編集者:誰かさんのサブアカウント
帝国の冷酷第一王子・レオンは、長年の宿敵である王国を滅ぼすべく、ついに玉座の間へと突入した。
だが、そこにいたのは先代の急死で女王になったばかりの、超ポンコツお姫様・ルル。
「敵対国ってなぁに? クッキー食べる?」
あまりの教育の施されてなさに呆然とするレオン。
しかしその直後、ルルの脳内から、尊大だがどこか幼い、古風な神の声が響き渡る。
『……聞こえるか、帝国の小僧よ。この娘は最高神にして堕神たる我が「器」じゃ。
……よいか、このポンコツが絶望するか、この事実を知った瞬間——世界は一瞬で吹き飛ぶぞ?』
なんと、世界滅亡のトリガーはルルの「ご機嫌」!
しかも、世界を救う唯一の解決策は、ルルと【恋愛】をして彼女の心を常に幸福で満たすこと!?
こうして、世界を救うためのレオンの決死の「お姫様接待(偽りの恋)」が幕を開ける。
しかし、ルルを喜ばせるために不器用な胸キュンアプローチを仕掛けるレオンの姿に、なぜか脳内の堕神(兼・ソロモン72柱の総帥)の方が先にトキめいてしまい……!?
『な、なな何を不敬なことをしておるかバカ者! 我はお主など……っ、お主のそういう必死な顔が、その、ほんの少し可愛いなどと、断じて思っておらんじゃろーーー!』
さらに夜になると、堕神がルルの体を乗っ取って顔を真っ赤にしながら直接ツンデレをかましてくる始末!
おまけに脳内ではソロモン魔神たちが「主様の恋路を邪魔するな!」とピントのズレた恋愛アドバイスで大騒ぎ!
「俺は国を滅ぼしに来たはずなのに、なんで世界平和のために二股(※中身は一人)のワンオペ恋愛シミュレーションをしてるんだーーー!?」
最強の苦労人王子が、天然ポンコツ姫と、チョロすぎるのじゃ堕神に振り回され続ける、ハラハラ度200%のドタバタ終末ラブコメディ、ここに開幕!
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目次
第零話 冷酷王子と、ポンコツ姫の戴冠
その男は、戦場において『黒髪の死神』と恐れられていた。
バルバトス帝国第一王子、レオン。
漆黒の鎧を身に纏い、一振りの大剣で数多の敵陣を壊滅させてきた、帝国史上最強の武人である。
「レオン殿下! 宿敵たるローゼンタール王国の前線基地を制圧いたしました!」
「ふん……。抵抗する者はすべて捕らえよ。我が軍の進撃を阻むものは、何であれ容赦はせん」
冷徹な声で淡々と命令を下すレオン。
その瞳には一切の容赦がなく、大陸中の誰もが「彼が通った後には草一本残らない」と噂していた。
冷酷無比、鉄の意志を持つ完璧な王子。それがレオンという男のパブリックイメージだった。
だが、そんな彼にも一つだけ、誰にも言えない秘密があった。
「はぁ……。今日も胃が痛い。ハンス、例の薬を」
「はい殿下、いつもの特製胃薬でございます。……しかし殿下、いくら冷酷な侵略者を演じるためとはいえ、毎晩徹夜で完璧な進軍計画を立てるのはお体に障りますよ」
「黙れ。私は不器用なのだ。これくらい綿密に計算して、さらに恐怖で敵を威圧しなければ、無駄な流血が増えるだろう。私はただ、早くこの戦争を終わらせて実家でサボテンの世話がしたいだけなのだ……」
そう、彼は「見た目と才能がシリアスすぎて、中身の生真面目さと優しさが完全に隠れてしまっている超苦労人」だったのだ。
そんなレオン率いる帝国軍が、ついに宿敵の王都へ王手をかけたその日。
ローゼンタール王国の王城では、まさに歴史的な「大事件」が起きていた。
「王が……! 先代の王が、好物のビーフジャーキーを喉に詰まらせて急死なされたーーー!?」
国のトップがまさかのマヌケすぎる理由で崩御。
しかも、帝国軍が目の前まで迫っているという絶体絶命の危機である。
普通なら国中が大パニックになるところだが、王国の重臣たち、特に宰相のオズワルドは違った。
「……フッ。これぞ好機。先代の遺志(?)を継ぎ、直ちにルル様を新たな女王として即位させるのだ!」
「しかし宰相閣下! ルル様はまだお若く、まともな帝王学も、国の歴史も、何一つ教育を施されておりませんぞ!?」
「バカ者が。教育など後からついてくる。見よ、あの神聖にして愛くるしい、我が国の宝を……!」
