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5「最悪手の生放送」
202X年 9月10日(木)午後9:57 垢名:「Xの先駆者」
すみません! 10分お待ちください! 22:10開始です!
***
――“ミリオンdeil”サイト内。
202X年 9月10日(木)枠名『先駆者たちの座談会』 22:10~22:28
「生放送描写」
X:…………。
こんばんは~。こんばんは! 聞こえてますでしょうか? ――聞こえてる? 聞こえてますね。
えーっと、8分……いや1時間10分か、遅れてしまいまして申し訳ありませんでした。準備に手間取ってしまいまして、ちょっと裏の方でね、ごたごたと……色々あったんですよ。
で、さらに申し訳ないことに、本日予定していた『○○○ファーム2』のゲーム配信、ちょっとこちらの準備不足で中止になりまして、えー、今回は、仲間たちと座談会という形をとることにしました。えー、ゲームを楽しみにしていた皆様には大変申し訳ありませんが、ご容赦を。色々ありましてね。
で、最近……もう一個言いたいことがありまして、えー、『権利関係』についてちょっと、リスナーさんから『大丈夫?』と、心配に感じる方たちが多くいらっしゃいまして、それについて少しだけ伝えたいと思います。――よろしいでしょうか? はい。
で、まあ、私たちは『新人ゲーム実況者』とはいえど、ゲーム実況というジャンルに携わってきましたが、基本ゲームメーカーさんから『だめだよ』って僕らのところに直接問い合わせが来た場合は、すぐ、メーカーさんに謝って動画を削除するし、その考えは変わらずやっていきたいと思います。
これは“ミリオンdeil”に限った場合ではなくて、”つべ”でもなんでもほかのサイトでも同様のことが言えます。でも、そのー、それだと心配だという視聴者さんたちが多いので、ゲーム選びに関しては慎重に気を遣っていきたいなと、思います。
このことに関して、心配をかけてしまったこと、説明不足だったこと、心より深く謝罪します。応援してくださっている方たちにも心配をかけてしまい、大変申し訳ありませんでした。はい、申し訳ありません。
……それで、座談会ということで、私のほかにPもいらっしゃいます――じゃ、どうぞ。
P:はい、こんばんは~。Pです。
いまXから話があった通りの方針に付け加えまして私から少し補足説明をさせていただきます。
えー、私達のグループ活動をしていく上でですね、全部Xに言わせっぱなしなのは個人的に危ないので……
X:……危ないw?
P:そう、危ないので……(笑)。まあ、ちょっと不満はあるかもしれないですけれども、自分らは素人ですし、自分も特段詳しいわけではないですけれども、昔ちょっとだけ調べたことがありますので、ちょっとだけ補足の方をさせていただきます。
まず、『著作権』という話なんですけれども、これって結構細かくてですね、一言で説明っていうのは言えないんですよ。だから例を用いながら説明していこうと思います。
――例えば同人誌ってまあ、普通に売られているわけじゃないですか?
X:同人誌……はい、あのお金とる奴……。
P:そう。まあ無料のものも込みで同人誌っていうのは端的に言うと、白か黒かでいうと……ていうところなんですよね。
X:……ああー、はいはい。
P:ほかにもじゃあ、ツイッターで、漫画の公式キャラの横に吹き出しを入れて面白いセリフが書かれた画像だとか、もっと言えばアカウントのアニメアイコン。これらってよく見かけるじゃないですか。
それどころかファンアートや二次創作なんかは、あの……厳密に言えば真っ白にはならない……ていうところなんです。
X:……ほおお(関心の相づち)。
P:で、これらの行為(公式の絵に第三者が勝手に工夫・無断使用すること)って“ミリオンdeil”だから(公開できる)とかっていうのはあんまり関係なくてですね、そもそも収益化云々以前の話で、そういうところひっくるめて、まぁこれも……真っ白にはならない――ということなんですよ。
X:……まあ、場所が、どこであろうと……。
P:で、さらに言うと写真ですね。例えば友達んちで撮ったものをネットにアップした場合、『肖像権』は自分や友人にあるんだけど、『著作権』は投稿者にあるなど。あげればきりがないんですよ。
ただ、『みんなやってるから俺達もいいよね』――ていうことは勿論なくて、当然そこはまあ、当たり前なんですけど。
今までゲーム実況の歴史が15年あったとして、例えば一介の実況者が視聴者のターゲティングに合わせて『スーファミ』や『Pステ』なんかの昔のハードソフトのゲーム実況・生プレイの公開を楽しみに見てきて下さった方たちもいるわけなんですよね。
