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極秘の奈落ゲーム ⑥やっと会えた親友の拒絶
るるかを連れ戻すために奈落に来たさきとまき。しかし、ついに再会した親友の口から飛び出したのは「わたしは、帰らない」という冷酷な拒絶だった。
--- 11.凍りついた時間 ---
「……わたしのこと、呼んだ?」
とびらの向こうに立っていたのは、るるかだった。
「るるか!」
さきはるるかを見てさらに驚く。
「あっ、るるか。…そうだ、《《この部屋はⅣ区に監視されてる》》んだった」
ゆいはうなだれる。
「Ⅳ区が、るるかを呼んだのね。そうでしょう?」
ゆいが聞くと、るるかは無言でうなずく。
「るるか、帰ろう」
さきがそう言うと、るるかは首を横に振る。
「わたしは、**《《帰らない》》**」
一瞬の間の後。
「なんで?なんで、帰らないの!?」
さきはるるかに問い詰めた。
「ここが、わたしの居場所なの」
るるかはきっぱり言った。
「わたしは、わたしたちは、るるかと一緒にいたいの」
さきは必死に言う。
「わたしも、一緒にいたいんだよ」
まきも言った。
「《《わたしだって一緒にいたい》》。でも、だったら────」
るるかはさきとまきをまっすぐに見つめる。
「**奈落『Ⅲ区』に《《あがってきて》》**」
「ちょっと。ここに四年もいるゆいでさえ、|Ⅱ《に》区にも行けなかったんだから、この二人には、無理でしょう」
ゆいは困ったように言う。
「本当に私と一緒にいたいなら、あがってくるはずよ」
るるかは冷たく言い放った。
「なんで?」
さきは聞く。
「何がよ」
るるかは聞き返す。
「なんで、奈落にいたいの?」
さきは改めて聞く。
「それは────このおかしな世界を変えるためよ」
「ああ、るるか、言っていいの?」
「いいじゃない」
ゆいの問いに、るるかは素っ気なく答える。
「おかしな…世界?」
「さきは、この世界をおかしいと思わない?」
「……」
部屋の空気が凍りつく。
「奈落は、世界を変えるためにあるの」
るるかは言い放つ。
「ああ、るるか、しゃべりすぎですよ」
後ろを振り向くと、ユウヤがいた。
--- 12.二人の決断 ---
「ユウヤ!」
そう叫んだのは、ゆいだ。
「さっきは、失礼しました。できるだけ、怒らないようにしてたんですけど…」
「いや、悪かったのはわたしだよ。…ごめん」
さきがバツの悪そうに謝る。
「ユウヤが来たなら、あとは話さなくていいわね。…よろしく」
るるかがユウヤに言う。
そして、とびらを開け、外へ出ていく。
「ということなので、二人とも、メンバーになりませんか?」
「なったら、Ⅱ区にも、Ⅲ区にも、もちろんⅣ区にも行けるようになるわ。あと、昇格テストに受かれば、上の区のメンバーになれるわよ」
「じゃあ、るるかも受かったの?」
「ああ、あれは、実に早かったです。るるかは、奈落に来てから二日でⅢ区にあがったんです。素晴らしい実力の持ち主でした」
「ああ、そうね。歌を歌わせてもうまいし、運動もすごいし、頭脳戦も、心理戦も、何もかもどんとこい。まさに完璧よ」
ゆいも、ユウヤに続けて言った。
「そうだろうな…」
さきはぼんやりつぶやく。
「でも、Ⅳ区まではいけませんでした」
ユウヤは残念そうに首を横に振る。
「えっ、どうして!?」
まきが驚いて尋ねる。
「Ⅳ区は、正々堂々と戦ったら、絶対に行けないのよ」
「どういうこと…ずるをしないといけないの?」
「そうよ」
さきの問いに、ゆいが即答する。
「はい。ずるをしないと、Ⅳ区には行けません」
「なんで?」
「奈落のルールです」
ユウヤも、まきの問いに即答する。
まきがちらりと振り返ると、さきは何かを考えこんでいた。
「ねえ、ユウヤ」
「なんでしょう」
「わたし────**《《奈落のメンバーになるよ》》**」
さきはユウヤをまっすぐに見て言った。
「いいでしょう」
ユウヤはあっさりと答える。
「待って!わ、わたしも…メンバーになる!」
「いいでしょう」
ユウヤはまた、あっさりと答える。
「では、テストはゆいに任せますよ」
「ゆいが?まあ、喜んで受けさせてあげるわ!…と、その前に」
ゆいはどこかに電話をかける。
「…そうよ、今からよ。…そんなこと言わずに…るるか呼んできて。…忙しい?…ああ、ひどい。ひなたは優しいと思ったのに…ああ、いいの?ありがとう。えっ、二度と電話をかけるなって?…分かったわよ、いいから早く……あっ、ごめん!謝るから、呼んできて!…ありがとう」
ゆいはスマホをしまう。
「ゲストは、すぐ来るわよ」
ゆいはニヤニヤしながら言った。
そして、とびらが開き、二人の女子が入る。
一人は、るるかだ。
「るるか!」
「…話しかけないで」
るるかはそっぽを向く。
もう一人は────。
「はじめまして。奈落Ⅳ区の、**|日陰戸《ひかげと》ひなた**だよ。これからテストを始めるっていうから、監視しにきた」
ひなたはうんざり顔で言った。
「Ⅳ区!?って、一番上の!?」
さきが驚く。
「一番上は、|Ⅴ《ご》区だよ。今は、一人しかいないの。ていうか、一台」
「どういうこと?」
「アイは、高性能AI搭載アンドロイドなの。…まあ、そのことはいいや」
ひなたは言葉をにごす。
「じゃあ、今から、テストをはじめるわ」
ゆいが嬉しそうに宣言した。