が、頭の中で何度もリフレインしていた。
**第2章:言葉の居場所**
朝の読書時間が終わっても、葵さんの言葉は刺さった棘(とげ)みたいに、僕の心の中に残り続けていた。
『君にとっての「小説」は、まだ始まってないだけかもね』
始まってないって、どういうことだろう。
小説なんて、表紙をめくれば1ページ目から勝手に始まっているものじゃないのだろうか。
その日の夜。自分の部屋の机に向かい、宿題の数学ドットを終わらせたあと、僕は鞄の底から昼間の文庫本を取り出した。
図書室で適当に選んだ、青い表紙の本。タイトルは『放課後の図書室で、僕らは透明になる』。いかにも気取ったタイトルで、昨日までの僕なら絶対に手を出さないような本だ。
いつもなら絶対に家で本なんて開かない。
だけど今夜は、なぜだかその青い表紙をめくってみたい衝動に駆られていた。
パタリ、とページを開く。
昨日までは「文字の羅列」にしか見えなかった黒い記号たちが、静かな部屋の中で少しずつ意味を持ち始める。
『今日も教室のすみっこで、僕は息をひそめている。誰にも気づかれないように、誰の邪魔にもならないように。まるで自分だけが透明人間になったみたいだ』
「……え」
指がぴたりと止まった。
書かれていたのは、魔法使いの冒険でも、大昔の歴史でもなかった。
クラスの賑やかな輪に入れず、休み時間になると何となく教科書を眺めてやり過ごしている——僕と同じような、どこにでもいる男の子のつぶやきだった。
(なにこれ……僕のことじゃん)
心臓が、トクンと小さく跳ねた。
漢字を覚えるためでも、先生に怒られないためでもない。
「この後、この子は雰囲気に耐えきれなくなって教室を逃げ出すのかな」
「図書室で誰かと出会うのかな」
続きが知りたい。
もっとこの「僕に似た誰か」の言葉を読んでみたい。
気がつくと、僕は次のページ、また次のページへと夢中で紙をめくっていた。
時計の針が夜の10時を指していることにも気づかないまま。
退屈で、苦痛でしかなかった「文字」が、僕の頭の中で鮮やかな景色になって広がっていく。
あの日、葵さんが言っていた「誰かの頭の中を覗いている気分」という言葉の意味が、ほんの少しだけ分かった気がした。
**第3章:ページの向こう側**
それからの僕は、朝の読書時間が苦痛ではなくなっていた。
相変わらず「漢字を覚えるため」なんて理由はピンとこないけれど、あの青い表紙の文庫本の続きが読みたくて、チャイムが鳴ると自然と本を開くようになった。
けれど、学校生活は良いことばかりじゃない。
ある日の午後、班でのグループワークでうっかりミスをしてしまい、クラスメイトからキツイ言葉を投げかけられてしまった。悪気はなかったのかもしれないけれど、胸の奥がギュッと締め付けられるように痛かった。
部活が終わって家に帰ってからも、モヤモヤとした気持ちが消えず、何をしても心が晴れない。
(……そうだ、あの本)
僕はすがるような気持ちで、机の上の文庫本を開いた。
ページの中の主人公も、やっぱり人間関係でつまずき、傷ついて泣いていた。
でも、彼はそこで諦めずに、不器用ながらも自分の言葉で自分の気持ちを相手に伝えようとしていたのだ。
『傷つかない方法を探すより、傷ついても届く言葉を探したい』
その一行を目にした瞬間、すーっと胸の中のモヤモヤが溶けていくのが分かった。
「……そっか」
本の中の主人公が、画面の向こうから僕の背中をポンと押してくれた気がした。
ただの紙とインクでできた本なのに、今の僕にはどんな言葉よりも温かい「お守り」のように思えたのだ。
翌朝、図書室へ本を返しに行った。
カウンターには、静かに図書委員の作業をしている葵さんがいた。
僕が返却台にあの青い文庫本を置くと、彼女は僕の顔と本を見比べ、ふっと優しく微笑んだ。
「全部、読めたんだね」