なので、割とそういう過去のゲームに関しては寛容なのかなって勘違いしていた部分は確かにあって、……まあ、実際私個人にはそういうのがありました。
X:はいはいはい。……でも、いやあったかもしんない俺も。
P:で、昨今のゲーム実況界隈の事情を見る限り、事務所に所属して、まあ、事務所がとってきた、あるいは案件が来たゲームの配信をやっていくというのが、これからの主流になりそうです。だから、私たちもゲーム実況を淡々とこなしていくという考え方自体古くて、なんかこう、そういう形にシフトしていった方が、見てる方たちには迷惑かけないのかな。――と思うならば、そういうのもありかな、っていう風には思ってますね。個人的にはそういうことです。
X:はい。
P:で、一応、これからの文章は、あるゲーム会社の方が言っていたものを引用する形でご紹介するんですが、その方はこうおっしゃってまして、
「個人の方から許諾申請を承ることは、承服しかねます」と。
「現状、YESかNOかでいわれたら、NOとしか言えません」という答えなんですよ。
X:……はい。
P:これって、まあ本音で言ったら、個人の方はお問合せしないでください、という風に門前払いをしてるんですよね。
『お問合せしないでください』っていうのは、だから、こっそり楽しんで下さいと、叱る時は叱りますという……まあ、暗黙の了解的なニュアンスで言ってるわけですよ。そう考えると――なんともお優しいお言葉ですよね。
ただ、勿論、報告を戴いた場合、動画は――お叱り戴いた場合はね――削除はするし、みんなが不安に思ってしまう行為――つまりゲーム選び、だよね? だから、丁寧に選んでいこうかな、と僕は同意する所存なので、そこのところよろしくお願いします。
X:……よろしくお願いします。
(言葉に詰まっているらしい、30秒ほど二人は黙った。)
P:あとは、そう! サブスクがだめというわけではなく、そもそも『著作権』が法律上だめです。『著作権』で、基本はだめになります。
で、かつメーカーさんによって収益云々ていう括りを設けてくれているところもあるんですけれど、基本はもう、広告貼ってようがいまいがだめなものはだめってなっちゃうんですよね。……まあ、そこはみな様の方が詳しいのかなぁってのは思うんですが。
で、もし動画が削除されてしまった場合なんですけれども、悪いのは完全に『こっち』なので。10:0でこっちが悪いので、絶対にメーカーさんの方に非難を浴びせないようにお願いいたします。絶対にやめてください。
これだけは注意してください。
昔は結構あの……動画が権利者削除されたら、権利元に非難がおよぶっていう風潮があったんですけど、全く過去のお話なので。メーカーは全く悪くないんで、そこだけは足を踏み外さないよう、よろしくお願いします。――ということです、はい。まあ、あと、Xなんかある?
X:俺からは……まあ、ゲーム選び……だよね。今後もう少し気を使って……。
P:そうだね……ああ! あと、Xが全部説明してっていう声もあったんですけど、百も承知でこのことを言うんですけど……一応グループとしてやってて、Xに全部丸投げっていうのは個人的にちょっと、というのがあり、きました、ここに……はい。
前の配信のときにさ、俺が音響とか調整してて。で、コメントで、「Xがやれよ」っていうのがあったんだけどさ。
X:……あったの?
P:あれって座席の都合上そういう感じになっただけだったんで、Xできなかったんですよ、遠くて。だから、説明不足もあったはあったんですが、ちょっとそういう都合でXが責められるとなんか……ちょいきついな、と感じる部分はありました。この際自分から言わせていただいた感じです。――こんなんでいいよね。
X:……はい、そういうことでした。
P:そういうことですね。
X:はい……www。
P:だから、えっと、とにかくメーカーへの批判は絶対ダメということ、ですかね。
X:……。
P:そこだけは分かってほしいかなと思います。
まあ、だから、しっかり頑張っていこうというのはこれから変わらず、ですね。で、現状個人の許諾は、メーカーさんに「これやっていいですか」って聞いて「いいですよ」とは言ってもらえない事実はありますよね。
YESかNOかでいうなら、『著作権上』NOというしかないので。なので、まあ――
X:そうだね。だからまあ、『楽しいだけじゃだめなんだな』ていう……w、気を遣う部分も、ある……感じなのかな?
P:えっとですね、“ミリオンdeil”でやっちゃだめだよって言ってるメーカーさんは***さん、***さんの二社。他に関しては“ミリオンdeil”だからだめだよっていう明言はしていない、ですね。確か。
X:ふんふんふん……。ああ。はい。
P:だからその二社は避けて……何か、話足りないことある?
