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花火の形8
初流
僕は君を、僕の大好きな山の頂上へと案内した。
この山の上からは、この町をすべて見渡せる。地元の人でもあまり来ない、僕だけの特別な場所だ。
「……すっごく、綺麗だなぁ」
君がポツリと呟く。僕は意を決して、ずっと気になっていたことを思い切って聞いてみた。
「あの……もしかして僕たち、昔会ったことある……?」
君は驚いたようにパッとこちらを見た。そして、すぐに寂しそうな、悲しそうな顔をして呟いた。
「やっぱり……もう覚えてないんだ?」
「うん……ごめん、思い出せなくて」
「……ううん。なら、教えてあげる」
君は遠くの街並みを見つめながら、静かに話し始めた。
「八年前の夏のこと。晴斗くんのお母さんから、私のお母さんに連絡が来たらしいの。『子供たちも大きくなったし、久しぶりに遊ばせない?』って。それで私、ここに遊びに来たんだよ。晴斗くんに会った時、私は――……」
そこで急に言葉を詰まらせ、君は首を振った。
「……ううん、なんでもない。とにかく八年前、私たちはここで会ってるの」
君が話し終えたちょうどその時、遠くからメロディが聞こえてきた。お昼を知らせる音楽だ。
重くなりかけた空気を払うように、君がパッと目を輝かせる。
僕は君に尋ねる。
「良かったら、今からお昼ご飯食べに行かない?」
「うん! いこ!」
(相変わらず可愛いな……)
そんなことを心の中で呟きながら、僕は君を連れて、いつもの食堂へと足を運んだ。
ちょっとしばらく投稿が遅くなりそうですすいません!