重臣たちが振り返った先には、王城の中庭でちょうちょを追いかけて転び、泥だらけの顔で「えへへ、つかまえたー!」と笑っている金髪の少女——ルルがいた。
「「「お、お可愛い……っ!!!」」」
王国のトップたちは、全員が重度の親バカ(姫バカ)だった。
こうして、敵国が目の前に迫る中、まともな書類の読み方すら知らないポンコツお姫様が、ノリと勢いだけで女王に即位してしまったのである。
そしてその翌日。
レオンは
「ついに長年の宿敵との最終決戦だ。どれほど壮絶な罠が待ち受けているか分からん、死力を尽くすぞ……!」
と、決死の覚悟で王城の玉座の間へと足を踏み入れた。
——それが、あの「クッキーを食べるポンコツ女王」と、その脳内で顔を真っ赤にする「のじゃ口調の堕神」との、世界の運命を賭けた出会いへと繋がるとも知らずに。
ローゼンタール王国ではビーフジャーキーを喉につまらせて王はタヒんだため、若い(15歳ぐらい)姫があとを継ぎました(これ大事)
次回!カオス度が増します!
以上!
第1話:降伏勧告に行ったら、最高神(中身ツンデレ)が降臨した
✩これまでのあらすじ✩
第一話なのでないです!
✩これまでの登場人物✩
めんどいんで省略します!
「我が名はレオン! 帝国第一王子である! 悪あがきは止め、大人しく我が帝国に降伏せよ!」
バァァァン! と激しい音を立てて、レオンは敵国の玉座の間の扉を蹴破った。
漆黒の鎧に身を包み、鋭い眼光で玉座を見据える。
長年争い続けた宿敵の国。
その王が急死したと聞き、一気に決着をつけるべく単身乗り込んできたのだ。
だが、玉座に腰掛けていたのは、およそ王とはかけ離れた少女だった。
自分の頭より二回りは大きな王冠を斜めに被り、手には食べかけのクッキーを持っている。
彼女こそが、昨日女王に即位したばかりの姫、ルルであった。
「あ、いらっしゃい! クッキー食べる?」
「……は?」
レオンの冷徹な威圧感が、一瞬で霧散した。
何を言っているんだこの女は。
こちらは国を潰しに来た侵略者だぞ。
あまりにも教育を施されていないとは聞いていたが、まさかここまでポンコツとは。
「お前、自分が置かれた状況が分かっているのか!? 私はお前の国を——」
「うにゅ……? なんか、頭が痛いのじゃ……」
ルルが突然、小さな頭を押さえてふらりとよろめいた。
手からクッキーが落ち、床で粉々に砕ける。
「おい、どうした!? 毒でも盛られたか——」
レオンが思わず駆け寄ろうとした、その瞬間。
ルルの全身から、この世のものとは思えないほどの神聖で、かつ禍々しい漆黒のオーラがドッと噴き出した。
王城が、いや、大地そのものがグラグラと激しく揺れ始める。
「な、なんだこのプレッシャーは……っ!?」
「ふぅ……。ようやく表に出られたわい。窮屈な器じゃて」
ルルがゆっくりと顔を上げた。
その瞳は、先ほどまでの眠そうな垂れ目ではない。
黄金色に妖しく輝き、その佇まいは一瞬で「絶対的な強者」のそれへと変貌していた。
ルル(の中の人)は、不敵な笑みを浮かべてレオンを見下ろす。
「我が名はアスモデウス。かつて天界を追われ、ソロモン72柱の魔神を従えし最高神……にして堕神じゃ。帝国の若造よ、よくぞ我が前に現れたな」
「最高神……堕神だと!? お前、あのポンコツ女王の中身はどうした!」
「安心せよ、この器は今、意識の底で盛大に昼寝をしておる。神力が漏れ出ぬよう、たまにこうして我が表に出て調整せねばならんのじゃ。……しかし、お主」
堕神アスモデウスは、じろりとレオンを睨みつけた。
「我が器の国を潰すと言うたな? 愚か者が。今すぐその軍を引き揚げよ。さもなくば、この世界が滅びるぞ」
「脅し文句のスケールが大きすぎるわ! 国の存亡の話をしているんだ!」
「脅しではないわバカ者! 聞け、このポンコツ女王ルルは、生まれつき我が強大すぎる神力を封じ込める『呪いの器』。もし彼女が強い精神的ショックを受けるか、自分が呪われている事実を知って絶望した瞬間——封印が解け、我の神力が暴走して世界は一瞬で吹き飛ぶ。すなわち、
世界滅亡じゃ!」
「……は?」
レオンは耳を疑った。世界滅亡のトリガーが、あのクッキーを食べていたポンコツ女王のメンタルだって!?
