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600年前の我が君よ
「(あれは……、『あの方』は……!?)」
この人…誰……?
「……この子はカテリーナ。空寂の回廊の奥底にある洞窟に、氷の中に入って眠っていたそうだ。」
「……」
「ふむ…少しここを離れよう。いくぞ。」
「……お気遣い感謝します。ニキータ。」
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「……あなたは…?」
「…僕のこと、覚えていらっしゃいませんか。…『我が君』。」
……え?
「我が君……?どういうこと…?」
「覚えていらっしゃらないのですね…。」
フリンズが悲しそうな顔をしてしまった。
「えっと……ごめん…なさい…。」
「あなたが謝る必要はありません。…こちらこそ、変な質問をしてしまい申し訳ございませんでした。」
「……あなた、名前は…?」
「僕はキリル・チュードミロヴィッチ・フリンズと申します。フリンズとお呼びください。」
「よろしく、……フリンズ。わたしは……カテリーナ…。助けてもらったライトキーパーの人に……名前をつけてもらったの…。」
「おや、そうなのですね。……とても、いい名前ですね。」
まただ…。なんでそんなに悲しい顔をするの…?
「…また、あなたを困らせてしまいましたね。」
「気にしないで。……わたし、あなたの名前を聞いて……なんとなく、懐かしさを感じたの…。」
「…!」
「だから、そんな悲しい顔をしないで……?」
「……ありがとうございます。……カテリーナさん。」
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わたしは少し考えてしまった。
この人は…ううん、フリンズは人じゃない…。何者かはわからないけど……人間じゃないのは………直感でわかる……。フリンズは…、わたしのことを『我が君』って言った……。わたしも……きっと人間じゃないんだと…思う…。
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「それで、カテリーナ」
「……うん」
「これからどうするつもりだ?」
わたしは、自分が何者かすら忘れてしまった。だからまずは、助けてくれたライトキーパーのみんなに恩返しをしたい。
「……ここに、この世界に、入れてほしい………。」
「…そう言ってくれると信じていたよ。今日から君は『ライトキーパーの一員』だ。」
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「それで〜……ライトキーパーの責務は〜………」
「……フリンズ」
「どうかしましたか?カテリーナさん。」
「……なんであなたもついてきたの?」
「おや、いけませんでしたか?」
「だめとは言ってないけど……。」
話していたら、ニキータおじさんがこちらを見た。
「…聞いているのか?」
「あっ……ご、ごめんなさい……」
「はははっ、君もフリンズと同じように、話じゃなく経験で覚えるタイプのようだな。」
……褒められてるのかな…?
「褒めているのか分からないときは、褒め言葉として受け取ったほうが幸せなのですよ。」
「……なんでわかったの…?」
「ふふっ、勘です。」
「………」
「………」
「二人して…そんなに呆れた目を僕に向けなくてもいいでしょう?」