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悠と千歳とキョウフシンと
悠「おはよー。」
とある日の朝。
悠はいつも通り学校に登校してきた。
前は陽暮先輩にバレかけて(?)大変だったな。
そう思いながら席に着いた。
ガララッ
窓の外を見ていたら、扉が開く音が静かな教室に響き、千歳が入ってきた。
悠の心に感情が2つ、浮かぶ。
一つは、怖い。
純粋な恐怖心。
二つめは……。
千歳「どうしたの?悠〜。」
千歳が悠の顔を覗き込む。
悠「あ、ぁ、なんでもないよ。」
悠の額に冷や汗が滲む。
ふと、千歳の方を見る。
千歳「大丈夫〜?」
呑気に笑う千歳の瞳には……。
一筋も光がなかった。
そうだ。だから怖いんだ。
怖いと思い始めたのは、入学式の時。
桜が美しく咲く春の月、4月。
まだ能力も明らかになっていなかった悠は、入学式の席で隣になった千歳に話しかけた。
悠「ねぇ、俺、悠って言うんだ!同じクラスになるかもだし、同級生としてこれからよろしくな!」
千歳「うん、よろしくね〜。」
千歳のあのゆっくりとした口調も、最初は、『優しい人だな。』で流していた。
悠はキラキラとした目で千年の顔を見た。
白くて、後ろに結んだちょっと長い髪。
優しそうで…、。
光が無い瞳。
悠「え。」
悠は思わず声を漏らす。
すると千歳がまた笑顔でどうしたのかと聞いてきた。
やはり光は、ない。
校長「それでは、入学式を始めます。」
校長の一言で、会場が静かになった。
入学式の間も悠は、隣にいる少年の異常さにうっすら気がついていた。
式が終わった後。
悠が階段で滑って転んだ。
隣にいた千歳が悠の足を掴んだ。
千歳「あ、血が出ちゃったね〜。僕の足と交換しちゃう?」
悠「ど…、どういうこと…?」
そう言う千歳の声は冗談を言っているものではなかった。
千歳はポケットから、小さく折り畳まれたサバイバルナイフを取り出した。
千歳「君の足は取れる?切ってあげようか?」
千歳は悠に近づいていく。
悠「やっ、やめて!!」
悠は咄嗟に叫び、滑り落ちた痛みも忘れて逃げ出した。
走りながら少しだけ後ろを振り返る。
____そこには。
あの、
__~~優しげな~~__不気味な笑みを浮かべた千歳が、ナイフを持ってまだあの階段にいた。
悠は走って、走って、校門まで逃げる。
息を荒くしていたら、先生に、『クラス表が貼り出されているから見に行きなさい』と言われて怯えながら見に行った。
幸い、千歳と同じクラスではなかった。
でも、一年後。
千歳と同じクラスになった。
千歳は『よろしくね。』と、一年前に見せてきたあの笑顔で笑いかけてきた。
___今思えば。
あの階段での、あの言葉。
きっとあれは、体の部位を取り外せる千歳からしたら、善意での発言だったんだろう。
でも、あの言葉。
あのナイフ。
あの瞳。
全てが悠の、俺の"キョウフシン"を立てる|凶器《狂気》となった。
千歳「ねぇ、大丈夫?さっきから黙ってるけどさぁ。」
あ。考えすぎて意識が飛んでいたようだ。
悠「大丈夫、だよ…。」
頼むから。
早く、誰か来て。
そう願っていたら、教室の扉が開いて、菜々と縁が入ってきた。
2人は仲の良い親友同士だ。
菜々「ど、どうしたんですか…?」
悠「なんでもないよ、菜々。」
縁「……本当ですの?大丈夫でして?」
2人は悠のことを心配している。
悠が千歳の方を見た。
だが、千歳はもうそこに居なかった。
みんな次々と登校してきて、千歳のいない1日が終わった。
また明日、また……。明日。
悠の千歳に対する二つめの感情や、他キャラの関係性考察とかもどうぞ。