公開中
バゥムクゥヘン・エンドロゥル 第一話
登場人物紹介
闇宮 光(やみみや ひかる)/ 主人公
学年:高校2年生
外見:地味でさえない外見。黒髪ショートで目つきが悪い。目の下には色濃いクマがある。
特徴:頭に「ハサミ型のリボン」をつけている。
性格:やさぐれている。クラスには馴染めておらず、孤独を抱えている。
光野 羽香(こうの うか)/ 副主人公
学年:高校2年生
外見:ツインテール。ゴムに「羽の髪飾り」がくっついている。
特徴:いつも「上の空」なため、地面から5ミリ浮いているヤベーやつ。
性格:明るく笑顔で、みんなの人気者。相手に怒ることはあっても、誰かを睨んだことは一度もない。
動機:クラスに馴染めず、自分にまったく寄り付かない光のことがなぜか気になっている。
柊 蛇惡(ひいらぎ だお)/ 副副主人公
学年:高校2年生
外見:サイドポニーテール。頭にゴムの代わりに「蛇がとぐろを巻く髪飾り」をつけている。
特徴:どこを見るたびに「睨んでいる」と勘違いされる目つきの悪さ。IT機器を操作する天才(ハッキングも可能)。
性格:優しいふりをして実はクズ。化けの皮をかぶっており、人の不幸が大好きで、「人の不幸は蜜の味」と言ってるヤベーやつ。教室の隅でいつも人間観察している。キラキラネームの自分の名前を気に入っている。
「はぁ……」
私、闇宮光は、机に突っ伏したまま重い溜息を吐き出した。
高校二年生の教室。昼休みの喧騒は、光にとってただの不快な雑音でしかない。
黒髪ショートの隙間から覗く目つきは今日も最悪で、寝不足のせいで目の下のクマはさらに色濃くなっている。頭につけたハサミ型のリボンが、まるで周囲を拒絶するように小さく揺れた。
やさぐれた心を抱え、誰とも交わろうとしない光は、この教室で完全に「孤独」だった。
だが、そんな光の領域に、当然のように踏み込んでくる存在が一人だけいる。
「ひーかるちゃんっ! お昼一緒に食べよ?」
頭の羽の髪飾りをパタパタと揺らしながら、光野羽香が満面の笑顔でやってきた。ツインテールをなびかせる彼女は、クラスの誰もが認める人気者だ。
そして羽香は――その言葉通り、文字通りいつも「上の空」だった。彼女のローファーの底は、地面からぴったり五ミリメートル、常に浮いている。
「……あっち行けよ。浮遊霊」
「ひどいなぁ、ちゃんと生きてるよ? はい、これバームクーヘン! 光ちゃん好きでしょ?」
羽香は気にすることなく、光の机にそっとお菓子を置いた。
自分に全く寄り付かない光のことが、羽香はどうしても気になって仕方がないらしい。どれだけ冷たくされても、羽香が光を睨み返すことなんて一度もなかった。
光はフイッと窓の外を向く。
そんな二人の様子を、教室の斜め後ろ、一番隅の席からじっと見つめている視線があった。
(……へえ。今日も仲良しだねぇ、二人とも)
柊蛇惡は、サイドポニーテールに絡みつく蛇の髪飾りを指先で弄びながら、冷たい笑みを浮かべていた。
目つきが悪く、いつも誰かを睨んでいると勘違いされる蛇惡だが、今は「優しいクラスメイト」の化けの皮を被っている。卓上のノートPCの画面には、教室のWi-Fiから吸い上げた、生徒たちの他愛のないチャットログが流れていた。
蛇惡にとって、目の前の光景は最高の「観察対象」だ。
光の孤独も、羽香の無垢な優しさも、すべてはこれから始まる歪んだ劇のプロローグに過ぎない。
「人の不幸は蜜の味、ってね……だおちゃんは楽しみにしてるよ」
小さく呟いた蛇惡の声は、賑やかな教室の音に消えていった。
まだ誰も知らない。重ねられていくお菓子の層のように、三人の関係が少しずつ、破滅へと向かって狂い始めていることを。
(第1話・終)
久しぶりに書いたからか、ちょっとお話がおかしいかもだけれど、許してね!