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ヤバいあいつと自立したい俺。
翌日。
俺は、先輩が待ち伏せしていないことを願って外に出た。
この時点でフラグを立てたのがダメだったのかも知れない。
陽暮先輩「悠〜????(圧)」
悠「ス、スイマセンデシタ…。」
見事なまでに予想は的中。
曲がり角で、陽暮先輩が待ち構えていた。
陽暮先輩「で。昨日のことは、覚えてないとは言わないよなぁ…??(完全なる圧)」
ヤバいヤバい。かなり怒ってるぞこれは。
俺は、一歩後退りする。
勿論、陽暮先輩も追いかけてくる。
俺は、怒られるのを覚悟して下を向く。
詰んだ。
___そう思ったその時。
翔也「あ、すいません。私、悠の兄なんですが、少しお借りしてもよろしいでしょうか?」
聞き慣れた、落ち着いた声がする。
もしかして…。
陽暮先輩「おっ。悠にお兄さんがいたのか。ならばしょうがない!…今日の昼休み屋上な(😊)」
陽暮先輩は、恐ろしすぎる笑みを浮かべて去っていった。
俺はゆっくり上を向く。
悠「翔、也…?」
翔也「久しぶりですね、我がご主人♪」
翔也が、懐かしい笑顔を浮かべる。
悠「__ってなんでここにいるんだよ!?俺、自立したいからしばらく来るなって言ったじゃんか!」
そうだ。そもそもなんで翔也がここにいるんだ。
すると翔也が、少しわざとらしい、人を喰ったような笑みを浮かべた。
翔也「ふふ、悠の危機にいち早く駆けつけるのが、この私です!」
悠「今回ばかりはありがたかったけど!!俺、翔也に頼らずとも1人で料理とか洗濯とか掃除とか出来るようになりたくて…。」
翔也「その意志には反対しませんよ♪でも、自立したいのなら、私をクビにすればいいだけでは?」
悠「そういうわけじゃなーい!!」
昔っからこいつはこうだ。
翔也は、俺より3ヶ月先にこの世に生まれてきた同い年の使用人。
生まれたその時から、俺の専属使用人として誓いを立てている。
なお、溺愛している模様。
翔也「それで、私のいない生活はどうでしたか?」
笑顔で翔也がそう聞いてくる。
俺の答えはもちろん…。
悠「新鮮味があって楽しかった!」
翔也「そこは、『翔也がいなくて寂しかった』でしょうが!」
悠「違うよーだ!」
そんな会話を続けていたら、学校に遅刻しそうな時間になってしまった。
翔也「おや、そろそろ悠は学校ですね!なら…。」
悠「おい!?」
翔也は軽々と俺を持ち上げる。
俺、一応、56キロあるんだが…。
悠「お、重くないのか?」
翔也「悠の体重なら重くないですね!」
なんだそれは。
すると、翔也が学校に向けて走り出した。
悠「あ、これ、『普通に走って間に合わないのなら運べばいい』みたいな思考?」
翔也「そうに決まってるじゃないですか。足腰には自信があるので大丈夫ですよ。」
翔也は、56キロの人間を抱えて塀の上を全力疾走しているのに、息が切れるどころか、汗すらかいていない。
絶対化け物だ、こいつは。
翔也「はい、着きましたよ!」
…え?
なぜか、1分も立たないうちに学校についてしまった。
周りの生徒たちが、俺たち2人をじっと見ている。
そりゃそうだろうな。
知らない男子がこの学校の男子生徒を抱えている光景は珍しい(?)からな…。
でも恥ずかしいから早く降ろしてもらおう。
悠「ありがと翔也。じゃ、降ろして!」
翔也「わかりました。あ、帰りも迎えにきますね?」
悠「余計なお世話じゃ。」
俺は翔也と別れて、教室の方に移動する。
もちろん、この学校の噂の伝達速度は異常なため、全て知られていて笑われた。
紗季は一発殴っといた。
紗季「痛っ!てめぇ何すんだこのやろーっ!!」
紗季が騒いでいるが、俺は悪くないので無視しておこう。
あとで縁のお見舞い行かないとな…。