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極秘の奈落ゲーム ⑧解き明かされる真実
テストである『歌』を歌ったさきとまき。ひなた、ゆい、ユウヤは拍手をしてくれたが、るるかだけは顔をそむけて拍手をしてくれなかった。さきは嫌われたのかと思ったが────本当にそうだろうか?
果たして真実はどっちだ!?
--- 15.ユウヤの優しさ ---
二人は音をずらすことなく歌い通した。
**パチパチパチパチ**
ゆい、ユウヤ、ひなたは拍手をした。
るるかは二人に顔を見せずに、後ろを向いている。
────…っ…るるか…!
────なんでこっちを見てくれないの?
────るるかは────。
────私たちが嫌いなの?
さきは必死に涙をこらえて心の中で訴えかけた。
「うん、あなたたちもいいわね!合格よ」
ゆいが二人に言った。
「はい、二人は今日から『奈落』のメンバーです」
ユウヤも嬉しそうに言った。
「あ…あり…ありがとう!」
さきは涙が出ていることに気づかれないように、わざと笑顔で言った。
「どうしたの?顔が引きつってるけど」
ひなたは鋭い質問を投げかけた。
「本当だ。もしかして、泣いてるの?」
ゆいも心配そうに聞いた。
「さき…」
まきは顔を伏せる。
「……」
ユウヤは何も言わずにたださきの顔を見ている。
「あ…いや、違うの!その…う、うれしくて、つい…」
さきはごまかそうとする。
「────別に、泣いたっていいじゃない」
そう言ったのはるるかだった。
「……えっ?」
さきは驚いたが、るるかは何も答えず顔をそむけたまま部屋から出ていく。
「…じゃあ」
ひなたは気まずそうに部屋から出ていく。
「そうね…まき、いきましょう」
「え…うん…」
ゆいが、さきを心配そうに見ているまきを部屋の外へ連れていく。
部屋は、さきとユウヤだけになった。
「……」
「……」
二人は何も言わない。
「────《《悲しいんですか》》」
先に口を開いたのはユウヤだった。
「……」
さきは答えない。
「悲しむことはありませんよ。るるかは、本気であなたのことを愛しています」
ユウヤは顔色一つ変えずに告げた。
「Ⅰ区だったころ、僕だけに話してくれました」
ユウヤはソファーから立ち上がり、さきに近づいて言った。
「────《《大好きな双子の親友がいる》》、とね」
さきは顔をあげる。
「さきとまきを見た時、もしかしたら、と思いました。そもそも、目的でさえるるかを連れ戻すことだから」
ユウヤはほほ笑んだ。
「……っ」
さきはまた、涙が出そうになった。
────ユウヤの優しさと、るるかとの絆と、真実で。
「泣いても、いいんですよ」
ユウヤは淡々と、けれどどこか優しい口調で言った。
「…うぅ…うううぅぅ…」
さきは泣き始めた。
その間、ユウヤはずっと見守ってくれていた。
--- 16.奈落の者たち ---
しばらくして、さきは泣き止んだ。
「…ユウヤ、ありがとう」
さきは笑顔でお礼を言う。
「気にすることは、ないですよ。それと」
ユウヤは紙を渡す。
「これを、どうぞ」
「ん…?」
さきは戸惑いながら紙を受け取る。
「『奈落』メンバーリスト…」
<『奈落』メンバーリスト>
<奈落Ⅰ区 |山崎《やまざき》ユウヤ |林《はやし》ゆい |中野《なかの》ライ |夜川《よるかわ》みつき |日野《ひの》ひまり |秘影《ひかげ》さき |秘影《ひかげ》まき>
<奈落Ⅱ区 |淡水《あわみず》かんな |甘井《あまい》ぐみ |瀬戸《せと》つむぎ |愛沢《あいさわ》ひかり |春川《はるかわ》ろい>
<奈落Ⅲ区 |沢辺《さわべ》もか |川崎《かわさき》しょう |楽園《らくえん》アイラン |空光《そらみつ》るるか |加藤《かとう》あおい>
<奈落Ⅳ区 |謎解《なぞとき》アリス |冬乃《ふゆの》ゆき |日陰戸《ひかげと》ひなた>
<奈落Ⅴ区 |英アイ《エーアイ》>
「|『英アイ』《エーアイ》…」
「どうかしましたか?」
「ううん、なんでもない」
そう答えたさきを、ユウヤがじっと見つめる。
「なに?」
「────大変でしたよね、いきなりこんなこと言われて」
「えっ?」
「何でもありません」
ユウヤは言葉をにごした。
「…そろそろ、時間ですね」
「ん?」
さきが首をかしげていると。
**ガチャ**
外から二人の女子と、一人の男子、そしてまきとゆいが入ってきた。
「まき…」
「さき、気持ちは落ち着いた?」
「うん。ユウヤのおかげだよ」
さきはまきに笑いかける。
「おいおい、そっちじゃなくて、こっちだろぉ」
男子が言った。
「え、えっと…はじめまして」
「ああ、初めましてだな。────ほら」
男子が手を差し伸べる。
さきはその手を握り返し、握手をする。
「俺は**中野ライ**。よろしくな」
「よろしく、秘影さきだよ」
「ああ、知ってる」
ライは手をはなし、まきにも手を差し伸べる。
「まきも、よろしくな」
「う、うん、よろしく」
まきは緊張しながらその手を握る。
次に、クリーム色の髪の毛で、水色の服と半ズボンを着た女子がさきの前に来る。
「わたし、**夜川みつき**。これからよろしくね」
「よろしく、みつき」
みつきとさきは握手を交わす。
次に、ピンク色の巻き髪で、ピンクのワンピースを着た女子がまきの前に来る。
「わたしは、日野ひまり。よろしくね」
「う、うん、よろしくね!」
まきはまた緊張しながらひまりと握手を交わす。
「これで────」
ユウヤが嬉しそうに言う。
「メンバーがそろいました」
部屋は笑顔で包まれていた。
機械的な部屋からⅠ区を監視する謎の人物。
「秘影さきと秘影まき…魅力的ですね」
その人物はふっとほほ笑む。
「これからが期待できそうです。────でも、まさかるるかを連れて帰る、なんて言い出すとは…」
人物は立ち上がった。
「これが、『友情』というものですか…。わたしには一生わかりませんね」
人物はとびらをゆっくりと開け、部屋から出ていくのだった。