公開中
第四章 ー聞き込みと小さな違和感ー
「ちょっと待てって! 本当に裏の怪しい能力じゃねーか!」
……どうも、無頼です。
軽い気持ちで引き受けた仕事のせいで、俺の愛するぐうたら生活が音を立てて崩れ去ろうとしています。
相棒(?)の馨は怒るとめちゃくちゃ怖いし、なんだか目とか光らせちゃうし、探す相手は大名家のお嬢様で事件の匂いしかしないし……。
まあでも、前払い金を全額没収された以上、働くしかありません。
俺たちの災難だらけの人探し、ちょっと覗いてってください。
第二章 ー聞き込みと小さな違和感ー
無頼「何よその意味深な言い方……。え、もしかして馨ちゃん、実は裏の陰謀組織の情報屋だったりする感じ?」
馨「バカ言ってんじゃないわよ。私の得意分野って言ったら……『情報収集(聞き込みと張り込み術)』に決まってるでしょ! 足で稼ぐの! ……まあ、この能力のおかげもあるけど、、」
無頼「ん? なんか最後ボソッと言った?」
馨「な、なんでもないわよ! とにかく!」
馨は誤魔化すように咳払いをすると、似顔絵に視線を落とし、表情をキュッと引き締めた。
馨「……人探しには、どうしても『力仕事』が必要になる局面があるのよ。この似顔絵の女の子、着物の柄からして間違いなく『黒羽藩』の御嬢様よ。そんな大物の娘が表立って騒がれずに消えた……つまり、誘拐されたか、あるいは藩内のドロドロした家督争いに巻き込まれた可能性が高いわ」
無頼「うわぁ、急に事件の規模がでかくなったんだけど……」
馨「だからよ。裏社会の奴らやならず者とバッティングした時、私一人じゃ力押しが効かないでしょ? あんた、見た目と態度はただのヒモニートだけど……刀の扱いだけは一応立つじゃない」
無頼「一応ってなんだよ、一応って。俺の剣筋は芸術的って言われて……」
馨「はいはい自慢はいいから! ほら、立つ! 痺れが切れたならまずは聞き込みよ! あんたには私の『用心棒』兼『パシリ』として死ぬ気で働いてもらうからね!」
無頼「ええ〜……俺のぐうたら生活が音を立てて崩れていく……」
渋々立ち上がった無頼と、何か「特別な能力」を隠していそうな馨。噛み合わない二人組は、江戸の街へと繰り出した。
馨は知り合いを見つけるたびに、巧みな話術で世間話に花を咲かせ、相手の警戒を解きながら自然と噂話を引き出していく。
男1「あぁ、黒羽藩? そういやここ数日、お屋敷の周りで夜遅くに籠が何台も出入りしてるのを見たって奴がいるな」
男2「そうそう、それにお侍様たちがなんだかピリピリしててさ……」
着実に情報を集めていく馨の姿に、無頼は感心したように呟く。
無頼「やっぱり顔が広いのな。足で稼ぐってのも伊達じゃないわけだ」
馨は茶屋の裏手に回ると、ふと立ち止まり、目を閉じて深く息を吸い込んだ。
無頼「馨?」
馨が目を開けた瞬間、その瞳の奥が一瞬だけ怪しく光ったように見えた。馨は路地の奥を一瞥すると、ボソッと呟いた。
馨「……いたわ。黒羽藩の似顔絵の女の子……ううん、あの着物の匂いと足音の感じ。ここから三丁先、蔵が立ち並ぶ裏通りに向かってる」
無頼「は? なんでそんなことが分かん……って、まさかさっき言ってた『この能力』ってやつ?」
馨「細かいことはいいの! 聞き込みで得た噂と、私の『これ』を合わせれば一発よ。行くわよ、無頼!」
無頼「ちょっと待てって! 本当に裏の怪しい能力じゃねーか!」
最後までお読みいただきありがとうございました!
『黒羽藩のお家騒動』なんて急にでかい事件に巻き込まれつつある二人ですが、実は一番の大問題がありまして……。
このシリーズのタイトル、まだ良い案が思いついていません。
『江戸の凸凹捕物帳』『ヒモ侍と目から光出る女子の事件簿』お店の名前とるか?(理由がねーしな)……いや、どれもしっくりこない!
なくてもいいのでは?(それはそれで嫌だな…)
ということで、誰かこのシリーズに素敵な名前をつけてくれませんか……!?
「これだ!」というタイトル案や「〜系がいいのでは?」といったアドバイスがあれば、ぜひ、いや、絶対に!なんでもいいので!教えてください!
皆様からのアイデアを心よりお待ちしております。それでは、また次の章でお会いしましょう!