「うん。……すごく、面白かった」
僕が素直に伝えると、葵さんは嬉しそうに目を細めた。
「あのさ、葵さん」
「なぁに?」
「僕、ちょっとだけ分かった気がするんだ。『小説』って、誰かの言葉が、めぐりめぐって自分の心のお守りになる場所なんだね」
僕の言葉を聞いた葵さんは、深く一度うなずいて言った。
「うん。最高の答えだと思うよ」
**第4章:開かれたページ**
季節がひとつ巡り、僕は中学二年生になった。
相変わらず時間割には「朝の読書時間」があるけれど、今の僕にとってその15分間は、一日のうちで最も待ち遠しい時間になっていた。カバンの中にはいつも、図書室で借りた一冊の本が入っている。漢字のテストの点数は……まあ、前より少し良くなったかな、というくらいだ。でも、そんなことはもうどうでもよかった。
新学期、僕は図書委員に立候補した。
あの日、僕に新しい世界を見せてくれた葵さんや図書室に、少しだけ恩返しがしたかったからだ。
ある日の放課後。カウンターで本の返却作業をしていると、本棚の前でずっとウロウロと迷っていた1年生の男子生徒が、意を決したようにこちらへ歩いてきた。手には薄い文庫本が一冊。
「……あの、すみません」
「はい、どうしたの?」
後輩は申し訳なさそうに眉をひそめながら、ぽつりと呟いた。
「朝の読書の時間用に本を探してるんですけど……正直、どれを選べばいいのか分からなくて。先生は『漢字を覚えるために小説を読め』って言うけど、つまんないし、小説の何が面白いのかさっぱり分からないんです」
昔の自分と全く同じ言葉。
まったく同じ、退屈そうで困り果てた目。
思わずくすっと笑ってしまうと、後輩は「何ですか」と不服そうに頬を膨らませた。
「ううん、ごめん。1年前の自分と全く一緒だなと思って」
僕は返却台の上に置かれた彼の本にそっと目を落とした。
「『小説ってなんだろうね』」
「え?」
「文字の羅列に見えることもあるし、遠い誰かの秘密を覗いてる気分になることもある。今の君にとっては、まだ始まってないだけかもしれない」
「始まってない……?」
「うん。でもね、いつか君の心にぴったりハマる一冊を開いてみたら——案外、悪くないよ」
後輩はぽかんと僕の顔を見た後、自分が手に持っている本へ視線を落とした。
「……僕に合う本、先輩と一緒に探してもらってもいいですか?」
「もちろん」
僕はカウンターを出て、彼と一緒に本棚のあいだへ歩き出した。
夕暮れの図書室に、柔らかい光が差し込んでいる。
世界には、まだ僕らの知らない物語が溢れている。
そして今日から始まるこの瞬間も、僕だけの特別なページのひとつなんだ。
(完)
最後まで読んでくれてマジ感謝!マジサンキュー!
ぶっちゃけ言っちゃうと、この話に出てくる主人公、昔の自分そのまんまなのよ(笑)。
昔の自分、マジで本とか無理ゲーだと思ってたわけ。学校の時間割に「朝の読書」とかいう謎の15分があってさ〜。「マジ退屈、早く終われし」って思いながら、ただ文字を目で追ってるフリして過ごしてたんよね。先生に「漢字覚えるために小説読め!」とか言われても、「は?そんなんで読むわけねーじゃん」って心の中で全力でツッコミ入れてたし!(ちょっと話盛ってるけどねw)
そんな読書大嫌いだった自分が、まさかこんな話書いて投稿しちゃうとか、マジ人生何があるか分かんねぇよね!
でもさ、誰かが書いた言葉が「あ、これマジで自分の気持ち言ってるわ……」って心に刺さる瞬間があってさ。勉強のためとかじゃなく、自分にブッササる一冊に出会えてから、自分の中で『小説』が始まったんだよね。
小説にはまった瞬間ある人教えてほしいな!
最後まで読んでくれて!
マジで…ありがとうございます!
ジャンルは…よくわかんない…(ジャンルにある種類がよくわからない)
その他になるのかな?
(強いて言うなら…実話?)