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根町舞雪
模擬戦をした翌日。
悠はサッカー部の朝練があるため、いつもよりかなり早く登校して来た。
しばらく朝練をして、顧問とも話し終えたその時。
陽暮先輩「悠、ちょっとこっち来い。」
あ、ヤバい。
なんて言われるかは予想ができる。
部活のことだったら良いんだけど、俺たちの正体を悟られていたら…。
陽暮「えっと…。その、俺がむやみに言うのもなんだが、隠し事とかは…、ない?」
悠「えっ、あっ、そ、の…。」
言葉が詰まる、これに関しては何も言えない。
嘘を吐くことくらい誰にだってできる。
でも、先輩を見ていると、俺の良心が痛んで、大袈裟な嘘はつけなかった。
悠「隠すようなことはしてない…、です。」
…おかしい、隠すようなことをしてないなら、なぜ目を逸らそうとする。
先輩に言えないことがあるのか…?
…なら。それなら、俺が介入するのもアレだ。
陽暮「…わかった。じゃあ、今日は一旦解散にしよう。」
悠「はい!」
それぞれ分かれて、校舎に戻る。
悠「よお!みんな…って、ゑ?」
信じられないことが起きた。
目の前には、6人のクラスメイトたちと、知らない女性がいた。
紗季「あ、ちょっと、悠!この方が、舞雪さんだって!」
悠「え?それって、一番最初に俺たちに手紙を送りつけてきた…。」
舞雪「こんにちは、私は根町舞雪と申します。今日は、みなさんにお伝えしたいことがありまして、直接こちらに来させていただきました。」
龍太「いや、どうやって校長に許可取ったんだよ…。」
菜々「こ、これは大丈夫…な感じ?」
みんなは警戒心高めだ。
でも、根町さん本人は、それをそこまで気にしてなさそう。
縁「それで、話というのは…。」
舞雪「あぁ、そうでした。本題に移りますね。実は、皆さんには、治安特別防衛省の戦闘部に入ってほしいのです。」
萌奈「ん?」
千歳「おやおや、それはねぇ…。どうしよっかぁ…。」
普段はヤバいあの2人でも驚いている。
舞雪「実は、治安特別防衛省というのは、幾つかの部が集まった組織名なのです。政府公認の組織ですが、一般人にはその存在が秘密にされています。戦闘部、というのは、主に我らの敵である怪異たちを倒す部のことですね。」
悠「わ…っかりました。なぁみんな、これからのこともあるし、一旦入っておくか?」
念の為、と悠はみんなに確認をとる。
菜々「別に、大丈夫です…!」
紗季「学校だけで活動は心許ないからいいよ。」
みんな口々に賛成の言葉を漏らす。
悠「じゃあ、俺たちは、治安特別防衛省の戦闘部に入ります!」w
そういうと、舞雪がニコッと笑った。
舞雪「ありがとうございます。では、明日から活動を始めましょうか。」
そして彼女は、悠たちに地図を渡して去っていった。
千歳「なんだったんだろうねぇ…?地図ってことは、ここに来いってことかなぁ…。」
縁「多分、そうですわね…。」
みんなで話しながら帰路に着く。
縁、菜々、千歳、萌奈、龍太、紗季という順番でみんなと別れていく。
確か、縁とかは、お嬢様だから、一定の場所まで行って隣の県まで専用車で帰るみたいだ。
大変だな…。
そんなことを思いながら、俺は、紗季の家の隣にある俺の家に入る。
悠「今日はあんまり大きなことなかったな…。」
そう思いながらリビングで夕食を作る。
すると、チャイムが鳴った。
カメラを覗く。
警察だ。
悠「そうだ、両親が居ないことが判明したのか。だから保護に…。」
大変だ。
このままでは、地図もきっと取られる。
保護施設送りにされたら自由に動くこともできなくなってしまう。
政府公認とは言っていたが、警察が治安特別防衛省について知っているのか…?
警察「悠くん、いますか?ご両親のことでお話が…。」
ダメだダメだダメだ。
こんなところで諦めたくなんかない。
悠「心配ありがとうございます。でも大丈夫です。」
俺はそう言って、すぐ通話を切る。
家中の扉を閉めて、カーテンも閉める。
入ってきたら、空中から本気の迎撃を見舞ってやる。
警察「こら、私たちは君を保護しにきただけなんだ、開けなさい!!」
警察が玄関の扉をドンドンと叩く。
こんなだから警察は嫌いだ。
大嫌いだ。
俺の両親が死んだのはお前らのせいだ。
悠「話しかけてくんな!!警察のくせに!!」
思わず大声を張り上げてしまった。
隣の家には紗季もいるのに。
紗季「ちょっと悠、どうしたの、うるさいわよ…。ってえ?警察?……あぁ。」
紗季の声が隣の家からする。
警察「そこのお嬢さん!!この子について何か知ってるかい?」
警察は紗季の方を向いている。
紗季「はぁ…。そんなんだと子供に嫌われるよ?悠の両親いない理由はね、警察が捜査を怠って、他殺だった死亡事件を自殺だと勘違いしてまともな対処をしなかったから、その犯人が通りすがりのあの子の両親殺したのよ。あいつにとって、警察は世界一の敵。さっさと去りな〜。」
紗季は俺の過去を暴露して、警察を無理やり帰らせた。
悠「ありがとう、紗季…。」
紗季「よかったね、あんた。でもさ、女だって隠して行動するの疲れない?」
悠「それはそう…だけど。」
そう、俺は男装女子だ。
クラスメイトでは、紗季以外それを知る人間はいない。
いつの間にか、自分を友梨ではなく、悠と名乗るようになった。
いつの間にか、本当の性別を言うのが怖くなった。
悠「心配いらないよ。俺は耐え抜いてみせる。」
紗季「…そう、無理しないでね。」
今日も1日が終わった。