「じゃ、じゃあ、お前を今ここで俺が斬れば……」
「無駄じゃ。我を斬れば器も死ぬ。器が死ねば封印が解ける。つまり世界滅亡じゃな」
「詰んでるじゃないか! どうすればいいんだ!」
頭を抱えるレオンに、堕神は「フッ」と不敵に鼻で笑った。
「解決策は一つ。このルルの心を常に幸福で満たし、精神を絶対安定に保つことじゃ。具体的には……お主がこの娘の恋人となり、全力で【恋愛】をして甘やかし続けよ!」
「はあああああ!? 敵国の女王と恋に落ちろだと!? 俺は恋愛経験ゼロだぞ!」
「我とて知らんわ! ソロモンの魔神どもに知恵を借りるなりして、死ぬ気でこの娘を口説き落とせ!」
あまりの理不尽な命令に、レオンは一歩、堕神に詰め寄った。
その拍子に、レオンの大きな手が、無意識にルル(中身:堕神)の肩をガシッと掴んでしまう。
「ふざけるな! そんなワンオペ恋愛シミュレーションで世界が救えるか! 大体、お前は神なんだろ、なんとかしろ!」
「なっ……!?」
至近距離でレオンに凄まれ、手を掴まれた瞬間。
さっきまで威風堂々としていた堕神の顔が、一瞬でリンゴのように真っ赤に染まった。
「お、お主……何を、不敬なことをしておるかバカ者! 我の体に気安く触るな!」
「あ、すまん……いや、お前の体じゃなくてルルの体だろ」
「お、同じじゃわい! 我はお主など……っ、お主のそういう無駄に熱い目で見つめられるのなど、これっぽっちも、断じて、1ミリも良いなどと思っておらんのじゃからなーーー!」
「誰もそんなこと言ってないだろ! なんでお前が照れてるんだよ!」
激しく動揺した堕神の背後で、再び城がギギギと不穏な音を立てて揺れ始める。
『お、おいレオン王子! 主様(のじゃ様)をそれ以上ドキドキさせるな! 世界がヤバい!』
『女心を分からぬ愚か者め、ここは壁ドンだ! 壁ドンをするのだ!』
「うわあああ!? なんか俺の脳内に直接、物騒な悪魔どもの声まで聞こえてきたぞ!?」
「もう限界じゃ、我が神力が漏れる……! あとは頼んだぞ、レオン……っ!」
ガクッ、とルルの身体から力が抜けた。
レオンが慌ててその身体を抱きとめると、オーラは消え、世界全体の揺れもピタリと収まる。
「うにゅ……? あれ、レオン? 抱っこしてくれてるの? えへへ、あったかーい」
数秒前までの威圧感はどこへやら。
ルルの瞳はいつものぽやぽやした垂れ目に戻っており、レオンの胸に無邪気に顔をうずめてきた。
「……まじかよ」
腕の中の純粋無垢なポンコツ女王。
そして、脳内で『ふ、ふん、勘違いするなよ……』とまだ顔を真っ赤にしてブツブツ言っているツンデレ堕神の声。
こうして、冷酷王子レオンの、世界を救うための命懸けの「ワンオペ二股(※中身は一人)接待ラブコメ」が、最悪の形で幕を開けたのだった。
カオスすぎて草生えそう(?)
あ、まえがきが雑なのはお気になさらず⋯⋯。
てか本垢より最近活動活発になってて気まずいなぁ⋯⋯。
本垢より投稿数は少ないけど⋯⋯
うん
では!