X:話足りないこと……。話は変わってしまうですけど、
P:はい。
X:最近、動画? 動画用で、何個か撮影しているものがあって、まあ近々……
P:ああ! はいはい。
X:それで、今編集中で、近々公開する予定で、ありますんで……お楽しみにしててください、と。
P:はい。
X:……もう、新作動画が待ってますんで。上がった奴がありましたら、ぜひみてください。あと、他にも色々企画しているものがあったんだけども……。ここはこうした方がいいかな、とか、二人より数人いた方がいいかな、とか、改善点が色々出てきて、そこをまぁ、頭をひねって直しつつ、動画の作成にまあ、とりくづ(噛んだ)……取り組んでますんで、はい、お楽しみにしててくださいますね?――ということで。ちょっと宣伝っぽい感じに……wは、なっちゃったんですけど。
P:……まあまあ、ね。
X:まあなかなか。
いろいろとやりたいゲームもあるんだけど、時間が限られてしまうところもあるからちょっと難しいところがあって、なんというかホント体がいくつもあっても足りないっていうか……(10秒の沈黙)。
P:まあ、あと他の配信者さんのことに対しては慎重にお願いしますね。例えばそこに行って、まあ……何でしょう、波風が立つようなことを言及するのは、迷惑なので控えていただければ、という感じですね。うん。
X:……。
P:うん。まあ、どことは言いませんけれども、他の配信者のところに行って、Xがどうこうっていうのは……これもやめてください。迷惑なので、迷惑かかってしまうので、向こうにも、はい。
……えっと、今コメント結構読んでるんだけど、なんか。
X:『ゲームやろうや』……ああ……。
P:……。
X:……ww。まあ、この空気感で『ゲームやろう』はちょっと……。日を改めない限りは難しいですね。気持ちの整理とかちょっとそういうのもありますんで――、
P:えっと、ちょっとコメント見てたんですけど、ああ、えっと“ミリオンdeil”でとかじゃなく確実にできるゲームをやっていく感じにしていこっかなということで、ちょっと説明が拙くて伝わりづらかったのかな……。
X:悪かった、ですかねぇ(若干機嫌が悪くなったような声を出しながら)。
P:えっと、すみません。ちょっと伝わりづらかったところがあったと思うんですけど、とりあえずゲーム選びに気を使って、いきますと。具体的に言うと当面は雑談もアリだと思いますし、という感じで行きたいと思います。正直雑談力ないところあるんで、
X:そうだねぇ、俺もトーク力全然なくて
P:僕もない方なんで、視聴者さんを飽きさせないトーク力を身に着けるのが課題かなぁ。
X:『……ましゅーず!ゴールド目指そうぜ(コメント)』。……うん、まあまあ、目指す気で入るんだけどね。
P:そうだね。
X:一応裏ではその……昇格戦? をお見せできるようにセッティングはしております。はい。
(10秒沈黙)
P:んー。はいはい。
(10秒沈黙)
X:何か、今ありますか?
P:今、コメントを……辿っている……まあ、そうですね。許可取れそうなゲームとかをやっていきたいですね。
X:そうですね。そんな感じですか?
P:……それぐらいですね。自分からは以上です。
X:まあ、そのー、さっきも言ったんですけどね、メーカーさんから『このゲーム駄目だよー』って言われたら、もちろん動画は消すし……まあ、すぐさま対応させていただきますし、その、よろしくお願いします。
P:それは――、危ないコメントだなぁ……。
X:え、今の危ないかなぁ……。で、今日は、このくらいでお開きとさせていただきまして、次回は土曜日に配信させていただきますのでその時は改めて告知させていただきます。
P:ゲームは、未定――、
X:未定だね! 未定、これから選んできます。うん。
P:まあ、あの……コメント見てると、喋りが止まっちゃうっていう弱点がありますんで……。じゃ、土曜日にまた会いましょうか。
X:はい、ではみなさんおやすみなさーい。
***
9月10日に行われた生配信は、予定より1時間10分遅れて配信された。
内容はゲーム実況での『権利関係』につきましてのご案内。1か月間うやむやにされ続けてきた『著作権侵害』の釈明・謝罪である。
だが、タイトルはなぜか『Xの先駆者座談会』であり、謝罪感はあまりなく終始言い訳放送に徹した。
始めにXが一人で釈明を行い、3分も満たずにPが登場。
その後、最後までPが単独で喋り――Pが言うにはあくまで『Xの補足』であるが――、Xはそれに対し相づちをするのみとなる。
この放送で今まで黙秘してきた『権利関係』ついて言及したが、上記の流れの通り違反に関する誠意ある謝罪感はなく、また開き直りに近かったため、配信直後に炎上(後述)。
さらに、いわゆる『ほかの配信者だってやっている』という配信業界自体グレーゾーンであると仄めかしたことから、X以外のゲーム実況者まで波及。企業側を舐める発言も相まって様々な議論を呈した。
この釈明配信での焦点は主に3点。
・ゲーム実況に関する事前許諾は取っておらず(無許可で配信した)、にもかかわらず投げ銭などで収益化したことについての説明がない。
・著作権侵害についての認識の甘さ・言い訳が『初心者実況者だから知らなかった』
・双方の認識に齟齬があるものの、いずれも“ミリオンdeil”の規約違反であること。
X:事前許可を仰ぐ必要はなく、楽しければ問題ない。著作権について所々分かってない節がある。
P:ゲストとしての立ち位置、配信者として未熟であり未経験に近いというニュアンスを伝えたうえで、私見を述べる。
過去のゲームに関して権利関係はとうに切れており、事前許可を仰ぐ必要はないと考えていた。
そもそも『権利侵害』は挙げればきりがなく、特に『著作権侵害』は身近にありふれている。許可申請に関して、個人の利用・実況目的の使用は拒否するが、そもそもゲーム実況自体グレーな存在で、ゲームメーカーは許可申請のない配信でも黙認して目を瞑ってもらっている。
おそらく他の実況者もその状況に甘え、配信を行っているだろう。
……だが、良識あるファン目線では、どう映るのであろう? これは如何に、となるだろう。