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花火の形15
初流
しばらくすると、激しかった雨もだんだんと収まってきた。
テントを抜けると、雨上がりのしっとりとした冷たい風が頬を撫でる。ふと見上げた夜空は、雨で洗われたせいか、朝よりも澄んでいて綺麗に見えた。
「……もうすぐだね」
隣を歩く志喜が、ぽつりと小さく呟く。どこか寂しそうな声だった。
「……だね。もう少しだね」
僕はそう返しながら、自分でもよく分からなくなっていた。
『もうすぐ』という言葉が、これから始まる花火大会のことなのか。それとも――志喜と過ごせる残り時間のことなのか。
会場へと向かう道には、さっきまで雨宿りをしていた人たちが一斉に歩き出し、混雑を極めていた。人の波に流されそうになりながら歩いていると、不意に志喜が僕の服の袖をちょんちょんと引っ張った。
振り返ると、志喜は少し俯きながら、そっと僕に向かって手を差し出していた。
「……迷子になったら、嫌だからさ。手、繋がない?」
まさか志喜の口からそんな提案が出てくるなんて思ってもいなくて、心臓が跳ね上がった。
驚きで固まる僕だったけれど、ここまできて断るなんて選択肢はない。
「……っ、しょうがないな。ほら、僕の手をしっかり握っててよ。迷子になられたら面倒くさいからさ」
動揺を悟られないように、いつもより少しだけ格好をつけて見せながら、自分から手を差し出す。
握り返してきた志喜の手は、雨上がりの風のせいか少し冷たくて、だけど泣きたくなるくらい優しかった。
もうちょっとで終わっちゃうー!!
志喜ちゃん可愛すぎて滅